基本を押さえた甘さ控えめなシンプルで美味しいケーキたち♬ : ラシェットブランシュ湘南 長後本店

ラシェットブランシュ湘南 長後本店

伝説の湘南フレンチ「名古屋」の血を引くパティスリー

2020年3月15日現在　食べログ評価　3.38　

我が家が東京から鎌倉へ転住してきたのは1987年のこと。
かれこれ33年目に突入しました。
東京出身という自分自身にあった記憶は、いつの間にかどんどんと薄れていき、今では湘南で生まれ育ったかのような気になっているから不思議なもんです。

若かりし頃は昼夜問わず東京での仕事が多忙だったもので、鎌倉を中心とした湘南への思いは薄かったのに、ここ10年ほどで随分とその埋め合わせができたかなと感じています（笑）
ここ8年程の食べログ活動により、エリア内の飲食店に対しても随分と認識が変わりましたし。
昔はグルメ本に載っている店くらいしか訪問したことのない飲食音痴でしたが、今や3,000軒以上も自分の足で回り体験できたわけですから、それはちょっとした記憶の財産のように思えています。
自分に対してだけでなく、少しは皆さんのお役に立てていれば嬉しいのですが…

さて、この時期必ずやってくるのが妻のバースデイ♪
本人は年を取るのが嫌なので誕生日なんて要らないと申しておりますが（笑）
娘も同居していないし、あまり盛り上がらないのですが、それでもケーキでの細やかな祝い事は続けています。
なぜ誕生日＝ケーキなんでしょうね（笑）
やはりケーキは特別な日の御馳走なんですね、今でも♪

どうせなら、食べログ未訪店から、ということで、長後まで足を延ばしました。
妻は食べログ活動自体には全く関心はないのですが、変なのに負けるんじゃないと叱咤激励されてしまったので（超爆）
レコードのライナーノーツや音楽雑誌の評論を書いていた時期もあり、文章はそれなりに綴ってきたつもりですが、年齢による脳の衰えとタイピング能力の低下は甚だしく、もはや酷いもので（笑）
それなのに付き合って読んでくださっているごく少数の方たちには頭の下がる思いです。

…なんて自分の誕生日でもないのに何を懐古しているんだよ（笑）
そう、今回の主役洋菓子店は『ラシェットブランシュ湘南 長後本店』です。

藤沢街道（R-467）沿いの洋館風の店舗は昔から目立ってましたっけ。
藤沢最北部なので、湘南という面影の薄いエリアにあって、その建物はかなり目立ってましたね。
実は大昔、家族で利用したことがあったんです。
その当時はフレンチレストラン「名古屋」だったんです。
なぜ湘南に名古屋？って、当時は不思議に思うネーミングでした。
おまけに国道1号線などの主要街道沿いには蕎麦処「名古屋 3.34」もあり。
それぞれは同族経営でスタートしたと記憶。

レストラン「名古屋」は1967年から存在していた老舗です。
当時、湘南エリアでは憧れのフレンチレストランだったわけで。
パーキングもあったので車で行きましたっけ。
もちろん記念日に♪
そのパティスリー部門の名称が「ラシェットブランシュ」だったんです。
その後パティスリーは独立して湘南界隈に積極的に出店していきます。
当時はデパート内も含めて今より多く出店していたような気が？

一方、レストラン経営としては「レールブランシュ」という名前で鵠沼海岸方面に出店。
長後に負けず劣らずの洋館仕立てで芝生のある広い庭では結婚式もあげられる披露宴レストランとして注目を浴びていました。
ややバブリーな印象でしたね。
そして本拠地長後のフレンチ「名古屋」は惜しまれつつも廃業。
その後、主演の舞台は鵠沼へと移っていったわけですが…
バブルの崩壊以降、フレンチの業態をイタリアンに変え「ラーラビアンカ」と名乗っていた混迷・衰退の時代を経験するも、その伝説のフレンチは、「佛蘭西料理 名古屋」として、2015年に鵠沼で蘇ったのです。
「至高のレストラン」の復活ですね♪
なんと現在でも食べログ評価4.01を誇る名実ともに湘南のトップレストランと言えるでしょう。
残念ながら未訪問なのですけどね…
いつか生きているうちにはとは思っております（笑）

