ヤマダ電機もここまでやる : カフェレスト 家電すまいる館YAMADA戸塚店

業界の垣根が無くなってきているとよく言われます。
成長のための企業変革という視点で捉えれば、これはいつの時代にも起きていると言えるでしょう。
例えば、異業種参入という形で、個々の企業が既存の強みや技術を転用して成長市場、成長分野に展開して市場の成長に沿った業績伸長を目指す動きは、食市場においてもコンビニによるカフェ業態参入などのような形で具現化しています。

また、マツキヨとローソン、ココカラファインと旧サークルKサンクスのように業種を超えて提携することで新規の顧客獲得を狙うといったこともこれまでも多々みられてきました。

一言で言うとこれまでの常識を超えたところで現場の企業の動きが加速しているということでしょうね。

今回お邪魔した当店などもそんな世の中の動きの象徴と言ってもいいと思われます。
そう、家電量販店によるカフェ業態への参入のケースです。

家電量販店については、例えば横浜のヨドバシなどは外食産業と提携(レストラン街)して相互にウインウインの関係を築いているように変革と親和性のある業界と言うことも出来るでしょう。
時代の寵児的な存在だったのが長続きして変革の担い手となっているようにも思われます。
家電量販店の店頭で自動車メーカーが新車販売ている光景などは当たり前に見られるようになりましたし、ヤマダ電気については食料品を販売している店舗を見かけたときには驚いたものでしたが、そんなことに比べればカフェ進出は大した変革とは言えないのかもしれません。

この日は、戸塚でランチをとった後、踊場方面まで歩いて、こちらを目指すことにしました。
ヤマダ電機自体は、戸塚在住中の末期にオープンしましたので、オープン後丸6年を超えたくらいではないかと思われます。

施設に入ってまっすぐに進むと右手に当店が見えてきます。
全く違和感なく施設に溶け込んでおり、ＧＭＳやＳＣによく見られるチェーンのカフェと比べても全く遜色無い佇まいを見せています。

店頭にはランチメニュー、デザートメニューなどの看板が出されており、集客に配意しているのがうかがわれます。

完全セルフスタイルのカフェですので、正面から入って右手にあるレジで注文をします。
レジにはメニューが備え付けですので、それを見ながら注文できますが、ケーキだけはメニューにはラインナップしておらず、レジ横の冷蔵ショーケースから選ぶスタイルです。
この日はお茶休憩でしたので、スイーツメニューに目がいきますが、当店の看板商品はスフレパンケーキのシリーズ。
パンケーキブームが続く中で、新しいタイプのパンケーキとして人気が出ているアイテムです。
星乃珈琲店が火付け役との見方もあるようですが、下北沢、吉祥寺、自由が丘、代官山などに展開しているフリッパーズという人気店もあり、実際のところは良く分かりません。

冷蔵ショーケースの中のケーキもなかなか充実しており捨てがたいです。
北海道2層のチーズケーキ、ミルクレープ、ガトーショコラといった好みのケーキが並んでいます。

迷った末、スフレパンケーキのメイプル＠500円を注文することにしました。
ドリンクセットは50円引きになるので、320円のアイスコーヒーのトールサイズをチョイス。
合計770円に消費税が付いて831円になります。
家電量販店という目線で見るとやや高いかなという価格帯ですね。

お客さんによっては番号札を渡されている方もいますが、私の注文は支払いを済ませると、パンケーキだけは若干時間がかかったものの、ほぼスムーズに渡されました。
お店の奥のカウンター席に持ち込んでいただきます。
カウンター席は電源完備なのは嬉しいですね。

スフレパンケーキは、普通のパンケーキと比べると高さがあってふっくらと焼き上っているのが特徴です。
これはメレンゲを使用することで焼き上がりをソフトにしているんですね。
メレンゲというとシフォンケーキとの違いに興味が湧きますが、スフレは小麦粉のデンプンの糊化をある程度行ってからメレンゲと合わせており、これに対して、シフォンケーキの方は、小麦粉のデンプンの糊化をほとんど行わないでメレンゲと合わせるという違いがあるそうです。

上にはバニラビーンズのたっぷり入ったアイスクリームが乗り、横には生クリームが添えられてメープルシロップで風味付けしています。

風味は、普通のパンケーキと近いものもありますが、やはりフワッと感が異なり、お腹のモタレ感も軽いです。
またちょっとチーズの風味を感じましたので、リコッタチーズを使用しているのかもしれませんね。
いずれにしてもなかなか美味しいです。

アイスコーヒーも風味がしっかりしており、少なくとも淹れ置きとか業務用アイスコーヒーをドボドボと注いだインスタントアイスコーヒーとモノが違います。
トールサイズで単品価格320円というのも分かるように思いました。

やはり当店、モノはしっかりしたものを出してますね。
ここで手を抜いて単なる休憩スポットに堕していないところが非凡なのかもしれません。
この日は、それほど混んでいませんでしたが、業態としては、ランチに限らず平均的に集客が見込めそうなタイプでその意味ではオペレーションも組みやすそうで、経営的にもうまく回転する要素を備えていると思われます。

もっとも本当の狙いは家電の売り上げ増に寄与することだと思われるので、その点でどういう評価がなされているかは興味深いですね。