行列を覚悟しても食べたい時があるのだ : にぼし中華 廣はし

2024年4月
「濃厚煮干しそば　960円」
　濃厚煮干しそばは、乳化豚骨スープにイワシ煮干をガッツリきかせてドロドロに仕上げた濃厚スープ。これを食べたいと思うときは、行列に並んででも食べたい、と思うのだ。それくらいヒキがが強いのだ。故に今日はここに並んでいる。平日11:30店外6人待ち。
　並んでいるうちにグループ人数を確認し、オーダーを取っていく。さすがに長く続く人気店、手慣れたオペレーションだ。オーダーは、圧倒的に濃厚煮干しである。皆、行列やむなし、の覚悟で食べに来ているのだ。2年前くらいに一度人気が落ち着いたのだが、ここのところまた客が押し寄せている。いくつかの雑誌やネットのラーメン人気投票で上位ランクになったせいかもしれない。
　15分ほど待ってカウンター席についたが、まもなくラーメンが運ばれてきた。事前オーダーのおかげで時間の無駄がない。最近はやりのタイパ抜群である。
　ああ、旨い。この店はオープン時から味が完成していたし、今でもずっと旨い。16番太麺とドロッと濃度の高いスープの相性は完璧。チャーシュウも、肉の繊維がほどけていくタイプの煮豚で、角煮に近い味わい。極太メンマがまたこの一杯にはちょうどいい箸休め。

2022年10月
「中華そば790円」
　たまに食べるなら濃厚煮干しなのだが、中華そばやあっさりそばも食べてみたいんだよね。あっさりそばでもちゃんと煮干しラーメンとして成立してるしね。ということで、2年ぶりではあるが、せっかくあるメニューをまんべんなく食べないとなあ、と中華そばをオーダー。このメニューは二回目だ。
　一口目、煮干しパンチにKO寸前。煮干の旨みだけが引き出されたスープ。ほのかに甘味さえ感じる。セメント系じゃなくても、煮干しラーメンの旨さをここまで表現できるのか。いやスゴイな。旨いにもほどがあるぜ。
　麺は18番中太麺。茹でる前に手もみをしている。むっちりとかみごたえがあり、推定加水率は平均的な35%か。
　平日の13:30過ぎの遅い時間に来たのだが、この時刻にもぽつぽつと客が来る。そして中華そばやあっさりそばをオーダーする率が高い。ははあ、行列しているような時間帯だと濃厚煮干しのオーダーがほとんどなのだが、この時間帯に来るのは、並ぶのが嫌いなヘビーリピーターだな。

2020年6月
「濃厚煮干中華　税込850円」
　平日の13:00過ぎ満席、5分待ち。長岡市ではセメント系ニボラーの代表格。新型コロナ対策として、カウンターには席ごとに透明間仕切りを設置。おしぼりも個包装で安全度高し。
　看板メニューの濃厚煮干そばをオーダー。麺は平打ち16番ながら厚さが１８番タイプで薄いので、いわゆる中太麺。
スープは見事なセメント系・豚骨白湯と煮干しドロドロスープが合体！煮干しの砕片もあえて濾過せずザラザラしたのど越し。ワイルドな旨みが増幅されている。時々シャリッと歯にあたる玉ねぎみじん切りが涼やか。
　チャーシューは熟成タイプなのか、肉の繊維が縦にほどけてくる。このチャーシューにも人気が集まっているようだ。チャーシュー増しの人も多いし、切れ端を求める客もいる。

2019年11月
「秋鮭のワンタンそば 税込900円」
　この人気店には一年に一回のペースで来ている。今年もそろそろ恋しくなって来てみたら、期間・数量限定ラーメンが出ていた。まだあります？じゃ、それで。
　麺は18番中麺、推定加水率35%、こちらの店のレギュラー麺。
　タレは軽めの醤油味。スープはすっきり「中華そば」用煮干しスープと、鮭の頭や中骨で取ったスープを合わせた感じ。生鮭のダシって、割と生臭さが出やすいので、それを抑えるために少し控えめにしたのか。魚臭さはない代わり、鮭の風味の主張は弱くなっている。
　新潟県人は雑煮のダシを塩鮭のガラで取ったりするので、割と親しみのある味だと思う。その分、新しさや驚きは小さいかも。ワンタンの中身は鮭の身のミンチ。サケの切り身をドーンと載せた方がアピールしたんじゃないかなあ。
　とはいえ、地元食文化に根差したラーメンを作ろうという意欲的な姿勢に拍手！

