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「冷やしらーめん(中盛)」。今年盛岡最高気温33.3℃の猛暑にぴったりの「から草」の「冷やしらーめん」。鶏と香味野菜のスープに佐々長醸造のつゆを合わせ、ネギ油で仕上げたさっぱり甘めの無化調冷やし!
「から草らーめん」(中盛・濃い目)。看板メニュー「から草らーめん」を久々に賞味。鶏・野菜・魚介と魚介のみのWスープに3種の魚粉を投入。醤油ダレと合わせた鰹の風味とアゴダシの甘味が冴えわたるラーメン!
3月30日(月)
岩手のラーメンを食べる機会もあと残りわずか。
4~5月も盛岡の自宅に滞在しますが、片付けに専念のため、ラーメン頻度はぐっと下がり、週1程度になりそう。
週5回もラーメンを食べる毎日は3月末で終焉。
悲しいですが、それが現実。
定年の定めですね。
定年を前に、今まで通ったラーメン店を回る毎日。
一部は回り切れず、4月に持ち越しそうですが、今日は半年ぶりの「麺屋 から草」(八幡平市平舘)に行ってきました。
2017年4月5日にJR東日本・花輪線「平舘駅」近くの国道282号線西根バイパス沿いにオープンした「麺屋 から草」。
オープン直後のレビューが少なかった当時、店に「何か」を感じ、平舘まで赴き、「から草らーめん」「塩らーめん」の連食をしてから早3年弱。
「何か」特別なものがあるとの予感はぴたりと当たり、「つけ麺」以外はすべて無化調。
さらに、麺は全部自家製麺で、国産小麦使用。
この地方には珍しい券売機など、都会的な本格的なラーメン店ではないか!
味も予想以上で、なかでも自家製麺の美味しさには舌を巻きました。
以後、「から草」通いが始まり、次々に店長が打ち出す新メニューも含め、全部の麺メニューを制覇。
なかでも気に入ったのが冬季限定の「味噌らーめん」。
今回も「味噌らーめん」にしようかと思ったものの、ちょっと待てよ。
肝心の「から草らーめん」を3年近く再食していないではないか。
実は一番初めに食べた「から草らーめん」の感想はいまいち。
魚粉の粉っぽさと雑味が目立ち(当時の主観的な感想)、ねらいが煮干し系なのか、節系なのかよく分からない試行錯誤的なラーメンに思えました。
むしろ「のだ塩」を塩ダレに使ったさっぱりとした「塩らーめん」の方が好印象で、この印象がその後の「から草」通いにつながりました。
しかし、「から草らーめん」は何といっても人気ナンバーワンの商品。
店長によると、第2位は「味噌らーめん」と「白醤油らーめん」が競り合っているという。
そんな人気メニューが「いまいち」の感想のままで終わっては申し訳ない。
再度食べて味を確認したいということと、実は「から草らーめん」のスープが、あの鰹香る「味噌らーめん」のスープであるということを知って以来、「味噌らーめん」の元となる「から草らーめん」に再チャレンジする機会をねらっていました。
「から草らーめん」のスープに醤油ダレを合わせれば、「から草らーめん」に。
「から草らーめん」のスープに味噌ダレを合わせると、「味噌らーめん」。
このように、両ラーメンはスープを同じくするという親和性をもっています。
「味噌らーめん」がゴールデンウィーク開始(4月下旬)まで提供されるというのであれば、もしかすると食べる機会があるかも。
そう考えて、今回は「から草らーめん」の中盛+味濃い目にチャレンジ。
〇「から草らーめん」(中盛・味濃い目)(820円)
国道4号線沿いの滝沢市巣子バス停から平舘駅前経由八幡平方面行きのバス(12時01分)に乗車。
約50分で、国道282号線沿いの平舘駅前到着。
ここから花輪方面に向け少し歩くと、国道282号線は直角に右折。
まもなく「西根バイパス」に合流。
この合流点の近くに一軒家の「麺屋 から草」が建っています。
周囲は田んぼや休耕田や整地した空き地。
雪をまとった岩手山(裏側)が真近に見えるのどかな光景。
周囲にほとんど何もない典型的な田舎?の風景のなかに、ポツンと都会風の建物の「麺屋 から草」。
13時頃に店につくと、駐車場には車が一杯。
店の入り口には、半年前にはなかった「唐草模様」ののれん。
のれんをくぐって、最初の扉を開けると、風除室。
ここに、「おかげさまで、4月5日に3周年を迎えます」と書かれた看板。
今回を入れて20回の訪問。
20回がほぼ「から草」の3年間とシンクロ。
同店の成長と発展を見守ってきて、いまや八幡平市はもちろん、岩手県内陸北部を代表する人気店。
地元・八幡平市だけでなく、盛岡方面や秋田県北からのお客を集める大人気店になりました。
これも、無化調・自家製麺にこだわり、絶えず研究を怠らずに新メニューを開発。
既存メニューの味の改良を重ねている店長をはじめスタッフ一同の努力の賜物。
2番目の扉を開け、清潔なメインルームに入ると、左は製麺室。
カウンター席に沿って厨房。
右はテーブル席ですが、カウンター席、テーブル席ともに、平日の13時で満席近いお客の入り。
土日の昼時はさぞや混んでいるでしょう。
それでも店長の話では、今日の昼はお客が少ない方だという。
まずは向かって右手にある券売機を凝視。
おびただしい数のボタンはメニュー別に色分けされていて、並盛、中盛、大盛、濃い目の順にボタンが並び、間違えることなく、目的のメニューに到達できます。
まずは一番上の「中盛 から草」のボタンと「濃い目」のボタンを押し、食券2枚をスタッフに渡します。
今回は、店長以外に女性スタッフが3人。
店長と軽く言葉を交わしたあと、カウンター席に座り、セルフサービスのお冷を飲みながら、ラーメンの到着を待ちます。
そして、約5分弱で「から草らーめん」(中盛・味濃い目)が到着。
丼にアツアツのスープが並々と入っています。
濃い琥珀色のやや濁ったスープ。
表面には煮干しの泡が立っていて、スープに混じる粒子の細かい魚粉とともに、煮干し濃厚そうなビジュアル。
鶏油が小さな油膜をつくり、醤油ダレで煮込んだ大きな豚バラ肉ロールチャーシューが一際目を引きます。
小ぶり短冊状の枕木メンマが3本。
味玉半分。
チャーシューの上には輪切りの白ネギが乗り、さらにナルトが添えられます。
鶏・野菜・魚介スープと魚介オンリースープのWスープ。
もう少し詳しくいうと、鶏ガラ、丸鶏、モミジなどの「鶏」、玉ネギなど香味野菜の「野菜」、煮干し、昆布、鰹節、厚削り節などの「魚介」を煮込んだスープ。
これに「魚介」のみのスープをブレンドしたWスープ。
さらに「鰹」「アゴダシ」(トビウオ)「煮干し」の3種類の魚粉を投入。
最後に鶏油で仕上げています。
醤油ダレは、秋田県湯沢市・石孫本店の丸大豆醤油「百寿」をメインに、企業秘密の素材を加えて調製。
「味濃い目」は、醤油ダレの量を増やしたもの。
見た目は煮干し感たっぷりなのですが、いざスープを飲むと、むしろ鰹節の旨味や香り、アゴダシの甘味が、味濃いめながらすっきり感を漂わせる醤油ダレの支えを得て、ぐいっと前面に踊り出します。
この鰹の突出した風味や香りこそ、あの名品「味噌らーめん」のスープ。
濃厚な味噌ダレの下からも十分感じられる鰹の旨みが、醤油ダレのアシストもあって、味噌ダレ以上に全開。
店長の話では、3種の魚粉のうち、一番使っているのが「アゴダシ」。
しかし、風味の点では、鰹が圧倒。
アゴダシは、特有の甘味を添えるという役割。
煮干しは、鶏・野菜・魚介スープや魚介のみのスープ、そして魚粉としても使われるなど三重に投入されているはずですが、「から草らーめん」では他の食材とともに、鰹やアゴダシを引立てる役割に徹しています。
醤油ダレ濃い目を選択しましたが、見た目の色の濃さほど塩分濃度は高くなく、むしろちょうど良い具合。
スープを完飲したあとでも、喉の渇きは感じません。
鰹やアゴダシが目立っているとはいえ、ベースは分厚いWスープ。
コクや旨みが十分で、魚粉も粒子が細かいだけに、粉っぽさは全くありません。
最初に食べたときに感じた粉っぽさや雑味感などにくらべると、格段の進化を遂げています。
「味噌らーめん」にはまったときに、スープが同じ「から草らーめん」を食べておけば、その真価がもっと早く分かったのにと後悔。
麺は切り刃20番、加水率35%の着色料不使用の白い角ストレート麺。
今後もっと暖かくなったら、加水率を少し下げる予定と店長が語る中細ストレート麺は、国産小麦粉3種をブレンド。
小麦の銘柄は企業秘密。
やや固め食感の麺は、Wベースの上で鰹やアゴダシが醤油ダレとブレンドされて躍動する濃厚な旨みのスープにぴったり。
それでも麺を噛むと、今度はモチモチ感。
同時に小麦のナチュラルな甘み。
いつ食べても美味しい麺で、麺のクオリティは一段と上がっている感。
麺量は中盛なので、180gとたっぷり。
豚バラ肉のロールチャーシューは、なかなか手が込んでいて、醤油、味醂、砂糖などで十分漬け込んだ薄めのスライス。
タレの旨味が十分滲みこんだチャーシューは、箸で掴むとホロホロと崩れるような柔らかさ。
口に含むとトロけそうな食感。
醤油と味醂に漬けたあと、ゴマ油で仕上げたメンマは、発酵臭が消え、ゴマ油の香りとメンマ特有の旨味がうまくミックスした柔らかい口当たり。
コクのある風味の黄身がいい感じでトロけている味玉半分も、なくてはならない具。
そして最後に食べるナルト。
私は「から草」ではずっと麺中盛(ラーメン類では180g)を頼んでいましたが、最近「並盛」(150g)にしておけば良かったと思うようになったのは、歳のせいかも知れません。
最初に来たときのようなラーメン連食など、もう過去の話。
それでも、「から草らーめん」の真価が分かったのは大きな収穫。
節系スープにちょっと煮干しを効かせたかのような絶妙なブレンド具合とキリッとした醤油の風味。
それに固め食感だが、噛むもモチっとした食感の自家製麺が織り成すハーモニー。
このハーモニーの上に味噌が乗る「味噌らーめん」がやはり食べたい!
そんな心境で店長にお礼を言って店を辞しました。
平舘駅前14時30分発の盛岡バスセンター行きのバスまでは、まだ45分近い待ち時間。
それでも、職場での16時からの会議には十分間に合いました。
冬季限定「味噌らーめん」。昨シーズンよりも味噌ダレをややマイルドに、そして鰹風味を強化。飲みやすくなり、鰹の香りが一段とアップした「ラード不使用」の無化調味噌ラーメン!
10月4日(金)
10月1日から八幡平市平舘の「麺屋 から草」が、冬の名物である鰹(カツオ)香る「味噌らーめん」を提供開始。
既にマイフォロワー様の好レビューも上がっています。
「から草」は今年6月以来、約4か月弱のご無沙汰。
そこで、今季の「味噌らーめん」の味を確かめに、今日(10月4日)出掛けてきました。
〇冬季限定「味噌らーめん」(中盛)(820円)
今日は午前中から小雨が断続的に降る肌寒いあいにくの天気。
職場からバスで7~8分の国道4号線・巣子バス停で、平舘駅前経由八幡平方面行きのバス(13時発)に乗り換え。
バスは「分れ」で4号線と離れ、国道282号線に。
滝沢市一本木、八幡平市大更をへて、約40分で国号282号線(旧道)沿いの平舘駅前バス停着。
ここから小雨のなか、松尾・八幡平方面に少し歩き、右手にみえる国道282号線西根バイパスに出たすぐ右手が「麺屋 から草」。
バイパス沿いの店は両側に広い駐車スペース。
周辺は田んぼや休耕田というのどかな風景。
「から草」に近づくと、建物の側壁に「らーめん」と赤字で大きく書かれた看板。
「らーめん」の文字の前には「自家製麺」、後には「麺屋 から草」と小さく黒字で書かれています。
私がご無沙汰していた間に設置された看板は、なかなかのインパクト。
この看板にもあるように、自家製麺と無化調が同店の最大のこだわり。
「つけ麺」以外は、すべて無化調。
店内の製麺室で打つ自家製麺は、切り刃20番、加水率35%の「細麺」と切り刃10番、加水率42%の「太麺」の2種類。
麺メニューは、一番人気の「から草らーめん」のほか、「白醤油」「油そば」「つけ麺」「醤油」「塩」、冬季限定の「味噌」と豊富。
「白醤油」と「塩」は、プラス100円で煮干し増量の「ニボ白醤油」「ニボ塩」に変更可能。
ミニ丼も充実していて、「チャーシュー丼」「マヨチャーシュー丼」「辛マヨチャーシュー丼」「豚ナン丼」など。
10月1日からの消費増税に伴い、全メニューを20円値上げしましたが、もっと値上げをする店が多いなか、値上げ幅を20円に抑えたのは立派。
さて、今日は最初に書いたとおり、冬限定の「味噌らーめん」中盛(180g)の食券を購入。
並盛(150g)と中盛(180g)は同一料金(820円)。
大盛(250g)は100円プラスの920円。
麺は、店主推薦の細麺で注文します。
私が着いた14時過ぎには、さすがに店内は空いていて、先客2人、後客1人。
厨房に沿ったカウンター6席と、窓に沿ったテーブル席(4人掛けテーブル2つの間に、2人掛けテーブルが2つ)が広い店内にゆったりとレイアウト。
お冷は卓上のピッチャーから自分でコップに入れるセルフサービスのスタイル。
私が券売機を撮影していると、店主曰く「最近来ないから、東京に帰ったのかと思っていました」
まだまだ帰りませんから、ご安心ください(笑)
この時間(店が落ち着く14時頃)から、店主は製麺室で麺打ちを開始。
これから打つ麺は丸1日寝かせ、今週の日曜に提供するという。
店主以外に、開店時から働いている女性スタッフが2人。
太麺は茹で上がりまで15分待つ必要がありますが、細麺は比較的短時間で茹で上がるので、座ってからまもなく「味噌らーめん」が到着。
湯気ととともに、味噌と鰹のいい香りが漂い、食欲を増進。
私にとっても、今秋初めての味噌ラーメン。
茶色の味噌スープに魚粉とオイルが混じる見た目は、濃厚そうな味噌らーめん。
丼の半分を占める大きな豚バラ肉のロールチャーシューがインパクト大。
茹でたモヤシがたっぷりと入り、さらに茹でたキャベツが少々。
平べったいメンマが3本、ハーフ味玉、キクラゲ、ナルトなど具材は多彩。
鶏ガラ、丸鶏、モミジなどの「鶏」と玉ネギなどの「野菜」、そして煮干し、昆布、鰹節、厚削り節などの「魚介」を一緒に煮込んだスープと、「魚介」のみのスープを合わせたWスープ。
それに鰹の魚粉を「追いガツオ」。
味噌ダレは、地元・八幡平市の「麹屋もとみや」製の「こうじみそ」にニンニクやいりごま、醤油、味醂、一味などをブレンド。
これらを合わせたうえで、仕上げに鶏油と鰹油を加えています。
鰹油は、今季から使用。
店主によると、昨年の「味噌らーめん」に対し、「しょっぱい」との感想を述べるお客がいたため(私はそれほどしょっぱくは感じませんでしたが)、今年は味噌ダレを少し減らし、鰹油を追加するなど、味噌味はよりマイルドに、鰹はより効くように調整したという。
それでも「味が濃い」と感じたお客のために、「味噌らーめん」用の割りスープを用意しています。
早速スープを飲むと、見た目よりもずっとさっぱりとした味噌味。
さらに味噌味と一緒に鰹節のいい香り。
たしかに、昨年よりも味噌が若干軽めになり、逆に鰹節の香りがさらに感じられるように。
それでも、味噌味と鰹の香りや風味が一体化したサラッとした味噌スープは、何度食べても本当に絶品。
塩分濃度は私的にはジャストでしたが、もししょっぱく感じられたら、先のようの「割りスープ」がありますので、ご心配なく。
モヤシやキャベツなどの野菜は茹でただけで、ラードで炒めていません。
野菜を炒めたラードでスープに「蓋をする」タイプのオイリーで濃厚な味噌ラーメンと違い、鶏油と鰹油だけで仕上げたライトで飲みやすい味噌ラーメン。
胃にもたれなない味噌スープとシャキシャキとした茹で野菜とのマッチングが素晴らしく、これに鰹が効いたスープは、上質の味噌汁を飲んでいるかのよう。
ごくごく飲める味噌スープは、私のような年配者にも優しい味。
しかも、スープ、味噌ダレともに無化調。
「細麺」は切り刃20番、加水率35%の自家製麺。
国産小麦3種をブレンドした中細角ストレート麺。
着色をしていない白っぽい麺です。
麺は、しなやかな口当たりですが、基本やや固めの茹で加減。
パッツンとまでは行きませんが、歯切れの良さが特徴。
この固めで歯切れの良い麺が、味噌と鰹の香るスープのなかで存在感を発揮。
素晴らしいのは、最後まで麺が伸びず、歯切れの良い食感が持続すること。
同時に、小麦の風味も感じられる素晴らしい出来の麺です。
薄くスライスされ、醤油、味醂、酒、砂糖などで十分煮込み、タレの味が滲みこんだ巨大なロールチャーシューは、ホロホロとして口の中で溶けるような柔らかさ。
醤油と味醂で煮込み、ゴマ油で仕上げたメンマも柔らかく、香ばしい味。
以前は発酵臭がいい意味でスパイス的な役割を果たしていましたが、今日食べたメンマからは発酵臭は感じられず、優しい味付けにシフトした印象。
ハーフ味玉の黄身のトロけ加減と味付けも絶妙。
キクラゲのコリコリとした食感も、味噌ラーメンのアクセントとなっています。
そしてたっぷり入った茹で野菜。
大半がモヤシですが、ラードで炒めていないシャキシャキとした食感のモヤシ(+キャベツ)は食べ応え満点で、しかもヘルシー。
マイルドな味噌ダレと鰹香るスープ、そして歯切れの良い麺の三者がベースをつくり、それに茹で野菜やチャーシュー、メンマなどの具材が加わる「麺屋 から草」の「味噌らーめん」。
岩手の味噌ラーメンのなかでも、屈指の美味しさであるといっても過言ではありません。
店を出る頃には、雨が本降りに。
傘を持たずに来た私に快く傘を貸してくれた店主に感謝。
「冷やし油そば 白醤油ver.」。白醤油とネギ油、鶏油のさっぱりとしたタレに滑らかな食感ながら歯応えのある中細麺を混ぜて食べる冷やし油そば。冷やしたコロチャーシューが抜群の美味しさ!
