2年振りの訪問 : 岡山の旬と酒の店 わすけ

岡山に来ると一度は訪問する「わすけ」さん。
昨年はパンデミックの影響で一度も訪問出来ず仕舞いだったが、今年は暮れも押し詰まった12月30日、最後の営業日に訪問出来た。
相変わらず店主・女将さんと思しき方、若い給仕の方に至るまで感じが良い。

晦日の夜で各地寒波被害が出ており、旬の食材を集めるのも難しいところだったと想像するが、以下の美味しい料理を岡山地酒と共に頂いた。

1. イイダコの煮つけ
好物のイイダコが良い塩梅に煮つけられており、頭の部分はイカ飯の様に仕上げられている！
期待に違わぬスターターとなった。
また、付け合わせの茄子の煮物が濃厚でクリーミー、旨味が凄かった。ここは魚だけでなく、野菜の扱いも抜群。
2. 真鱈の白子の照り焼き
甘辛いタレにトロトロの白子...通り一遍の感想になるが、やはり美味しい。
3. フグのぶつ切り唐揚
これも大好物。軽く塩かけて、骨ごとかぶり付く。手堅い美味いしさ。
普通の塩に加え、カレー風味の塩を味変のために並べている。
フグにカレーとはまるでインド人の様だが、これが結構イケる。

最初は瓶ビールの後、児島の「多賀治」、赤磐の「桃の里」それぞれ冷や一合を料理と共に頂く。
いずれも爽やかながら風味豊か。日本酒の産地としてはあまり認識されていない岡山だが、美味しい酒は探せば有るんだな。

次はやや悩んで：
4. ハリイカの沖漬け
日本酒に合う爽やかな沖漬け。
5. 自家製トリ皮ハム
ありそうでない食べ物。燻製の風味が良い塩梅に利いて、これがまた美味い。480円はお値打ち。
何処か地元の店でやってくれないかな。
6. トロ〆サバ(炙り)
酢は控えめ、シンプルに刺身に近いテイストの鯖。
勿論美味い。
7. おでんのこんにゃく
簡素に、西日本のあっさりしたおでん汁に美作産のこんにゃくが入っているだけなのだが、この日食べた数々の美食の中でも、じつはこのシンプル極まりない逸品が一番だったかも。今後冬にこの店に来たらおでんも外せないな。

続く酒は倉敷の「備前伊七」と赤磐の「櫻室町」...前者は色が濃く、実に純米酒。後者はやや薬膳の風味を感じる個性的なお酒。

〆の料理は：
8. 厚切り牛タンの唐揚げ
そのまんま、厚切りの牛タンを唐揚にしている。で、これが美味いかと言うと、やはり美味い。
凄く牛タンの風味がして、食べ応えが有る。魚、野菜に加え、肉の扱いも上手な店。
9. 桃太郎トマトの唐揚げ
流石にこれは食べたことが無く好奇心で頼んでみたのだが、酸味、ふんわりした歯応えがあって想像以上に美味しかった。
立派な酒の肴。

ということで、2年振りにわすけさんの美酒肴を堪能出来て、良い年越しになった。
本当はもう一件、「山下商店」という豚骨らーめんの店をチェックしていたのだが、今回はもうお腹一杯、次回に持ち越しとなった。

御馳走様でした、今回も満足です。
また岡山に来たら伺います。
いつも訪問するのが年の瀬なので、たまには旬の食材が異なる違う季節にも来てみたいな。

暮れも押し詰まった12月30日、お気に入りのこのお店に訪問することが出来た。
店主さんも給仕の若い女性も1年前に訪問した私達を覚えていて下さり、驚いた。

今回も御前酒、児島の十八盛など岡山の地酒と共に、下記の季節料理を楽しんだ。

・ゆでシャコの酢味噌
シャコも下津井等で取れる岡山の海産物の一つ。勿論悪い訳がない。
・鰆の塩たたき
昨年も頂いた瀬戸内の名物。ごつい身に絶妙な脂の乗り、振りかけられた塩と一寸の山葵で充分魚の旨味が味わえる。
・ふぐの白子醤油焼き
トラフグより庶民的なイメージのあるマフグだが、良い料理人の手にかかると負けない味になる。
もちろんこの一品もそう。
・オコゼの煮つけ
見かけは醜いが、魚好きな人は誰もが知っている美味な魚。
唐揚げも有名だが、ここの煮つけも秀逸。骨に付いている身も残さない様、丁寧に頂いた。
・オリーブはまちのお造り
身全体に細かい脂が乗っているのに、全く臭みがない。
鰤が名産の富山で何度か非常に美味しいものを頂いたが、ここの鰤やハマチはそのいずれにも勝るとも劣らない。
・和牛霜降り肉の炙り
美味しいタレが付いてくるが、この様な肉自体も炙り方も秀逸なものは、逆に軽い塩と一寸した山葵だけで充分...と言うか、その方が肉の美味さがより分かる。タレは付いてくる野菜や海藻に使わせて頂いた。

...その他2品ばかり頂き、価格など気にせず、食べたいものを食べたいだけ注文して2人で1万を切る。
素材、アイデア、接客、CP... 何一つ文句ない。

日本酒や焼酎を飲みながら一品一品の料理に静かに向かい合うのに充分値する店だが、ハイボール等を飲みながら大いに盛り上がっているお客さん達も結構いる。人それぞれの楽しみ方が有る。
岡山では所謂海鮮居酒屋のレベルが高いから、みんな美味しい肴に慣れっこになっているのかな。

来年も年越し前にまたここにきて平和な時間を過ごせれば良いな。
ちなみに数年前、夏に来た時は、海の魚に拘らず、個人的に大好きな鮎やアマゴ等の清流魚を出してくれていて、そういうのがまた良いんだよな。
御馳走様でした。

親族がいる関係で年に2回ほど訪れる岡山で、時間が合えば必ず訪れる和食居酒屋。
地元の食材を中心に、季節毎に良く考えられ、見事に調理された、正に「和」な料理を地元のお酒と共に味わえる。
今回は暮れも押し迫った12月29日、夜8時半頃お邪魔した。
岡山の「御前酒」と一緒に頂いたぶりのお造りはきめ細かい脂が乗り、生臭さなどみじんも無い、首都圏の居酒屋でこの値段では滅多に味わえない逸品。「そうだ、鰤ってこんなに美味い魚だったんだ」と思わされた。その他白子の炙り、赤めばるの唐揚げ、そずり肉の塩ポン酢等々、全部絶品な上、2人で1万を切る価格設定...思わず首都圏の飲み屋の価格設定がおかしいのではないかと思わされるほど。
この店が岡山でも傑出して凄いのか、それとも岡山エリアは居酒屋のレベル自体が非常に高いのか、不案内な私には分からず、店主と思しき方に聞いてみたところ、この辺りの店はおしなべてレベルが高く、手強いです、と謙遜されていた。

思わず次の夜も行ってしまい、首都圏に帰る夜汽車を待つ間、鰆塩たたき、たらこの燻製等を頂いた。勿論期待通り。

この店は、本当に酒と和食の味が分かる大人にこそ楽しんでほしい。
とはいえ、経営の関係上普通の居酒屋みたいなメニューばかり頼んで騒ぐ若者も迎えねばならないのも分かる。
兎に角、全国区でも大のお気に入りの高レベル和食居酒屋。次に岡山に来たら必ず再訪したい。
また季節の食材で楽しませて下さい。