温泉宿でフレンチ＆ワイン！！ : 酒の宿 玉城屋

　なお，昼（朝食メイン）の評価は以下のとおりです．
【昼】
総合　　　　　４.５
料理・味　　　４.３
サービス　　　４.０
雰囲気　　　　４.５
ＣＰ　　　　　３.７
酒・ドリンク　ー


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　会津・越後鉄道撮影旅行に行った際，２泊目はこちらに宿泊しました．
　本格フレンチが食べられる温泉宿ということで，以前から気になっていた宿です．

　約３週間前に，旅行会社のサイトを通して，「【ワイン×フレンチ】ソムリエお任せのワインペアリングプラン；和室８畳；１泊２食付；１室２名利用；ひとり３２,４００円（税込・サービス料込・入湯税１５０円別）」を予約しました．

　チェックインしたのは日曜日の１７時５分頃で，チェックアウトしたのは日曜日の９時５分頃です．


　宿は，松之山温泉街の中ほどにあります．『ひなの宿 ちとせ』の向かいです．

　松之山温泉に関しては，温泉街から離れた場所にある『凌雲閣』に２度ほど宿泊したことがありますが，温泉街に立地する宿に泊まるのは初めてです．
　温泉街は，鄙びた感じで，車通りも少なく，なかなか良い雰囲気でした．朝食前の散歩が気持ち良かったです．

　４階建てのビルで，和風のスッキリした外観です．川沿いに建っているので，玄関は２階です．
　建物の前に，８〜９台分の駐車スペースがありました．

　館内は，新しい感じで，スッキリしています．
　客室１２室くらいの比較的小規模な宿なので，館内どこに移動するにも近くて便利でした．

　スタッフは，皆さん気さく，かつ丁寧でした．
　特に，チェックイン時・夕食時に対応していただいた若い女性スタッフが朗らかな方で，非常に好印象でした．

　当日は，日曜日のせいか，宿泊客は自分たちだけでした．
　夕食時に中年カップルを見かけましたが，食事のみの利用だったのかな？


【客室】
　３階川側の８畳間に通されました．玄関・洗面台・シャワートイレ・テレビ・空の冷蔵庫（おしぼりと茶菓子が入っていました）付きです．
　こぢんまりとしていますが，２人での利用には十分でした．窓からは木々の緑と川が眺められます．
　落ち着いた雰囲気で，ノンビリできました．


【風呂】
　１階に男女別の大浴場があります．いずれも露天風呂付きです．入浴時間は，１５時〜２３時および６時〜１０時でした．
　内風呂は，いちどに５〜６人が入浴できる大きさです．窓が大きく，明るい雰囲気でした．露天風呂は屋根付きで，３〜４人が入浴できる大きさです．湯船の中央に大きな柱が立っており，ちょっと窮屈に感じました（男湯だけかもしれません）．
　温泉は，源泉かけ流しです．塩辛く，松之山温泉特有のアブラ臭がありました．いかにも効きそうな感じです．やや熱目で，良くあたたまりました．しばらく汗が引きませんでしたね．

　なお，大浴場前の休憩スペースには冷蔵ショーケースが設置されており，清水・ルイボスティー・訳ありの日本酒（ときどき入るそうです）を自由にいただくことができます．
　嬉しいサービスでした．


【夕食】
　会場は，２階のダイニングルームです．
　スタイリッシュかつ落ち着いた雰囲気で，非常にイカしてました．窓が大きく，開放感もあります．２〜４人がけのテーブル席が７〜８卓並んでいますが，席間には余裕がありました．

　自分たちの食事時間は，１８時〜２０時１５分頃です．
　なお，席に置かれた献立表には食材のみが記されており，『次はどんな料理なんだろう』とワクワク感が高まりました．

　料理は，９品がタイミング良く運ばれてきます．それら以外に，温泉水を使った米粉パンが供されました（あたたかく，フンワリ・モッチリしています．おかわりできました）．
　飲み物は，「【ワイン×フレンチ】ソムリエお任せのワインペアリングプラン」ということで，９品の料理のうちスープとデザート類を除く６品に異なるワイン（グラス）がペアリングされます．ワインは，ソムリエの若旦那セレクトで，いろいろ説明していただきました．

　料理は，いずれもかなり旨かったです．地の食材・旬の食材がふんだんに使われており，また，スタイリッシュで美しい盛り付けでした．
　それぞれの料理の感想を以下に記します．料理名はテキトーですが，悪しからず．また，ワインには明るくないので，詳しいコメントは控えます（苦笑）．もちろん，いずれも旨かったです．