6月12日(水)
昨日(11日)は、「岩手拉麦会」のコラボ企画「小麦もりそば」を4店すべてコンプリートした虚脱感。
それに午前中から夜まで続く仕事も重なり、ラーメンなしの1日。
さすがに耐え切れず、夕方の会議までフリーな今日(12日)は、八幡平市平舘の「麺屋 から草」へ。
お目当ては、6月から提供されている新商品「冷やし油そば 白醤油ver.」
〇「冷やし油そば 白醤油ver.」(中盛)(700円)+「温玉」(50円)+「背脂」(無料)
職場からバスで10分ほどの国道4号線「巣子」バス停。
ここで、13時01分の平舘駅前経由八幡平方面行きバスに乗り換え。
約45分で平舘駅前バス停ですが、前回に続いてまたしても熟睡し、寝過ごすミス。
幸い、今回も次のバス停(「産直大地」の近く)で降りることができました。
そこから「から草」まで、田植えの終わった田んぼを見ながら、のんびり約15分の歩き。
14時ジャストに店に着きました。
「から草」は11時~15時が営業時間ですから、まだ十分時間に余裕があります。
最初の扉を開けて風除室に入ると、「新商品 冷やし油そば 白醤油ver.」の看板。
食欲が湧いてきますね。
奥の扉を開けると、清潔で広々とした店内。
左手は製麺室。
その先の厨房に沿ってカウンター6席。
右側が窓に沿って、4人掛けのテーブル2卓、2人掛けのテーブル2卓。
カウンター席、テーブル席とも隣との間に十分なスペースをとっていますので、ゆったりと座ることができます。
昼時は平日でも混み合いますが、やはり14時過ぎとなると先客は子ども連れの若いお母さん2組のみ。
後客は常連さんらしい男性客1人。
厨房には店主と女性スタッフの2人。
まずは店主に挨拶。
早速、券売機をにらんで「冷やし油そば 白醤油ver.」の食券を購入しようとします。
券売機上の貼り紙に「新商品 冷やし油そばの注文の仕方」と書かれているように、注文方法がユニークなので、最初は少し戸惑います。
まずは「油そば」の並盛・中盛・大盛・特盛のうち好きな食券を購入。
私は麺量200gの中盛を選択。
次に油そばの一番右端の「冷やし油そば」の食券を購入(無料)。
そして一番下のトッピングボタンに移り、おススメの無料トッピング「背脂」、50円の「温玉」の食券を買います。
計4枚の食券。
それでも750円ですから、かなりお得。
「冷やし油そば 白醤油ver.」は細麺限定です。
食券を店主に渡したのち、カウンター席に座り、卓上のピッチャーからお冷をコップに注ぎます。
日頃運動不足なので、たった15分の歩きといえども結構疲れました。
お冷をのみながら、ボーっとしていると、店主が「冷やし油そば 白醤油ver.」、「中華スープ」、「温玉」の乗ったお盆を渡してくれます。
「冷やし油そば 白醤油ver.」は、麺が見えないほどの具沢山。
中央には白髪ネギの上にナルト。
それを囲むように、小さく刻んだ飴色のコロチャーシュー、刻みネギ、刻み玉ネギ、黄身が濃い色の味玉半分、平べったいメンマ3本、そして追加トッピングの背脂。
麺が具の中からわずかに顔を覗かせ、底には白醤油、ネギ油、鶏油を混ぜたタレ。
麺と具とタレを混ぜて、食べ始めます。
本当は無料の「にんにく」トッピングも追加したかったのですが、夕方の会議を考慮して、自粛しました。
具やタレと混ざった麺を食べると、これが通常の醤油味の油そばとは全く違う風味。
醤油感の強い従来の油そばと違い、さすが白醤油を使っているだけあって、醤油特有のしょっぱさを全く感じないさっぱりとした味。
ネギ油、鶏油と2種類のオイルがブレンドされているので、オイリー感はありますが、こちらも脂っぽさは全くありません。
タレもしょっぱくなく、さっぱりとした中にも、白醤油の旨みがたしかに感じられます。
このさっぱり感が冷やしにぴったり合っています。
麺は切り刃20番、加水率は34%に寄せたという中細角ストレート麺。
着色料(クチナシ)を使っていない白っぽい麺です。
最近、細麺の加水率を下げたり、小麦の種類やブレンド割合を変えたりして、ややパツパツ感を強めている麵ですが、今回の「冷やし油そば」に限っていうと、とにかく滑らかでツルツルとした食感。
しかし、冷水で締めていることもあって、噛むとなかなかの歯応え。
ツルツルでどんどん啜れるものの、口に含むと今度は固めの食感という意外性のあるなかなかユニークな麺は、冷やしとの相性が抜群。
麺量は中盛なので、200g。
具の中で何といっても特筆したいのが、冷やした豚バラ肉のロールチャーシューを細かく刻んだコロチャーシュー。
醤油と味醂、酒のチャーシューダレが冷やされて煮ごこりのようになって細かいチャーシューに付着。
冷えたチャーシューはトロトロの軟らかさ。
口の中で溶けてしまいそうです。
それに、これも冷たい煮ごこり状のタレがついて、香ばしさ一杯。
タレがあっさりとしているので、冷たいコロチャーシューのやや濃いめの味付けが良いアクセントになります。
チャーシューを冷やすと脂が固まって食べづらくなるという常識を覆し、豚バラ肉のロールチャーシューをタレをたっぷりつけて冷やしたうえ、刻んでしまうという新趣向。
この冷たいコロチャーシューを食べるだけでも十分価値のある冷やし油そばです。
メンマは、いつもより発酵臭は薄めですが、ゴマ油で香ばしい味付けを施した実に美味しい出来上がり。
黄身の色が濃いめのしっとりした味玉半分も、食べ応えがあります。
シャキシャキとした食感で、少々苦みのある刻み玉ネギは、油そばのオイリー感をいい意味で緩和する不可欠の薬味です。
それから追加トッピングの背脂。
一見脂っぽい感じに見えますが、麺やその他の具と混ぜると、脂っぽいというよりも、さっぱりとした冷やし油そばにコクを加えるという感じ。
麺を半分ほど食べると、底のタレが目立ってきてややオイリー感が増してきます。
そこですかさず、「温玉」を割って油そばに投入。
すると、温玉の黄身や白身がオイリー感をたちまちのうちにマイルドな味わいに変化させ、無理なく食べ終えることができます。
最後に残っているのが、中華スープ。
飲むと、独特の風味ですが、この風味が何に由来するのかは謎のまま。
店主によると、「動物系の中華素材」とのこと。
それ以上は企業秘密。
ますます謎が深まりますが、独特の風味と少々の酸味が口の中の油を洗い流し、爽快感のある後味。
今回、念願だった新商品「冷やし油そば 白醤油ver.」を食べることができ大満足。
白醤油の良さを存分に活かした従来の油そばとは全く違う冷たい油そば。
ツルツルで滑らかな食感と歯切れの良さを両立させた抜群に美味しい麺とさっぱりとした白醤油ダレのコラボ。
ユニークな冷たいコロチャーシューの美味しさ。
女性に大人気というのも分かります。
最後に一言。
もちろん、無化調です。
「冷やしらーめん 中盛」。待望の冷やしが登場。ビジュアルは変わらないが、酸味が消え、甘味が強くなったスープ。パイ生地のようなサクッとした食感の皮付き鶏モモ肉チャーシューは絶品!
5月15日(水)
開店2周年が過ぎ、3年目に突入した「麺屋 から草」(八幡平市平舘)。
広々とした清潔な店内。
「つけ麺」以外、全メニュー無化調。
しかも、自家製麺。
メニューも、「から草」「白醤油」「油そば」「つけ麺」「醤油」「塩」の他、「ニボ白醤油」「ニボ塩」、夏季限定の「冷やしらーめん」「ざる中華」など、バラエティに富んでいます。
いずれも味は高水準。
週末や平日の昼時など、大変な混雑で外待ちも出るという。
私は、いつも平日の午後遅い時間に訪れることにしています。
今日は5月1日から提供がスタートした夏季限定の「冷やしらーめん」を食べるのが目的。
鶏と野菜を煮込んだスープに厳選した醤油のタレを合わせ、ネギ油を仕上油として使うさっぱりとした冷やし。
しかも、自家製の中細麺ストレート麺は水で締められ、コシが増すというのですから、行きたくてうずうずしていました。
ようやく今日は午後が空いて、訪れることができました。
〇「冷やしらーめん 中盛」(700円)
店到着は14時15分。
15時まで営業とはいえ、かなり遅い時間帯。
それには理由があって、毎日の夜更かしと睡眠不足があいまって、バスの車中で寝てしまい、いつもの平舘駅前バス停を乗り過ごし、次のバス停まで連れていかれてしまったというわけ。
おまけに、そのバス停から「から草」までが長かった!
