衣が独特な天婦羅 : 大石

以前からいずれ行ってみようと思っていたこちらのお店、春野菜の天婦羅を食べたくなり当日
電話を入れてみると空席があったので行って来ました。
お店は段葛の通り沿いの古いビルの二階にあります。
古いビルなのでお手洗いはビル共用で行くたびにお店の方から鍵を借りる必要があります。
観光地なので部外者が勝手に使用するせいでしょう。

お店に入ると店内は高級感もあり隅には大きなガラス窓があるので借景が美しい。
広々としたカウンター席に案内されると左右にこの借景を眺められるので気持ちいいです。
先客が一組いらしただけなのでゆったりとした雰囲気の中揚げたての天婦羅を楽しめそうです。
ランチタイムは3,300円の天丼もありますがカウンター席はコースのみになるようです。

・花　　4,400円

　車エビ２・魚２・野菜３・かき揚げ

・月　　6,600円

　車エビ２・魚３・野菜４・かき揚げ・デザート

・雪　　8,800円

　車エビ２・魚５・野菜５・かき揚げ・デザート

今回は6,600円の月コースをお願いしました。
オーダーを済ませると早速コースのセットがセッテイングされました。

・先付

　ホタルイカの酢味噌和え。
　酢味噌の味がちょうど良くサッパリとした口当たりです。
　こういった一品が供されるのは気がきていて良かったです。

・車海老の頭

　カラリと揚がった海老の頭をお塩でいただきました。
　カリカリとした食感が香ばしくてちゃんとした天婦羅屋さんに来たんだなと思わせてくれます。

・車海老２尾

　衣がふわふわと柔らかくカラリとしていません。
　これはだいぶ好みからは外れた衣でお塩で食べるには合わない食感でしたので大根おろしと
　天つゆでいただきました。
　揚げ加減はちょうど良かったので衣の柔らかさが悔やまれます。

・椎茸海老しんじょう

　「椎茸です」と言われましたが中に海老しんじょうらしきすり身が入っていました。
　椎茸は水分を蓄えていて噛むとジュワッと椎茸汁が口いっぱいに広がります。
　すり身は甘みがありました。

・稚鮎

　独特の苦みが癖になる味わいの稚鮎はさすがにお塩でいただきました。
　やはりこの苦みがたまりません。

・アスパラガス

　ジューシーなアスパラガスは苦みの強い頭部分からいただきました。
　こちらの寡黙なご主人の揚げ加減には熟練の技を感じます。
　かたからず柔らかからずの絶妙な食感で甘みの強い茎の部分も美味しくいただきました。

・蕗の薹

　待ってました！の蕗の薹。
　ひたすら苦い蕗の薹でありますが春になるとやはり食べたくなる一品です。
　天つゆでいただいても負けない力強い苦みが口中を支配します。

・牡蠣

　これは嬉しい一品でまさか牡蠣をいただけるとは思ってもみませんでした。
　これまたいい苦みがたまらない美味しさです。

・山芋の紫蘇巻き

　紫蘇の爽やかさが清涼感をもたらしてくれる一品でしたが特に共感を覚えず。

・穴子

　食べごたえのある穴子は全部天つゆでいただきました。
　身がふっくらと揚がっていて美味しかったです。

・筍（追加）

　食べたりなかったのでアラカルトから追加オーダーしました。
　サクッとした歯応えの筍はこの季節ならではの味わいなので絶対に食べておきたい一品でした。
　こちらも揚げ加減がちょうど良く筍の食感を楽しめました。

・蛤（追加）

　４~５個に切られた蛤は甘みがあって物凄く美味しかったです。
　追加して大正解の一品でした。

・すみいか（追加）

　柔らかくて甘みもありこれも美味しい一品でした。

・厚切り薩摩芋（追加）

　薩摩芋は薄切りでも厚切りでもいかようにも出来るとの事なので厚切りでお願いしました。
　ほっくりと揚がった薩摩芋は甘くてとても美味しかったです。
　薄切りでは堪能出来ない濃厚な甘みを感じられ大変気に入りました。
　薩摩芋は厚切りに限る！と言いたくなるような芳醇な甘さでした。

・かき揚げ丼

　食事は天茶・かき揚げとご飯・天丼から選べるので天丼にしましたが丼つゆがしょっぱくて
　甘みが少ないタイプだったので天茶にすれば良かったと後悔しました。
　しじみの赤出汁と香の物がありますがかき揚げ丼がしょっぱいので香の物に救われました。

・デザート

　何だったか忘れてしまいましたが上品な甘さで美味しかったです。

ご主人はひたすら無口な方で職人気質といった感じでした。
大根おろしのおかわりもいただけ久々に目の前で揚げたての天婦羅を楽しめましたが
衣と丼つゆが口に合わずちょっと残念。
ただ後から追加した品々はどれも美味しく次回行くことがあれば最初からアラカルトで
頼んでみたいなと思いました。