極厚のロースとんかつのカツ丼 : 角平

【2024/03/07】　　 角平

　12:40に「角平」の入り口の前に立つ。
ネームリストが置かれていたのでそこに記入する前に引き戸をちょっと開けて店内を覗くと、店員さんに入るのを止められた。仕方なくネームリストに名前を記入して待つ事3分程、お店から出て行く人達と入れ替わりにやっと店内に入る事が出来た。
店内は小上がりの8人分を除いて（別の部屋の方は見ていない）ほぼ満席。小さなテーブルの席に案内されお茶を持って来てくれた。フロアースタッフが4人と女将さんがお一人。

　注文はお店に入る前から決めていた、

　　　　カツ丼　　2,150円

　このお店の名物は“元祖つけ天”だ。
1950年（昭和25年）に初代が開発した人気商品で、注文時にアレンジする事が蕎麦の量、天ぷらの種類、盛り方、汁の温かい・冷たいまで色々指定する事が出来る。
　もう一つの名物は頼んだ“カツ丼”。メニュー上ではカツ丼とご飯だけの大盛りが頼める。

　待ってる間に漬物が運ばれて来た。その間にも次々にお客さんが引き戸から顔を出したり店内に吸い込まれて行く。

　やがて注文のカツ丼と味噌汁が運ばれて来た。
凄い肉の盛り上がりだ。てっぺんにグリンピースが乗っかっている。
食べるのが大変な事を見越してお冷まで持って来てくれる。

　丼に厚さ4cmはあるだろうと思われる極厚のロースのとんかつが玉ねぎと一緒に玉子とじにして、下に汁の良く染みたご飯が隠れている。味はと言うと蕎麦つゆを使っているのでかなり塩ょっぱい。とんかつを揚げている油は白締油（しらしめゆ）に胡麻油を足している。
　カツとご飯の量は多い。多くて食べ切れない人には土産にしてくれるサービスもあるらしい。果して大盛りカツ丼ってどんなんだろうと思っていると、多くの男性客が大盛のカツ丼を頼んでいた。皆さん健啖家だね。
　味噌汁はシジミ汁だ。

　お冷を飲みながらやっとの思いで完食した。
とても美味しかったが満腹だ。

　何故に蕎麦屋に“カツ丼”があるか言うと先代の女将の母親が戦後にかつ屋をしてかららしい。

　並んで待つのが嫌な人は13時半以降にお店によっこら来ると良いだろう。

【2011/07/26】　　　　　角平

　創業昭和25年、横浜では老舗なんでしょう角平をほんとに久しぶりに訪れました。夜７時頃、
夕食には早く、でも小腹が空いたので、散歩道の途中の「角平」に寄り道をして、「元祖　つけ天」を
頂く事にしました。さすがに名店、店内はほぼ満席になっていました。「元祖　つけ天」普通盛りを
一枚頼みました。他は何にも頼んでいません。普段なら大盛りにするか、玉子焼きを付けて貰うか
するのですが、あと一時間ぐらいで家に帰り夕食を食べなくてはならないので、小食にして置きます。
　昼間に訪れるのと夕食時に訪れるのとは印象が違います。純粋にそばを食べるというより、「お酒を
飲みに行く前に蕎麦でも」、という人と「ここで軽く一杯」というお客がこの時間には大半です。

　隣の席に男親と息子の二人づれが訪れ、大盛りのつけ天と“水茄子”という注文をしました。最近
気になっている“水茄子”です。“水茄子”は大阪泉州地方だけで栽培されている特産品の茄子で、
かなり高級品の茄子です。水茄子の漬物は関西では御使い物にするぐらいの品なのですが、最近
関東地方でよくこの“水茄子”の名を聞く事が多くなって来ました。ちょっと調べてみると鎌倉で栽培され、
鎌倉市農協連即売所で販売されているとか。まだ確かなことではないのですが、こんなお店のお酒の
当てにも使われるようになっているという事は、関東でも一般的な食材になって来ていると言う事の
ようです。どのように食べるのだろうと見ていると、ちょうど胡瓜のもろきゅうのように水茄子を生の
まま手で６分割ぐらいに裂いて、金山時味噌を付けて付けて食べていました。水茄子は灰汁が
少なく、水気を多く含んでいる為、生で食べる事もできます。浅漬けにして食べるのが一般的です
が、こんな食べ方は見た事がありませんでした。仲居さんに何処の水茄子かを聞きましたが知らない
との事でした。

　「つけ天」ですが、汁が私には醤油辛く、鰹節が強く、そして甘く感じます。そばは喉越しが良い細め
のそばです。汁に負けています。衣が硬い海老の天ぷらがその汁の中に突っ込んである感じが
無造作に思えてなりません。それにほんの小さな蒲鉾が一切れだけ浮かんでいます。これは何の
ためなんでしょうか。蒲鉾を汁に入れても汁には何の味付けにもならないのに。以前から思っていた
疑問が再び起こります。「つけ天」は海老の大きさとか、蕎麦の量とかいろいろ注文するとアレンジを
聞いて貰えるようです。　この汁、そば湯を入れると結構美味しいのです。

「やっぱり夏は蕎麦じゃないよな。」と思いつつ、水茄子を食べにまた訪れそうな気がします。