何と15分も歩かされました。
まあ、食前のいい運動と前向きに解釈しましょう。
この時間帝になると、お客さんもまばらになるので、店主は製麺室で製麺作業中。
それでもテーブル席には1組。
厨房に3人の女性スタッフが揃っていたのにはびっくり。
しばらく、店主と女性スタッフ1人の2人体制が続いていましたからね。
今日から夏季限定の「ざる中華」が提供開始。
しかし、それには目もくれず、券売機の「冷やしらーめん 中盛」(並盛と同価格で700円)のボタンを押します。
同店のメニューがどんどん増えるなか、券売機のボタンの配置も大変でしょうが、これが良くできていて、1段目が人気№1「から草らーめん」、2段目がリピート率№1の「白醤油らーめん」等と、各段ごとに同一メニュー。
そして各メニューごとに、並盛、中盛、大盛、特盛などのボタンが横に整列。
券売機の右端は、夏季限定の「ざる中華」と「冷やしらーめん」。
これは上から下に並~大盛が並ぶように配置されるなど、多様なメニューと多様な量が一目で分かるようになっています。
店主苦心の券売機ボタンのレイアウト。
カウンターに座り、食券を渡したあと、セルフサービスのお冷を飲んで、15分もの余計な徒歩で疲れた体をクールダウン。
店主も製麺室から出てきて、挨拶。
早速店主が「冷やしらーめん」をつくり始めます。
そういえば、昨年も「冷やしらーめん 中盛」は700円。
今年も700円と値段据え置き。
原材料値上げのため、50円程度の値上げはやむやしと思っていましたが、値段を変えずに通す(海苔のトッピングは廃止)という店主の心意気には感心させられます。
そして待望の「冷やしらーめん 中盛」(700円)。
ビジュアルは昨年と変わっていません。
やや薄め琥珀色の澄んだスープにネギ油と白ゴマがふりかけられ、具は7つにカットした大判の皮付き鶏モモ肉のチャーシュー。
茹でたモヤシがたっぷりのり、メンマが3本。
中央にはナルトがのせられ、大きな氷が1つ浮いていて、涼味を添えています。
冷たいスープからいただくと、まずネギ油の香り。
続いて、野菜のエキスが凝縮したようなナチュラルな甘み。
今回は昨年感じたあの不思議な?酸味は全く感じられません。
逆に甘みが強くなりました。
ネギ油の香ばしさと野菜の甘さ。
これが今年の「から草」の「冷やしらーめん」スープの特徴。
酸味をなくして甘みを強くしたことについては、賛否があるでしょうが、べっとりとした人工的な甘みではなく、野菜から滲みだしたナチュラルな甘み。
鶏のガラと丸鶏、モミジと、玉ネギ、生姜などの野菜を煮込みスープと、石孫本店(秋田県湯沢市)の丸大豆天然醸造醤油「百寿」を使った醤油ダレと合わせています。
それに味の決め手となるネギ油を垂らして完成。
鶏ダシの味は感じず、完全にスープの下支え(コク出し)に回っています。
野菜(とくに玉ネギ)の甘さとネギ油の香りが淡い醤油味と融合。
冷たいスープにぴったりのさっぱりとした風味を醸し出しています。
スープに浮かぶゴマの香ばしさも見逃せません。
印象としては、昨年よりも食材を絞り込んでシンプルにまとめたかなということ。
そして、野菜の甘さがさらに前面に出ています。
麺は国産小麦をブレンドした自家製麺。
切り刃20番の色付けをしていない白い角ストレート麺。。
加水率は35%と、昨年の36%よりも下げています。
前回のレビューでも書きましたが、最近、店主は麺をよりパツパツに仕上げる方向にシフト。
ただし、「冷やしらーめん」の麺を食べたところ、パツパツ感よりもツルツル感を第一に感じます。
しかも、麺をいったん冷水で締めていますので、ツルツルとして啜りやすい麺ですが、コシの強さと噛み応えもなかなか。
加水率を少し下げ、パツパツ方向にシフトした結果か、たしかにモチモチ感は少し後退していますが、ツルツルとしてコシの強い実に美味しい麺。
小麦の香りもしっかりと感じます。
店主の話では、モチモチ感をやや下げて、パツパツ方向になったのは、単に加水率を下げただけが原因ではなく、使う小麦の種類や割合などを調整した結果だそう。
そこで間髪を入れずに、どんな小麦を使っているのか尋ねたところ、やはり「企業秘密」。
麺量は中盛で180g。
茹でたモヤシが冷やされて、さらにシャキシャキ感が増しているのにも注目。
それよりも、具材の中で圧倒的な存在感を放つ鶏モモ肉の皮付きチャーシュー。
ラーメンのスープでしっくり煮込んで、そのあと醤油ダレに漬け込んだチャーシュー。
皮がサクサクとして、まるでパイ生地のよう。
この昨年の印象は、今年も全く変わっていません。
モモ肉チャーシューは、たしかにムネ肉の低温調理よりも歯ごたえがありますが、それでも柔らかくて、噛むとムネ肉にはない肉の旨みを感じます。
この肉の旨みとスープの旨み、それに醤油ダレの旨みが相乗。
チャーシューに柔らかくのっているようなパイ生地を思わせる皮とあいまって、他店では味わうことのできない絶品の鶏チャーシューになっています。
冷やしスープの中で、鶏チャーシューの濃いめの旨みをしっかりと保っているにも素晴らしいところです。
メンマは、いつものように発酵臭を残しながら、ゴマ油の風味を効かせて仕上げています。
食べているうちに、大きな氷が解けてスープが少し薄くなるかに見えますが、そんなことにはびくともしない分厚い鶏と野菜のスープ。
店主に聞くと、ここ数日20℃前後の比較的暖かい陽気なので、冷やしらーめんとつけ麺、油そばが良く出ているという。
昨年も良くできていましたが、今年は野菜の甘味と旨みをよりパワーアップさせ、ネギ油とのコラボレーションの純度を上げた無化調の冷やしらーめん。
濃いめの味付けの皮付き鶏モモ肉チャーシューの存在感も寄与。
リピートしたい一杯です。
「ニボ白醤油らーめん」(中盛)(830円)。さっぱりとした「白醤油」のタレとニボニボした「から草らーめん」のスープとのマッチングが面白い!
4月15日(月)
2019年4月5日、「麺屋 から草」(八幡平市平舘)は2周年を迎えました。
2017年4月5日のオープン後、同店に寄らせていただき、旧来の大衆中華食堂的な店しかなかった八幡平市に登場した券売機導入の本格的なラーメン店に驚き。
そして、無化調と自家製麺を貫く姿勢にも感銘を受けました(「つけ麺」のみ化調ですが)。
綺麗な店内と店主のきさくな人柄、そして何よりも美味しいラーメンに惹かれ、その後今に至るまで定期的にお邪魔しています。
開店当時とくらべるとメニューも増え、味もさらに向上。
盛岡以北の岩手県内陸部のラーメン店としては、二戸市の「麺屋 小野万」(今年3月30日に盛岡南に2号店をオープン)と並び、両雄といっても良い存在。
当然、4月5~7日の2周年記念のイベントにも駆け付けたかったのですが、車のない身には、とくにバスダイヤの少ない土日に平舘は遠すぎます。
そこで平日の今日(4月15日)、10日遅れで2周年のお祝いを兼ねて行ってきました。
〇「ニボ白醤油らーめん」(中盛)(830円)
どうも「から草」に行く日は天気に恵まれません。
今日も、北風が吹き、雨がパラつく悪天候。
いつものように、勤務先に近い国道4号線の巣子(滝沢市)バス停12時01分着の平舘駅前経由八幡平方面行きのバスに乗車。
約50分弱で平舘駅前バス停着。
雨の中、「から草」に急ぎます。
13時少し前に「から草」に到着。
周りは水田や休耕田。
田んぼの中の一軒家といった風情ですが、すぐ前に国道282号線西根バイパスが走っているので、車があれば比較的立ち寄りやすい立地。
駐車スペースも十分。
店左の駐車場に車が5~6台ありましたが、風除室をへて、店内に入ると、カウンター6席、4人掛けのテーブル2卓、2人掛けのテーブル2卓のうち、かなりのスペースが埋まっていました。
早速、券売機の「中盛 白醤油」(730円)と「ニボ白醤油らーめん」(100円)の食券を購入します。
「ニボ塩らーめん」も、同様に「塩」の食券+「ニボ塩らーめん」(100円)の食券を買うことになるので、要注意。
「ニボ白醤油らーめん」「ニボ塩らーめん」の食券(いずれも100円)だけでは、ラーメンを購入できないので、気を付けてください。
2月1日から提供が始まった「ニボ白醤油らーめん」と「ニボ塩らーめん」。
同店で不動の人気№1メニュー「から草らーめん」のスープと白醤油ダレ、あるいは塩ダレを合わせたラーメン。
「から草らーめん」」の白醤油バージョン、塩バージョンです。
同店の「醤油らーめん」「塩らーめん」「白醤油らーめん」のスープは、鶏ガラ・丸鶏・野菜・昆布などのスープと煮干し主体の魚介スープとのWスープ。
これに対し、「から草らーめん」もWスープですが、「鶏ガラ・丸鶏・野菜・魚介」のスープと煮干し主体の「魚介スープ」を合わせ、さらにトビウオ、鰹、煮干しの3種類の魚粉をブレンドしています。
Wスープのいずれにも魚介が使われ、魚粉を投入するという煮干し系の魚介がトリプルに効いた「から草らーめん」。
「醤油らーめん」「塩らーめん」「白醤油らーめん」にくらべ、圧倒的に魚介風味、なかでもニボニボ感の高いスープ。
「から草」ラーメンは醤油ダレですが、タレを「白醤油」にしたのが「ニボ白醤油らーめん」、タレを塩にしたのが「ニボ塩らーめん」。
「ニボ白醤油らーめん」のタレは、山形市「フジ味噌醤油」の「色がつかない白醤油」。
さて「白醤油らーめん」と「ニボ白醤油らーめん」とは見た目からして違います。
薄茶の透明感のあるスープですが、魚粉が浮かび、丼の縁には煮干しの気泡が立っています。
同じ透明感があるにしても、「白醤油らーめん」に比べると、明らかに「茶色」がかった煮干しや節感の強いスープ。
表面のオイルは鶏油とのこと。
大豆ではなく、小麦が主原料の白醤油は、醤油自体の風味はさりげなくまろやかな甘味が特徴で、むしろ醤油自体は主張せずに、素材の旨みを生かすタイプの醤油。
それだけに、「から草らーめん」スープ+魚粉の魚介(煮干し・節等のブレンド)風味がそのままダイレクトに出てきます。
これが魚介の少ない(しかも魚粉を入れない)通常の「白醤油らーめん」なら、大人しいながら、「塩ダレ」とは違った白醤油の独特の旨みを感知することができます。
それが「ニボ白醤油らーめん」になると、トリプルで攻めてくる煮干しや節類など魚介の強い風味(ニボニボ感)にタレ(白醤油)が少々負けている感。
もっとも、このニボニボ感が「から草らーめん」の特徴。
タレの風味よりもWスープ+魚粉でこれでもかと投入される煮干し+節類の風味が勝るのは当然の話。
それでも、スープを飲んでいると、当初は分離していた感のあった白醤油ダレと「から草ラーメン」のスープが徐々に馴染んできて、魚介の強い旨みに白醤油のまろやかな甘味がのった独特の旨みが醸成されます。
ありきたりな表現ですが、白醤油の旨みにこだわる方には、大人しめな「白醤油らーめん」がオススメ。
「煮干しや節類などの」魚介風味が強いながらも、醤油や塩とは違った白醤油との絶妙なマッチングを楽しみたい方には「ニボ白醤油」がオススメ。
好みをいえば、「ニボ白醤油らーめん」のニボニボ感をもう少し抑えた方が、さらに白醤油とのマッチングが良くなると思うのですが、あえて「ニボ白醤油」を頼むお客さんはニボニボ感が好きな方ですので、マイルドに調整するのは難しいでしょう。
麺は、3種類の国産小麦粉をブレンドした切り刃20番、加水率35%の中細角ストレート麺。
クチナシなどの着色料を使っていない白っぽい麺ですが、以前よりも加水率を少し下げ、固めパツパツ感が強まっています。
茹で時間は、以前と変わっていないという話。
以前も最初の食感はパツパツしていましたが、噛むとモッチリ食感の、まさに「パツモチ麺」。
現在は、モチモチ感を抑え、むしろ硬質でポキポキとした歯切れの良い食感をめざしているとは店主の話。
噛み応えがあり、しかも小麦の香りが漂う実に良くできた麺です。
麺量は中盛で180g(並盛は150g。大盛は100円プラスで250g)。
具は、豚バラ肉のロールチャーシューに平べったいメンマが4本、味玉ハーフとナルト、薬味の輪切りのネギです。
以前は、ラーメン類に海苔がのっていたのですが、原材料値上げの中で、値段を変えず提供するため、海苔のトッピングはやめたと貼り紙がしてあります。
原材料値上げのため、さりげなく値上げをする店がある中、価格維持のため海苔トッピングをやめるとはっきりとお客に説明する姿勢は、大いに評価できます。
トッピングの大ぶりの豚バラ肉ロールチャーシューは、醤油ダレに漬けて、醤油風味が良く滲みこみ、タレの味と肉の旨みが実に良くバランスた美味しい出来上がり。
柔らかく煮込まれていて、肉肉しい見た目からは想像ができないほど食べやすいチャーシューです。
平べったいメンマは、メンマの発酵臭を敢えて残して、ゴマ油と和えることで、香ばしさと発酵臭との両立を図った存在感のある味。
醤油ダレでトロトロに煮込んだ黄身が美味しい味玉ハーフも不可欠なトッピング。
柔らかい食感。
あとはお知らせ。
冬季限定の「味噌らーめん」は10連休前の4月26日頃に終了の予定。
鰹の風味が効いたさっぱりとした味噌ラーメンを楽しめるのも、あと10日あまり。
「味噌らーめん」ファンの方はお急ぎください。
私も、連休前に今季最後の「味噌らーめん」を食べる予定。
「味噌らーめん」終了後には、「冷やしらーめん」の提供を考えているとのこと。
3年目を迎え、さらに前進を続ける「麺屋 から草」。
今後も動向から目が離させない店です。
「塩ホルモンあんかけらーめん」。コリコリとしたホルモンと野菜たっぷりの塩あんかけで体が温まる一杯。
3月14日(木)
このところの盛岡は雨は降れども、連日春のように暖かい日々。
ところが、今日未明から本格化した雪は、朝には盛岡で17センチもの積雪に。
明日(15日)も雪が予報され、盛岡は一気に冬に舞い戻ったような気候。
最高気温が4℃というのが救い。
そんな積雪のなか、久しぶりに八幡平市平舘の「麺屋 から草」へ。
先日ラインで、新商品の「塩ホルモンあんかけらーめん」が3月2日から提供されるとの案内。
さらに同店の大ファンの「まごまご50+」様が早速「塩ホルモンあんかけらーめん」の好レビューをアップ。
それを読んだら、行きたくてたまらなくなりました。
本当は今週月曜に即行きたかったのですが、「から草」は月曜・火曜が休み。
水曜は夕方から会議のため、木曜(今日)まで待ちました。
急な大雪に恐れをなして、出発のバスは国道4号線「巣子」バス停13時01分と遅くなりましたが、平舘駅前14時56分の「盛岡バスセンター」行きのバスがあることを確認。
まだ雪がパラつくなか出かけました。
〇「塩ホルモンあんかけらーめん」中盛(780円)
自宅のある盛岡市最北のニュータウンや滝沢市巣子バス停では、青空が出始め、雪もほぼ収まった様子。
ところが、13時55分に平舘駅前バス停につくと、盛岡市や滝沢市より北の八幡平市だけあって、横なぐりの吹雪。
風も強く、必死の思いで「から草」に駆け込みました。
「麺屋 から草」は昼営業のみで11~15時。
3月の休みは、5、11、12、19、25、26日です。
風除室に入ると、目の前に「塩ホルモンあんかけらーめん」のPOP。
食べる気満々で、メインスペースに入る扉を開けます。
既に時刻は14時を回っています。
先客はカウンター席に2人。
私も早速券売機を凝視。
「から草」はメニューがどんどん増え、券売機のボタンが複雑化しています。
