今年も行ってきました : 二幸園

4年前に初めて訪問して今年で4年連続の訪問です。

今年は長野県の松茸が不作と聞いて心配していましたが訪問した10月下旬にはようやく出始めだ時で売店のお爺さんには「ちょうど良い時に来たね」と言ってくださいました。

初回は一番高いコースを頼みましたが天ぷらの衣が好みではなかったため次の年からは一番安いコースに単品で銀蒸し、姿焼き、お土産用松茸ご飯を追加して予約しています。

まずは先付けとして松茸煮浸し、筍土佐煮、フキの胡麻味噌仕立てが提供され、土瓶蒸し、茶碗蒸し、銀蒸しといった蒸し物、その間に鍋に火を入れて温め始めます。鍋をつつき始めたところで七輪が運ばれてメインの姿焼きの準備が整います。

正直言って姿焼き以外のメニューは現地に行かなくても味わえるしもっと美味しく提供するお店もあります。ただ姿焼きだけは現地でないと味わえないと毎年思います。

昨年地元の鉄板焼きのお店のご主人が新幹線で飯田まで仕入れに行った松茸を仕入れた翌日に焼きでいただきましたがそれでもこのお店の姿焼きの足元にも及びませんでした。

それくらい新鮮で香り高く何より噛むと松茸のジュースがこれでもかと口の中を満たしてこの上ない幸せな気持ちにさせてくれます。この姿焼きだけを食べに毎年来てると言っても過言ではありません。

松茸そのもののポテンシャルは間違いないのはわかったので、来年は同じ長野でも別の松茸小屋にチャレンジしてみるのもアリかなと思っています。

昨年期待せずに伺ったこちらの二幸園さん。良い意味で期待を裏切られたので今年もやって来ました。

昨年は一番高いコースを頼んで天ぷらが口に合わなかったので今年は一番安いコースに姿焼と銀蒸しを単品でオーダーしました。味や香りは昨年同様抜群で満足できました。

ただ制限時間が90分ということもありコース料理はどんどん運ばれてきて、食べ終わった器はどんどん下げられて行きます。満席なので店員さんは給仕に忙しく料理の説明は殆どされません。昨年も来ているので我々は問題ないが、初めて来るお客さんにはちょっと不親切に感じるかもしれません。松茸ご飯はお代わり自由ですが今年はその説明もありませんでした。

昨年は席数も今年より少なかったような気がしますので、店員さんにも余裕があったのか今年よりも丁寧な接客だったように思います。

この時期しか味わえないので来年もまた来ます。

香り松茸味しめじなんて言いまして、松茸は香りは良いけど味は他のキノコに負けますよなんて意味にとらえていました。実際にこれまでも都内の日本料理屋などでも幾度となく松茸は頂いてきましたが、その言葉を疑ったことはありませんでした。

今回ツレから秋の味覚を堪能したい、松茸が食いたいと言われた時に松茸も食える宿でもとって済まそうかとも考えましたが、どうしても日帰りでないと予定が合わず泊まりは断念。するとツレがよく夕方のニュース番組の中で特集されている松茸小屋に行きたいと言い出しました。そこで上田市内に何軒かある松茸小屋の中からネット予約ができるこちらのニ幸園さんを選び訪問することにしました。

当日は私が車でツレは仕事を終えてから新幹線で上田に向かい駅で合流しました。ツレは松茸づくしに備え昼飯抜きで参戦ですが、私は昼にガッツリうな重を食べてしまっています。釣り合わないテンションのまま上田城址公園を散歩して時間を潰し予約した17時にお店に到着します。ナビでは登録がありませんが小屋方面に向かうと道路のあちこちに案内看板がありますので迷わず到着しました。

山の麓の街灯も少ない所ですが広々とした駐車場もあり、建物も小屋とは呼べない立派なものです。松茸小屋の多くはシーズンだけの営業ですがこちらはシーズンオフも季節料理をだすお店として営業されるので他の小屋とは違うのかもしれません。

店内も広く畳敷きにテーブルと椅子が並んでおり、他のテーブルとの間にはビニールカーテンや葭簀で仕切られており感染対策も抜かりないようです。ただ和室に合わせたのかテーブル椅子は低いタイプでツレも私も180cmを超える背丈なので、このタイプの椅子は窮屈に感じて苦手です。

前置きが長くなりましたがこの日は1.5万円のフルコースを頼んでいました。なべ、土瓶蒸し、茶碗蒸し、天ぷら、焼き、銀蒸し、松茸ごはん、松茸汁の全てが食べられます。その他に信州牛と松茸の陶板焼きやワラビやキノコの小鉢がいくつか付いてきます。香り松茸はお店に入った時からビンビン感じてましたが、目の前に運ばれてくるとさらにいい香りが襲ってきます。なべ、土瓶蒸し、茶碗蒸しどれを食べてもいい香りですが、やはり味は他の食材が勝っていて松茸そのものの味は隠れています。松茸単独の料理の一つ天ぷらが運ばれてきましたが、こちらの天ぷらは衣が重めでしっかりしているので松茸そのものの味は余り感じられませんでした。やっぱり味しめじなんだな…と思っているところに焼き松茸が運ばれてきました。七輪と共に運ばれてきた松茸は立派なサイズです。手で割いてから炭火で焼いていきます。汗をかいたら食べごろとのことでした。いい香りが立ち上って松茸が汗をかいてきだ頃合いで火から下ろしすだちをひと搾りして口に入れました。口に入れた瞬間は香り松茸でしたが、シャコリという食感を感じながら噛んだ瞬間に衝撃が走ります。松茸のジュースが口内に溢れて、派手さはないがしっかりとした旨味が爆発しました。誤魔化しの効かない焼き松茸で松茸のイメージが変わりました。味も最高じゃないかと。焼き松茸を堪能していると銀蒸しが運ばれてきます。こちらは他のキノコ類と一緒に蒸されていました。

最後に松茸ごはんと松茸汁です。こちらの二品はおかわり自由です。どちらも香り豊かで美味しかったですが、胃にうなぎがいた私はおかわり断念、ツレはしっかりおかわりしてました。私の松茸感を変えてくれる経験でした。少し残念だったのは天ぷらとコース料理が出てくるスピードが早いことくらいでした。毎年恒例のイベントにすることを決めて、予約時に頼んでいた松茸ごはん弁当を手に家路につきました。