パンはやや高めでも味はさすが天然酵母 : パーネ ディ トゥッティ

当店は、私にとってあまり相性の良くないお店と位置付けられていました。
オープン5年程度と脂の乗り始めた時期のベーカリーで、食べログ評価も3.5点を目前にしたお店ということもあり、訪問候補として浮上、過去に二度訪れたことがあるのですが、その二度とも臨時休業にぶち当たり、撃沈していました。

別に不定営業のお店でもないので、この確率は凄いと思います。
何かのイベント参加のための休業だったように記憶していますが、こういうお店もあるんだなあと暫く冷却期間を置いていました。

この日、たまたまこちら方面へ来ることがあったので、三度目の正直とばかりに立ち寄ることにしました。

当店は、天王町商店街（駅前通り）を駅から松原商店街の方へ向かい、国道16号線と交差する一本手前の交差点を右折してすぐ左手にあります。

この日は、14時ちょっと前の訪店になりました。
無事営業しています！
入店するとまだランチタイムにかかっていたためか、店内の奥にあるイートインスペースはほぼ満席の盛況ぶりでした。

当店は、ベーカリーで当然テイクアウトもあるのですが、イートインでのランチ（パンの他、地場野菜を使った料理が中心）もかなり評判のお店なんですね。

パンの販売スペースは、店内入ったところにある三段の棚のみ。
パンの種類も数えてみたところ22種類ですから、決して品数豊富なベーカリーではありません。
主なパンの価格は次の通りです。

・オリーブスティック＠250円
・じゃがいもとゴルゴンゾーラ＠280円
・フォカッチャプレーン＠150円
・フォカッチャじゃがいもとチーズ＠200円
・ナッツナッツナッツ＠250円
・あんぱん＠200円
・ノワレザン＠380円
・チョコクランベリーアーモンド＠230円
・さつまいも＠250円

パンの種類から見て、ハード系が得意なのかなと思われ、価格帯は、全体にやや高めの設定になっている気がします。
店頭に出されている幟などを見ても天然酵母使用ということを高らかに宣言していますが、店内見渡す限り、そのことの説明は見当たりませんし、小麦の品種などに関する情報発信も見られません。
チェック不足もあったのかもしれませんが、こだわりがあるのであれば、はっきりと明示した方がいいと思いました。

お店は、イートインコーナーも含めて女性店員さんが一人で切盛りしている様子でした。

対面販売方式ですので、22種類のパンから以下2点をチョイスしました。
・マスタードソーセージ＠250円
・ミルククリーム＠250円
合計500円

コスパの目安としているワンコインジャストということは、決して安くはないですね。

持ち帰って、翌日の朝食に供しました。

マスタードソーセージは、レンジで20秒チンした後、600Ｗのオーブンで4分間加熱していただきました。
粒マスタードをからめた特製ソーセージを包んで表面にエダムチーズをトッピングしたハード系のパンです。
ソーセージは小ぶりながらもなかなかジューシー。
粒マスタードが味を引き立てています。
エダムチーズは飾り＆隠し味程度の存在であまり主張は強くありません。
生地は、さすが天然酵母由来でしょうか、しっかりした引きがあって小麦の香りもしっかりします。
値段なりに美味しいパンだと思いました。

ミルククリームは、今やすっかり一般化した俗称「ミルクフランス」というパンです。
自家製ミルククリームを準ハード系のパン生地で包んでいます。
敢えて「準」と申し上げたのは、私は、ミルクフランスの場合、パン生地の具合でかなり味を左右する面があると思っているからです。
その点、こちらのパンは、ハード過ぎずソフト過ぎない絶妙のパン生地。
ミルククリームもミルキーでとても美味しかったですし、これはかなり秀逸なパンでした。
ただ、やはり＠250円は高いですね。
廉価ベーカリーのミルクフランスだと２個買えちゃいますから。

念願叶って利用できただけにホッと一息といったところですが、パンのレベルは高かったと思います。
出来得れば小麦や酵母の情報発信をもっと丁寧にやった方がいいと思われたのと、もう少しリーズナブルだと手が出やすいと思った面はありましたが、オシャレなイートインも含めてこういうコンセプトのお店なので、仕方ないのかなとも思います。

すぐ近くの「ピノッキオ」を始めライバル店の多い立地ですが、頑張って欲しいですね。