しかし、縦の行が上から「から草らーめん」「醤油らーめん」「白醤油らーめん「塩らーめん」「つけ麺」「油そば」「ごはん」と並びます。
それぞれのメニューごとに、今度は横に「並盛」「中盛」「大盛」「お子様」「濃い目」(無料)とボタンが並びます。
さらに右側2列のボタンは「限定麺」。
今のところ「塩ホルモンあんかけらーめん」と「味噌らーめん」の2列。
それぞれ下に「並盛」「中盛」「大盛」「お子様」などとなっていて、一見複雑そうですが、慣れるとすぐに目的の商品のボタンに行ける仕組み。
内扉を開けると、右に先の券売機、左の壁には写真入りで商品の説明書き。
さらに麺量の説明など至りつくせり。
私は限定麺→「塩ホルモンあんかけ」→「中盛」とたどり、目的のボタンに到達。
食券を購入します。
券売機の前にセルフの水差しとコップがありますが、カウンター席にも同様の水差しとコップが置かれているなど、心憎いまでのサービス。
店は店主と女性スタッフの2人で運営。
食券を店主に渡すと、「バスは大丈夫ですか」との一言。
たしかに14時30分発となると、20分弱しかいられずあわただしくなりますが、14時56分に駅前を通るバスがあることが分かったので、「ゆっくり滞在できます」と返答。
カウンター席に並んだ先客2人も「塩ホルモンあんかけ」を注文。
やはり新商品ということと、今日の寒さもあって、昼の混雑時には注文が殺到した模様。
先客のあとに到着した「塩ホルモンあんかけらーめん」の中盛。
ステンレスの皿の上に白い丼にのって登場。
まず見た目のインパクトに驚き。
あんかけが溢れんばかりに入っています。
簡単にいえば、ラーメンのスープの代わりに、片栗粉でトロみをつけた塩味の餡が麺の上にたっぷりとかかっていて、具もたくさん。
同店の「醤油らーめん」「白醤油らーめん」「塩らーめん」などは、鶏・野菜・昆布のスープと煮干し主体の魚介スープとのダブルスープ。
このうち、鶏と野菜などを煮込んだスープに片栗粉や具を入れて餡状にしたあと、「塩らーめん」の塩ダレ(のだ塩+浅利)を合わせています。
このアツアツの餡を、通常よりも約15秒ほど長く茹でた中細ストレート麺にかけて完成。
普通ならスープに麺を入れるので、自然に麺が少し柔らかくなりますが、麺に餡をのせる場合そうはいかないので、あらかじめ15秒ほど長く茹でるというわけ。
さて、丼からこぼれんばかりに入った塩ダレの餡には具が一杯。
主役ともいうべきホルモンに加え、モヤシ、キャベツ、キクラゲなど本当に盛りだくさん。
さらに、鶏+野菜などのスープと魚介スープのダブルスープという同店のラーメンのメインコンセプトの代わりに、「塩ホルモンあんかけ塩らーめん」では、魚介スープの代用で、あご(トビウオ)、鰹節、煮干しの3種をブレンドした「魚粉」が別容器で付属。
この魚粉は同店の一番人気商品「から草らーめん」の味の決め手となる「魚粉」と同じ。
「魚粉はお好みのタイミングでお掛けください」ということ。
アツアツの塩ダレの餡にはホルモンと野菜(モヤシ、キャベツ)がたっぷり。
さらに大きなキクラゲも入っています。
舌を火傷しないように慎重にレンゲで餡をすくって飲み始めます。
さすが塩ダレで仕上げただけにさっぱりとした味。
塩加減もちょうど良いですね。
もともと鶏と野菜・昆布などのスープですので、あっさりしながらもちゃんと旨みを感じることができます。
これに適度の塩味が加わった餡。
これだけでもどんどんスープを飲んでしまう旨さ。
スープ(餡)は無化調です。
麺は中盛なので180g。
ちなみに並盛は150g、大盛は250g。
麺はもちろん自家製麺で、打ったあと少し寝かせています。
国産小麦を使った中細角ストレートの麺は、クチナシなどの着色料を使っていないので、白っぽい麺。
切り刃20番、加水率35%の中細麺は、熱い餡をかけてもしなしなにならずに、ちゃんとコシがあるのはさすが。
最初は、少々固めというか硬質感がありますが、噛むと適度なコシがあり、モチモチとした食感。
小麦の香りも感じられる実に美味しい麺です。
中加水麺ですが、茹で時間を調節することにより、パツパツな食感にもなるし、逆に柔らかめにもなる麺。
先に書いたように、餡をのせるため、少々長めに茹でても決して、最初の固めの食感と適度なコシやモチモチ感が失われない上出来の麺です。
具のうち、ホルモンは塩ダレと合わせるので、あえて塩味などはつけていないということ。
あっさりとした味で臭みもなく、コリコリとした食感はラーメンの具として、実に新鮮。
たしかに、まごまご50+様がご指摘されているように、ちょっと固めなので、お年寄り(私もそうかな?)には少々歯応えがありすぎるかもしれません。
かといって、柔らかくすると肝心のホルモンのコリコリ感が失われるので難しいところですね。
大きさは小ぶりで、食べる際にちょうど良いサイズ。
モヤシやキャベツなど野菜もたっぷり入っていますし、塩味がきつくなく、ヘルシーなのも嬉しいところ。
割と薄味ですので、食べているうちにもし単調に感じたら、「魚粉」を振りかけてください。
入れすぎは禁物なので、さっと振りかける程度がちょうど良いでしょう。
すると、あご、鰹節、煮干しがブレンドされた魚粉が予想以上に効果を発揮。
さっぱりとした塩味から魚介風味への味変が楽しめます。
繰り返しますが、いきなり魚粉を投じるのではなく、麺やスープ、具などを半分以上食べたあとで入れることをおススメします。
まずはさっぱりとした塩味の餡と麺のコラボ、そして余計な味付けをしていないホルモンの食感を楽しんでください。
念願の「塩ホルモンあんかけらーめん」を食べることができ、満足。
悪天のなか来た甲斐がありました。
食後店主と雑談をしたのち、バス到着まで10分を余裕を見込んで、14時40分に店を出ました。
「カレーつけ麺」。ブランド牛・八幡平牛の牛すじたっぷりのスパイシーなカレーつけ汁とモチモチの自家製太麺との組み合わせが「美味しすぎる」!
2月7日(木)
昨日の夜(2月6日)、職場で仕事をしていたら、八幡平市平舘の「麺屋 から草」からラインが届きました。
ちなみに、「から草」はライン登録をすると、原則週2回のペースで限定麺や新製品、サービス等の案内を届けてくれます。
昨夜のラインを見て歓喜!。
何と明日(7日)から岩手三大牛の1つ「八幡平牛」(ほかの2つは、前沢牛、岩手短角牛)の牛すじを使った「牛すじカレー」(ミニカレー)(280円)を提供。
あわせて、「カレーつけ麺」を「つけ麺+50円」で提供するという。
牛すじがなくなり次第、「牛すじカレー」「カレーつけ麺」の提供は終了。
「牛すじカレー」「カレーつけ麺」は土日限定で本当に時々提供される希少なメニュー。これまで平日には提供されなかったので、木曜から提供開始というのは嬉しいですね。
そこで念願の「カレーつけ麺」を食べに、今日(7日)八幡平市平舘まで行ってきました。
○期間限定「カレーつけ麺」(中盛)(930円)
午前中の会議が11時前に終わったので、次の会議(16時)までの間5時間。
これなら平舘と職場を往復できると踏んで、職場から盛岡バスセンター行きのバスに乗車。
国道4号線沿いの巣子バス停で、12時01分の平舘駅前経由八幡平マウンテンH行きバスを待ちます。
予定時刻よりも10分も遅れ、バスが到着。
約50分で平舘駅前バス停着。
ここから徒歩わずかで、進行方向右手に、白い雪原の中に一軒家の「から草」の黒い建物が見えてきます。
13時というのに、駐車場は車で埋まっています。
駅前バス停から5分で店につきました。
最初の扉を開けて風除室に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、新製品である「ニボ白醤油」「ニボ塩」の案内。
これらは、レギュラーの「白醤油らーめん」「塩ラーメン」に、同店№1の人気メニュー「から草らーめん」で使う「トビウオ」「カツオ」「煮干し」の魚粉をブレンドしたもの。
風除室と店内を隔てる内側の扉の右側には、今日から提供開始の「牛すじカレー」「カレーつけ麺」のカラフルな案内。
期待に胸を膨らませて店内に入ると、広くて清潔感のある店内のカウンター席、テーブル席いずれも満席近い状態。
カウンター席に空席が少しある程度。
よく見ると、やはり今日から始まった「カレーつけ麺」を食べている方が多いですね。
券売機をよく見ると、メニューがどんどん増えています。
とくに今年に入って店主の創作意欲が爆発。
「醤油あんかけらーめん」「ニボ白醤油」「ニボ塩」など新作をどんどん投入。
2019年2月7日現在のメニューは以下のとおり。
・から草らーめん(並盛800円、中盛800円、大盛900円)
・醤油らーめん(並盛700円、中盛700円、大盛800円)
・白醤油らーめん(並盛730円、中盛730円、大盛り830円)
・塩らーめん(並盛700円、中盛り700円、大盛800円)
・つけ麺(並盛830円、中盛880円、大盛930円、特盛1030円)
・油そば(並盛200g、中盛700円、大盛800円、特盛900円)
・ニボ白醤油らーめん(並盛830円、中盛830円、大盛930円)
・ニボ塩らーめん(並盛800円、中盛800円、大盛900円)
・醤油あんかけらーめん(並盛680円、中盛680円、大盛り780円)
・味噌らーめん(並盛800円、中盛800円、大盛900円)
・チャーシュー丼(250円)
・マヨチャーシュー丼(280円)
・辛いマヨチャーシュー丼(280円)
・豚ナン丼(250円)
・ライス(150円)など。
らーめんは、並盛が150g、中盛180g、大盛250g。
つけ麺は、並盛200g、中盛300g、大盛400g、特盛500g。
油そばは、並盛150g、中盛200g、大盛300g、特盛400g。
今日は「牛すじカレー」(280円)、「カレーつけ麺」(つけ麺+50円)のボタンもできています。
ところが、食券を買おうとしてボタンをみたら、両方とも売り切れを示す赤ランプ。
12時台で売り切れてしまったかと愕然としていたら、店主がさっそうと登場。
券売機の扉を開け、中をいじったら、赤ランプが消えました!
迷わず「つけ麺」(中盛:麺300g)のボタンと「カレーつけ麺」(+50円)のボタンを押し、2枚の食券をもってカウンター席に。
これで「カレーつけ麺」(中盛)。
「つけ麺」の麺はデフォでは切り刃20番の中細麺ですが、久々に太麺を選択。
太麺は茹で時間が15分かかりますが、14時30分のバス発車時刻までは1時間30分近く。
カウンター席に座ると、店主が「今年初めてですね」と声をかけてくれます。
「カレーつけ麺」を平日に提供してくれるとあれば、来ないわけには行かないでしょうなどとやり取り。
「八幡平牛」は月1回しか市場に出回らないという希少なブランド牛。
フレーク状のカレー粉に数種のスパイスをプラスして、食べやすく小さくカットした「八幡平牛」の牛すじ肉を投入。
これを、「鶏ガラ、丸鶏、野菜、魚介」スープと「魚介」スープのWスープの「から草らーめん」のスープ、そして「鶏ガラ、丸鶏、野菜(魚介なし)」のスープと「魚介」スープのWスープである「醤油らーめん」等のスープをブレンドして寝かせた「つけ麺」専用スープでじっくり煮込んでいます。
醤油も加えたカレーつけ汁は、色はかなり濃いめ。
濃い茶色の一見ドロッとしたスープ。
何といっても目立つのが「これでもか」というくらい入っている牛すじ肉。
というか、トッピングは牛すじだけという潔さ。
スープをレンゲですくってみると、見た目と違い、サラッとしたスープ。
もちろんスパイシーなカレー味ですが、辛みはそれほどではなく、むしろコクとふわっとした醤油風味を感じます。
もちろん子どもさん用には、これでも辛いということで、ヨーグルトを加えてまろやかな味にしているといいます。
適度な辛さとスパイシー感。それからコクと醤油風味の混じったカレーつけ汁と柔らかい牛すじ肉。
赤身だけでなく、脂身も混じっていて、カレー風味も加わり、飽きずに食べることができます。
残念なのは、「つけ麺」が同店のメニュー中唯一化調であるということ。
それ以外のメニューはすべて完全無化調ですが、つけ麺の場合、先に述べた「から草らーめん」用のWスープと「醤油らーめん」等のWスープをブレンドしてつけ麺専用のスープをつくるときに、化調を入れるという。
当然、「カレーつけ麺」にも化調が入っています。
また、「カレーつけ麺」と同様、つけ麺用のスープで牛すじ肉と一緒に煮込んだカレーをご飯にかける「牛すじカレー」も化調です。
さて、茹で時間15分を要する太麺は、国産小麦をブレンドして自家製麺した切り刃10番、加水率42%の角ストレート太麺。
艶々とした麺肌は、水でしめられて一層輝いています。
店主が「つけ麺」用につくったという太麺。
水でしめたため、コシが増していますが、それでもやや柔らかめのモチモチとした食感が実に印象的な麺。
全粒粉を混ぜていないと店主は言いますが、モチモチ食感抜群の麺を食べると、何といえない良い小麦の香り。
あまり固くない麺なので、子どもさんや高齢の方にも好評といいます。
このモチモチとした太麺をサラッとした牛すじたっぷりのカレーつけ汁に絡めて食べるときの「快感」。
これはもう抜群。
つけ汁にもっと粘度があると、飛び跳ねで衣服を汚す心配がありますが、サラッとしているので豪快に食べても、衣服に飛び跳ねることはほとんどありません。
つけ汁の具が牛すじだけということもあり、もう純粋に麺とカレースープ、それに柔らかく煮込んだ牛すじ肉の3者を楽しむつけ麺。
もちろん麺が冷たいので、食べるうちにつけ汁の温度が低下することは避けられません。でも、これがつけ麺の宿命。
もし、いったんしめたのち、再度さっとお湯に浸す「あつもり」にしたら、せっかくの艶々とした太麺の感触が損なわれてしまうでしょう。
麺の具は、平べったいメンマ3本と味玉、そして海苔にナルトというシンプルさ。
この中で特筆したいのがメンマ。
醤油や味醂で味付けをしたのち、味が逃げないようにゴマ油で「蓋をした」メンマ。
メンマ独特の発酵臭を消さずにむしろ生かし、それと醤油、味醂、ゴマ油が一体化して、さっぱりとしていながら、噛むほどに次第に旨みが口の中に広がります。
最近の薄味メンマ中心の流れに抗した、店主の思いがつまったメンマです。
煮卵はチャーシューのタレに1日以上漬け込む手のかけよう。
白身が薄い醤油色に変色。
噛むと、香ばしさとコクのある黄身のジュースが、こちらも口の中に溢れてきます。
麺と牛すじを食べ終えたら、残ったスープにポットに入った割りスープを入れます。
割りスープも、「から草らーめん」のWスープと「醤油らーめん」等のWスープをブレンドしたつけ麺専用のトリプルスープ。
スープ温度が一気に上昇するだけでなく、カレー風味に割りスープの魚介風味が加わり、和風感が高まります。
スープ割りを飲み干して、今日も完飲。
なかなか休みをとれない中で、意欲的な新作を次々と発表する店主。
本当は休みをとって東京のラーメン店歩きをしたいのだが、それができないので、極力ネットで東京の話題店や新店などのメニューを閲覧し、研究・試行を重ねているいいます。いま大人気の「白醤油らーめん」も、そうした店主の研究から生まれた傑作。
これからも定期的に新作を発表するととに、人手不足から今止めてる夜の部を春には再開させたいと語ります。
次回は、当初今回食べる予定だった(昨晩のラインで「カレーつけ麺」に変更)「ニボ白醤油」を食べに来ますと言い残し、約1時間の店滞在ののち退店。