　アミューズ：妻有ポークのリエットをサンドした八色椎茸のクッキーと，美雪鱒のスモークが切り株にのって供されました．合わせるのはシャンパンです．
　クッキーはキノコ型で，サクッとした食感，シイタケの風味が広がります．口の中でとろけるリエットと好相性でした．
　美雪マスはしっとり柔らかく，フレッシュなスモーク香が感じられます．非常に自分好みでした．

　新玉葱の冷製スープ：小グラスで供されました．
　サラリとしており，タマネギのフレッシュな風味と，火を通した甘味が同時に感じられます．初めての味わいでした．みじん切りのタマネギのピクルスが入っており，良いアクセントになっています．

　馬面剥の肝ソース：今回のイチオシ①です．厚切りのウマヅラハギの刺身を肝入りのソースで和えたもので，薄切りのコールラビ・ワラビ・董立ち菜が添えられていました．合わせるのは白ワインです．
　シコッ・ムチッとした刺身に，コクのあるソース・・・バツグンでしたね．和食にも似た料理がありますが，ソースのオイルのため，こちらの方がコッテリしています（シツコクはありません）．野菜・山菜の食感も良かった．

　アスパラガスのソテー オランデーズソース：ソース敷きの太いアスパラガスに，自家製ベーコンとタンの煮込みがトッピングされています．合わせるのは，意外にも赤ワインでした．
　アスパラガスは，ザクリと心地良い食感です．甘みも十分で，マイルドな酸味のソースと好相性でした．ベーコンの燻製香もイカしてましたね．

　西バイ貝のソテー：今回のイチオシ②です．大きくカットされたバイ貝に，フキノトウの入ったケークサレ・八色椎茸・ソラマメ・アスパラガスが添えられています．クリーミーなソースが敷かれていました．合わせるのは白ワインです．
　バイ貝の食感が良いですねぇ・・・コリッ・ムチッとしています．そして，フキノトウ風味のケークサレ・・・口の中に春が充満しました．

　真鯛のポワレ：マダイにモミジガサ（山菜）入りのソースがかかり，新タケノコ・フキ・アケビの新芽（？）が添えられています．合わせるのは白ワインです．
　マダイは上々の火の通し具合で，皮はパリッと，身はフックラしています．モミジガサとは珍しい．しかもフレンチとは！　爽やかな風味で，クセは控え目でした．

　肉料理のデフォルトは「妻有ポークのグリル」ですが，２,１６０円プラスで「あがの姫牛のグリル」に変更することができます．自分たちは，ひとり分を「あがの姫牛のグリル」に変更してもらい，シェアしました．
　いずれの料理にも，ズッキーニ・ブロッコリー・スナップエンドウのグリルと，ヤマブドウ新芽のフリットが添えられています．
　なお，「妻有ポークのグリル」と「あがの姫牛のグリル」には，別の銘柄の赤ワインが供されました．
　妻有ポークのグリル：ザックリ・ムッチリ食感です．脂が少なくタンパクですが，旨みがありました．スタッフに勧められて，乾燥したホーリーバジルの花蕾をまぶしてみましたが，甘い香りが楽しかったです．
　あがの姫牛のグリル：柔らかく，モッチリした食感です．比較的アッサリしていますが，牛肉らしい風味と旨味は濃厚でした．

　プレデザート：サルナシのジュレにエスプーマの泡をトッピングしたものです．細長い小グラスで供されました．
　サルナシは，キウイフルーツの近縁種です．日本に自生しており，小さな果実を付けます．甘酸っぱく，爽やかな風味があり，口の中がスッキリしました．

　デザート：ヨモギ入りのパンナコッタに，越後姫（イチゴ）の 果実とソルベ，チョコレートのチュイール（？）がトッピングされています．
　これもバツグンに旨かったです．温かくてパリパリのキャラメルと，冷たいソルベの組み合わせがタマリマセンでした．ヨモギの風味も良かった．

　夕食時は夢心地でしたね．

　
【朝食】
　夕食時と同様，会場は２階のダイニングルームでした．大きな窓に広がる朝の緑が清々しかったです．
　自分たちの食事時間は，７時４５分〜８時１５分頃です．

　この朝食がまたスゴかった！　盛りだくさんで，カラフルな美しい盛り付けです．女子が喜びそう．
　平皿に盛られた山菜類，小グラスで供されるジュース類，具沢山の「けんちん汁」，旨味が濃厚な「美雪マスの味噌漬け焼き」，ミョウガタケの風味とウルイの食感が初夏らしい味噌汁（おかわりしました）が特に印象に残りました．
　もちろん，塩沢産コシヒカリも旨かったです．


　温泉宿でフレンチ＆ワイン，非常に気に入りました．
　フレンチと日本酒のペアリングプランもあるので，次回はそれを試してみようかな．