【かなり長文かも】食事も飲み物もロケーションも雰囲気も接客も何もかも素晴らしかった。 : ブレストンコート ユカワタン

2022年11月某日
お友達とディナーで伺う。

休日を利用して軽井沢へ。
日中は白糸の滝やアウトレット等を見て周り、ディナーは｢ブレストンコート ユカワタン｣様を予約済み。

メニューはお任せコースのみ。

ブレストンコート様(ホテル)の敷地内に入った瞬間から言葉で言い表せられない空間。
色とりどりの紅葉がライトアップされて更に美しい。
何も始まっていないのに、ここは間違いないと確信した。

そしてユカワタン様の敷地内に入ってから更に圧倒される。
店舗まで続く小道の途中に開けたところがあり、数卓のテーブルが灯りに照らされている。
なんと前菜の前のアミューズは、ここでいただいてもらうとの事。
ひんやりひっそりした空間で聞こえるのは焚き火の音のみ。
森林のマイナスイオンと焚き火の"1/fゆらぎ"、ふたつの癒しが心身に深く沁みわたる。

ここで飲み物を注文する事になる。
単品もあったけどペアリング１択。
これだけ素敵過ぎる空間を前にしたら、どのような飲み物を料理に合わせてくるのか興味が湧いてきた。
お友達はワインのペアリング、僕は運転があるからノンアルコール(以下NAと表記)カクテルのペアリングで。
ちなみにNAカクテルは全てオリジナルで、固有の名称はない。

まずはアミューズ。
六角形で三段の重箱が運ばれてきた。

凡例:◯…料理、●…飲み物
【アミューズ】
◯栗とセロリのポタージュ
◯コロッケ(使用食材失念)
◯山女魚、揚げパン
◯生ハム、黒トリュフ
◯トマトゼリー寄せ、チーズサブレ
●シャンパーニュ(ペアリング)
・銘柄不明(聞いてなかった)
●NAカクテル(ペアリング)
・巨峰果汁と煮詰めてアルコールを飛ばした赤ワインを炭酸水割り
↓
敷地に入った瞬間から驚きと感動しぱなしで、料理の説明があまり頭に入ってこなかったw
アミューズはそれぞれ食材の個性が感じられ、これからの食事に期待が高まる。

ペアリングのNAカクテルは、生と醸成したブドウの良いとこ取りな美味しさ。

簡易炬燵や毛布があるとは言え寒かったけれど、それ以上に楽しかった。

前菜以降は館内に移動してから。
ひと言で言えばとても上質な空間。

【前菜１】
◯鯉のコントラスト エルダーフラワーのベール
●白ワイン(ペアリング)
・サンジョセフ2015年(仏ドメーヌ·ベルナール·グリパ)
●NAカクテル(ペアリング)
・発酵前の白ワイン、レモン果汁、カモミール茶を塩とエルダーフラワーのシロップで
↓
鯉のお刺身をフレンチの手法で仕上げたひと品。
エルダーフラワーのゼリーと共にいただく。
手前は10日間熟成、奥は〆たてでこれ以上ない新鮮さ。熟成物は鯉の旨味が引き出され、〆たては鯉特有の泥みたいなクセを感じず新鮮な瑞々しさを味わえた。

NAカクテルは、白身魚や生魚の料理に使いそうな物を使用しているので相性抜群。こちらにもエルダーフラワーを使って更に一体感が高まる。

【前菜２】
◯猪のクーシュ
●赤ワイン(ペアリング)
・ブラウフレンキッシュ ブルゲンランド2020年(墺モリッツ)
●NAカクテル(ペアリング)
・煮詰めてアルコールを飛ばした赤ワイン、山葡萄、洋梨、柘榴
↓
クーシュとは"層"という意味らしい。
上から順にカカオチュイル、ブラッドソーセージ、洋梨コンポート、フォアグラ、黒トリュフ、そして猪のパテを立体的に盛りつけてある。
食べ方は全部崩してかき混ぜるとの事。
色んな味と香りと舌触りが複雑に絡み合って大変美味しかった。

NAカクテルは特に山葡萄が猪と合うのか、野趣に富んだ味わいだった。

【前菜３】
◯茸のタルト
●シャンパーニュ(ペアリング)
・カステルノー·ブリュット2006年(仏カステルノー)
●NAカクテル(ペアリング)
・３時間煮込んだ林檎果汁、ルイボス茶、トマトジュース、？(食材失念)
↓
まずはワゴンに焼き上げる前の茸のタルトを乗せてお披露目。とても見事で上がりぱなしだった気分が更に高揚する。
茸は９種類ほど使っており、聞き慣れない品種ばかりで記憶に残らなかったw
単体で美味しいそれぞれの茸の旨味がタルト生地に吸い込まれて一体化。
そのままでもいいけど、添えられた燻製したサワークリームと一緒に食すと更に信じられない美味しさ。