14時30分発のバスが出る平舘駅に急ぎました。
店に来る頃には雨でしたが、帰りには本格的な横殴りの雪に。
これから週末~連休にかけて天気が荒れそうなのが心配です。
「牛すじカレー」「カレーつけ麺」は売れ行きが良いので、明日(8日)で終了か、せいぜい明後日(9日)の早い時間帯までとは店主の話。
素材の味を生かしながら、さりげなく白醤油の旨みを添える絶品「白醤油らーめん」
12月14日(金)
今日の盛岡は最高気温2℃、最低気温-8℃という厳寒。
おととい18センチの降雪があったというのに、今日も明け方までに9センチの降雪。
日陰の歩道はカチカチに凍り付き、うっかりすると滑ってしまいます。
盛岡は、冬の寒さと降雪、道の氷結さえなければ、いいところなんですが・・・
そんな厳しい状況にもめげず、盛岡よりもさらに寒さ厳しく、積雪も深い八幡平市の平舘にやってきました。
平舘といえば、もちろん「麺屋 から草」。
八幡平市でおそらく唯一の無化調ラーメン店(つけ麺のみ化調)。
しかも、麺はすべて国内産小麦を使った自家製麺。
カウンター席とテーブル席がバランス良く配置された広く清潔な店で、券売機方式。
首都圏のラーメン店と伍しても十分やっていける実力店。
レギュラーメニューも「から草らーめん」「醤油らーめん」「塩らーめん」「つけ麺」「味噌らーめん」「油そば」「白醤油らーめん」などバラエティに富み、選ぶのが困難なくらい。
さらに、土日に「カレーつけ麺」などの限定麺が提供されることもあり、油断できません。
「チャーシュー丼」「マヨチャーシュー丼」「辛マヨチャーシュー丼」「豚ナン丼」などのミニ丼の美味しさも特筆もの(最近少食になり?、ミニ丼まで手がでないのが残念)。
自家製麺も、切り刃20番、中加水の「細麺」と、切り刃10番、多加水の「太麺」の両方から自由に選択できます(「油そば」のみ太麺オンリー)。
前々回の訪問時(10月14日)、当時味を調整中で限定提供だった「白醤油らーめん」を食べました。
その後レギュラーに昇格。
評判もすこぶる上々らしい。
ならば、是非年内に食べておきたい。
そんな欲求が、寒さと積雪に打ち勝ちました。
でも、家を出るときにモタモタして、結局夕方の仕事に間に合わせるためには最終便ともいうべき、国道4号線の滝沢市「巣子」バス停13時01分発の八幡平方面行きバスにようやく間に合う始末。
このバスに乗ると、平舘駅前に13時50分頃に到着。
そこから徒歩約3~4分で「から草」。
14時少し前に着いたとしても(平日の営業は14時30分まで)、帰りの平舘駅14時30分発の「盛岡バスセンター」行きに間に合わせるために、店の滞在時間はせいぜい20分強。
楽しみにしている店主との雑談もそこそこに退散すること確実なのが残念。
○「白醤油らーめん」(中盛:730円)
「から草」周辺は一面の雪原と化しています。
盛岡より雪が深く、寒さも厳しい八幡平市。
今日は風も強く、寒さが身に沁みます。
店に入り、風除室を抜けると、広い店内。
14時過ぎなので、お客さんはゼロ。
店主は製麺作業を終えたばかり。
相変わらず清潔な店内ですが、よく見ると、券売機のボタンがきちんと整理され、分かりやすくなりました。
券売機上段から一段ごとに「から草」「醤油」「白醤油」「塩」「つけ麺」「油そば」「ごはん」と並び、さらに各メニューごとに、「並盛」「中盛」「大盛」「お子様」「濃い目」とボタンが横に並んで、簡単に目的メニューのボタンを探すことができます。
各メニューごとの写真付きの説明は、券売機周辺から、入口左の壁に移され、こちらもメニューを一目で把握することができます。
メニュー説明の横には、麺量表示が分かりやすく書かれています。
皆、店主のアイデア。
ちなみに、券売機の「つけ麺」「油そば」の列には「特盛」があって、「つけ麺」は500g(大盛が400g)、「油そば」(太麺限定)は400g(大盛は300g)となります。
「から草」「醤油」「白醤油」「塩」の並盛は150g、中盛は180g、大盛は250g、お子様は100gです。
もちろん「中盛 白醤油」(麺量180g:730円)の食券を購入。
店は店主と若い女性スタッフの計2名。
5分ほどで待望の「白醤油らーめん」が完成。
店主から直接渡してもらいます。
「美味しそうな丼の受け取り方をするんですね」と店主から誉め言葉を頂戴しました。
さて、「白醤油らーめん」はさすが白醤油だけあって、淡い琥珀色の澄んだスープ。
仕上油の鶏油が浮かんでいます。
具は、豚バラ肉のロールチャーシューが2枚。
平べったいメンマが3本。
ハーフ味玉に輪切りのネギ、そして海苔が1枚添えられます。
スープは、丸鶏とガラに玉ネギなどの野菜を加えた動物系+野菜スープがベース。
それに煮干しや昆布などの魚介系・乾物系のスープを合わせたWスープ。
タレは。山形市「フジ味噌醤油」の「色がつかない白醤油」に煮干しや昆布などを足して、1か月以上寝かせて熟成させたもの。
前回試食したときは熟成期間が少なかったのか、薄味感が否めませんでしたが、今回は寝かせた結果、薄味感は感じられず、「白醤油」独特のまろやかな風味が生かされています。
たしかに通常の醤油とくらべると香りに欠ける点は否めません。
かといって塩のように塩角が立っておらず、まろやかでさっぱりとした醤油の旨みを感じます。
最初は鶏油のオイリー感を感じますが、それもすぐに消え、白醤油のまろやかでさりげない旨みが、スープの「素」に近い味を「塩ダレ」とは違った形で伝えてくれます。
鶏感はあまりなく、下支え的な役割。
むしろ野菜の甘味と魚介や昆布の旨みが複合。
白醤油がスープの旨みを一段と引き立てている印象。
「醤油らーめん」とも「塩らーめん」とも違う「白醤油らーめん」の魅力を実感。
麺は、自家製麺の切り刃20番の中細角ストレート麺。
クチナシなどの着色料を使っていない白っぽい麺。
加水率は通常の36%より少し下げている(35%近く)と店主の説明。
これが「細麺」ですが、最初は固めでややパッツンとした食感。
しかし、噛むとモチっとした食感に変わり、喉越しも良く、ツルツルと啜ることができます。
醤油ダレで良く煮込んだ豚バラ肉のロールチャーシューは、エコ箸で掴もうとするとホロホロと崩れる柔らかさ。
醤油味が十分滲みこみジューシー。
ゴマ油の香ばしい風味とメンマの発酵臭をうまく調和させたメンマの味は、最近薄味の多いメンマの中では異色。
そして、こちらも醤油ダレに漬けたトロトロで味わい深い黄身が抜群に美味しい味玉ハーフ。
「から草」のラーメンの具の美味しさには、いつも感心させられます。
具の一つひとつが全く隙のない出来で、スープやタレ、麺とともに、レベルの高い一杯になっています。
結局わずか5分でスープを完汁。
店主も私の食べる速さに舌を巻いていましたが、これも少しでも店主と雑談したい一念から。
といっても、ちょっとお喋りしたところで、時計を見ると14時26分。
バスの発車まで4分しかない!
そこで、慌てて店を出て、雪道に足をとられながら、走るように平舘の駅に急ぎました。次回こそ1時間早いバスで来て、店主とゆっくり雑談したいものです。
最近岩手でも白醤油を使う店が増えてきましたが、白醤油メインのカエシのラーメンを提供しているのは「から草」だけ。
是非実食して「醤油らーめん」や「塩らーめん」との違いを感じてください。
味噌ダレがさらにまろやかに。その分、鰹節のインパクトが増した味噌ラーメン!
11月1日(木)
出先での仕事が昼過ぎに終わり、夕方の仕事まで4時間ほどの空き時間ができました。
そこで、今季の「味噌らーめん」をまだ食べていない「麺屋 から草」(八幡平市平舘)にバスで向かいました。
平舘駅前バス停に13時45分到着。
そこから「から草」までは徒歩5分弱。
店には13時50分に着きました。
昼営業は15時まで。
ところが、帰りの平舘駅発盛岡バスセンター行きのバスは14時30分発。
店に滞在する時間は20分強しかない。
いつも店主とゆっくりお喋りするのが楽しみなのですが、今日はゆっくりできないのが残念。
そういえば、「から草」はしばらくの間、昼営業(午前11時~15時)のみとなります。
11月は6日(火)・12日(月)・13日(火)・20日(火)・26日(月)・27日(火)が休み。
まず、風除室に「新登場 あっさり好きにおすすめ!! 白醬油らーめん」の看板。
前回、正式提供前の試作品を食べてみましたが、新作「白醬油らーめん」は好評らしい。
八幡平市で「白醬油らーめん」を食べることができるのも素晴らしいですが、試作品よりも改良され、別皿でさらに「白醬油」が添えられ、好みで白醬油スープの濃さを調整できるようになったらしい。
2番目の扉を開けて、店内に入り、券売機を確認。
すると、「白醬油らーめん」と「味噌らーめん」のボタンが並んでいます。
一瞬、「白醬油」に気持ちが傾きましたが、そもそも今日は「味噌」を食べにきたという原点を思い出し、「味噌らーめん 中盛」(800円)のボタンを押します。
おやっ!厨房に店主がいない。
良く見ると、店主は製麺室で麺づくりの最中。
14時ですから、先客は1人。
私が入店し、店主が厨房に戻り、まずは挨拶。
「そろそろお見えになると思っていました」と声をかけてもらいます。
私のあとに来客1人。
相変らず清潔で広々とした店内。
カウンター席に座り、「味噌らーめん」ができるのを待ちます。
○「味噌らーめん 中盛」(800円)
店主が運んでくれた「味噌らーめん 中盛」。
一目見て、「大盛じゃないですか」と声を上げたほど。
それほどスープも具もたっぷり。
茶色い味噌スープを良く見ると、魚粉が混ざっています。
まず目立つのが表面の半分を占める巨大チャーシュー。
メンマ3本と味玉ハーフ。
茹でたモヤシとキャベツなどの野菜も、これまたたっぷり。
その他、キクラゲやナルトがトッピング。
トッピングがたくさんで、麺がみえないくらい。
さらっとした味噌スープを飲むと、以前と同様鰹節の旨味がドーンと来ます。
というか、鰹節の効き具合が、今季は前よりも増していますね。
続いて、味噌ダレの風味。
もともと地元・八幡平市の「麹屋もとみや」の「こうじみそ」を使っているので、味噌味は優しめ。
それが今季はさらにマイルドになっています。
その分、鰹が一層強く感じられます。
店主によると、味噌ダレは「こうじみそ」にニンニクやいりごま、醬油、味醂、一味などを加えています。
今季は味噌はそのままですが、それに足す食材の配合を調整して、以前よりも味噌ダレをマイルドにし、その代わりに鰹がガツンと来るようにしたと店主の説明。
この味噌ダレの配合は、私の好みのど真ん中。
鰹の旨味をこれほど感じさせる味噌ラーメンは、おそらく他にないのでは?
しかも、味噌ダレはマイルドで優しいですから、どんどんスープを飲んでしまいます。
それでも全然しょっぱくないのも特筆もの。
スープのベースは、店の看板メニューである「から草らーめん」と同じ。
鶏と魚介を煮込んだスープにトビウオ、鰹節、煮干しなど3種類の魚粉をブレンド。
ここからが、「から草ラーメン」と違うところで、味噌ダレを合わせたあと、鰹節で追い鰹。
仕上油は鶏油。
オイルは鶏油だけで、ラードを全く使わないさっぱりとした味噌汁風の味噌ラーメン。
それでいて、味噌の風味もしっかり感じられ、何よりも鰹節がしっかり効いていて無化調なのですから、いまのところ私的に岩手でナンバー1の味噌ラーメン。
麺は自家製麺。
打ったあと、約2日間寝かせて熟成させてから提供されます。
切り刃20番、加水率36%の中細角ストレート麺。
クチナシ色素で色づけしていないので、白っぽい麺です。
国産小麦3種をブレンド。
麺は固めに茹でられ、最初はパツパツとした食感。
しかし、噛むとモチッとした食感が前面に出てくる「パツモチ麺」。
小麦の風味を楽しむことができます。
今回驚いたのは、最後まで最初のパツパツ感が保たれたこと。
思わず店主に「加水率を下げたんですか」と聞いたくらい。
店主によると、他のメニューと茹で時間は変えていないのだが、「味噌らーめん」の場合、スープが冷めるのに時間がかかるため、麺が最後まで伸びないでパツパツ感が残っているのだという。
麺量は中盛で180gと食べ応え十分。
なお、「味噌らーめん」はデフォでは「細麺」ですが、頼むと切り刃10番、加水率42%の「太麺」に変更することができます。
ただし、太麺は茹で時間約10分を要するので、腰を据えて待つ覚悟が必要。
たっぷり入っているモヤシなどの野菜は茹でているのでヘルシー。
余計な油を摂取せずに、野菜補給をすることができます。
キクラゲの独特な食感も、味噌味に良く合っています。
そして巨大な豚バラ肉のロールチャーシュー。
薄くスライスされ、醬油や味醂、酒、砂糖などで煮込んだチャーシューは柔らかくて、タレの味が浸み込んでいます。
とくに砂糖が効いていて、ほのかな甘みを感じるように仕上げています。
見た目こそ肉々しいですが、しっかりとタレで味付けされ、しかも肉の旨味もキープされた本当に絶品のチャーシュー。
醬油と味醂で煮込んだあと、ゴマ油で仕上げたメンマの美味しさも特筆もの。
トロッとした黄身の味付けなど具の細部に至るまで丁寧な仕事ぶりは評価に値します。
あんなに山盛りだった具もペロッと平らげ、スープを全部飲み干しても、全然喉が渇きません。
食後店主と会話を楽しみながら、国産小麦3種の品種をつきとめたかったのですが(笑)、バスの発車時間が迫っていたため、ここで退散。
次回は「完成した『白醬油らーめん』を食べに来ます」と店主に約し、店を辞しました。
相変らずの睡眠不足のため、帰りのバスで熟睡。
職場最寄りの「巣子」バス停を乗り過ごしてしまい、はるか先の盛岡寄りのバス停にまで行ったというおまけつき。
通常利用外口コミ
この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。
10月中旬登場予定の「白醤油らーめん」をいち早く体験
10月4日(木)
本日は当初別の店に行く予定。
「麺屋 から草」(八幡平市平舘)は、明日(5日)、9月から再登場した冬季限定の「味噌らーめん」を食べに伺う予定でした。
ところが今朝早朝、朝食を食べていると「から草」からライン登録をしている「ライン会員」に「今日のイベント」のお知らせが来ました。
内容をみてビックリ。
10月中旬頃に新登場予定の「白醤油らーめん」をライン会員にかぎり、先着10名にいち早く提供するという。
盛岡市内でも、カエシに白醤油をブレンドしているラーメン店はあるものの、「醤油らーめん」「塩らーめん」と並び「白醤油らーめん」まで提供している店はありません。
東京では「中華蕎麦 にし乃」(本郷三丁目)の「中華そば」のように、白醤油をメインにしたカエシのラーメンを提供している店が注目を集めています。
そんな無化調の「白醤油らーめん」を八幡平市で食べることができるのですから、行かない手はありません。
幸い、午前中の仕事は早く終わり、夕方の仕事までかなりの時間があります。
いつものように、13時頃までには「から草」に到着。
ラーメンを食べ、職場に15時30分頃に戻ることが可能。
そう計算しましたが、問題は「ライン会員に限り先着10名」というところ。
「から草」は11時開店ですから、どうあがいても到着は13時。
開店2時間後で、果たして「白醤油らーめん」10食は残っているだろうか?
