横浜・中華街、関帝廟通り「新楽」。【29th】 : 新楽

1963年(昭和38年)創業、中華料理の老舗。

約２年半ぶりに、この店の「パイコメン」を食べに行った。

排骨麺、パーコー麺、パイコー麺など、いろいろな表記があるが、この店は、頑なに「パイコメン」である。
前回訪問時は、「パイコめん」となっていたが、カタカナで統一したか。


この２年半の間に、いろいろな意見も耳に入ってきた。
オーナーシェフのご主人は、上海出身なのだが、北京料理や広東料理なども広く経験しているので、単に上海料理というわけでもなさそうである。

優しく温かい対応のお母さんが、前回同様、お店に和む雰囲気を作っている。


「パイコメン」(850円)＋「焼売」(650円)＋「春巻」(800円)　ーー　写真の通り。

パイコメン、淡くカレー風味が効いている骨付き排骨である。
衣の雰囲気も、その衣からスープに流れ出る油の雰囲気も、イイ感じである。

ベースのラーメンは、清湯系の醤油ラーメンである。
麺は、細ストレートの多加水に寄っている感じの麺。
優しくシンプルなラーメンではあるが、単体として旨みも深みもある。

そのラーメンに、排骨が出会い、お互いが昇華する。

焼売、肉々しい焼売である。
ただ、肉自体の風味にやや独特な味わいがあるように感じる。
薬膳系の下味か。

春巻、ケチャップで食べる。
このスタイルが、新楽スタイルだとのコト。
上海っぽいと言えば、そんな感じか。

うん、美味しかった。
ごちそうさまでした。


（文責：京夏終空、2023.12.28）
（56件/3.39）

昭和38年創業、上海家庭料理の老舗。

というコトらしい。
「高菜そば」(700円)がウリの店らしく、上海料理でも、上海田舎料理の部類だと云う。


最近、仕事の関係で頻繁に訪れる横浜・中華街ランチである。
いろいろ食べたい日もあれば、単に、麺をすすりたいだけの日もある。
そんな時は、こぢんまりとした店を選んだりする。

関帝廟通りの山下町公園の向かい側。
公園の桜も、今が見ごろだ。

この店、ショーケースの雰囲気が何ともイイ。
焼き餃子の650円は大きさがわからないので何とも言えないが、概ね麺類などは、かなり安いと感じた。

入店するなり、優しげなお母さんに出迎えられた。


「パイコめん」(850円)＋「杏仁豆腐ハーフ」(350円)　――　写真の通り。

排骨麺、パーコー麺、パイコー麺など、いろいろな表記があるが、ショーケースの「パイコめん」の表記も何ともイイ感じ。

僕は、パーコー麺というモノを強く認識したのは、「肉の万世」の印象が強く、本来の原型を知らないだけかも知れないのだが、カレーっぽい味わいの排骨肉の揚げ物というスタイルの方が本道なのか。
多くの店で、そういう感じの味付けが成されているように感じる。

この店のパーコー、何とも美味しく、また優しい。
家庭料理と言われれば、そんな感じで、どこか、ほっこりする味わい。

骨付きの部分は正方に、骨無しの部分は、やや斜にカットされているようで、その優しさも感じる。
コレ、わからないと、骨の部分をガリっとやって、歯を傷める感じになったりする。

スープは、見た目は淡い感じだが、清湯系の醤油ベースの味わいは深い。
鶏ガラ・豚ガラ・野菜系の元スープだろうか。

麺は、かなり細い感じで、加水率もそこそこある感じのストレート麺。
スープによく馴染む。

うん、このパイコめん、美味しい。
食べ応えアリで、安い。
何ともイイ感じだった。


甘いモノが食べたくて追加した杏仁豆腐。
マンゴプリンが品切れで、コレにしたのだが、１人前サイズが大きいようで、ハーフを提案され、そうした。

フルーツいっぱいで、ほっこりする杏仁豆腐。
昔ながらの寒天系のタイプだが、僕にとっては、じんわり美味しかった。

満足。
ごちそうさまでした。


ちょっと前に、中華街大通り、善隣門近くの「楽園」という、やはりこぢんまりとした老舗の店をアップした。
その時は、ベースの味わいがちょっと馴染まなかったのだが、この店の方は、シックリきた。

「楽園」が広東家庭料理系の店なら、この店は上海家庭料理系の店だと聞いた。

最近、スグ近くで仕事をしている関係上、こうして中華街をよく訪れる。
地元・池袋チャイナタウンでも味わえる四川家庭料理系や東北家庭料理系はなるべく避け、広東・上海・北京系などの店を中心に選んでいるのだが、そもそも、こういう感じの方面こそが、日本の昔からの中華料理の雰囲気に近く、馴染みやすいようにも思う。


この店などは、そういう意味では、中華街的な特別感は少なく、しばし店内で佇んでいると、古き良き日本の街中華に似たような錯覚にさえ陥る。


それにしても、入店から帰るまで、とても丁寧で優しい対応のお母さんだった。
ありがとうございました。


（文責：京夏終空、2021.3.27）
（28件/3.41）