2018年8月
　限定30食の「塩煮干しラーメン」800円を求めて人気店へ。11時15分あたりだが、やはり店内3人待ち(> <)。仕方ありません、待ちましょう。ほどなくカウンターへ着座。足がつかないスツールの居心地が悪いが、仕方ありません、我慢しましょう。すべては旨いラーメンのためです。ちなみに、斜めった駐車場も非常に停めにくいですが、これまた我慢です。
　塩煮干しラーメンは、白湯タイプ。煮干しの風味は醤油味ほど引き立たない感じ。でも、旨い。豚骨、煮干し、昆布といった素材の力を引き出して仕上げた天然の旨さ。
　熱でトロトロになるチャーシューもよい。麺は20番細麺。推定加水率は35%のやや多加水タイプ。丁寧な手もみがかかっている。
　ただし、なにか一工夫ほしいところ。水菜のトッピングだったが、三つ葉かパクチーの方が面白いと思うがなあ。醤油の香ばしさがない分、何か香りが欲しい。

2017年5月　中華そば 740円
　人気店廣はしへの二回目入店。店主英断により、開店時間を早めて客の分散化を図った。おかげで少し行きやすくなり、ようやくの二回目。まだ「濃厚煮干しそば」しか食べてないので、今日は「中華そば」740円にする。知り合いが、「濃厚…」以外は大したことない、という趣旨の発言をしていたのでちと不安。
　来ました、「中華そば」。スープの見た目は、「あっさり」と「濃厚」の中間程度の濁り具合。麺は18番中麺。縮れが弱いためすっきり細目に感じられる。加水率はやや高め。
　う、旨い！煮干しの旨みと甘みが醤油の味を押しのけてグイと前に来る。こんな旨いラーメンを「大したことない」とかいう知り合い、お前の方こそ大したことないじゃん！生キクラゲのコリコリした食感が面白い。バラ肉チャーシューも熱でトロトロ、バッチリ旨いし適量。しつこくないがもの足りなくもない。
　面白いのは、麺とスープの相性。スープ自体は煮干しを軸にバランスの取れた味なのだが、麺をすすると、麺に甘さばかりがまとわりつくのだ。だから麺そのものは甘くないのに、まろやかな甘さが印象に残る。ラーメン好き、必食なり～。

2016年10月　「濃厚にぼしそば」 \780
　移転した「円満」の跡地に新店が開業。まだ花輪の飾ってあるうちに、さっそく行ってみた。どうも、いくつかのラーメン店で働いていた人のようだ。ここは「喰拳」「円満」と順調に人気を得て次々に移転していった縁起の良い店舗だ。
　花輪につられて大勢の客が来ている。看板以外はほぼそのままの居抜き開業だな。えーっと、今6人待ち。待っている間にオーダーを「濃厚煮干しそば」と決めておく。このほかに「中華そば」「あっさりそば」「チャーシュー麺」などのラインナップ。
　やがて順番が来て、カウンター席で「濃厚煮干しそば」とご対面。麺は18番中麺だが、ほんの少し平打ち気味か。加水率は平均的。茹であがっても半透明にはならないタイプ。
　スープは濃厚だね。乳化豚骨スープに煮干しの風味がグワンときいて、さらに煮干し粉末が投入されているようだ。看板に偽りなし。濃厚で煮干しがきいた、宣言通りのラーメンだ。これは、旨い。それに若めの人にウケるだろう。チャーシューはトロトロで旨いし、キクラゲ細切りのトッピングも、豚骨系では当たり前だがニボラーには珍しい取り合わせだ。
　緑の葉は、エゴマのような気がしたが、ただの大葉かもしれない。しかしそういう小技も持っているんだな。あとはメンマと刻み玉ねぎ。大いに期待できる新店だ。