茅ヶ崎に　過ぎたるもの二つあり　　サザンオールスターズと　スペインクラブのフラメンコ : スペインクラブ 茅ヶ崎

「三成に過ぎたるものが二つあり 島の左近と佐和山の城」。戦国期の武将、石田三成。希代の参謀・島左近。そして壮麗な居城・佐和山城。「もったいない」くらいとの例え。各武将がそのように評した。佐和山の城は現在でも（山のみ）。往時を彷彿とさせる。

藤沢市と平塚市に挟まれ。普段は地味な茅ヶ崎市。それでもサザンの歌は。ますます輝きを増す。いまや桑田とサザンは日本を。代表するミュージシャンとして。異彩を放っている。いったい彼らがいなかったら。この街はどうなっていたのか。

いやもう1つ忘れてはならない。それがスペインクラブ。初夏の週末。夕暮れ時にはまるでマドリード。月に1度、フラメンコの。情熱的な踊りを楽しむ。店の奥に舞台があり。1階と2階にテーブル席が展開。ショーチャージは１人1500円！

さて18時半になり。舞台に踊り手と演奏者、歌手が登場。歌手はカンテという魂が響く深い声で歌い。踊り手はバイレというつま先、かかとで。床を踏んでリズムを取る。ギターはトケと言って指先で。ギターをたたいたり。独特の手の動きをし。

さらに踊り子はパリージョというカスタネットでもリズムをとり更にハレオという掛け声で場を盛上げます。踊りに　　ワインと料理。なんという異空間。まるで「飛んでマドリード」。これが我が街の茅ヶ崎で。食事とショーが終われば。

この店はJR茅ヶ崎駅から。徒歩3分程度と至近。従って鎌倉や平塚あたりから。ショー目当てに来訪者も。我々はタクシーでワンメーター。なんとも身近のスペイン体験。月島まで行かずとも。この満足度。まことに有り難い。


■ショーチャージ　　　2名　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　3000円
○ボトルワイン　　オチョア　グラン　レゼルヴァ　　　　　　　　　　　　　6900円
　テンプラリーニョとカベルナソーヴィニョンのブレンド
●ディナー　Conciert 　2名 　　　　　　　　　9000円
・前菜4種盛り合せ
　海老とクスクス、ヤングコーン、ローストビーフ、さつまいものスープ
・バゲット・
・天然真鯛のブランチャ　焼き茄子と焼き葱のソース
・イベリコ豚の肩ロース肉のグリル
　茸とオーガニックマスタードのソース
・魚介とお肉のミックスパエリャ
・デザート盛り合せ
・コーヒー

茅ヶ崎でも、いや湘南でも。珍しいフラメンコやスパニッシュギターの。ライブステージが味わえる。しかも外観、内部もまるで。スペインに旅行で訪問したような。本場の雰囲気を感じる。スペインのバルというよりも。本当にレストランとも。

装飾品などスペインから。取り寄せた本物。したがって有名なTVドラマに。映画にも登場したことがある。そのくらい雰囲気がある。しかしこの店にしてもコロナの影響が。実はこのあたりに銀行が。それで時折店の前を通る。一時はテイクアウトを活発に。アルコールなしの。ランチなしで頑張っていた。

この日久しぶりに。午後の一時をワインで。スタッフはみなさん活き活きと。なにか吹っ切れたような。もう心配ない。ほとんど終息した。ふたたび活気を取り戻す。

〇ビール　アルハンブラ　　　　　　　　半額　　300円
〇赤ワイン　オチョア　クリアンサ　　　　　　　　700円
●タコ、ジャガイモ、」アオリイカの和え物　　　480円
●ホワイトアスパラのサラダ仕立　　　　　　　　980円
●マイワシの酢漬　　　　　　　　　　　　　　　　　780円
●ハム

なぜか茅ケ崎にスペインクラブが登場。あの月島や銀座に数店舗を展開するスペインクラブグループによる新店舗。店は大きなスペイン風ビルディングという構え。茅ケ崎には大衆的なスペインバルがあるが。このような本格派は初めて。とにかく目立つ！

場所はJR茅ケ崎駅北口のヨーカ堂とエメロードの間。いつの間にかこんな路地に誕生したのか。まるであたりを睥睨するような威圧感すら感じる。4月27日に開店だが目立つ場所にあるので連日予約で満席。東京の有名店、フラメンコのショーなど話題性があるのだろう。

ただ、内部は月島店とくらべてやや窮屈。カウンターに席を取ったが6名しかない小ぶり。1階のテーブル席もそれなりの容量。要は奥の舞台が大きいので仕方ないのだろう。そのショーは何曜日か未定。この日は舞台上にもターブル席を。

月島の店はやや高めの値段設定を感じたが。この茅ケ崎店も、「当地としては」やや強気に思える。一説によると6億円の建築費を投じたそうだ。そしてメニューの種類も月島と比べると限られているように感じる。湘南や相模湾の食材など好感は持てるが。

料理は良く言えば、日本人に理解できるような基本が多い。他方、スペイン各地方の「良いとこどり」でもある。スペインはカタルーニャ、バスクなどその食文化はかなり異なる。あの藤沢のEのようなバスクに絞った凄みは感じない。

ワインは2000円台から中心は5000円程度とリーズナブル。ただし、私が知っているような。CPの良いスペインワインは見当たらない。この会社はワインほかの食材も扱っているが。スペインでの仕入れ先の問題なのか。

さてホワイトアスパラガス、ヒコイワシ酢漬、焼き野菜のマリネ、イベリコ豚肩ロースグリルと続く（アラカルト）。このイベリコ豚グリルは出色。脂が乗り、当日の赤ワイン（テンプラリーニョ）との相性が良い。1400 円でも十分価値があると思う。

ここでいきなり大きな掛け声（合図）が。パエリアが出来上がったのだ。大きなパエリャパンで一挙に炊いているので。アルミホイルお開けると活気が沸き立つ。炊き上がったパエリアパンを2人がかりで持って掛け声とともに客席の間を見せて回る。

パエリアは早めに予約しないと売り切れになるので要注意。炊き上げるのに時間がかかるのだ。

調度品、インテリアなどはスペインから取り寄せたのか。結構豪華に飾っている。それらを眺めるのも楽しい。サービスはまだ開店直後でぎこちなさを感じる。慣れれば大丈夫だろう。まずはお手頃なランチを。気に入ればディナーというのがおススメ。

●ホワイトアスパラ　 1030円
アンチョビ
●シコイワシ酢漬け　780円
●焼き野菜のマリネ 　680円
ズッキーニ、パプリカ、ナス、玉ねぎ
●イベリコ豚肩ロースグリル　1400円
●パエリア　1200円
オマール、海老、タコ、あさり、サフランライスネ
ズッキーニ、パプリカ、ナス、玉ねぎ
●スペインパン　1個200円
○ワイン　オチョア・レゼルヴァ　4900円
サービス料　1019円