みやざき地頭鶏を「すぼらせる」　ぐんけい 宮崎駅前店 : ぐんけい 宮崎駅前店

宮崎旅行二日目のランチで利用。ぐんけいは、宮崎名物でもある鶏の炭火焼きが食べられる名店。直営農場で育てた「みやざき地頭鶏（じとっこ）」を炭火焼きで提供してくれる。このお店はランチ営業もしており、酒を飲まずに、気軽に鶏が食べられるっていうのはありがたいと思います。

地頭鶏は、元々は在来種で天然記念物にも指定されている鶏。地頭職に献上した事が名の由来だそうです。それを原種鶏として開発されたブランド鶏が「みやざき地頭鶏」。県外の自分は見慣れない文字列で、そもそもなんて読むのかさえ謎でしたけどね。じどうどりとか、じどどり？略してじどり？みたいな（笑）

宮崎名物と聞いて、ぱっと思いつくのは、この炭火焼きの鶏と、宮崎牛、チキン南蛮、伊勢海老、冷や汁、辛麺、釜揚げうどん、レタス巻き...マンゴーとか？この中で幅を利かせてそうなのは、わりとがっつり系の食物なんで、自分としては夜に食べたいなと。鶏の炭火焼きなんて、明らかに酒が欲しくなるだろうし、やっぱり夜にゆっくり食べたい。というか、店自体も営業しているのが夕方からってのが多かったね。晩飯が充実するのはとても嬉しいが、旅行者としては、夜に集中してしまうというのも困りもので、行き先の選択肢が増えると、胃袋がもたないし、店を回りきれない事になる。嬉しい悲鳴状態なんだけど、昼も営業しているところがあれば、多少はましになるよね？って事で調べたら、このお店がヒットしてきた。

個人的にも炭火焼きは大好きなのだ。時間がある時は、鶏肉を串刺しにして炭を熾して、きちんとした焼鳥を作ったりするが、高天原で見た焼鳥が目からウロコで、それ以来、最近は串刺しするのは面倒になってやめてしまった。「みやざき地頭鶏」が食べられるっていうのもワクワクするけど、それを、炭火焼きするんだから期待値は上乗せされる。

さらに、この辺では「すぼらせる」製法で仕事をするようで...。鶏皮の脂が下に落ちて、炎が上がり、それを利用して高火力で焼くのだ。最近ホルモンの火で火事が起きて問題になったが、あれに近いんじゃないかなとは思う。まあ炭熾してよく肉を食べてる者からしたら、わりと普通にやってる事だろう。特に鶏はよく火を通す必要もあるし、炭でジワジワ焼いてると、食べるペースに追いついてこない事もあって、大量に鶏肉を網に投下するか、ホルモンを一緒に焼いて脂を利用して火力を上げて焼いたりする。ただ、鶏肉にススがつくほど高火力で焼いた事はなかったんで、こりゃ楽しみだな〜って。遠赤効果と直火で火が通りまくりだし、上昇気流に乗った大量の煙で、鶏が燻煙されまくるだろう？想像しただけで旨そうなんだが...。

炭火焼きの良さは、個人的には、遠赤効果云々よりは、脂＋煙による風味の方が重要かなと思う。食べた時にも分かりやすいし。一見やってる事は古臭いんだけども、炭や脂が燃える時に起こる化学反応が、化合物や香りという副産物を生成して食品に付着している事を考えたら、複雑な行程を経た調理法になると思う。レビューをよく読んでいる方は、自分が喫煙者だっていうのは既知だろうけど、スモーカーっていうのは、ただのニコチン中毒者ではなく、一応、書いておくと香りを楽しんでいる。なんの法律かは知らんが、メリットを謳う事は良しとされていないだろうから、煙の良さを知らない人も増えてきているかもな？と思うところもあります。いい匂いがするというわけではなくて、生成された化合物がうまいかも？っていう点も忘れがちだろう。この煙の旨さっていうのは、炭火焼きや燻製とも通ずるものがあると思う。（というか、タバコの葉っぱ自体も燻煙的な効果を狙って、風味付けで利用される事もあるが）

煙の話はそれくらいにしておくとして、煙好きだとこの鶏の炭火焼きは期待値がとても高い。そして、炭を消費する事や、炭熾しや片付けに時間がかかる事、何より場所も選ぶ事も考えたら、この気軽さは、消費者にとってもありがたいんじゃないかなと思います。で、お味の方だけど、香り云々の方は、普段食ってる炭の味と違う！？って事だった。渋味が少し際立っているかなって。淡い期待をしていたんだけど、日向備長炭で焼かれたものかもしれない？これは店の人に聞けば良かったと後悔...。紀州備長炭が有名すぎて、こっちは簡単に手に入りやすいけど、日向備長炭って地元では流通していないので、自分が住んでいる場所だと取り寄せる事になる。そのため、味を知らないのではっきりと断言はできないです。鶏肉の方は、わりと厚く切ってあって、弾力性があるな〜って思いました。親子丼の方も炭火焼きの鶏を使ったものは初めて食べたし、面白いな〜と思いました。そういう意味では食べてみる価値はあるかも？これを夕飯でリクエストされて、四の五の言わずにあっさり出してくる主婦ってなかなかいないと思うしね（笑）