マスターの愛想が無いのを除けばいい店 : 豚子新地

溝の口で午後からギター関係の所用があり、その途上、当店に立ち寄ってランチをとることにしました。
溝の口エリアから食べログを利用して良さげなお店を探したわけですが、当店が候補にあがったのは、まずそのユニークな店名。
そして、先行レビューを拝見すると、フォロワーさんのレビューを含め、なかなか面白そうなお店だなとの勘が働きます。

そのため、溝の口より二つ手前の二子新地駅で下車して訪ねてみることにしました。
二子新地駅の改札口を出てすぐ左手の方に進みます。右手の方には松栄会という商店街があるのですが、左手の方は多摩川の土手の方に向かってどちらかというとお店が少ない方になります。
途中にある信号を越えて100mほどの右手、多摩川の土手のすぐそばにお店はありました。

オープン時刻は、土日祝日は11時からとなっていたので、11時ちょい過ぎにお店に到着しましたが、お店は開いていません。
中に明かりが灯っている風でも無く、嫌な予感もしたのですが、店頭には6月の営業カレンダーもあって、閉店したようには見えません。
そこでお店の裏手の方に回ると、そこにテラス席があり、その先の窓越しにマスターが店内で動いているのが見えました。
私が「何時からですか？」と聞くと、突然だったからかマスターは、本気でビックリした様子。ただ笑顔は無く、「すぐ開けます。」との返事がぶっきらぼうに返ってきました。

多少周辺をブラブラして戻って来たらお店が開いています。
入店して、「先ほどは(驚かせて)すみませんでした。」と笑いながら言いましたが、これにも反応は鈍く笑顔がありません。ひょっとしたら本気で怒っていたのかもしれませんが、それを客に向けるのは良くないですよね・・・

店内はカウンター席が5席のみなので、右端の席に座ったら、「こっちへ」と反対側の端の席に座るように無愛想に指示されます。
さすがにちょっとイラっとしてきました。そもそも、定時にオープンしないそっちの方が悪いんじゃないかと。

メニューは、カウンター席の上部に掛かっていたので、それを取って検討します。
全体に価格は高め。とんかつビストロを標榜しているようなので、簡素な造りの店でも値段はそれなりといったところでしょうか。

ベーシックメニューと思われた宮城県産荏胡麻豚使用という、えごまロースかつ定食@1,280円＋税を注文しました。
ところが、マスターは、私の注文に対して無反応です。イラッの抑えが効かなくなり、大きな声で注文をもう一度繰り返すと、さすがに「分かりました。」と小さな声が返ってきました。根は悪い人では無さそうです。

暫くするとかつを揚げる音が聞こえてきて、待つこと7〜8分ほどでえごまロースかつの提供です。
ロースかつは、大きさから見て100ｇ～120g程度と思われます。衣はカラッと揚がっており、剥がれやすいです。どことなく目黒のとんきを彷彿とさせるようなロースかつなので、低温揚げというやつかもしれません。
千切りキャベツとポテトサラダ、ナスの煮付け、なますなどが添えられています。

小さく11ピースにカットされたロースかつは、卓上に備え付けの塩でいただきます。
この塩にこだわりがあるようで、国産３種類、外国産３種類の計６種類の塩が置いてあり、順番にそれをつけていただきました。
かつは、脂身は少な目で、肉質も悪くありません。やはり塩でいただくのはいいですね。美味しいロースかつです。
残念ながら塩の微妙な違いが分かるほど舌が肥えていませんが、直感的には高知県産の土佐・田野海岸 太陽結晶塩 塩二郎が一番合っているように感じられました。この塩は、火力は一切使わずに潮風と天日だけで仕上げられている塩だそうです。

サラダもソース以外にゆずこしょうドレッシング、ごまドレッシングが卓上に備え付けで、好みのものを使用できます。
ゆずこしょうドレッシングでいただきましたが、このドレッシング、なかなか美味しかったです。
味噌汁は、とろろ昆布の味噌汁でちょっと一ひねりありましたが、味は普通でした。

塩へのこだわりは大いに共感するところがありましたし、料理は、全体に上々だと思いますが、簡素な造りにしては、やはり価格の高さは引っ掛かり、コスパ面の評価は感じたままの評価としました。

食べ終わって、支払いを済ませると、マスター、やはり声は小さめながらも「ありがとうございます。」と言ってくれました。
気心が知れてくるといい味を出してくれそうなマスターでしたが、初利用の今回については、前記のコスパ以外についても、サービス面を含めて率直な評価とさせていただきます。