ご時世か賑わいは失せて : 金の豚

　2年4か月ぶりになるようです。
　ほぼ向かいに天下の任天堂本社を望み、昼時は繁盛していましたが、リモートのせいなのでしょうか、先客一人、後客一人。
　店員も店主のほかに女性スタッフが2人いましたが、この日は店主一人。
　メニューも減らされておりラーメンとライスと焼きめしセットのみです。
　チャーシューメンを注文しました。

　緑のねぎの小山をめくれば白いもやし、その下にスープに蓋するような茶色のチャーシュー。
　隙間から麺を引っ張り出せば、京都なら中細、他府県なら細麺に分類されるであろう太さの麺が出てきます。ゆで加減は固め。

　スープは塩気も脂っ気も多めで、甘味が足りず重いです。
　チャーシューの量はかなりのもので、持ち上げてひっくり返すと蓋が開くが如くです。
　しかし、脂身も少なく、味の抜けたパサついたもので多くてもあまりうれしくないですね。
　
　
　店主の接客は初めて受けましたが、愛想もよく、よく気がつく方で、以前のため口女性店員よりもよほど好印象です。

　このところ満員が多かったですが、この日は12時40分頃にお店をたずねたところかなりお客さんは引けていました。
　
　トンカツセットの張り紙があり、今日はそれを選択します。
　ラーメンはピリカララーメンです。
　
　
　ごはんは小さいお椀ですね。
　味はやや固めで、古いラーメン屋さんや大衆食堂あたりでよく出てくる感じの、やや固めなもの。
　
　トンカツは不自然にやわらかく、おそらく成型肉かと思います。
　
　
　ラーメンは相変わらずチャーシューのサシの入り具合に目を奪われます。
　
　麺は高加水細麺。
　つるつるでもちもちです。
　
　スープは豚骨スープに豆板醤ベースのカエシで仕上げたもので、ピリリと辛く寒いうちに注文すればよかったと思いました。
　これはけっこうおいしいなと思って食べ進んでいたのですが、1/3もすると一本調子に思え飽きが来てしまいました。
　
　チャーシューもまあおいしいのですが、見た目ほどではないかな。
　このお店のチャーシューは日によってムラがある感じです。
　
　
　ラーメン3種食べて、一段落付きましたので総括というかこのお店のサービスに対して感じた疑問をふたつ述べたいと思います。
　
　女性の接客スタッフのため口が少し気になります。
　これは気にならない人もいるでしょうし、ラーメン屋ならこのくらいの方がフレンドリーと好意的に思う人もいるかもしれませんけど……。
　
　もうひとつ。これは明らかに問題です。
　たくあんと辛ニラのタッパーが少ししか用意されていません。新しいお客さんが来たら、その客の元へと飛び回ります。
　どう考えても効率が悪いし、サービス的にも悪くなります。昼時は満員になるお店がなぜ、このようなサービススタイルを続けるのか理解に苦しみます。

　この日も9割ぐらいの入り。繁盛しています。
　
　セットはノーマルのラーメンでなくてもいけるとのことなので牛スジ煮込み丼セットを選択。
　メニューブックがなく、奥の壁にある札だけで見ることになるので、いささか不便です。
　
　先に牛スジ煮込み丼が到着しました。
　セット用のミニサイズなのでしょう。小さいです。
　
　牛スジそのものは柔らかく煮込まれていますが、味付けが甘くいまいちごはんに合いません。一味やニラを加えていただきました。
　
　ラーメン到着。
　相変わらずサシの見事なチャーシューがそれを誇示するように中央に盛られています。
　
　麺はウェーブのかかった、かなりつるつるの高加水麺。
　正直なところ好きじゃないタイプです。
　
　スープは赤味噌でピリ辛に仕上げられています。
　味はやや一本調子な印象を受けます。
　
　今回のチャーシューはあまり柔らかくなく適度な噛み応えがある仕上がりで、ほどよく味が入りつつ肉を食べている実感があるものです。
　
　次はピリ辛ラーメンをいただきます。

