旅館？ : 割烹 福甫

去年オープンしたこちらの割烹料理屋に予約を入れて行って来ました。
予約の時点では全く情報がなかったので吉と出るか凶と出るか、かなりのギャンブルですが
一通りいただいてみたかったので夜のコース（確か５千円位）をお願いしました。
電話に出たのはお母さまなのか？「筍を焼いた物とかを食べたいのですが」と伝えたところ
「一応伝えておきます」的な回答があったので少し期待をして伺いました。

お店に入るとカウンター数席と半個室が１つのかなりこじんまりとした空間でした。
４人がけのテーブルがある半個室に通されました。
お店は大将とおかみさん、お母様？の３人で切り盛りされていて配膳はお母様と思しき
女性がされていました。
因みにお昼のメニューは以下の通り。

・定食　　　　1,200円

・松花堂　　　2,000円

・ミニコース　3,500円

この他にアラカルトメニューもあったのでいつもの如く欲張り精神に負けて追加しました。
席に着くなり早速一品目が運ばれて来てあまりの早さに呆気に取られました。

・八寸

　まるで旅館のようにちょっぱやで運ばれて来た八寸は全て冷製でした。

　食用バラ、なまこ酢、ほおずき、唐墨、牛肉のたたき、空豆、干し貝、姫サザエ。

　食用バラは「食べられますから」と念を押されたのでてっきりそれなりに美味しいのかと
　思いきや、これが激マズで思わず吐き出したほど苦みが強かったです。
　こんな味なら食べるのをすすめるのはやめた方がいいと思います。

　なまこ酢はかなりかたくてなかなか噛み切れず難儀しました。

　ほおずきはさっぱりとした酸味がありフルーツのような甘さがあり美味しかったです。

　干し貝は珍味で噛めば噛むほどに旨みが出て来て前菜の中では１番美味しかったです。

　姫サザエは醤油がきいていてお酒に合う味わいでした。

　唐墨も酒のアテにはピッタリの塩加減でした。

　牛肉のたたきは綺麗なサシが入っていて柔らかくて美味しかったです。

　但しどれも何となく温泉宿の料理を彷彿とさせる味わいでスタートから怪しい雲行き。

・向付

　めいた鰈、金目鯛、鮪の３種類が二人分一皿で提供されました。
　なので鮪は一切れずつになります。

　めいた鰈はしっとりと柔らかい身が大変美味しく一口で虜になる味わいでした。
　えんがわもこりこりとした食感を楽しめてお造りの中では1番気に入りました。
　骨の部分はお願いして唐揚げにしてもらいました。

　金目鯛もしっかり寝かせてあるのか弾力はほどほどで美味しかったです。

　鮪は割とあっさりしていてこれも美味しかったです。

・茹でたてそら豆（850円）

　八寸の空豆が冷えた状態だったので改めて追加注文しました。
　やはり茹でたてだと美味しさが違います。
　添えられていたのは普通の食卓塩のようなお塩でした。

・炊き合わせ

　海老しんじょうと筍、蕪の煮物。
　やはりどこか旅館を思わせる様な炊き合わせでした。
　味は悪くはないものの特に感銘も受けない極々普通の味わいでした。

・海老しんじょう（950円）

　海老しんじょうを頼んだら何と天婦羅が出て来ました。
　筍やセロリも揚げられていましたが衣が柔らかめでふにゃっとした食感でした。
　添えられた胡麻塩は胡麻の風味を味わえて良かったです。

・めいた鰈の骨煎餅

　お造りで出されためいた鰈の骨を揚げてもらいましたが、これがパリパリの食感で
　とても美味しかったです。
　バリバリと手で割って豪快にいただきました。

・やまうどと白魚かき揚げ

　このかき揚げは驚くほど衣がべチャッとしていて非常に残念な揚げ具合でした。
　カラッとした箇所が一つもなくひたすらふにゃふにゃでべちゃべちゃでした。

・北海道産わかさぎ揚げ物（750円）

　大ぶりなわかさぎのフライにはマヨネーズとソースが添えられていました。

・食事

　鯛の炊き込みご飯はセルフで混ぜ合わせいただきました。
　骨もあるので食べる時に注意が必要です。
　肝心のお味は・・・無味。
　全く味付けがされていないのか全然美味しくなくてびっくりしました。
　仕方ないので天婦羅に添えられていた残ったお塩を振りかけて無理やり詰め込みました。
　結構な量残してしまいましたがお土産は持たされなかったので破棄したのかな？

・黒ムツのかぶら蒸し（1,500円）

　欲張って追加した一品ですがこちらもどこか旅館を思わせる様な味わいでした。

・水菓子

　スターフルーツとかんぺい。
　食事中冗談で「デザートはフルーツだけじゃない？」と言っていたら予感的中で
　思わず笑ってしまいました。
　まぁ普通に美味しいフルーツだからいいんですけど。

カウンターには２組ほど後客が来ていたので地元ではそれなりに固定客がいるのかも
しれません。
帰りにはご主人も裏から挨拶に出て来てくれました。
思ったよりも若いご主人でまだ４０代だそうです。