冷静に考えるとあまりお得では無い「選べるランチ」 : 食彩和牛 しげ吉 戸塚店

この日は、戸塚までランチに出向きました。

平成14年4月から11年半住んだ戸塚ですが、そもそも戸塚と縁が出来たのは、私の実家と家内の実家に行くのが共に便利で、東京への通勤にもそこそこ便が良いといった条件を満たす立地ということが大きいです。
東海道線の横浜～大船あたりで家を探していたところ、ちょうど手頃な物件が見つかったため戸塚に住むのを決断しました。

戸塚に住んだ11年半の間に、戸塚駅西口再開発なども行われ、戸塚の街も随分変わりました。
オールド戸塚とニュー戸塚の両方を眺め、楽しむことが出来たのはよかったと思います。
西口再開発事業と並行して地元の日立製作所グループが所有不動産の売却等を進めたことなどもあって、マンションが林立。
少子化が叫ばれている世の中ですが、私の娘二人も卒業した戸塚小学校などはクラスがどんどん増え、当初はバラックで対応していたのが校舎の増築に踏み切るなど、戸塚ならではの動きも見られます。

飲食店についても、それなりの変遷がありますが、やはり子供が多いと、ファミリー向けのお店が新しい市場を求めて出店してくるケースが多いですよね。差し詰め焼肉店なんかはその典型なのかもしれません。

今回は、その焼肉店である当店を利用することにしました。

県道203号大船停車場矢部線の豊田立体近くにあるお店ですが、以前は「あぶり屋 戸塚店」というお店が営業してました。
同店は、戸塚小学校のママ友情報でもとても評判だったのですが、経営は変わっていないものの、リニューアルにより店名が変わったようですね。このようなリブランドは低コストで行えることもあり、よく見られるケースです。

当店を経営しているのは、横浜・石川町に本社のある株式会社シゲキッチン。
平成22年に設立された会社（創業は平成15年）で、社名は代表者のお名前からきているようです。
現在、10店を展開していますが、横浜元町店、湘南台店、大和店は食べログ評価が3.5点を超えており、なかなか勢いがあるようですね。（やや穿った見方もあるようですが（笑））
牛たんやホルモンの専門業態なども出店しています。

この日は、11時30分のオープンを目指して伺いました。
11時30分ちょうどにお店はオープン。先客は女性おひとり様１人だけで２番乗りでの入店になりました。

ファサードは、隣接するパチンコ店と軒並びで類似した形態になっているので一見ゴージャスにも見えますが、よく見ると、(あぶり屋時代から)看板を付け替えただけだというのが分かります。いわゆる安普請と言っていいでしょう。
正面入口入って左手側に自動扉があるので、そちらから店内に入ります。

すぐに女性店員が対応してくれましたが、店内はまだ薄暗くていかにも開店準備途上という感じ。これはあまり好ましくありませんね。
我々の仕事でもそうですが、約束の時間にはきちんと体制を整えておくべきですよね。

店内はカウンター席もありましたが、空いていたためか、4人テーブル席に案内されました。
卓上にはロースターを置く石と、その上に排煙装置が備わっています。

メニューは、定番メニューとランチメニューがありますが、ランチメニューは、選べるランチという1,480円(税抜き。税込み1,598円)のメニューのみ。
この選べるランチは、料理長の気まぐれ前菜３品盛りと日替りサラダは共通ですが、その他、①肉、②麺飯類、③デザートについては、3〜4種類から選ぶシステムになっています。

この時点では、1,598円でも仕方ないかなと思われました。

肉は、和牛カルビ、和牛ロース、プライムハラミ、三種盛り合わせ(和牛ロース、鳥モモ、豚トロ)から選べるので、和牛の文字に惑わされずにプライムハラミをチョイスしました。
麺飯類は、コシヒカリごはん、ミニ冷麺、ミニビビンバからの選択。
いつもなら焼肉のお供の王道であるごはんにするのですが、この日は何故か冷麺を選択する気分でしたので、それに従います。
デザートは、アイスクリーム、抹茶アイス、ゆずシャーベット、杏仁豆腐からのチョイスとなりましたので杏仁豆腐にしました。

待つこと2〜3分で炭火仕込みの火鉢が運ばれてきてセットされます。
さらに2分ほどでサラダと前菜３品盛りが運ばれてきます。

サラダは、大根サラダに胡麻ドレ。
よくあるレタスやキャベツのサラダとは違いますが、まあありふれた普通のサラダであることには変わりありません。

前菜３品盛りは、「料理長の気まぐれ」という枕詞に猜疑心がありましたが、予想通りと言うか、ポテサラとキムチ、ダイコンの煮物というあまり工夫の感じられない３品盛り。
キムチは結構な辛口で美味しかったのですが、ポテサラとダイコンは「あーあ。」という一品でした。

このサラダと前菜を見る限りは、なんとなくうたい文句先行の選べるランチではないかとの疑念がかなり支配的になってきました。

メインのプライムハラミは、サラダ、前菜から1分ほどで提供されました。
藁と笹の葉で飾られた皿に盛られての提供で、これも演出先行ではないかと思われましたが、肉自体は、色艶も良く、なかなか良質な肉だと思われます。
早速ロースターで焼いて、たれとニンニクでいただきます。
ＵＳビーフのハラミなのですが、程よく柔らかく、脂肪は少なめ。
あっさり系ですが、肉の旨味がしっかりあるのはハラミならでは。
これは美味かったです。

肉の提供からミニ冷麺が出来上がってくるまで10分ほどかかりました。
なので、肉を完全に食べ切ってからの冷麺提供。
本当は肉をいただきながら冷麺を食べたかったので、このオペレーションは残念でしたね。

冷麺は、キムチ、ネギ、鶏肉チャーシューの入った韓国風冷麺。
優しい味わいのダシ（牛骨？）にキムチとネギが良く主張しており、美味しかったです。
量はかなり少なめでしたが。

杏仁豆腐もクリーミーでまあまあのレベルでした。

そんなことで、サラダ、前菜は残念だったものの、料理は尻上がりに調子が上がってきたようなイメージで、その意味では、サラダ、前菜から想像された先行きと比べるとましなランチではありました。
味の評価は3.3点にしました。

しかし、そのことは評価するとしても、実際に食べてみた感想としては、やはりこの内容で1,598円というのはコスパ的には評価できません。
このことを加味すれば、総合評価としては表記の評価で一杯一杯ではないかと思います。

夜の部はまた違ったパフォーマンスを出してくれるお店なのだと思いますが、ランチについては正直言ってもう一つといった印象でした。