あと、北鎌倉の丘陵にある「プランデルブ 3.72」とは姉妹店なんですって。
全く存じ上げませんでした！！
この伝統ある「名古屋」の血を引いたシェフたちは、現在では湘南に散らばっていて、それぞれが一国一城の主として頑張ってらっしゃる方も少なくないそうです。
調べてみると、あのフレンチも、あのイタリアンも…

そして旧「名古屋」のあった長後ですが、撤退後は規模を縮小してパティスリー部門の本店として生き残っており、現在に至っています。
湘南では伝統と気品のある洋菓子店のひとつと言えるでしょう。
ただ、レストラン部門と比べると、味も評価も、特別美味しかったという記憶がなく、湘南の新進気鋭のパティスリーの後塵を拝している印象は否めなかったのですが…

ラシェットブランシュ
レストラン「名古屋」とともに歴史を積み重ねてきた洋菓子店『ラシェットブランシュ』ですが、現存する店舗は
①長後本店 3.38
②鵠沼海岸店 3.38
③藤沢店 3.35
以上3店舗です。
②は「佛蘭西料理 名古屋」に併設。
③は藤沢駅南口のファミリー通り沿いにあります。

ラシェットブランシュ湘南 長後本店
クリーム色、2階建ての洋館です。
パラソルとテラス席。
基本テイクアウト専門店ですが、屋外でのイートインは可能ですね。
左隣にパーキングがあるので車が便利です。
最寄駅は小田急線の長後になります。
徒歩だと東口から7～8分ほど。

店内は板張りのアンティークさ漂うヨーロッパ調。
やはり気品があるというか、ぽっと出の洋菓子店とは趣が異なります。
ショーケースのケーキを覗くと…
ヴィジュアルはノスタルジーを感じる一昔前風です。
それに300円台からと、意外や買いやすいお値段♪
最近は500円台は当たり前で、600円～700円なんて高額モノも少なくなく、この庶民性はうれしいかも(ﾟ∀ﾟ)

4つ買っていきましょう♪
・苺のショートケーキ　定番は買わないとね♪　450円＋税
・レアチーズケーキ　妻の好物なので♪　380円＋税
・モンブラン　母の好物なので♪　480円＋税
・キャラメルムース　おいしそうだったので♪　400円＋税

どのケーキもいたってシンプルです。
余計なとは言いませんが、本質を見失いかねないようなデコラティヴな要素はほとんどなく！
ショートケーキは甘酸っぱい香りのイイ苺にしっとりふんわりスポンジと甘さ控えめの生クリームが全て♪
北海道産の生クリームの口解けが心地よく♪
一口だけ味見しましたが、モンブランも昔ながらの味わいでした。
母は栗の渋皮煮がまるごと入っていたので笑顔(ﾟ∀ﾟ)
レアチーズもかなり甘さ控えめで好み！
サワークリームの酸味、クリームチーズの滑らかさ、自家製のしつこくないブルーベリージャムに加えてブルーベリーの実もトッピングされていて◎！
これが一番かな。
キャラメルムースは一番甘かったです。
キャラメルムースとチョコムースの二重奏。
生地もチョコベースでミルクチョコもトッピング。
甘いけれどショッパイ、珈琲と一緒だとイイね♪

…とまあ、以前の印象より凄く良く感じられたのが不思議でした。
店によって味が異なるとは思えず、全体的に復活傾向にあるのか？
とにかく最新型ではなく基本を押さえたシンプルさが逆に良かったなと！！
やはり食品は生き物ですね。
一回食べてダメ出しじゃあ、本質は分からなくなるという事か？？？
印象は本店が一番だったので、今後も長後まで足を延ばすことになりそうです。

思うに本店で作ったものを運んでいるのだとばかり思っていたのですが？
実態やいかに？？？
とにかく見直してよかったです(ﾟ∀ﾟ)

味偏差値　64
居心地度　60
食べログ評価＜＜体験判断

常連向き　□■□□□　一見向き
男性向き　□□□□■　女性向き
庶民向き　□■□□□　高級志向
ハイＣＰ　□■□□□　ロウＣＰ