つやつや、熱々、ふっくら、しっとり、モチモチ。全ての形容を捧げる「煮えばな」。 : にっぽん料理 野々菜

この日はかみさんと平塚でディナー。

やって来たのがこちらの日本料理店。

場所は、JR平塚駅南口から徒歩3分ほどのところにある建屋の2F。

十代で料理の世界に入り、小田原、熱海、下田、
西麻布で研鑽を積み、平塚の某居酒屋では店長に就任。
いつかは日本料理の店を出したいという気持ちがあり、2004年（平成16年）に開業。

そんな経歴を持つご主人ですし、私は日本料理が大好きですので、
ずっと前からBMをしていたお店の一つになります。

こちらのお店の前は数え切れないくらいに歩いていましたが、
無茶苦茶ひっそりとしていますので、ここだったんだと改めて思った次第。

夜は、

・おまかせ料理　8800円
・特上おまかせ料理　11000円

という2本立てですので、

・特上おまかせ料理　11000円 × 2人前

を電話で予約しての訪問となります。
電話に出られたのはご主人ですが、人当たりの良さそうな雰囲気を感じました (〃^▽^〃)

予約時間となる2分前に階段を上がってドアを開けます。

すぐにご主人に迎えられました。

店内は、右手前方の厨房を囲むようにL字カウンター6席。
さらに右手を回り込んだ後方にはMAXで6名が座れるテーブル席が1卓というキャパ。

我々はカウンター真ん中に案内されました。
ご主人の板場の目の前ですので特等席 (〃^▽^〃)

BGMは意外にも洋楽ポップス系。

飲み物メニューはあるのですが、肝心のお値段がほとんど書かれていません。
公式HPを拝見しても選ぶものによってはかなり高額なものもありますので、
勝手気ままに頼むことはキケンですので、素直にご主人に日本酒のお値段を伺うと、
日本酒は全て300ml瓶になっており、後ろの冷蔵庫からセルフで取ってくださいとの案内。
お値段はすべて3000円均一とのことでした。
なるほど。300mlで3000円であればまだ想定の範囲内ですのでそれで攻めるかと。

ということで、この日に頂いた特上おまかせ料理(11000円)の内容は以下になります。

・月が綺麗ですね 純米吟醸 神奈川　3000円
　　まずはこちらを冷蔵庫から取り出してかみさんとシェア。
　　日本酒はすべて300ml瓶になります。
　　常に口を開けていないフレッシュな日本酒を飲んでもらいたいとのご主人の拘りから。
　　神奈川県足柄上郡開成町に蔵を構える、瀬戸酒造の作る純米吟醸。
　　華やかな香りがありつつも辛口で好み。酸も有って美味しいです。

・炊合せ
　　里芋、赤蕪、蕪、ほうれん草、春菊、水菜の炊合せです。
　　柚子皮を散らして。
　　ほんのり甘い出汁の味わい。ほっこりと温まります。

・お造り
　　重厚な織部の刺身皿でのサーブ。見ていて惚れ惚れするくらいの。
　　この日は、中トロ 赤蕪甘酢添え、煮鮑、〆関サバ炙り、アオリイカ。
　　グリーントマト、塩、山葵を添えて。
　　アオリイカは、無茶苦茶香りが良くてねっとりとした熟成の味わい。
　　〆関サバ炙りは定番のようですが、炭火で炙ってあり、もの凄い脂が滲み出ています。
　　もちろん味も申し分なしでこれは旨かったですねえ。

・いざ 純米吟醸 神奈川　3000円
　　2本目はこちらを。
　　同じく瀬戸酒造の作る純米吟醸。
　　純米吟醸らしい甘みが特徴。月が綺麗ですねよりも旨味が濃いかな。
　　こちらもなかなかの美味しさです。

・煮物椀
　　ハタ、ほうれん草、ねぎの鍋をお椀に取り分け、柚子皮を散らしています。
　　まずは出汁が旨いです。ハタのアラとかも使って出汁を取っているのでしょうか。
　　塩分的には穏やかなのですが、じんわりとハタの旨味が滲み出ていて。
　　その出汁を吸ったほうれん草とねぎがこれまた旨い (〃^▽^〃)

