時間が止まったままのレトロな店舗 : 横浜かをり 山下町本店

（２０１３年１０月）

これまで・・かをりの詰め合わせと言うと決まってレーズン
サンドでしたが、今回初めて ’かをりサブレー’ の詰め合わせ
を戴きました。

ヨコハマかをりのサブレーは１９８９年横浜博覧会の記念品
として作られたものですが、これまでの私の中に永年あった
かをりのイメージを覆す画期的に美味しいサブレーでござい
まして・・詰め合わせは、舵型、かをりマーク型、船型の３
種類で、特にお薦めしたいのが船型です！船型はクルミ入り
でサクサク・肉厚サブレーとベスト・マッチ～♬　舵型はア
ーモンド風味、かをりマーク型はココア風味、いずれもバタ
ーがたっぷり入った風味豊かなサブレーでございます。

デザインは必ずしも洗練されたものではございませんが、大
きくてお子様にもわかりやすく、CP とお味は特級～♬ ちょ
っとノスタルジックで港ヨコハマのロマンが香る船と舵のサ
ブレーはこれからも横浜を代表するお菓子であり続けるに違
いありません。

（２０１２年３月）

かをりの新しい味を発見！！

これまでに頂いたかをりの詰め合わせには入っていなかった
マロン・サンドイッチとクランベリー・サンドイッチを戴き
ました。クッキーの大きさや厚みは全く同じですがレーズン
サンドとは趣きが異なっていて思いの外〜☆ 愉しめました。

マロン・サンドイッチには細かく砕かれたマロングラッセが
マロン風味のクリームと共にコーヒー味のクッキーにサンド
イッチされてたくさん入っています。マロングラッセは丁寧
にカットされていて〜ひと粒ひと粒は本当に小さいのですが、
しっかり！マロングラッセで〜〜♬ イタリア産とのこと・・
ラム酒で香りづけされていて甘過ぎずに上品な仕上がりです。
ただ、ここまで細かく砕いてしまうとクリームに飲み込まれ
てしまうかな？という感がなきにしもあらず。

一方クランベリー・サンドイッチの方はキルシュワッサーに
しっかりと漬け込まれた大きなクランベリーがチョコレート
・クリームに包まれてココア風味のクッキーにサンドイッチ
されていて〜こちらもクッキーは甘さ控え目でフィリングの
お味が引き立ちます。とっても美味しい〜〜♬

私は昔から〜かをりのレーズンサンドはクリームがちょっと
甘過ぎるのではないかと感じていましたので、マロンサンド
とクランベリーサンドは嬉しい発見でした。惜しむらくは〜
クッキーでしょうか・・・もう少しクッキーの香ばしさのよ
うなものが表現されると素晴らしいと思うのです・・・あく
までもワタクシ個人の感想ですが、かをりのクッキーはレー
ズンサンドも然りで、クッキーがボソボソっとしていて少し
湿った感じがしてしまいます。クッキーに香ばしさがない為
に中のクリームが勝ってしまうのでしょうか・・。

でもマロンサンドとクランベリーサンドではレーズンサンド
で感じてきたほどクリームの甘さとインパクトのないクッキ
ーから来る違和感を感じませんでした。逆に、クランベリー
サンドではボソボソっとしたクッキーがクランベリーの味と
食感をより高めているような気さえしました。たぶんフィリ
ングのチョコレートとココア地のクッキーとの相性がよかっ
たのだと思います。次回かをりの近くを通りかかったら〜甘
酸っぱいクランベリーサンドを単品で購入したいと思います。

まだレーズンサンドしか召し上がったことのない方！！
ぜひぜひ！かをりのクランベリーサンドもお試しあれ〜〜♬


（２０１１年１２月）

横浜かをりのお菓子はレーズンサンドの他に詰め合わせで
ブランデーケーキなど過去何十年に亘って頂いてきている
のですが、店舗には一度もおじゃましたことがなく、先月
お店の前を通りましたらパーキング（店舗前に３台分の駐
車スペース有り）も空いていましたので〜何か他に美味し
いお菓子があるかしら・・と思い、お寄りしてみました。

幸運のたまご、というダクワーズがありました！でも、パ
ッケージがイマひとつ・・時代が昭和で止まってしまって
います。それは他のお菓子にも言えることで、ブランデー
ケーキも然り。逆に、イマドキこんなパッケージをみつけ
る方が困難かもしれません。ショーケースには生菓子も少
々ありましたが〜モンブランにしても、ショートケーキに
しても！微笑ましいほど垢抜けないデザインなのです。

幸運のたまごというネーミングも、三陸菓匠さいとうのカ
モメの玉子は本当に卵ですが、かをりのたまごは楕円形で
卵を連想することはできなくもありませんが、丸みのある
卵でもなく一年中売られている為イースターエッグでもな
く、なんとなくとってつけたようなネーミング・・なぜ幸
運なのかというストーリーも添えられてなくて〜お菓子と
して市場で一人歩きするにはインパクトが弱いと思います。

お買い物をするスペースは横一列で４人が限界〜非常に狭
く、接客も ’本当はお菓子が好きではない人’ が売り場に立
っているという冷たい感じがして〜言葉から商品に対する
愛情が感じられることもなく、箱詰めにされたお菓子が所
狭しと並ぶ、イメージ的にも〜甘いお菓子の香りが漂うこ
とがないショップでした。