　9か月ぶりに訪問しました。
　
　12時前後だったでしょうか、お店は満員。
　半分社員風、半分学生風。
　周囲にあまりお店がないとは言え、この入りはすごい。
　
　かろうじてフロアのカウンター奥に1席見つけて座ることが出来ました。
　あれ？　前回あったメニューブックがない？
　
　大雑把にわけてラーメンは3種類。
　ラーメン、みそラーメン、ピリカララーメン。
　
　寒いですからみそやピリ辛の方がいいかなとも思いましたが、前回の汚名返上を期待してスタンダードなラーメンを。
　
　そうこうしているうちに店の前には待ちが出ています。
　
　
　途中、保険のために「小に変更できないかな？　もう無理？」とお願いしたら「大丈夫、大丈夫」とフレンドリーな対応。前回の気が利かない冷めた対応は何だったんでしょう。
　
　
　到着したラーメンは大ぶりなチャーシューが3切れほど、さしも鮮やかに大きく盛られています。
　
　麺は中細で弾力はあるのですが、ややゴムっぽい麺。
　あまり好きなタイプではないです。
　
　豚骨醤油のスープはやっぱりやや重め。
　ただほのかに甘いような、言われてみればピリ辛のような、なんだか不思議な味わい。
　
　チャーシューは柔らかですが、スープと同じ重い味付け。
　
　
　食べ終わって店を出る頃には、10人以上が外に並んでいました。
　
　前回よりはだいぶ印象はよいです。
　ほかのラーメンにも挑戦してみますか。

　近鉄十条駅からほど近い場所にあります。
　隣は函館市場。
　
　開店と同時に入店。

　メニューを見るとずいぶん斜線で消してある料理があります。
　
　お約束通りの豚骨醤油とチャーハンのセットを選びました。
　麺固め、野菜多めのオーダーです。
　スジ煮込み丼と迷ったけど、今回は定番を。
　セットはなかなかリーズナブルな値段設定です。
　
　トイレに入ると、「金の豚」の名前の由来が掲げてあります。
　自分はてっきり店主の（以下自粛）。
　
　トイレから出ると、ラーメンができあがっていました。
　接客スタッフも入店時は女性一人だったのが二人に増えています。

　麺は中太の歯切れのよい麺。
　
　スープは豚骨のやや重い甘さがあります。
　各種口コミからイメージしたものとかなり違う。
　第一旭？　ラーメン藤？　大栄？　いや、明らかにこれは似て非なるものです、自分にとっては。
　（そう言えば、スタッフが入れ替わり、味も変わったとか書いてあったものを見た）
　
　チャーシューは量もあり、柔らかく、しっかりした味の入ったものでなかなか。
　
　メンマはエッジが効いたパキパキした歯触りです。
　
　
　チャーハンは量はセットのものとしては充分。というか完全に一人前です。
　ややパラで、まず日本酒っぽい臭いがして、食べ続けるとくどくて、この味はどっかで――京都ラーメン研究所だ！
　でもあそこよりはおいしいかな。
　
　
　気になったのは、ニラ、たくあんといった無料トッピングが自分の気づいた範囲ではテーブルに1カ所、おろしニンニクや豆板醤と言った味変アイテムが、これまた厨房側カウンター1カ所にしか置かれていなかったことです。
　こういうものはテーブルごと、カウンターなら等間隔に置くものだと思うのですけど……。
　
　これでは初めての人は気づきにくいだろうし、気づいたとしてもお客さんが多ければちょっと取りに行くのに困難を伴います。
　
　過去の口コミにはスタッフが持ってきてくれるとありましたが、それもなし。
　仕方ないので自分から取りに行きましたが、客側のこういったアクションに対しても一言もなし。
　3人いて誰も気づかない、あるいはする気がないというのはさすがに……。（さらに客はわたし一人なのです）
　
　縁起物だという金の豚ですが、わたしにとっては効果がなかったようです。

2018/05/08
メニューの写真を忘れていたので追加