【前菜４】
◯スープ·ド·ポワソン
●ペアリング
・前菜３と同じ
↓
鯉のアラを煮込んだ濃厚なスープ。
具材はチーズスフレ。スープとチーズのコクが相反する事なくお互いの美味しさを引き立てている。

【魚料理】
◯トリット·オー·ブルー
●赤ワイン(ペアリング)
・ニュイ·サン·ジョルジュ·レ·クルー·フレシェ·ゾー2019年(仏ドメーヌ·マシャール·ド·グラモン)
●NAカクテル
・コリアンダーシードに漬けて濾したシャルドネ果汁、ハーブ(セージ等)
↓
アミューズと言うか車を降りてからずっと驚き魅了され続けている。
もう何が出てきても驚かないつもりでいたら、ワゴンが来てかなり立派なサイズの岩魚に驚き。
岩魚は安曇野の大王わさび農園の湧水で育った３～５年物。これを岩魚のコンソメで煮込んである。

給仕の方がその場でデクパージュしてくださった。
ポーションはひと切れだけど追加も可能との事。
食い意地を張ってふた切れでお願いしたら、背と腹をひと切れずつ取り分けてくださった。
背は身の美味しさ、腹は脂の美味しさを味わえた。

ワインのペアリングは赤だけど、NAカクテルは白ワイン用の葡萄果汁を使っているのが対照的で面白い。

【お口直し】
◯檸檬とローズマリーのグラニテ
↓
檸檬の酸味とハーブの香りで舌をリセット。
デザートとして成り立つ美味しさだった。

【肉料理】
◯鳩肉のロティ ソースサルミ
●赤ワイン(ペアリング)
・シャトー·ラフォン·ロシェ1997年(仏)
●NAカクテル(ペアリング)※ノンアルはここまで
・カベルネソーヴィニヨン果汁、煮きった赤ワイン、無花果、プルーン、ラズベリー
↓
メインの肉料理は牛肉とジビエの２択。
２人とも好きだし給仕の方もお勧めとの事でジビエを選択。

今回のジビエは鳩肉のロティ(たぶんオーブン焼き)。これを鳩のレバーで作ったソースで。
鳩肉は初めて。今まで食さなかった事を後悔する美味しさ。
皮はパリっと香ばしく身はしっとり。ジビエ特有の力強い旨味が溢れ出てくる。
そしてレバーのソースも素晴らしい。ソースを絡める事でシンプルな美味しさに複雑味が加わった。

NAカクテルの材料は、ジビエのソースや付け合わせに使う物ばかり。どれも個性の異なる甘酸っぱさが複雑味となって美味しかった。

【最初のデザート】
◯洋梨と山葡萄のコンビネゾン サフランの香り
●デザートワイン(ペアリング)
・パスート·ディ·パンテレイア2008年(伊フェッランデス)
↓
最初のデザートは果物主体。
洋梨のムースと山葡萄のアイスに杏のジャム、フロマージュブラン、サフランを絡めて。
甘酸っぱくて爽やかな美味しさ。

【チーズ】
◯チーズ６種
・ウォッシュ２種
・カマンベール
・ハード
・ミケ(チェダー)
・？(失念、白カビ系の何か)
↓
メニューにはないけど、６種類のチーズをサービスでいただいた。
銘柄は不明。ただミケと言うのは三毛猫をモチーフにしているらしいw
味わいはどれも上質。ウォッシュタイプはアンモニアみたいな香りが苦手だったけど、香りが集中する表面部分を取り除いて提供されたので美味しくいただけた。

【メインのデザート】
◯ヌガーグラッセ
↓
ヌガーグラッセは特に好きなスイーツ。
美味しい肉料理の後に出てくるととても嬉しい。
幸福感が高止まり。

【小菓子】
◯チョコレートムース
◯カヌレ
●エスプレッソ(食後)
↓
最後の甘味はチョコレートムースとカヌレ。
シンプルな焼き菓子を予想していたら、メインのデザートでもおかしくないチョコレートムース。
くたくたに煮込んだ杏が良いアクセントだった。

長々と書いたけど、食事も飲み物もロケーションも雰囲気も接客も何もかも素晴らしかった。

また伺います。
ごちそう様でした。

最後に余談(という程でもない)

食事開始が遅め(19時)なのもあるけど、楽し過ぎて時間が経つのを忘れて、お店を出たのが23時前だった。
宿(北軽井沢方面)にはチェックインが遅くなる旨を伝えたけど、次回訪問時の宿はブレストンコートで予約した方が無難だと思った。