通り一本向こうには洗練されたお洒落なお菓子がいただけ
るフレンチのアルテリーベがあり、馬車道にはブール
ミッシュの旗艦店ガトードボワイヤージュがあります。
この両店は同じ横浜に在りながら〜かたやヨーロッパで８
年連続モンド・セレクション金賞受賞、かをりの方は昭和
の時代のまま時間が止まり、デザインとパッケージ、味で
大きく水をあけられてしまいました。でも、こういう言い
方をすると〜ハマッ子は必ず ”かをりがなくなったら寂し
い！！” と言います。１０年連続最下位でも横浜ベイスター
ズを応援し続けるあの郷土愛にも通じるものが！かをりに
もあるのでしょう〜〜☆ もしかすると寡黙な店員の方も！
実は ’野球は熱く語る’ ベイスターファンかもしれません。

幸運のたまごに挟まれているバター・クリームはバニラと
アーモンドの２種類がありますが、バニラはバニラビーン
ズの香りは殆んどせず、アーモンドの方はまだ何とかいけ
ますが、いかんせんアーモンド・パウダーで作る生地が命
のダクワーズの表面が固くていけません。もう少し軽くて
サクッ！シャリッ！としていてほしいと思いました。生地
が軽ければこそ中に挟まれているクリームの練っとりとし
た質感が生きてくるのです！京都 OKU の抹茶のダクワー
ズは秀逸で〜中の抹茶クリームも重すぎず、ふんわり〜♬
生地を作るアーモンド・パウダーにもこだわっています。

以前、かをりのレーズンサンドと小川軒のレーズンウィッ
チの食べ比べをしたことがありまして・・その時もやはり
サブレーの生地の香ばしさと固さ、焼き上がった表面のテ
リで小川軒に軍配が上がりました。かをりのレーズンサン
ドはレーズンが大きくて丁寧にブランデーに漬け込んであ
り〜レーズン自体はとても美味しいのですが、肝心のサブ
レーが湿っていてちょっと残念です。　

かをりの創業は１９６９年に遡ります。フランス料理店と
してオープンしました。２Fを見上げると〜今でも蔦のか
らまったレストランの外壁に往事を偲ぶことができます。
８年ほど前に閉店して現在は１Fのティールームと小さな
お菓子売り場だけの営業となりましたが、かをりのビルが
建っている場所は幕末の頃 ’居留地７０番’ と呼ばれ〜１８
６０年開港直後の２月にオランダ人が作った日本で最初の
ホテル： ’ヨコハマホテル’ があった場所で〜記念碑に食堂、
バー、ビリヤードがあり、数年後にはフランス人シェフに
よるレストランがオープンし、洋酒と洋菓子が売られるよ
うになったと栞に記されていました。

今でも！かをりの包装紙に貼られているラベルには ’レスト
ランかをり製菓部’ と印刷されていて〜この辺に！かをりを
ひも解くキーワードが隠されているのでは〜☆ と思います。
'製菓部'という言葉の響きからも〜まず！２Fのレストラン
かをり、日本の洋食の草分けとしてのかをりがあってこそ
の洋菓子で〜♬ レーズンサンドとか、幸運のたまごと名
付けたダグワースという単品勝負では難しい・・どうして
も時代から取り残されてしまった、という感が否めません。

日本最初の洋式ホテルがここにあり、洋菓子、洋食発祥の
地としての歴史と、その位置づけを考える時〜かをりが山
下町７０番地でこれからどこへ行こうとしているのか・・
私が心配してもしかたのないことなのですけれど・・もう
何年も前からホテル・ニューグランドのクッキーが昔ほど
美味しくなくなっていて・・或る時ハマッ子に聞きました
ら〜アウトソーシングになってしまったとのことでした。

歴史がある処は〜その地に！これからも歴史と共に残って
ほしいから〜♬ 古い横浜も新しいみなとみらいと一緒に
残ってほしいから〜〜♬ レストランかをりが復活して〜☆
また日本の洋食、オムライスとかハヤシライスみたいな昭
和レトロな味を次世代に繋げていかれたら〜かをりのケー
キは ’昭和のショートケーキ’ のままでもよいのでは〜〜☆
と思ったりしてしまいます。但し、販売員の面接では・・
”あなたはどのくらいお菓子が好きですか？” ”あなたは毎日
何か甘いものを食べていますか？”

でも、きっと！かをりはだいじょうぶ！！馬車道十番館や
勝烈庵が文明開化発祥の地で歴史の生き証人として愛され
続けてきたように、横浜には〜かをりの根強いファンが大
勢いらっしゃるはずです。東京と違って！横浜には開港の
歴史が刻まれていて〜歴史的建造物はもちろんのこと、建
物が残っていなくても、その場所に石碑を建てて大切に保
存しようという思いが市政にも強くあり、横浜開港資料館
の中にオー・ジャルダン・ドゥ・ペリーのようなお店
を作ってしまう！本当に懐の深い街ですから〜そして・・
横浜の人々は本当に郷土愛に溢れていますから〜〜☆