震災後スタッフが手造りで一から立ち上げた居心地の良い和食店 : いまむら

観光で石巻を訪問するにあたり美味しい海鮮料理が食べたいと思い料理の写真を参考にこちらのお店にお邪魔してみました。

こちらのお店はもともと服屋だったそうですが震災で大きな被害を受け廃業したところを引き継ぎ新たに飲食店として一から再生したお店とのことです。

まず、お店に入って驚くのが全体の2/5はあろうかという広いエントランスです。

お店の広さから言えばもう少し客席を広く取っても良さそうなものですが思い切りの良さに驚かされます…^^;

事前に予約をしてあったので名前を告げるとカウンターの席に通されました。

こちらのお店では厨房と客席の間に仕切りの無いオープンキッチンとなっておりカウンターのすぐ目の前が厨房なのでなかなか臨場感があって楽しめます^^

料理は事前に４８００円のコースをお願いしていたので取りあえずお酒をお願いします。

【阿部勘　純米吟醸　裏ラベル】
塩釜のお酒。ラベルが裏ラベルとなっていて表は無地。
瓶の裏側から見ると花の絵が描かれています。
古酒の様な熟成感のあるまろやかさのある旨口のお酒でした。

【加賀屋完熟梅酒】
完熟梅酒となっていますがすっきりした飲み口で意外にさっぱりしています。

【前菜】
岩もずくの酢の物、揚げ豆腐、自家製鹿のソーセージ、金華さばの燻製の盛り合わせです。
岩もずくのしゃきしゃきした食感が何ともたまりません。
さっぱりヘルシーながら食材を生かした品の組み合わせでお酒が進みます。

【刺身盛り合わせ】
なめろう、みずたこ、吉次、いさき、目鯛、スズキ、カツオの刺身の盛り合わせです。
大葉のソース、沖縄産塩、酢味噌の三つの調味料で変化を楽しみながら頂きました。
鮮度を保つ神経〆という手法を使った目鯛とスズキは身がしまっていてぷりぷりの食感でした。
神経〆おそるべし。

【日高見大辛純米】
石巻の地酒です。
辛口ながらすっきりまろやかな味わいのお酒でした。

【墨廼江大辛純米】
石巻の地酒です。
端麗辛口なさっぱりしたお酒で海鮮に良く合います。

【揚げ茄子の煮びたし】
【ぶりの揚げ物白髪ねぎみぞれ餡かけ】
かりっと芳ばしく揚げられたぶりに大根のみぞれが絡んで美味しい。
揚げ物とみぞれ良く合います。

【揚げ物盛り合わせ】
なす、いんげん、ほやとゴーヤのかき揚げ、コリンキー（かぼちゃ）、なすの揚げ浸しをトビウオで巻いたものの盛り合わせです。
熊本の塩、京都の黒七味塩、カレー塩で変化を付けて楽しみます。
ほやとゴーヤのかき揚げ意外と合ってます。

【尾瀬の雪どけ　純米大吟醸 夏吟】
米の旨味が効いた香り高くフルーティーな味わいのお酒です。
大吟醸だけど決して端麗過ぎない旨味のあるお酒です。

【あらごし ゆず】
ゆずの風味が爽やかでほとんどアルコールを感じさせないジュースの様なお酒です。

【A５仙台牛のステーキ】
A５仙台牛だけあってとても柔らかでジューシーなステーキです。
ソースは和風にマスタード醤油と人参玉ねぎ味噌が添えられていて味の変化を楽しみました。

【穴子の白焼き】
味付き昆布を添えて海苔で挟んで食べるスタイルです。
海苔が芳ばしくぱりぱりしていてなかなかに美味しい。
シンプルにわさびやレモンを絞って食べるのもまた良い感じでした。

【ほやの炊き込みご飯】
石巻はほやの生産が盛んでおおぶりで鮮度も抜群です。
そんな特産のほやを使った炊き込みご飯…フレッシュなほやの爽やかな風味が感じられて美味しい。
食べきれなかったので残りは持ち帰りで包んでもらいました。

【枝豆のティラミス】
緑色は抹茶の粉だそうです。
ほんのり渋みと甘さのある和スイーツでしっとりした食感が良い感じです。

【郷土料理のデザート？　ほっぺ】
葛と生クリームを練ったデザートで和風のパンナコッタというイメージだそうです。
小豆とそば茶のソースが掛かった和スイーツは甘さ控えめでしっとりした食感の逸品です。
そば茶は炒った豆の様な芳ばしさが感じられました。

一品一品料理の説明も丁寧で絶えずお客とのコミュニケーションを欠かさない気配りの行き届いた接客はとても心地の良いものでした。

地元産の旬の食材を生かした料理の数々はなかなかに洗練されていて情報の乏しい中偶然、このような素晴らしいお店に出会えて幸運です。

石巻に行く機会があったらまたお邪魔したいと思います。どうもご馳走さまでした。