2023.06.20 新月 / 藤沢駅 地下通路 : 新月

2023.09.27 新月 / 藤沢駅 地下通路
　本日の “駅そば” 巡礼は、東海道本線 藤沢駅地下通路に位置する独立系の “新月” さんです。
改装され明るくなった藤沢駅 地下通路を抜けて、富士ビルの入口から “遊行通り 東口出口“ と記された小綺麗な案内板に従い店舗に到着します。
“そば うどん“ と染め抜かれた、藍色の暖簾を潜り入口引戸より入店すると、本日もワンオペの奥様からの声掛けに迎え入れられ、交通系電子マネー非対応券売機にて食券を購入します。
奥様へ食券を渡した後に店内を拝見すると、先客1名後客1名の落ち着いた雰囲気で、ラジヲから音声と奥様が奏でる調理音が全てを優しく包みこみ、昭和感にどっぷりと浸り待ち時間を過ごします。

たぬきそば ¥ 470
玉子 ¥ 50

最近此方を訪問しても御主人の担当する時間帯に遭遇しませんが、お元気でしょうか。
奥様の堅実なオペにより適切な待ち時間で、商品名で厨房カウンターよりコールされ、セルフで着席スペースへ引取り着丼、御対麺と相成ります。
黒磁の反丼に暗黒醤油蕎麦汁が張られ、妖しく麺線をくねらせ平臥する茹で置き平打ち蕎麦、“天かす”ではなく “揚げ玉”、薬味長葱、そして中秋の名月が近い此の時期に相応しい朧かかった満月から構成される丼顔です。
先ずは暗黒醤油蕎麦汁を啜ると、甘辛いパンチの効いた変わらぬ出来栄えに、生姜天の “揚げ玉” が混じり味のアクセントとなり美味しいですよ。
お次に茹で置き平打ち蕎麦を手繰ると、茹で上げ後からの時間の経過に依り、麺が水分を吸収し過ぎ、α化したグルテンと澱粉がβ化し、手繰っただけで千切れそうですが、暗黒醤油蕎麦汁を纏って、これまた美味しいです。
いよいよ朧かかった満月へ容赦無く箸を突き立てグチャグチャに崩して、蕎麦汁と混じった玉子を麺に絡ませて手繰ると、ジャンク感炸裂の旨さですよ。
大手資本系が提供する一杯とは一味違った、独立系 “駅そば” の “新月” さん、その魅力は尽きませんね。
本日も “駅そば” を頂ける幸せに感謝します。
御馳走様でした。
六八-弐〇弐参

家に帰る道すがら、藤沢駅地下通路より藤沢名店ビル、ダイヤモンドビル、プライムビルへ足を向け、藤沢駅南口３９１地区市街地再開発で消えゆく運命の迷宮を彷徨いました。
昭和感溢れるこの風景をよすがとして、

2023.06.20 新月
　此方の立地では狭義には “ 駅そば” と呼べませんが、無理くり広義に捕まえて、東海道本線 藤沢駅地下通路に位置し、絶滅危惧種への指定が噂される独立系 “駅そば” の “新月” さんへ久方振りに巡礼します。
明るく改装されましたが、なぜだかうら寂しい雰囲気が漂う藤沢駅 地下通路を抜けて、富士ビルの入口に辿り着き、更に場違いなまでに小綺麗な通路を経て店舗へ到着します。
白抜き文字で “そば うどん“ と染め抜かれた簡素な藍色の暖簾を潜り、開け放たれた入口引戸より入店すると、本日は奥様の声掛けに迎え入れられ、交通系電子マネー非対応券売機にて食券を購入してワンオペの奥様へ渡します。

カレーそば ¥ 470

昨今、全ての業種で単価改定が繰り返される時節、”新月“ さんは2021.12より単価据え置きで奮闘しており、其の努力には頭が下がります。
店内は先客2後客2名の客入りで、ラジヲから流れる野球中継の音声と、奥様が奏でる調理音だけが全てを優しく包みこみ、昭和感にどっぷりと浸り待ち時間を過ごします。
奥様の堅実なオペを注視すると、茹で置き蕎麦を再加熱して、蕎麦汁を注いだ後にカレールゥを投入し、薬味長葱がトッピングされ、商品名で厨房カウンターよりコールされ、セルフで着席スペースへ引取り着丼、御対麺と相成ります。
黒磁の反り丼にはカレールゥと暗黒醤油蕎麦汁が張られ、其のあやふやな分水嶺から茹で置き蕎麦の平打ち麺が、妖しく麺線をくねらせ平臥し僅かに其の姿を覗かせ、白と緑のコントラストが美しい薬味長葱を頂く見事な丼顔ですよ。
いきなり分水嶺へ箸を突き立てて、カレールゥと蕎麦汁を混ぜ合わせ、カレー蕎麦汁へ昇華させ汁を啜ると、日本人が食すべきカレーと醤油の調和が堪らぬ旨さですわ。
お次に平打ち蕎麦へカレー蕎麦汁を纏わせ手繰ると、茹で上げ後からの時間の経過に依り、麺が水分を吸収し過ぎ、α化したグルテンと澱粉がβ化し、手繰っただけで千切れそうですが、此れでいいんです。此れがいいんです。
独立系 “駅そば” の “新月” さんは、大手資本系には実現出来ない独自路線で、我々ファンを魅了して止みませんよ。
本日も “駅そば” を頂ける幸せに感謝します。
御馳走様でした。
参弐-弐〇弐参

追伸: 藤沢駅大規模再開発で、今後変貌する391街区を見物し乍ら帰路につきます。
昭和をしのぶよすがとして...

