ソライロ（高知市） : ソライロ

初回訪問。

はりまや橋→桂浜→坂本龍馬記念館→高知城と予定の観光を済ませた後、市内をぐるぐる廻ってやっとその日の宿を確保。
スマホの充電を兼ねてちょっと一休み。
有る程度充電が出来た所で、夜の高知の町へ。

今夜も、食べログ検索に頼らず行き当たりばったりで探してみる。
勿論、狙いはラーメンで。
元々、高知ラーメンと言うジャンルが有るのかどうかも知らない、というか調べてもいないので、取り敢えずラーメンの文字を探し、外観に惹かれる物が有ったら入って見ようと思う。
でも、目に付く派手な看板のお店は、本場博多豚骨ラーメン、とか徳島ラーメンと言ったお店で、えぇ、高知に来てそれはないだろう、(^^; と繁華街を歩き廻る。

流石に土曜日の夜という事で人通りは多く、観光客らしい姿も多くて賑わっている。
でも、歩いた場所によるのだろうけれど、意外とラーメンの文字に行き当たらない。
で、漸く見つけたのがこちら「中華そばソライロ」。

こちらも、ラーメンではなく中華そば表示。

入口は一般的なドア等ではなく、ビニール製のアコーディオンカーテン。
店内が透けて見えるので入り易い雰囲気。
珍しい造りだなぁ、と思ったけど、この後巡る各地でも結構見掛けたので、最近の流行なのだろうか？

入って左が厨房で、右手前に壁向かいのカウンター、それに続いて奥にテーブル席。入った左側にもテーブル席有り。
土曜日の夜の8時前。
先客２人、後客２人。
50代位の男性が厨房で料理し、60代位の女性が応対。

右側のカウンターに着席。
メニューはカウンター前の狭い高台の上に。
つけ麺、中華そば、味噌、豚骨魚介、担々麺、とりそばと色々有るが、にぼしの文字に惹かれて、にぼしの中華そば（天塩）720円と、腹が減っていたので焼き飯（小）350円を注文。

店内はちょっと雑然とした感も有るが、雰囲気は好きな方。

3分程で先ずは焼き飯到着。
（小）という事だが、価格からしたらもう少し多いものを想像していたけど、八角形の皿に盛られたそれは、少し少なめに感じた。
具は、玉子、ネギ、チャーシュー、キクラゲ？かな。
ごはんは薄らと茶色を纏い、ややテカりが見られて油多めにも見える。
レンゲで掬って一口。
予想よりはしっかりとした歯応えが有るご飯で、ハリは無いけどふかふかな柔なご飯では無く、味も万遍なく付いている。
多めに見えた油もそれ程では無かった。
全体に香ばしい香りに包まれていて、その中で玉子やねぎ、チャーシューがそれぞれ自己の味を主張しており、単純な味では終らない。
量からすると価格はちょっと高めに感じたが、味は良かった。

ラーメンはチャーハンが届いてからちょっと後に到着。
どんぶりは一般的なラーメンどんぶりだが、少し大きめに感じた。
具は、チャーシュー、メンマ、ネギ、水菜。
スープは僅かに黄色みを帯びた淡い茶色で、透明度は高め。
肌理の細かいすりガラスの様な透明感で、覗き込むと、極小の銀箔の紙吹雪がひらひらと舞う様に煌めいている。
これは、にぼしの鱗の輝き？
一口啜って見ると、厚みは無いけど膨らみを感じる様なにぼしの風味が口内から鼻腔へと広がり、柔らかく角を丸められた塩味が、じんわりと舌に沁みて行く。
はっ、とする様な旨さでは無いが、いつの間にか旨さに浸っている様な味で、旨いなぁ、と思う。
途中で若干下がるものの、後半にはまた復活し、最後まで旨味は途切れない。
麺は中麺ぐらいのストレートで、つるつるの口当たり。
表面はスープを吸った様な滲みは無くて、柔らかなハリを残している。
表面から中心までじわっと硬度が増すタイプで、全体としては丁度の硬さ。
もちっ、とする様な粘りはなく、クヌッとした歯切れ。
麺自体にも少し味が感じられ、スープに良く合った麺。
チャーシューは１枚もので、所謂レアチャーシュー？
繊維感は無いが、程よい歯応えを残す。
味はタレとかの味ではなく、何処となく熟成させた様な味。
旨味自体は少し控え目で、今一つ伸びきれないが、まあ旨いのは旨いチャーシュー。

麺と具が無くなったスープをレンゲで掻き回していると、レンゲの動きに追従する様に粒状の少し黒いものが動き回る。
まるで、イワシの大群が海中で変幻自在にその形を変える様な動き。
これはにぼしの粉なのかな？

ニボニボする様な、がっつりとしたインパクトは無いが、にぼしの旨さを必要十分に引き出したラーメ・・いや、中華そばだと思った。
今レビューを書いている時点での、高知市の食べログラーメンランキング7位という順位も頷ける味でした。