わざわざ行く価値ありのフレンチ : レストラン イブー

南武線、武蔵新城。　まったくご縁のないところです。　しかし、嗅覚が働きました。

わざわざ行く価値あり、です。

期待をはるかに上回るパフォーマンス。　正直、驚きました。

ランチに予約をして、お邪魔しました。　コースは２５００円のみです。

駅から近いですが、住宅街の中。　マスタード色の外観が目をひきます。

店内は、白いクロスに、やはり、マスタード色の椅子が。　　とてもセンスがよく、ゆったりした明るい内装。

白いクロスなのに、フォーマルになりすぎないのは、内装の色使いと、テーブルに設置された色とりどりのグラスのせいでしょうか。

実に、いい空間造りをしていることに感動します。　居心地がいいです。

メートルはまだ若いですが、適切な対応。　

コースが始まります。

１、アミューズ　　　　　　　ウッドの横長ボードに、６種。
　　　　　　　　　　　　　　　　　チーズのグジェールに、いのししのクリーム
　　　　　　　　　　　　　　　　　エゾシカのサラミ、イベリコ豚のチョリソー
　　　　　　　　　　　　　　　　　カレーのマカロン　　南瓜のクリーム入り
　　　　　　　　　　　　　　　　　黒オリーブのマドレーヌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　パテ・ド・カンパーニュ
　　　　　　　　　　　　　　　　　オリーブ

　　　　　　　　　　　　　　別皿に、フォアグラのクレーム・ブリュレ

２、活〆マダイとアオリイカ、茄子のタルタル　　　　　この３段重ねに、赤いすてきなポットに入れた魚のコンソメを注いで、ティエドで。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シェフが登場し、コンソメを注ぎながら、この温度が海老の甘味を最も引き出す、と
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　説明してくれました。　穂紫蘇が効いています。

３、赤足海老のカダイフ包み　　　　　　　　　　　　　ソースビスク

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　このカダイフの扱いは目を見張る秀逸さ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　実に、心地よいサクサクさ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この前の晩に、某２つ星レストランでいただいたカダイフより、ずっと美味でした。

４、和歌山産サワラ　　　　　　　　　　　　　　　　　フレンチヴェルモットのソース　　海老芋のコンフィ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　甘長唐辛子のペースト添え。　ブラックオリーブ

５、国産牛ホホニクの赤ワイン煮込み　　　　　　　　　ここは、２種のチョイスで、＋５００円でサーロインもありました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほろほろに煮たホホニク。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くわい、ペコロス、黄人参、ロマネスコ　などと。

＊フローマジュ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コースとは別ですが、ウッドのロングボードに多種見せてくれたので、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　思わず、モンドールだけお願いしました。　とてもいい状態でした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほんの少しづつでも、かなりリーズナブルに提供しているそうです。

６、ゆら早生みかんとピンクペッパーのシブースト　　　ブランマルニエのパルフェと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　奥様がパティシエだそうです。

７、カモミールブレンド

８、お茶菓子　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シュトーレン、　バラの香りのメレンゲ、キャラメル

パンは３種で、庭のハーブのフォカッチャ、パンオレ（ミルクパン）、全粒粉にけしの実。　　どれも、焼き立て、という言葉が陳腐に聞こえる

ほどの、本当に焼き上がりを供してくれました。　コースの中で、３回とは、これ、大変なことです。　

シェフは、代官山「マダム・トキ」で７年の経験のあと、渡仏。　ニームにある２つ星「アレクサンドル」で部門シェフを経験。

帰国後、都内レストランをへて、独立。　こちらは、ご自宅を改装したとのこと。

「マダム・トキ」でのクラシックフレンチを基礎に、きわめて、緻密かつ繊細ないい仕事をされる方です。

しかも、この２５００円コースは、エリアのなせる技と、シェフの努力か。　内容を考えると、脱帽のＣＰです。

近くにあったら、日参します。

ちなみに、日本語表記だと変わった店名に聞こえる「イブー」ですが、Hibou で仏語で、オスふくろうのこと。　幸福のしるしとされています。