昔懐かしい大陸系といった感じで、なかなか美味しいです。 : 仙之助

今年の新年は、2日続けて横浜でのランチになりました。
初日はポルタの沖縄料理店(沖縄時間)に行きましたが、2日目のこの日は、相鉄ジョイナス地下2階レストラン街にある当店を試してみることにしました。

相鉄ジョイナスのレストラン街は、戸塚在住中には馴染みの存在で、たまに家での食事が無い時などは、途中下車してこちらで夕食をとることもままありました。
定期的にリニューアル或いは店の入れ替えをしていたような印象もあり、当店も2015年2月のリニューアル時に新規オープンしたお店のようです。

当店については、先行レビューを拝見していると、ジャンル的には「東京ラーメン」という看板を打ち出しているお店だということが分かります。
また、一時はジョイナスの顔的存在だった「元祖札幌や」(2015年1月閉店)のラーメンの復刻版を出す店としての評判を博していた時期もあったようですね。
ただ、経営的には、二子玉川にある「八仙閣 杏仁坊」の姉妹店みたいです。
当店オープン前には、同じジョイナスの地下1階で「八仙閣 杏仁坊 ジョイナス横浜店」として営業していたこともあったことも判明しました。

店名に付された「しなのそば」というのは、恐らく「支那の(中華)そば」という意味だと思われます。
「東京ラーメン」の定義をWikipediaで調べてみると『「醤油ラーメン」の代表であり、ラーメンの原型である。多くの場合、和風だし、醤油タレ、中細縮れ中華麺が使用される。』となっており、いわゆる支那そばとの親和性を感じるからです。
いずれにしても、大陸系の匂いのする八仙閣杏仁坊から、純和製中華の雰囲気ある仙之助に切り替えた＝営業方針の転換をしたと見るべきなのだろうと思います。

相鉄ジョイナスの地下2階は横に長い造りのレストラン街で、当店は、今流行りの「博多天ぷら たかお」と喫茶「サモアール」の間にあります。

パッと見たお店のイメージ(外観)では、中華という感じでは無く、むしろ和食店のような印象すらあります。
仙之助という店名も和風の響きですしね。
その面では、店名の横に書かれた「しなのそば」を、「信濃そば」＝日本蕎麦かと早とちりしてしまう向きもあるかもしれません。
経営サイドから見れば、大陸系→和製への方針転換なので、和風の色合いを強く出したということかもしれませんが、これ、どう受け止められるでしょうか？
些細なことのようですが、第一印象が入店するかどうかを大きく左右する飲食店の特質からすると、第一印象と実態がすれ違っているというのは、あまり好ましいことではないかもしれませんね。

当店のランチタイム営業は11時からですが、この日は朝から横浜入りしたものの、いくつか回るところがあったため、当店には11時20分頃の到着になりました。

店頭には、メニューの書かれた看板が置かれていますので、それを見てから入店します。
メニューは、基本単品メニューで、ランチメニューやセットメニューは見当たりません。

こじんまりした店内で、厨房に面したL字型のカウンター席が7席とテーブル席が22席(4人用5卓＋2人用1卓)配置されています。
お店は厨房に男性3名、ホール係として女性1名の計4名で切り盛りされています。
その女性店員からカウンター席を勧められたので、従います。

卓上にはメニューブックが置かれていましたが、店頭掲示のメニューと全く同じ単品メニューがズラッと並んでいるものです。
店内メニューにはランチやセットメニューがあるのではないかと密かに期待したのですが、それはありませんでした。
正月メニューだったのかもしれず、純粋な平日だと何かあるのかもしれないですけどね。

単品メニューの構成自体は、予想していた純和製大衆中華とはちょっと違うようです。
例えて言うとすれば、ブローカー系のお店が出てくる前の純朴な大陸系大衆中華みたいな感じでとでも言いましょうか。
いずれにしても、個店の手作り感を感じるメニューではあります。

注文は、五目あんかけ焼きそば@900円＋税と焼き餃子@240円＋税にしました。
合計1,254円の会計になります。

待つこと5〜6分ほどで五目あんかけ焼きそば、その後約3分で焼き餃子が提供されました。

五目あんかけ焼きそばは、作り立てなのは疑い無く、あんは熱々です。
そのあんには、海老、豚肉、白菜、小松菜、にんじん、きけらげ、たけのこ、うずらの玉子と、巷で五目と言われる具が勢揃いという感じで入っています。
卵つなぎ麺と思われる細めの中華蒸し麺にはカリッと焦げ目がついて、あんかけとよく合います。
なかなか秀逸な五目あんかけ焼きそばでした。

焼き餃子は、きつね色の綺麗な焦げ目のついた餃子が5個盛られています。
サイズは並ですが、具が思いのほか詰まっており、程よい調味料の味も効いており、とても美味しいです。
このクオリティの餃子が@240円＋税なのはハイコスパです。
メニュー上はあまり目立たないページに載っていた焼き餃子ですが、このコスパは出色で、当店の看板メニューになってもおかしくないと感じました。
必食メニューですよ。

焼きそばだけならさしてコスパが良いとも思わなかったのですが、この餃子を加えたことで、コスパ評価が引き上がりましたね。

純和製中華を標榜しているとすれば、どこか中途半端にも思えたメニュー構成なのですが、食べ終わってみると、結果オーライのような感じもしました。
食べログ評価も、この手のお店にしては高めの3.5点超がついてますし、なかなか面白い存在のお店だと思いますよ。