”駅そば” 備忘録
天ぷら・かき揚げと、名称は様々ですが、王道メニューな “かき揚げそば” の、各店の単価設定と蕎麦と饂飩の種類を記載しました。

電鉄系、大手資本系、独立系の “駅そば” が、群雄割拠し熾烈な攻防を繰り広げており、目が離せません。笑々 (厳密には ”駅そば“ とは言えないものや、現在の単価設定と異なっておりましても御容赦下さい。)

原油や食材の価格高騰の影響により2021年から2022年にかけて、“駅そば” 界へも価格改定の嵐が激しく吹き荒れました。
更に継続的な価格高騰を理由として、2022年には年間2度の価格改定を行う店舗も現れ、悲しき哉急激にCPが悪化しています。
そして2023年も年初から価格改定が実施されています。
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生蕎麦提供店
WARABI ¥500 ⇒ ¥ 580(2022.07)
¥580 ⇒ ¥600(23.02確認)
ゆで太郎 ¥460 ⇒ ¥490(2022.02)
¥490 ⇒ ¥500(2022.06)
¥500 ⇒ ¥520(2023.01)
¥520 ⇒ ¥550(2023.06)
いろり庵きらく ¥440 ⇒ ¥460(2022.03)
¥460 ⇒ ¥490(2022.09)
¥490 ⇒ ¥550(2023.06)
八角 ¥480 ⇒ ¥510(2021.07)
¥510 ⇒ ¥540(2022.10)
(2023.06価格据置確認)
富士そば ¥430 ⇒ ¥460(2022.01)
¥460 ⇒ ¥490(2022.06)
¥490 ⇒ ¥540(2023.01)
しぶそば ¥440 ⇒ ¥470(2022.02)
¥470 ⇒ ¥490(2022.09)
¥490 ⇒ ¥530(2023.04)
えきめんや ¥440 ⇒ ¥460(2021.12)
¥460 ⇒ ¥490(2022.07)
¥490 ⇒ ¥500(2023.06)
星のうどん ¥400 ⇒ ¥420(2022.03)
¥420 ⇒ ¥450(2022.10)
¥450 ⇒ ¥480(2023.04)
(2023.06価格据置確認)
箱根そば ¥420 ⇒ ¥440(2021.12)
¥440 ⇒ ¥470(2022.07)
　　　　　　　 (2023.03 藤沢店閉店)
相州蕎麦 ¥440
(2022.06価格据置確認)
相州そば 関内 ¥400 ⇒ ¥430(2022.05)
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茹で置き蕎麦提供店
日栄軒 ¥420 ⇒ ¥ 470(2022.10)
(2023.06価格据置確認)
丸川食堂 ¥470 (2023.05)
濱そば ¥410 ⇒ ¥420(2022.03)
¥420 ⇒ ¥440(2022.09)
¥440 ⇒ ¥470(2023.06)
大船軒 ¥390 ⇒ ¥400(2022.03)
¥400 ⇒ ¥420(2022.09)
¥420 ⇒ ¥470(2023.06)
なか卯 ¥450(冷凍饂飩)
(2022.07メニュー落ち)
五味酉 ¥400 ⇒ ¥450(2022.10)
(2023.01 閉店)
鈴一 ¥380 ⇒ ¥400(2022.02)
¥400 ⇒ ¥430(2022.07)
(2023.06価格据置確認)
新月 ¥390 ⇒ ¥420(2021.12)
(2023.06価格据置確認)
相州そば ¥390 ⇒ ¥420(2022.05)
川村屋 ¥390 ⇒ ¥410(2022.04)
¥410 ⇒ ¥420(2022.08)
(2023.03 閉店)
ういーん ¥350 ⇒ ¥ 380(2022.11)

2017.11.30 新月
藤沢駅南口から、地下通路を経た分かりづらいﾄﾞﾝ突きに位置し、歴史有る “独立系駅そば” の此方へ初訪します。
暖簾を潜る際、鰹節と醤油の香りが迎えてくれます。
天ぷらそば(かきあげ) ¥350
初訪ですから王道のﾒﾆｭｰを選択し、程無く配膳された丼をｾﾙﾌｽﾀｲﾙでｶｳﾝﾀｰへと運びます。注意深く観察すると、そこはかとなく場末感が漂う店内です。
天ぷらそばの外観は、関東風の濃い醤油色の出汁に、かきあげ、長葱のｵｰｿﾄﾞｯｸｽな丼顔です。
先ず高温で提供された出汁を啜ると、外観通りにｶｴｼが前面に立った甘塩っぱい濃口の味付けで、自家製麺と新そばを謳う麺は、蕎麦としては太目な平打ち麺です。
ひと箸蕎麦を手繰ると、若干ざらついた舌触り、そして喉越しも今一つで、ｺｼも感じられませんが、出汁を吸い込で美味しいです。
作り置きのしっとりしたかきあげも、横浜駅西口 “きそば 鈴一” さんを彷彿させ、高CPな一杯を楽しめました。
それでは、再び趣き有る地下通路経て藤沢駅へ戻るとしますか。