『鎌倉の自然の中で、感性溢れるエレガンスを表現』 : レストラン プランデルブ北鎌倉

北鎌倉・梶原の閑静な住宅街にある一軒家フレンチレストラン「レストラン・プランデルブ北鎌倉」

築50年の別荘を改装したクラシカルで瀟洒なレストランです。軽井沢で出会ったオーナーと支配人が意気投合して共同で始めたという“プランデルブ”は「たくさんのハーブ」と言う意味。藤沢にある、名古屋 仏蘭西料理 の姉妹店でもあります。

開放感溢れる店内からは手入れの行き届いた日本庭園が眺められ、「心から癒される店にしたかった」とオーナー。私的には店名からは、どうしてもドイツ・ベルリンにある凛々しいブランデンブルク門の事かと思っていました。

もともとは、以前のオーナーシェフである櫻井 修さんが、フランスから帰国後、2001年に「プランデルブ軽井沢」、2005年に「プランデルブ北鎌倉」を開業。（現在はルグラン軽井沢ホテル＆リゾートのグランシェフ）

駅まで迎えにきてくださるので、利用させていただきました。ご一緒は、ここまでハイキング。晴れたので、登りのみですが、いいお散歩になります。

ランチコースはおまかせのみ。

【乾杯】
「ペリエ」

【6品のオードブル・バリエ】
「新玉ねぎのブランマンジェ」
スペイン産ハモンセラーノを敷いて上に新玉ねぎのブランマンジェ、コンソメジュレ、新ごぼうのフリットを添えて。
「カネロニソーモン」
魚と海老のムースをサーモンマリネで巻いて。
「フォアグラのロワイヤル」
フォアグラの濃厚なフラン、茶碗蒸し仕立て。
「北海道産水タコのコンフィ」
北海道水タコのとキノコのコンフィ。
「タルト・リオネーズ」
さくさくとしたパートブリゼの中のアパレイユには、キッシュのそれとは違い、
キャラメリゼしたオニオンとじゃがいものマッシュ。耳で名前を聞くよりも、ずっと美味。
「大山鶏のサラダ仕立て」
大山鶏の胸肉の自家製スモークを合わせたサラダ仕立て。

【本日のスープ】
「スープ・ド・ロンシャン」
ミルクの泡を乗せたグリーンピースのクレマのスープ。上から、ベーコンのパウダーで風味付け、塩気がアクセントになっています。緑の色みも美しく、グリーンピースの味わい、風味をそのまま活かした造り。

ロンシャンとはパリ郊外のロンシャン競馬場の緑をイメージして名付けたそう。フランスではパリ郊外のサンジェルマンアンレーにてグリーンピース栽培が盛んだったことからポタージュ・サンジェルマンと呼ばれるのは存じていましたが表現が違うんですね。

【パン】
「自家製全粒粉のパン」
厚めのクラストで甘い香りともっちりとした食感。焼きの技術の確かさを感じます。
「カルピスバター」

【本日の鮮魚料理】
「甘鯛のアルベール風ソ－スヴァンブラン」
皮目に微粒子状のパン粉を付けて、こんがりとオーブンで焼きあげ、ヴァンブランソースを合わせたアルベール風。フランス産ホワイトアスパラガスとロマネスコ、赤からし菜、黄人参、紫人参、などの鎌倉野菜を盛りつけて。

このアルベールとは、マキシムの名給仕長の名にちなんだ、魚に用いられるソース。シャンピニョンとエシャロットを炒めた中にノイリー酒を加えて煮詰め、魚のだし汁に少量のフォン・ド・ヴォー を加えたもの。確かにヴァンブランとも似ていて、フォンドヴォー、ノイリ―酒をベースにしたソースは、ふわっとした淡白な甘鯛に寄り添うように馴染み、引き立てるような味わいです。

【本日の肉料理】
『筑波山のもち豚ロース肉のロースト』
つくばのもち豚のロースをロースト。くせのない柔かい味わい。ローストしただけという感じですが、ここに料理人の腕の差が出ます。表面をサクッと歯切れ良く焼きながら、サラリとした味の良さを堪能させます。ソースは西洋ワサビ・レフォールのソース。しっかりした味わいで、肉のうま味をさらに増していました。ガルニには、スナップエンドウ、 さやごと＆ひげ付ヤングコーン、パプリカ、カブのロースト、と充実。

【デザート】
「ムース・ド・フリュイルージュ、ソフべ・フランボワ－ズ」
上段にはミックスベリーのムース、マスカルポーネのムースの2層仕立て。フランボワーズのソルベを添えて。フルーツとシャンパーニュのジュレにフレッシュな、イチゴ、エデイブルフラワーをあしらって。

さっぱり程よい酸味が心地良いデザート。見た目が綺麗、それぞれベリーを使ったグラデーションがうまくまとまっています。

【食後の飲み物】
「紅茶」

【ミニャルデイーズ】
「ショコラブーシェ」「カカオニブのメレンゲ」「フランボワーズのギモーヴ」

【お土産】
「レモンのマカロン」

鎌倉野菜を使うなど、それぞれの個性を活かした素晴らしいバランス感覚。どれもひとつひとつ、丁寧な仕事が感じられ、満足感があって、軽すぎることもなく、重すぎることもない万人に愛されるクラシカルフランス料理になり得ている構成だと思います。ソムリエールの方が、終始のサービスと、送り迎えまでしてくださって、何か、素敵なお家に招かれたかのような印象。ゆっくり寛がせていただきました。