・肉料理
　　合鴨ロース煮 マッシュポテト添えです。
　　合鴨よりもマッシュポテトに感動。
　　じゃがいも、玉ねぎ、バター、塩、ブラックペッパーだけで作ったもの。
　　なぜかチーズのようなコクや旨味を感じるんです。
　　これは旨いなあと。ご主人いわく、冬のじゃがいもは旨いので、
　　水分を飛ばすことでさらに味が濃くなるんだとか。

・ペリエ　500円
　　チェイサー代わりにこちらを。

・焼物
　　鰤の山椒焼き カリフラワーの酢漬け添えです。
　　幽庵焼きのようなベースを感じるのですが、山椒がピリッと効いていて、
　　焼いている側から無茶苦茶いい香りがしていました (〃^▽^〃)

・揚物
　　牡蠣フライです。塩と自家製のようなソースが添えられました。
　　小振りなのですが旨みが濃くて臭みは一切無し。
　　これは上等な牡蠣を使っているんだと思いますよ。
　　1個かなと思いきや、時間をずらしてもう1個サーブ。
　　一気に2個サーブしないところに、揚げ立ての熱々を食べて欲しいと願う
　　ご主人のもてなしの心を感じましたね (〃^▽^〃)

・凌ぎ
　　ハタ鍋の七草粥です。
　　ご飯がハタ鍋の出汁を吸いまくっていて、おじや状態に。
　　ご主人はわざとだとは思いますが、雑炊にしようと思ったら
　　こんなに吸っちゃった（＾＾；みたいな言い方でのサーブ。
　　これだけの腕の料理人がそんな下手はこかんでしょう (T▽T)ノ_彡☆ばんばん！
　　とにかく旨いですよ (*￣∇￣*)b

・ご飯
　　目の前で炊き立てのご飯がよそわれます。
　　輝く銀シャリを見た瞬間にもはや旨いのは決定 (*￣∇￣*)b
　　ご飯のアテにはじゃこ山椒。
　　まずはご飯だけを一口。
　　うんま～～～～～っい (≧◇≦)
　　これは「煮えばな」のご飯じゃ無いでしょうか？
　　京都の懐石料理店とかではよく出されるものですが、
　　米がご飯に変わる一瞬のタイミングを逃さずに味わうご飯です。
　　一口目はご飯の周りを取り囲む糊状のものが鬱陶しく思うかも知れませんが、
　　その中にはアルデンテのようなご飯が現れ、良く噛むと無茶苦茶米の旨味が分かります。
　　食べている最中にも「煮えばな」から徐々に蒸らされていき、固さも変化します。
　　つやつや、熱々、ふっくら、しっとり、モチモチ。全ての形容を捧げます。
　　十分にご飯だけを味わってからじゃこ山椒をかけて。
　　もはや神の領域でしょう。シ・ア・ワ・セ・・・

・味噌汁
　　生海苔の味噌汁です。当然ながら出汁が効いていて旨いです。

・ほうじ茶
　　〆はこちらを。

これで、席料500円×2席分に消費税10％を加えて、〆て32450円。一人当たり16225円。
カードでのお支払いです。

あれ？おまかせ料理は税込と思っていましたが税抜だったんですね。

本当はご主人はもっとエンターテイナーだとは思うのですが、
この日は常連さんがゼロでしたので、控えていたような気がします。
ただし時折その片鱗を覗かせてはいましたが　(〃^▽^〃)
もしそのエンターテイナーぶりを発揮していればサービスも4.0だったでしょう。

全般的に食べログ評価通りの一定水準を超えた日本料理を堪能出来ましたが、
特にご飯に関しては感動の美味しさを味わえましたよ (*￣∇￣*)b
これだけで言えば4.6ポイントいきますので。京都での感動が再びクラスですわ。

年末年始休暇も残りわずかな頃に伺いましたが、
2023年も頑張ろうという気持ちにさせてくれる美味しい料理でした (〃^▽^〃)

ご馳走様です！（2023/1現在、3.60ポイント）