しかし、行かないで後悔するよりも行って売り切れに遭遇する方がまだマシ。
売り切れなら、「味噌らーめん」を食べればよい。
そんな気持ちで、午前中の仕事を終えたあと、平舘駅前経由八幡平方面行きのバスに乗りました。
○「白醤油らーめん」(700円)
「から草」には13時少し前に到着。
店に入ると、まず風除室。
ここから店内に入る扉に、いつもなら「今日のイベント」の案内が貼ってあるはず。
それがないということは、やはり「白醤油らーめん」は売り切れか?
店内に入り、券売機をみても、どこにも「今日のイベント」の案内がありません。
そこで「白醤油らーめん」は諦め、「味噌らーめん」(中盛800円)の食券を購入し、店主に渡したところ、「『白醤油らーめん』は食べないんですか」の一言。
それを受け、「『白醤油らーめん』あるんですか」と声を上げてしまったほど。
実は「先着10食(実はもう少しある)」なので、店内に一切案内は掲示せず、注文時にスタッフに声をかけてくれれば案内するという。
やはり来てみるものです。
「醤油らーめん」(並盛・中盛は700円)の食券を買って、スタッフに渡すときに「『白醤油らーめん』をお願いします」と言えば良いとのこと。
早速「味噌らーめん」(次回食べに来ます)から「白醤油らーめん」に変更。
カウンター席に座り、水を飲みながらラーメンの到着を待ちます。
13時過ぎでも、満席ではありませんが、ひっきりなしにお客が入店。
相変らずの人気店です。
数分で到着した「白醤油らーめん」(中盛)。
写真では少し茶色っぽく映ってしまっていますが、もっと薄い色。
見た目は醤油ラーメンというよりも、完全に塩ラーメンといった薄く透明感のあるスープ。
具は、「醤油らーめん」と同じ。
醤油ダレで良く煮込んだ大判の豚バラ肉ロールチャーシューが1枚。
平べったいメンマ3本。
味玉ハーフと海苔。
中央に輪切りの白ネギとナルトがトッピング。
表面に浮かぶ香味油は鶏油とのこと。
早速スープを飲んでみると、まさしく醤油ラーメンとも塩ラーメンとも違う「白醤油らーめん」のカエシ。
通常の醤油は大豆が主で、これに小麦を加えます。
ところが白醤油は小麦がメイン。
大豆はほんの少々加える程度。
これが通常の醤油と白醤油との風味と色の違いを生み出します。
山形市「フジ味噌醤油」の「白醤油」を使い、これに煮干しや昆布を足した醤油ダレ。
スープは「醤油らーめん」「塩らーめん」と同じで、鶏と野菜、昆布、煮干しなどを合わせたあっさり系のスープ。
白醤油は醤油特有の香りが弱い代わりに、繊細な味で独特の軽い甘みがあります。
そのため、スープの風味を塩ダレ以上にダイレクトに味わうことができます。
「から草」の「醤油らーめん」「塩らーめん」のスープは、上記のように動物系・魚介系・野菜などをブレンドしたバランス系のあっさり味。
白醤油ダレに煮干しや昆布を仕込んでいるので、魚介系の風味が勝っているかといえば、そうではなく、いずれの食材も主張しないあっさり系ながら、トータルとして深い旨味をつくり出しています。
これまで何回も食べながら、実は真正面から真剣に味わったことがなかった「から草」の「ありのまま」のスープをじっくり味わうことができたのが、「白醤油らーめん」最大の収穫。
最初は数々の食材が一体になり、繊細であっさりとした味ですが、徐々に魚介が顔を覗かせ、最後には底に魚粉が少し残ることから分かるように魚介の余韻を残してフィナーレとなります。
「醤油らーめん」や「塩らーめん」では、タレによりある意味オブラートに包まれていた素のスープの味を白醤油ダレによりはっきりと感知。
たしかに、白醤油ダレ自体あっさり系。
スープもあっさり系ですので、「醤油らーめん」「塩らーめん」以上にあっさり。
その意味で、物足りないと思う方もおられるかも知れません。
店主もこのことは十分感じていて、正式提供時には「物足りなさ」を緩和するための仕掛けを用意する予定とのこと。
でも、薄味好きな私としては、白醤油の特性とスープの素の味を堪能できる今回の調合で良いと思いますが・・・
麺は「細麺」といいますが、切り刃20番なので、中細といった方が良いでしょう。
国産小麦をブレンド。
加水率36%の角ストレート麺は、最初こそやや固めの感触ですが、噛むとモチモチとした食感に変化。
麺自体の旨味も十分な自家製麺です。
醤油ダレに十分漬け込んだ豚バラ肉の大判ロールチャーシュー。
豚の旨味と醤油の旨味が完全に溶け合い、1枚のチャーシューに収斂。
柔らかくて食べやすく、旨味十分な絶品のチャーシューです。
ごま油を効かせた深い風味のメンマ。
チャーシューと同様、醤油ダレに漬けたトロトロの黄身が美味しい味玉ハーフなど、具のすべてに丁寧に手を加えています。
「忙しくて東京のラーメンを食べに行けないんです」となげく店主。
そんな多忙ななかでも、東京の動向をしっかりと把握。
先進的なラーメンを地元に愛されるようアレンジしながら、きちんと無化調(つけ麺を除く)・自家製麺という基本をおさえている「ぶれない」店主の姿勢には、いつ訪れても感嘆させられます。
「醤油らーめん」「塩らーめん」とも違う「白醤油らーめん」が正式提供時にどのようなかたちに落ちつくのだろうか?
それ以上に関心があるのが、今日は食べませんでしたが、鰹の効いた冬季限定「味噌らーめん」。
店主によれば、味噌は変えていないが、味噌ダレに仕込む食材にさらに一工夫をしたということ。
どう味噌ダレを調整したのだろうか。
本当に興味が尽きません。
定期的な「麺屋 から草」通いは当分続きそうです。
「麺屋 から草」の「冷やしらーめん」は8月31日で終了
8月30日(木)
最近ご無沙汰の「麺屋 から草」(八幡平市平舘)。
昨日、ラインで本日(8月30日・木)のイベントのお知らせが届きました。
読んでみると、30日は「冷やしらーめん」が50円引き。
これはお得ですね。
しかも、お知らせの最後に「夏季限定の冷やしらーめんの提供も残りわずかです」とあるではないか!
たしかに、めっきり涼しくなり、夜などは寒ささえ感じるこの頃。
一時期は、9月末まで暑さが続くと覚悟したのですが、一気に秋の気配。
長袖を着ている人も増えました。
これでは「冷やしらーめん」はあまり出ないでしょうね。
これが「から草」の「冷やしらーめん」を今年食べる最後の機会かも知れない。
そう思って、本日の昼、「から草」に行くことに決定。
ところが、朝から雨が本降り。
とくに昼ごろには一際雨脚が強くなり、出かける時間を1時間あとにずらしました。
いつもなら国道4号線滝沢市巣子バス停12時01分発の平舘方面行きのバスに乗るのが、1時間遅れて、13時01分発に。
幸い、バスは国道282号に移ったあともスムーズに進んで、13時45分に平舘駅前バス停に着。
いつのまにか雨は上がっていました。
「麺屋 から草」に向い、のどかな道を歩いていると、雨上がりのせいか、かなりの蒸し暑さ。
このくらいの暑さが、「冷やしらーめん」を食べるのにちょうど良いですね。
13時50分頃には、「から草」に到着。
この時間なのに結構先客が入っていたのには驚き。
やはり八幡平市の人気店なんですね。
入店するや、店主が一言。
「ラインを読んで、今日いらっしゃると思っていました」
やはり、行動を読まれていますね。
それではと券売機を見ると、やはり「冷やしらーめん」は50円引き。
並盛(150g)・中盛(180g)700円のところが650円。
大盛(250g)にいたっては、通常800円が700円に100円も値引き。
といって、いい気になって大盛を食べるほどの歳ではありません。
ここはおとなしく「中盛」の食券を買って、店主に渡します。
今日は、店主と女性スタッフ2人の3人体制。
厨房に面したカウンター席の間もゆったり。
カウンター席と窓際のテーブル席との間隔もゆったり。
本当にゆったりとした気分で、無化調スープと自家製麺のラーメン(「つけ麺」のつけ汁のみ化調)を食べることができるのですから、貴重なお店。
既に14時を過ぎ、昼の部終了の14時30分まであと20数分。
そんななか、店主は茹で上げた麺を水で締め、冷たいスープに丁寧に盛り付けます。
具と大きな氷を入れて完成。
前回「冷やしらーめん」を食べたのは6月7日ですから、何と3ヶ月近くもあいてしまいました。
○「冷やしらーめん(中盛)」(サービス価格:650円)
淡い琥珀色の澄んだ冷たいスープに、大きな氷が2個。
夏の最盛期なら、さぞ涼しげでしょうね。
チャーシューのタレでじっくりと煮込んだ大ぶりの皮付き鶏モモ肉チャーシュー。
「塩らーめん」の具としてお馴染み。
それを細くカットして食べやすくしています。
中央には茹でたモヤシ。
その上にナルト。
平べったいメンマが3本入り、スープには白ゴマがたっぷりまぶしてあります。
表面には、ネギ油が浮いています。
まずは冷たいスープを飲んでみると、まさに「から草」の冷やしならではの味。
ネギ油の風味と玉ネギをはじめとする野菜の甘みが一体なって押し寄せてきます。
少し遅れて軽い酸味。
ネギ油のオイリーさと野菜の甘さ、独特の酸味の三重奏が冷たいスープの中で躍動する「から草」オンリーワンの冷やしスープ。
スープのベースは鶏ガラ、丸鶏、ムネ肉などの動物系。
しかし、スープから動物系の存在はあまり感じられず、むしろコクを出す役割に徹している感。
風味は、もっぱらネギ油と野菜。
実は、今日は独特の酸味が前回に比べると、それほど強くは感じませんでした。
それでも、スープの端からじわりと染み出してくるほのかな酸味。
酢ではないことは分かっていますが、相変らず店主は酸味のもとについては企業秘密。
麺は国産小麦(これも品種や配合は企業秘密)を複数ブレンドして、前日打ったあと一晩寝かせています。
切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
ツルツルとした食感ですが、水で締めているので、コシがかなり強くなっています。
麺を啜ったあと、噛むと弾力性があって、歯応え十分。
ツルツル感と麺のコシ、そして小麦の風味の三者を十分堪能できる実に美味しい麺。
それだけに、一体どのような品種を使っているのか、興味津々。
思いつく限り、名前を挙げてみますが、店主の答えは?
麺と並ぶ冷やしの主役が皮付きの鶏モモ肉チャーシュー。
前回の冷やしのレビューで皮をパイ生地にたとえました。
今日食べた食感もそのとおり。
サクサクとした皮に、チャーシューの醤油ダレが十分浸みこんだコリコリとしたモモ肉。
今回は9等分に細くカットされていました。
肉の旨味と皮のサクサク感は、ここでしか味わえません。
メンマは醗酵臭を残しながら、ゴマ油でいい感じに風味をつけています。
スープがさっぱりとしているだけに、個性的な鶏モモ肉チャーシューとメンマの存在感が一層際立っています。
シャキシャキ感たっぷりの茹でたモヤシ。
そして香ばしい白ゴマなど、脇役も十分な仕事をしています。
いつの間にか、あんなに大きかった氷が随分小さくなっています。
その間、スープの冷たさが保たれる上、スープが全く薄くならないという配慮も見事。
店主も「早いですね」と驚く5分ちょっとでの完食・完飲。
そういえば、スープを飲みながら、醤油の風味もうっすらと感じます。
そこで店主に醤油は何を使っているのか尋ねると、これも企業秘密(笑)
鶏ベースのスープに野菜をたっぷり投入してスープを調製。
醤油ダレをうっすらと効かせ、さらに独特の酸味を投入。
仕上げにネギ油と氷を加えるというなかなか手の込んだつくり方。
これが甘みと酸味がうまくバランスしながら、さっぱりと仕上がったスープに結実。
コシ十分の自家製麺と個性的な鶏モモ肉チャーシューとメンマ。
これらの多様な要素が絶妙にハーモニーを奏でながら、「から草」独自の「冷やしらーめん」を形づくっています。
こんな美味しい「冷やしらーめん」が明日(8月31日)で終了というのは惜しいかぎりですが、その代わりに9月からは人気メニュー「味噌らーめん」が復活。
店主によると、味噌ダレに少し手を加えるという。
もちろん、9月でも暑い日があれば、ゲリラ的に「冷やしらーめん」が1日のみ提供されるかも知れません。
「では、次回は味噌を食べに来ます」と言い残し、店を後にしました。
それにしても、来るたびに増える?「企業秘密」の数々。
どれか1つでも解明したいのですが、それができないのが悔しい(笑)
限定「冷やし油そば」には「温泉卵」が良く合う!そして「謎の」中華スープ。
7月5日(木)
ライン登録した八幡平市平館の「麺屋 から草」。
土日限定のゲリライベントや毎週木曜のイベントの予定などが届きます。
その中で昨日(4日)、翌5日のイベントの中で気になる記載が。
「土日限定で登場した冷やし油そばが再登場!冷やし第2弾といたしまして、平日ご提供致します」
先週土日に初めて「冷やし油そば」が登場。
好評だったと聞きます。
週末にしか食べることのできない「冷やし油そば」を5日(木)に出してくれるとは!
