素晴らしいワインリストが… : HANZOYA

＜2009年2月＞
2月いっぱいまでの水、木、金曜日限定メニュー。
時々このような企画があるので、HPは必見です。

「シェフからのおもてなし」
定番、アンチョビの入った小さな温かいクロワッサン、
大根やカブを使ったすり流しのようなスープなど3種類。

「しっとりと仕上げる富士マスのプロシェット」。
串に刺して炙ったきれいな色の新鮮なマス。
添えてあるオリーブオイルか、マスタード入りのソースを付けて。

「こだわりの早春野菜で仕上げるミルフィーユ　柚子・昆布の香りと
オリーブのアクセント」。
黒い四角いお皿に、様々な野菜を三角に巻いてカットしたものにハーブを添えて。
彩りのコントラストがきれいです。
口にすると、んん？和の味。
何やらスパイスを添えた浅漬けのような…。

「鹿児島産早掘りの筍と新玉葱のロースト」。
香ばしく焼いた筍はエグミもなく、素直に素材の味が生きている。

「小甘鯛のポッシェ　香りの良い甲殻類のコンソメ仕立て」。
お皿を置かれた瞬間、甲殻類のいい薫りが。
シンプルに優しく蒸した甘鯛やお野菜に、コンソメ仕立てのソース（スープ）は、
ちょっと優しすぎ。
黒米の入ったお米のリゾットを、このスープで作って添えてあったら美味しいに違いない、
なーんて、思いながらいただきました。

「沖縄産シークワーサーのグラニテ」。
ちょうどいい酸味のグラニテ。

「岩手・山形村から届く短角牛のロゼ仕立て　有機野菜と一緒に」。
しっかりとした赤身の牛肉は、タテヨコに細かく切れ目を入れて。
噛み応えのある肉質。
これも、脂を使わない優しいソース。

「フランス産フレッシュチーズをお好みで」。
ここから、ようやくフレンチのコースが始まった気分。
ワインがたくさん残っていたので、たっぷりといただきました。

今回のメニューは、「和」と「野菜」を前面に押し出したもの。
ほとんど脂を使っていないお料理は、ダイエッターの味方ではあるけど、
せっかくの、素晴らしいワインリストの味方ではないかも。
シェフはどういう道を目指しているのかしら。
そもそも、フレンチの定義ってなんだっけ？エスコフィエが基本では？
と、後々まで考えてしまったランチでした。

,＜2008年8月＞
新横浜駅周辺できちんとお食事…ここしかないでしょう。
駅周辺がイベントで激混みでも、こちらはどこ吹く風。いつもの静けさです。

今回の素敵な一皿は「イサキのポワレ」。
様々な緑の野菜たちの爽やかで夏らしいソースに囲まれた、イサキ。
焼き具合は皮目がパリっといい具合。身はしっとりと。
これは暑い時期の胃に、やさしい一皿。

ランチコースは内容が決まっているものの、アラカルトメニューを
プラス料金で組み替えることができるので、とても自由度高し。
通常他のお店では、アラカルトとの差し替えを控え目にお願いするのですが、
そんな気兼ねも無用。

最後にコーヒー、そして、採れたてのハーブティーも、プティフールも。
いつもながら、CPに優れたランチでした。

程よい気分で、日産スタジアムへの景気付けになりました。

＜2008年2月＞
前回のレビューの間にも何度か訪れているのですが、段々とお料理がよくなってきています。
勉強熱心なシェフのこだわりはかなりのもの。
野菜は県内産の契約農家の朝採り、お水は富士山麗で湧き出る水を
汲みに行くという、こだわりよう。

今回心に残ったメニューは…
「フォアグラのポワレ　ミルフィーユ仕立て」。
ハチミツを使ったソースがフォアグラとマリアージュ。
最後までパンでぬぐいました。

「軍鶏の炭火焼　黒岩塩の風味と九条葱を添えて」。
軍鶏を前日に真空調理し、当日仕上げるという、手の込んだ一皿。
ライヨールのナイフがなければ切れないほど、密度の濃い肉質。
炭火焼の薫りと旨みのある九条葱が、より引き立ててくれます。
よく色んなお店で、前菜はよくてもメインディッシュでテンションが下がる
ことがあるのですが、今回はメインディッシュらしく盛り上げてくれました。

リストのワインはもちろんのこと、グラスワインも多種多様。
毎回楽しみです。

＜2006年11月＞
今回は期間限定のブルゴーニュワインフェアに合わせて伺いました。
白4種類、赤6種類がグラスでいただけます。
赤はボトルでお願いしてあるので、どの白を選択しようか、うれしい悩み。
厚めボディが好きな私は「ムルソー クロ ド ラバール　コントラフォン 99」を。
お料理はランチのハーフサイズコース（女性のみ）を選択。
スープのみ元から決まっているメニューにし、
あとはすべてアラカルトをコースに組みこんでいただきました。

前菜は「魚介の燻製、バルサミコと西洋ワサビのクリーム」。
お皿全体をキャンパスに見たてたような、彩りのよいデザイン。
燻製の薫りがほどよく、前菜に相応しい一皿。

スープは「カリフラワーのクリーム」。
なめらかでカリフラワーの味がみっちり。
スープというよりも、前菜の2皿目といった感じ。

鮮魚料理は「宗谷産帆立貝のポワレ」。
この時期ならではの黒トリュフが帆立の旨みを包み込む。

肉料理は「シャラン産鴨のローストアスパラ添え」。
ロゼ色に焼き上げた鴨に、濃い目の赤ワインソースがよく合う。

トレイに乗せられた何種類もの中から、熟成したフロマージュを。
いつもたっぷりとカットしてくれるのが、うれしい。

デザートには「5種類のキウイとゼリー」「ケーキ盛り合わせ」を。
コーヒーをいただいたあとに、さらにフレッシュハーブティーを
サービスしていただけるのが、楽しみ。

秋のメニューを、外の紅葉の景色と共に楽しんだ午餐でした。

＜～2006年7月＞

ダイニングの1階は吹き抜けで天井が高く、テーブルの配置はゆったりと、
心地よい空間が広がります。
2階は落ち着いたダイニングとなっています。
クロス、グラス、カトラリー、食器等上質なものを揃えています。

お料理はコース中心。
プリフィクスでアラカルトからのメニューを組み込むこともできます。
女性のみスモールポーションのコースの用意もあり、キメ細やか。
産地にこだわった食材を様々揃えているのはさすが。
季節ごとの楽しみです。
シェフのこだわりをひしひしと感じさせてくれるメニュー構成。
ただ、それが冒険になってしまっていることもあるのですが。
探求心旺盛のようなので、今後を期待したいところ。

特筆すべきはワインリスト。
種類はもちろん、立派なセラーに寝かされている
状態のいいワイン達が「新横価格」。
さらに「Why not」という新兵器により、
多数のグラスワインを楽しむことができます。
こんなに充実したワインがあるのに、週末はそれを楽しむお客さんより
「結婚1周年記念無料ディナー」のために来店している
カップルのほうが多いのです。
「食前にビール、あとはジュース」のような…。
結婚式場が中心とは言え、私から言わせれば、嘆かわしい限り。
あまりにフレンチ初心者向けにし過ぎていて、もったいないです。
ワインだけで言えば、出張帰りに東京までの新幹線を下車してでも
来店する価値はあると思えるのですが。