効いた鶏ガラと柔かい酸味のスープはカントナのソウルフードに : 花水ラオシャン 本店

以前は足繁く通っていたお店でありましたが、生活様式が変わったここ数年はずっとご無沙汰。そんな中、ようやく再訪のチャンスが訪れたカントナは、ウキウキで車を操って、懐かしい道を軽快に進むのであります。

近隣のコインパーキングに車を止めて数年振りの訪問を果たしますと、以前と変わらぬ外観と待ち行列に感涙モノのカントナなのであります。

最後尾に着いてしばし待ちの時間であります。酷暑の本日はひたすら我慢なのであります。待っている間に掲示されているメニューを拝見して、思い出しとイメトレをいたします。

以前とあまり変化の無さそうなメニュー構成が嬉しいカントナなのであります。そしてあまり変わらぬお値段がもっと嬉しいカントナなのでもあります。

お母さんが事前にオーダーを聞きに来てくれます。以前から食していたワカメかネギかと深く思案して、苦渋の決断でネギにいたします。そしてシェア用に餃子を１枚でオーダー完了いたします。

そこから更に１０分くらい経過した合計２０分くらいの待ちを経由して、ようやく入店を許されたカントナ一行なのであります。

カウンターのみの変わらぬ店内。一番端っこの席を指定されて冷たくて美味しい水を飲みながら待つ事８分程度。

まずは「餃子」の到着であります。しっかりと整ったスタイルの餃子。焼き目が美しく入っていて、期待が持てる容姿なのであります。

早速、調合したタレにチョンチョンしてからパクリといたしますと、餡は微細刻み系。もう少し食感が残っている方が好みなカントナなのではありますが、アチアチである事と、焼き目がカリッとで皮がモチッとに加えて、餡に粘度とジューシーさを感じられるところが、素直に「美味しいな」と思わせる餃子なのであります。

そんな餃子を半分程度パクリとして、空洞にタレをギュッと吸わせて食べる「二度美味しい系」の食べ方が可能な餃子なのでもあります。

そしていよいよ久々のご対面となる「ネギラーメン」であります。まずはスープから。鶏ガラが効いたあとに、存在感があるけれども適度な後を引く控えめな酸味。「ウンウン」と「コレコレ」によって激しく頷かせるラーメンは、カントナのソウルフード的な位置付けにまでなっていた事を味覚と胃袋の反応から感じ取って、涙が止まらないカントナなのでありました。

そして麺であります。ズルズルとしてみますと、特徴的な色白でコシの弱いストレート細麺は、根性無くゆる〜い文化系な感じで漂っているのが嬉しくて美味しいのであります。細麺好きのカントナには抜群にハマるスタイルの麺なのであります。

ネギは、食感のアクセントと風味付けの役割をしっかりと発揮しているのであります。

残りが２割くらいになったら卓上の辣油を足して味変に励んでみる事にいたします。辛さが追加されて勢いが増す効果を実感するのであります。しかしながら、久々の訪問で辣油の量を足し過ぎてしまったカントナは、口内ヒリヒリで汗だくで、嬉しさで涙目なのでありました。

連れもカントナも大好きなお店。本店（？)には以前一度だけ訪問した事があるのでありますが、黒服がたむろする繁華街の独特な緊張感が走る雰囲気に再訪を躊躇っていたカントナなのであります。しかしながらこちらはアットホームな街並みに佇むアットホームなお店。無駄な緊張感なんてものは抱かずに食事が出来る安心なお店なのであります。お客さんには家族連れや青少年なども多いのも頷けるのであります。

あちらのお店でしっかり修行したであろうお弟子さんが経営されているというお店にいつも車で訪問するカントナは、近くのコインパーキングに車を停めてから徒歩30秒くらいで訪問。

食事時でありますとそれなりの待ち行列であるお店の扉をガラリと開け入店いたします。結構広い調理場を囲むようにカウンター席が20超くらい。若いアルバイト店員さんでありましょうか、いつも皆さん声が出ていて接客も丁寧で若々しいのが好ましく感じるカントナなのであります。

空いている席に座ってメニューを拝見いたしますがそれほどメニューは多くは無くて、連れもカントナもいつもワカメかネギかワンタン。それからシェア用に焼きワンタンや餃子をオーダーしたりしなかったり。どのメニューも良心的なお値段で「今時こんなに安くて良いのだろうか」と心配と嬉しさが混在するカントナなのであります。

到着するラーメンは、大きな丼に素麺のような白っぽい麺とみじん切りの玉ねぎが散らされて澄んだスープの透明がベースのラーメン。ここに青いワカメが映えるビジュアルは、それほど美味しそうには見えないのであります。

そんな期待値の上がらないラーメンのスープをすすってみますと、清んだスープは出汁が深く効いていて美味しいスープ。程よい酸っぱさとしっかりとれている出汁のバランスが最適で、脂っぽさは無くてズルズルと飲めてしまうスープの虜になってしまったカントナなのでありました。

麺は白っぽくて貧弱ではありますが、モッチリ弾力があって食べ応えのある麺。こちらもサッパリスルスルといただけてしまうのがカントナの好みでキラーコンテンツ。

出汁の効いている清んだスープと極細のモッチリ麺の素敵なバランスが取れている世界観のラーメンに、途中でお酢を垂らしたりラー油を垂らしたりして味の変化を楽しみます。お酢は酸っぱさが増してインパクトとして美味しく、ラー油は丼の世界に新たに広がったピリッとした唐辛子のアクセントとコクを出す油の存在が美味しいのであります。お酢もラー油も垂らしたらかき回す事はせず、その周辺だけをレンゲでいただくという、丼全体の世界観を壊さない秘技を駆使するカントナなのでありました。

シェア用の焼きワンタンは、平べったいワンタンでこちらも見た目ガッカリ系。ワンタンの具を食べると言うよりかはワンタンの皮を食べるという料理なのであります。そんなワンタンの皮はパリパリに焼けていて美味しく、しっかり味が付いておりますのでそのままでもいただけるのであります。一緒に出される塩を付けて食べてみますと、ミネラルを感じる旨味の強い美味しい塩はワンタンの味を一層引き立てるのでありました。

いつもラー油を垂らし過ぎてしまうカントナは汗ダクダクになりながらお会計を済ませ、駐車場までの30秒の徒歩の道のりで受ける外気を全身で浴びて制汗するというのがいつものパターンなのであります。