こんなチャンスを見逃す手はない。
ということで、いつものように職場からバスで10分の滝沢市巣子バス停(国道4号線)で、「八幡平」方面行きのバスに乗り換え、平館駅前バス停へ。
今日は約45分とスムーズに到着。
平舘駅前に12時50分着。
徒歩3分で西根バイパス沿いの「麺屋 から草」に着。
最高気温は昨日よりも下がり、25℃止まり。
12時53分に店に入ると、お馴染みの良く通る声の店主、そして2人の女性スタッフが迎えてくれます。
「ラインで『冷やし油そば』を木曜に提供すると書いたから、本日おそらくいらっしゃるんじゃないかと思ってましたよ」と店主。
完全に私の行動を読まれていますね。
早速、「油そば 中盛」(700円)と店主オススメの「温玉」(50円)の食券を購入。
女性スタッフに「冷やしでお願いします」と語りながら食券を渡したあと、カウンター席に座ります。
13時になろうとしていたので、店内には先客2人のみ。後客はなし。
「平日はこんなもんです。12時台のピークを過ぎると、落ち着いてしまいます。でも、夜の部は木曜が一番お客が入るんですよ」と店主。
○「冷やし油そば 中盛」(700円)+「温玉」(50円)
「油そば」は並盛150g、中盛200g。ここまでは、700円の同一料金です。
大盛は300gで、100円増しの800円。
参考までに、「つけ麺」は並盛が200g(830円)、中盛が300g(880円)、大盛が400g(930円)となります。
「油そば」は太麺での提供となります。
国産小麦をブレンドした切り刃10番、加水率42%の四角断面のストレート麺。
茹で上がるまで、たっぷり13分を要します。
先に丼に焦がしネギ油、鶏油、そして醤油ダレを入れて油そばのタレを用意します。
麺が茹で上がると、冷水で締め、タレと混ぜ合わせます。
そしてトッピングを加え、中華スープを添えて提供されます。
今回は温玉が別添え。
逆に、前回の「油そば」(温かい麺)で無料トッピングした背脂とにんにくは止めて、なるべく「冷やし油そば」そのものの味を楽しむことにします。
「冷やし油そば」は、通常の「油そば」の麺を冷やしたものですが、タレの量を「油そば」よりもやや少なめに濃縮。
タレが「油そば」よりも強めに出るよう工夫されています。
そして、タレがしょっぱいと感じたら、温玉トッピングを混ぜると、味がぐっとまろやかになるという仕掛け。
醤油に焦がしネギ油の香りと鶏油のコクが加わった少量ですが、濃厚なタレ。
提供された時点で、既に太い麺がタレと良く混ぜ込んであります。
トッピングがたっぷりのせられ、麺全体を覆っています。
まずは前回のサイコロ状ではなく、ほぐした状態で提供される豚バラ肉チャーシュー。
平べったいメンマが3本。
味玉半分に刻み海苔、そして刻み玉ネギがたっぷり。
最後に、輪切りのネギとナルトが麺の頂上にちょこんと配置されています。
自家製麺の太麺は、プリプリとして弾力性に富む麺。
小麦がぎゅっと詰まり、噛み応え十分。
醤油+焦がしネギ油+鶏油のタレが冷たい太麺に絡み、濃厚な味の冷えた太麺をワシワシ食べる瞬間こそ、「冷やし油そば」の醍醐味。
無化調でこれだけ濃厚な味を出すことができるのですから、大したもの。
醤油ダレをたっぷりまとったこちらも濃厚な旨味のバラ肉が、油そばの風味を一層増強。
対照的に、刻み玉ネギの食感とピリッとした辛みがちょうど良いアクセント。
ごま油で和えたメンマは、あえて醗酵臭を強めに出し、これとごま油の香ばしさが相まって、シャキシャキ食感と合わせて、独特の存在感。
添えられた中華スープは薄い琥珀色の透明感のあるビジュアル。
輪切りのネギがたっぷりと入り、底には塩コショウが沈殿。
中華スープを飲むと、「スーッとした」風味で、口の中に残った油そばの油分がすっきりと洗い流される感。
実は昨年以来、この独特の清涼感のある中華スープの食材が何なのか、店主に尋ねるも「企業秘密」の厚い壁に阻まれていました(苦笑)
店主によると、中華スープは「油そば」専用。
「中華料理の食材」からダシをとり、醤油と塩コショウを加えたもの。
問題は、この「中華料理の食材」が何なのかということ。
店主曰く「絶対分からないでしょう」
そういわれると、何とか知りたくなるのがサガ。
今回は店主から「動物系」というところまでヒントを引き出したものの、あえなく撃沈。
口の中の油を洗い流し、余韻の残す独特のすっきり感には、もちろん塩コショウも貢献していますが、メイン食材の「動物系」食材も効いているはず。
さて「冷やし油そば」に話を戻して、麺を半分ほど食べたところで、温玉を割って、半熟の黄身と白身を投入。
麺と混ぜると、あれほどストロングだったタレが一気にマイルドに変貌。
もちろんタレの旨味は十分保たれています。
200gの麺を平らげたあとには、タレとメンマなど具が少し残っています。
ここで面白いのが、メンマのごま油風味がタレに乗り移り、タレの香ばしさが増すこと。
本来なら、追い飯を投入して、残ったタレと和えて食べれば、さらに満足感を味わうことができるでしょう。
しかし、糖質過剰気味の私は自粛。
200gの麺で我慢。
最後に中華スープを飲み、さっぱりとして終了。
しかし、「中華スープ」のメイン食材がまたもや分からないまま、謎が深まるばかり。
食後、後客が来店しないことをいいことに(?)店主と雑談。
いま、冷やし第1弾の「冷やしらーめん」、第2弾の「冷やし油そば」に続き、第3弾を用意しているという。
キーワードは「ネバネバ」。
「ネバネバ」というと、納豆を思い浮かべますが、好き嫌いのある納豆の代わりにオクラなどのネバネバ系の夏野菜をトッピングした冷たい油そば。
今日食べた「冷たい油そば」は、冷たい麺に通常よりも濃いタレ。
それに温玉を投入して味変させる工夫が光りました。
そして、次は冷たいネバネバ系の油そば。
店主のアイデアは尽きることを知りません。
切り刃20番の細麺はつけ麺用とラーメン用では、麺の厚さを変えているというお話。
つけ麺用の細麺(つけ麺のデフォは細麺。デフォが太麺なのは油そばだけ)は厚みのある四角断面の麺ですが、ラーメン用の細麺は薄めの平打ち気味にして、より麺の細め感を出しているという。
いつも平日の13時前後に来ていますが、本当は夜の部に来店。
冷たい生ビールと自家製の餃子、そして〆のラーメンを食べれば疲れが吹き飛んでしまうでしょう。
本当は夜の部にも来たいのですが、うっかりしていると盛岡方面行きのバスがなくなるので、安心できません。
こんな美味しいラーメン店が近所にある方が本当に羨ましい。
今度は、「仮称・冷たいネバネバ系油そば」の案内が来たら、お邪魔することにします。
今年最初の冷やしラーメンは、やはり「から草」!
6月7日(木)
連日最高気温の話ばかりでスミマセン。
本日の盛岡は、またまた最高気温が30℃。
こう暑いと、もう冷やしラーメン1択になりますね。
ところが、まだ6月初めのためか、冷やしラーメンを提供している店(もちろん無化調という条件つき)が意外に少ない。
そんななか、今日こそは「今年初冷やし」を食べるべく先週に続き、2週連続で、「麺屋 から草」(八幡平市平館)を訪れました。
まだ冷やしラーメンの提供に踏み切れない店や、提供していても限定杯数などの店が多いなか、営業時間中はスープ切れの場合を除き、常時「冷やし」を提供してくれる貴重な店です。
○「冷やしらーめん 中盛」(700円)
いつもどおり、国道4号線・巣子バス停から12時01分発のバスに乗車。
八幡平方面に向かいます。
平館駅前バス停に12時56分着。
八幡平市の最高気温も29℃。
こちらも、盛岡に負けない酷暑。
13時過ぎに「から草」に到着。
店に入るなり、早速券売機にダッシュ。
「冷やしらーめん 中盛」(700円)の食券を購入。
中盛は麺量180gです(同一料金の並盛は150g。100円増しの大盛は250g)。
今日はイベントデーの木曜日。
先週は「塩らーめん」が対象でしたが、今週は「つけ麺」がサービスの対象。
並盛と中盛が50円引き、大盛が100円引きとお得になっています。
店内は空調が良く効いて快適そのもの。
カウンター席に座ると、店主が一言。
「木曜なんで、いらっしゃると思っていました」
完全に行動を読まれていますね。
先週、夏季限定メニューのことを聞いてしまったし、マイレビュアー「まごまご50+」様の「冷やしらーめん」のレビューを読んだら、居ても立ってもいられなくなりましたなどと話しながら、到着を待ちます。
店主は茹で上げた麺を、今度は冷水で締めています。
冷たいスープを張った丼に冷えた麺を盛り付け、具を添えたあと、大きな氷を1つスープに投入。
眼前に現れた今年最初の冷やしラーメン。
淡い醬油色の透明感のあるスープに氷が浮かび、見ただけで冷たそう。
皮付きの鶏モモ肉チャーシューが4枚にカットされて添えられています。
茹でたモヤシがたっぷり。
そして、白ゴマもたっぷり振りかけられています。
その他、平べったいメンマが3枚。
丼の真ん中にナルトが1枚。
レンゲでスープを飲んでみると、玉ネギなどの野菜由来の自然な甘味。
それに「フルーツ酢」でも使っているのでしょうか?実にさわやかな酸味。
そしてネギ油の風味とオイリー感。
この「甘味」「酸味」「オイリー感」の三者が、冷たいスープの中で三位一体に。
白ゴマの香ばしさも加わって、実に食欲をそそります。
ここでお詫びしなければならないことが2つ。
前回のレビュー中、「冷やしらーめんは今年初めて提供」と書きましたが、昨年も提供されていたとのこと。
これは店主からのご指摘。
昨年は夏の間、訪問をさぼってしまったので、その間に提供されたようです。
そして、前回のレビューで「動物系不使用」と断定しましたが、これも間違っていました。
店主に確認すると、スープのベースは鶏。
鶏ガラ、丸鶏、ムネ肉などからとったスープに、玉ネギなど数種の野菜をブレンド。
さらにネギ油を加えたあと、独特の「酸味」のもととなる「食材」を投入。
さらに醤油ダレを合わせています。
要するに、基本は鶏ガラメインのスープにネギ油と「何か」を加えるという店主にいわせると「実にシンプルな構成」のスープ。
しかし、鶏の風味はあまり感じられず、どちらかというと下支えに使っている模様。
甘味の由来は、もっぱら玉ネギなどの野菜類ですが、鶏チャーシューを漬けたタレに含まれるミリンも少し効いているよう。
問題は玉ネギ以外にどんな野菜を使っているのか?
さらに一番の「謎」は、酸味の原因となる食材が何かということ。
この2点については、店主お得意の「企業秘密」。
「酢を使っているんじゃないですか」と聞くと、「使っていません」
「では、何を使っているのですか」「企業秘密」ですという按配。
誘導尋問をしようとしますが、絶対引っかからないのが悔しいですね(笑)。
今まで「企業秘密」の食材のうち明かせたことは一度もありません。
それぐらい隠し味については、口が堅い店主。
ただし、冷やしラーメンに馴染みのない地域だけに、「冷やし中華」の酸味を連想させる意味でも、酸味を加えた方が取っ付きやすいという配慮だといいます。
甘味と酸味とオイリーさが三位一体になった冷やしスープに浸かる麺は、切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
国産小麦をブレンドした自家製麺です。
熱々の麺に入れても、美味しい麺ですが、水で締めるとコシが強くなって、さらに美味しさが増します。
ツルツルしてコシも強く、しかも噛むとモチッとする食感の麺の良さが、冷やしになってさらに引き出されています。
店主も太麺より細麺の方が自信があると語っています。
茹でたモヤシがスープで冷やされ、さらにシャキシャキ感を増しています。
このモヤシを麺と一緒に食べるときが、冷やしの醍醐味。
そして皮付きの鶏モモ肉のチャーシュー。
鶏モモ肉をチャーシューダレに漬けて、十分な時間茹でたチャーシュー。
実は、冷たいスープとの相性が気になっていました。
しかし、冷えたスープに浸かった皮がサクサクとした食感になり、たとえは悪いのですが、まるでパイ生地のような食感。
肉も柔らかくて旨味が強く、さっぱりとした冷やしスープの中で存在感を放っています。
当初、鶏ムネ肉の方が良いのでは?とも考えましたが、店主によれば、鶏ムネ肉はパサパサしてしまい、冷やしにはあまり合わないという。
また、ムネ肉は味が淡泊なので、冷やし全体があっさりしすぎてしまい、物足りなくなるというのが店主の考え。
おそらく、「まごまご50+」様のご指摘を受け、店主も皮付き鶏モモ肉チャーシューを改良。
冷やしに合わせて来たのではないでしょうか(勝手な想像)。
驚くほど冷やしによく合っていますので、是非お試しください。
平べったいメンマは、適度な醗酵臭をうまく生かしたしっかりとした味付け。
薄味のメンマが多い中、食べ応えのある美味しいメンマです。
冷やしの中でも、しっかりと味が感じられる点はさすが。
氷が解けてスープが少し薄くなるところまで計算したスープとタレの調合。
ベースの鶏やカエシの醬油はあまり目立ちませんが、野菜由来のさわやかな甘味とネギ油の風味とオイリーさ、そして企業秘密?の食材由来の控えめな酸味がうまく噛み合い、自家製麺や鶏チャーシューともマッチ。
まさしくオンリーワンの冷やしラーメンをつくり出しています。
店主の話では、今は特に暑いため、「冷やしらーめん」の注文が多く、全体の3分の1を占めるといいます。
先進的なラーメンとは無縁だった八幡平市で、無化調・自家製麺の冷やしをこれだけ浸透させた功績は大といえるでしょう。
独特の甘味と酸味はクセになる味です。
「味噌らーめん」は本日が最後。6月から夏季限定メニュー登場!
