高知県民一人ひとりの想い出イタリアン　☆ アミーゴ : アミーゴ

『高知県民一人ひとりの想い出イタリアン』


日曜の昼下がり
ラグビースクール帰りでラグビースタイルそのままのオヤジが4人。
ちょっと昼飯でもと軽いノリで集まり
ガチリとグラスをぶつけてグビリと喉を鳴らす。

高知のイタリアンの草分けと言えばここだ。
とは言えメニューはイタリアンのようであり
洋食屋のようでもある。
私の子供の頃のこの店の思い出も
やはり洋食のハンバーグだった。

ここへ来ると食べたくなるのがまず海老フライ。
才巻きだったはずだけど
今日のは随分と大きい
これなら車海老の海老フライと言っても差し支えはなさそうなサイズ感。
これは標準3本入りなので人数分の4本お願いしておいた。

ぷりんのサクリを我先にとやっつけたら
甲殻アレルギー1名発見！
遠慮なく早い者勝ちで好物をゲットする。
こんな時デブの瞬発力は驚くほど速い。

パスタにピザに海老めしにアヒージョ
ビールを飲むための料理が次々とテーブルの上を通り過ぎて
消えていく。

そんな時「僕はこのクリームコロッケというのを食べてみたい。」
パイセンがポツリと呟く。
え！　
今まで食べたこと無いんですか？
全員が驚いてクリームコロッケどうぞどうぞ。

そんな話からこの店のパイセンの想い出を聞かせてもらう流れになる。

高校生の頃のクラスの憧れだった女の子と
何がきっかけか思い出せないが2人きりでデートしたのが
この店だったという。
その時の背伸びした店で注文への困惑と緊張。
結局オーダーを頼めず彼女に任せてしまった自分への感情。
何故自分と来てくれたのかも
今なお謎だいうパイセンの40数年前の淡い恋の話。

ビールの肴に笑い飛ばすには惜しいくらいのアオハルないい話。
話し終えたパイセンは
人生初めてのクリームコロッケをひとくち食べて
天井を見上げる。
そこにはあの頃と変わらぬ天井が静かにパイセン見下ろしている。
なんだかこっちが感慨深いや。


でもまさか
この短パンTシャツのお気軽ランチが
深夜2時過ぎまで延々と続く飲み会になることは
この時のメンバーはまだ誰も知らない。

ただこの店が気持ちよく昼酒を飲ましてくれた事が
短パンオヤジ達を調子づかせた
大きな要因だった事は間違いのないところだ。

『野暮ったい』

辞書を引くと野暮ったいは･･あか抜けないとある。

この店のポタージュスープは少し重たい。
食べるスープといった趣で野暮ったいという言葉がしっくりくる。
サラダはキャベツにレタス。家のサラダを思い出す中身でやはり野暮ったい。
才巻きを使った海老フライは身がみっちりと詰まっていてカリッとした衣がいかにも野暮ったいし
ハンバーグは今風のフワッと練られた肉汁溢れる物ではなく、肉肉しく重いハンバーグ。
これがなんとも野暮ったい。

あ！
言い忘れていたが
私の野暮ったいの定義はあか抜けないの後にこう続く

「昔ながらの作り方を誠実に続けられていて安心感があり好感が持てる」

だからこの店の料理は全て野暮ったいのだ。


～アミーゴ～


【2012.9】

『思い出のレトロ洋食』

高知の美味しい洋食探し4軒目はコチラ「アミーゴ」さん

この日は8歳の娘と二人きりで映画デートです。
そんなスチュエーションだから・・・久々に来たくなったお店です。

私が子供の頃、高知市街に出てくることは、すごく楽しみなイベントでした。
今は全部無くなってしまったけど、東映や東宝・松竹の映画館に連れて来てもらったり・・
高知大丸の地下で、回るお菓子を買ってもらったり・・
レストランで食事をしたり・・・

そんな楽しい思い出の中に、しっかり刻まれているお店が、コチラ「アミーゴ」さん。
イタリアンと洋食のお店で、高知で５０年続く老舗です。

今日は娘との映画デート・・思い出の引き継ぎをしてみようと訪問です。　
お店に伺うのは、もう十数年ぶりかな。
一階がテイクアウト専用のスペースとのことで２階へ上がります。

少し雑然としたカウンター、飴色になった味のある店内。
適度にフランクな接客も良い感じです。


この日頂いたお料理は・・

私◆レトロランチ・・１３００円
（スープ・サラダ・ハンバーグ・クリームコロッケ・デザート）

お値段の割に、しっかりとした一皿のサラダ、スープはクリームシチューのような重めのポタージュ。
メインのハンバーグは１００ｇくらいかな。
今風のふんわりしたものではなく、しっかり身の詰まった感じのハンバーグ。
それにデザートはガトーショコラかな？　
とてもお得感の高いセット。


二人◆エビフライ・・１９００円

ぷりっと食感の良い海老が３尾。　これは　なかなか食べ応え有ります。
しっかり車海老を使ってる所に老舗の矜持を感じます。
※もう少し安価に　という方には・・才巻き４尾で１３００円のランチセットもありました。


娘◆ミートソーススパゲティ・・１０００円

肉感のある、濃厚で懐かしいミートソース。　


コチラのお店の料理全般に言えるんですが、洗練されたイタリアンとか洋食といったものではなく
どこか田舎っぽさや、野暮ったさのあるお料理。
でも・・そこに懐かしさや安心感・安定感を感じるお料理でもあります。


ところで肝心の映画なんですが・・・コチラでゆっくりしてたんで
イオンの映画館に着いた時には、すでに上映時間が過ぎてて
また来週出直すことになりました。。。
来週も娘とデートできるんなら・・遅刻もアリかな^^

ごちそうさまでした。