5月31日(木)
2日前の5月29日(火)、八幡平市平館の「麺屋 から草」からラインが届きました。
6月1日から夏季限定メニューがスタート。
それにともない、冬季限定としていた「味噌らーめん」の提供を5月31日をもって休止するという。
夏季限定メニューの内容にも関心がありましたが、1度食べて気に入っていた「味噌らーめん」がしばらく食べられなくなるということで、本日(31日)、「麺屋 から草」に出かけてきました。
前回は2月中旬の大雪の翌日ですから、あれから3ヶ月以上が経過。
「味噌らーめん」にいたっては、前回食べたのが昨年12月なので、約半年ぶり。
たしかに、これから暑くなる中、味噌ラーメンを食べる気にならないというのも当たっていますが、鰹節の良く効いた同店の「味噌らーめん」をもう1度食べておきたいとの思いが勝ちました。
国道4号線の滝沢市巣子バス停。
ここから平舘駅前経由八幡平方面行きのバスに乗車。
約45分で平舘駅前バス停に到着。
のどかな田園風景の中を徒歩5分で、国道282号線西根バイパスにある「麺屋 から草」に到着。
周りは田んぼや休耕田。
天気が良ければ、店の前から大きな岩手山の勇姿を見ることができるのですが、今日はどんよりとした曇り空。
13時少し過ぎですが、店前の広い駐車場は車で一杯。
店入口にある「商い中」と記した木柱をみて扉をあけると、まず風除室。
いきなり「手作り餃子始めました」(6個280円、12個500円)との看板。
今は昼の部ですが、17時30分からの夜の部(20時まで)では、ビールのつまみに餃子を食べ、〆にラーメンというコースが良さそうですね。
店内に入るために、もう1つ扉を開ける必要がありますが、「内扉」の横に「本日のイベント」の貼り紙。
本日は「塩らーめん」が、並・中盛が50円引き、大盛が100円引きとお得。
残念ですが、これから食べるのは「味噌らーめん」。
内扉を開けると、「いらっしゃいませ」と店主と2名の女性スタッフが迎えてくれます。
広く清潔な店内はカウンター席、テーブル席ともほぼ満席。
券売機で食券を購入していると、そのうち何人かが退店。
お陰様で待たずにカウンター席に座ることができました。
もちろん「味噌らーめん」(中盛:800円)と欲張って「豚ナン丼」(250円)の食券。
ちなみに、ラーメンの並盛・中盛は同料金。
並盛は150g、中盛は180g。
大盛は100円増しで、麺量250g。
「味噌らーめん」(中盛)の食券を出すと、店主が一言。
「サイドメニューも結構ボリュームあるんですよ。中盛で大丈夫ですか」
一瞬ひるみましたが、初志貫徹。
しかし、いまになって振り返ると、やはり店主のアドバイスに素直に従うべきでした。
麺量180gに加え、サイドメニューまで食べたので、いまこのレビューを書いている20時になっても、お腹一杯。
このままでは、夕食を抜くことになりそう。
○「味噌らーめん」(中盛:800円)+「豚ナン丼」(250円)
導入部が長くなり、済みません。
そちらはすっとばして読んでください。
まずはサイドメニューの「豚ナン丼」が到着。
すぐあとに、「味噌らーめん」(中盛)が着丼。
そういえば、太麺限定の「油そば」以外は「から草らーめん」「醬油らーめん」「塩らーめん」「味噌らーめん」「つけ麺」のいずれも基本は細麺での提供。
しかし、太麺に変更することもできます。
いずれも国産小麦をブレンドした自家製麺。
細麺は切り刃20番、加水率36%の四角断面の麺で、ストレート。
多加水寄りの中加水麺。
太麺は切り刃10番、加水率42%の多加水太ストレート麺。
前回の「味噌らーめん」がデフォの細麺でしたので、今回は太麺にしようかと思いましたが、同店の「細麺」はとにかく麺が美味しいので、そのままとしました。
着丼した「味噌らーめん」(中盛・細麺)。
濃い茶色の味噌スープからは味噌の匂いよりも、鰹節のよい香り。
たっぷりのスープに、これまたたっぷりの茹でたモヤシ。
茹でモヤシの「山」の頂上にナルトが1枚ちょこんとのっています。
「山」の斜面に大判の豚バラ肉ロールチャーシュー、そしてメンマが3本立てかけてあります。
その他、キクラゲが3枚、味玉半分がトッピング。
中盛ですが、なかなかのボリューム。
まずは鰹節の香る味噌スープから。
いきなり鰹節の旨味がドーンと来ますね。
最初は、これが味噌ラーメンであることを忘れるくらいの鰹節の効き具合。
逆にいえば、これこそ同店の味噌ラーメンの個性。
スープを飲み続けると、次第にまろやかな味噌の風味が鰹節にブレンドされ、何ともいえない美味しさ。
そのうちにベースとなっている魚介も効きだして、ベースのスープ+味噌ダレ+鰹節の三層構造の旨味に圧倒されます。
スープを少し解析(?)してみると、ベースのスープは「から草らーめん」と同じ。
鶏と魚介を煮込んだスープにトビウオ、鰹節、煮干しなど3種類の魚粉をブレンド。
それに地元産のまろやかな麹味噌ベースの味噌ダレをブレンド。
仕上げに、鰹節を追い鰹しています。
から草ラーメンに追い鰹をしたスープから味噌ダレを抜いて、醬油ダレに変えると「つけ麺」の「つけ汁」になります。
最近の味噌ラーメンは、モヤシをはじめ野菜をラードで炒めるのが普通ですが、ここではあくまでも茹でるだけにとどめ、油の使用を極力控えています。
そのため、私のような中高年でも全く胃もたれせず、ごくごくと味噌スープを飲むことができます。
決してくどくなく、しょっぱさもそれほど感じません。
魚介の効いたスープと味噌、そして追い鰹がブレンド。
鰹の香りが全体を引っ張る飲みやすい味噌スープと健康的な温野菜。
麺は店主自信作の自家製麺。
加水高めながら、まずはパッツンとした低加水麺を思わせる食感。
しかし、ポキポキというよりももっと滑らかな麺肌。
食感も最初こそパツンと来ますが、噛むと意外にモッチリ。
同店の大ファンであるマイレビュアーの「まごまご50+」様が「モチパッツン」と表現されていますが、まさしくそのとおり。
この食感にもってくるまでには店主の試行錯誤があったとのこと。
使う小麦の種類(すべて国産小麦)、茹で時間などをすべて計算して、多加水寄りの中加水麺ですが、「モチパッツン」の食感を実現したといいます。
一般に味噌ラーメンには太麺が合うと考えがちですが、やはりデフォの「細麺」が一番ぴったり来ますね。
シャキシャキとした茹でモヤシの食感も特筆もの。
そして大判の豚バラ肉ロールチャーシューは、醬油ダレに漬け込み、味を浸み込ませてやわらかく仕上げながらも、ホロホロと崩れるヤワな仕上げでなく、しっかりと肉の旨味も感じるように仕上げています。
平べったいメンマは、前々回書いたように醗酵臭を少々感じますが、逆にいえば、最近の薄味のメンマの中で醗酵臭のあるメンマはある意味個性的。
味玉やナルトを食べたあと、結局スープを全部飲み干しました。
丼の底には、ザラザラとした魚粉が残ります。
3種の魚粉を混ぜた鶏と魚介のスープにまろやかな麹味噌をブレンド。
それに追い鰹をした「油少なめ」の「鰹の香る」味噌ラーメン。
初冬までしばらくのお別れですが、さらにバージョンアップして再登場することを願っています。
そしてサイドメニューの「豚ナン丼」。
これも「まごまご50+」様のレビューをみて食べたくて仕方がなかった丼。
豚バラ肉のナンコツを特製のチャーシューダレに漬け込んだ醬油のしみた柔らかくコリコリとした独特の食感のナンコツ。
これが3つも入っているほか、白髪ネギと白ゴマがたっぷりふりかけられています。
チャーシューダレが良くしみこんだご飯もボリュームがあります。
念願の「豚ナン丼」を食べ終え、ホッと一息。
ところが、その次には相当な満腹感。
やはり食べ過ぎたようです。
麺を並盛にすべきだったと、食べ終わってから反省。
いつしか店内のお客さんもほとんどいなくなったので、少し店主と雑談。
明日(6月1日)からスタートする夏季限定メニューについて聞いてみました。
明日からすぐに登場するのが、昨年も提供された「中華ザル」。
そして「から草」としては初めての「冷やしらーめん」。
鶏をはじめ動物系のスープだと、冷やすと脂が固まってしまう。
かといって魚介メインだと当たり前。
ということで、店主は動物系でもなくすべて魚介系でもない「冷やしらーめん」のスープを、ある食材からつくり上げたという。
私も聞きましたが、あっと驚く素材。
ここで答えを出すと、楽しみが減りますので、興味ある方は明日以降店で確かめてください。
春に限定で提供した八幡平の牛スジを使った牛スジカレーやカレーつけ麺も、限定ですが復活するかも知れません。
明日からの「麺屋 から草」の夏季限定メニューが楽しみで仕方ありませんが、何と来週は忙しくて行けない!
皆様のレビューをお待ちしております(涙)。
ブラッシュアップした「塩らーめん」!
2月15日(木)
昨14日は、ちょうど私が「だし屋」(滝沢市巣子)に行った頃から雪が降り始めました。
それが大雪に変わり、何と34センチの降雪。
積雪量は47センチにもなり、ここまで雪が深いのは5年ぶりとか?
本日の盛岡は銀世界に一変。
道路も大渋滞。
そんな状況なのに、盛岡市よりもさらに雪の深い八幡平市にある「麺屋 から草」(八幡平市平舘)をめざす私は物好きなのでしょうか?
実は以前から、夕方までフリーな本日(15日)を今年の初「から草」にする予定。
注文メニューも、鶏チャーシューに変わった「塩らーめん」と決めていました。
そんな私もさすがに大雪に動揺。
予定していた国道4号線滝沢市巣子バス亭12時01分発のバスを逃し、結局1時間後の13時01分発のバスに乗るハメに。
しかも、道路状況が悪いせいかバスの到着が15分近く遅れ、ようやく13時15分にバスに乗る始末。
通常ダイヤであれば、巣子から平舘駅前まで約43分。
それでも平舘駅前到着が14時頃に。
「麺屋 から草」の昼営業は14時30分まで。
さらにスープ切れの場合、それよりも早く終了とあっては気が気ではありません。
やはりバスの到着は遅れ、平舘駅前バス亭に14時10分過ぎに着。
折悪しく、昨日と同様雪が降ってきました。
こちらも、周りは一面の雪。
盛岡や滝沢よりも一段と雪深い印象。
とにかく叩き付ける雪と強風の中、走るように店をめざします。
バス亭から5分弱の距離が、いかに長く感じたか。
店の前まで来ると、入口に「商い中」の表示。
最近ほとんど運動をしていないのに、走ってきたせいか、へなへなと倒れ込んでしまいました。
気を取り直し、最初の扉を開け、メニュー写真が貼った看板のある風除室に。
店に入るにはもう1つ扉を開ける必要がありますが、その扉に「本日のサービス」が掲示。
「味噌らーめん」が本日限り、並と中盛で1人50円引き、大盛では100円引き。
しかし、本日のターゲットは「塩らーめん」と固く決めているので、貼り紙をチラ見しただけで、2番目の扉を開け店内に。
到着が14時15分。
さすがに昼の部終了15分前のこの時間で、悪天では先客ゼロ。
「いらっしゃいませ」と迎えてくれたのは女性スタッフ3人。
店主の顔が見えません。
まずはともあれ、券売機で「塩らーめん」の食券を購入。
「塩らーめん」は並盛(150g)と中盛(180g)が同一価格の700円。
迷うことなく、中盛の食券を購入。
カウンター席に座ります。
すると、女性スタッフが調理開始。
厨房の左奥の製麺室から麺を打つ音が聞こえてきます。
そうか、客が途切れた昼営業の終了間際から中休みが製麺時間なのですね。
これでは、他に客がいないなか、店主との会話を楽しみにしていたのですが、ちょっと残念。
○「塩らーめん」(700円)
まずは、まもなく到着した久々の「塩らーめん」(中盛)にご対面。
少し濁った薄いクリーム色のスープに大葉のみじん切りが浮かびます。
大きく変わったのはチャーシュー。
豚肩ロース肉の巨大なロールチャーシューから、鶏カツのようなビッグなサイズの鶏モモ肉チャーシューが、これもカツのように5枚に切り分けられ提供されます。
皮付きの鶏モモ肉は、十分に醤油ダレに漬けて煮込んでいるようで、飴色のいかにも香ばしそうな色が食欲をそそります。
中央に白髪ネギとナルトがのり、その他に平べったいメンマが3本。
味玉が半分。
そして大き目の海苔が1枚トッピング。
スープ表面に浮く油は、鶏油でしょう。
スープは鶏ガラと鶏のモモ肉チャーシュー、煮干しや昆布、シイタケ、そして玉ネギなどの野菜を炊き込んだもの。
これに、のだ塩をメインにブレンドした塩に、「その他」の食材を入れた塩ダレを合わせています。
塩ダレの「その他」食材については、製麺室から現れた店主曰く「企業秘密」(笑)。
おそらく他の店の塩ダレ成分から貝類が中心かなと想像しますが、この店主、意外な食材を使うこともあるので、何とか誘導尋問しようとしますが、牙城を崩すことはできませんでした。
鶏の旨味が十分感じられ、ほのかな魚介の旨味と野菜の甘味、そして大葉の香りが合わさった絶妙なバランスのスープに塩ダレが加わるのが、「から草」塩スープの醍醐味。
しかし本日の出来はそれに尽きません。
塩スープの旨味が従来よりも分厚くなっています。
基本のスープのバランスを崩さないように、コクを一層増したスープ。
店主によると、「塩らーめん」のスープが「薄い」という意見があったため、思い切って塩ダレをリニューアル。
塩を少々増量。
同時に「その他」食材も増量して、スープの厚味を増したといいます。
以前よりも少し塩分濃度が増した印象がありますが、それも僅かで、もっと変わったのは「旨味の増強」。
それにしても、「その他」食材が何か本当に気になりますね。
旨味の増した無化調の塩スープを十分飲んだあと、麺に着手。
前日午後に打って一晩寝かして提供する自家製麺。
今回はデフォの細麺(中細麺)を頼みましたが、来るたびに麺が美味しくなっています。
切り刃20番、加水率は以前の38%から36%に下げていますが、中加水麺であって、決して低加水麺ではありません。
それでも、角型の麺を食べると、最初は歯切れの良いパッツンとした低加水寄りの食感。
でも、口に含むとモチっとした中加水麺の良さが顔を出します。
角麺だけに、食べたときに一段と弾力を感じ、スープの持ち上げも良くなっています。
ちなみに、太麺は切り刃10番、加水率42%の多加水麺。
もっぱら「つけ麺」と「油そば」用ですが、中細麺がデフォのラーメン類でも、頼めば太麺に変更できます。
国産小麦を使い、毎日製麺機で打つ自家製麺ですが、一体どんなブランドの小麦を使い、どのような調合なのかについては、これも「企業秘密」。
「国産小麦を使って製麺」としか教えてくれません。
せめて小麦の名称を教えてといっても、店主の口は堅いです(笑)。
「油そば」についてくる「中華スープ」のあのスーッとする感覚をもたらす食材も、依然として「秘密」のまま。
「セロリ」ではないですね。
さて肝心の鶏モモ肉チャーシュー。
モモ肉というと固いイメージが先行しますが、こちらは醤油ダレとその他の食材に漬け込み、十分に煮込んだホロホロの柔らかい肉。
醤油ダレが浸み込んでいるので旨味が十分。
肉の旨味とタレの旨味の両方が一体化しつつも、鶏らしくあっさり仕上げたチャーシューが、塩ラーメンにぴったり。
塩ダレのコクが増強されたので、チャーシューの美味しさと相まって、物足りなさを全く感じません。
平べったいメンマも十分な味付けを施されています。
黄身がトロリとあふれ出すような絶妙な味玉半分も含め、スープ、タレ、麺、具の4つのバランスが整い、さっぱりとしながらも、決して薄味感のない塩ラーメン。
客の意見に謙虚に耳を傾け、絶えず味のプラッシュアップを図る店主の姿勢は素晴らしいと思います。
さわやかな女性スタッフの方々の笑顔。
店主の真摯な姿勢。
清潔で落ち着く店内。
しかも、どのメニューも水準を超えているのですから、流行らないわけはありません。
店主によると、店の一番人気は「から草らーめん」。
これは「醤油らーめん」のスープにトビウオ、鰹、煮干し、3種類の魚粉などをブレンドした濃厚な魚介醤油ラーメン。
二番人気が「醤油らーめん」、三番人気が「つけ麺」(「つけ麺」のみ化調)。
人気の点では上位3品に劣りますが、「塩らーめん」ばかり頼むお客も少なくないという隠れた人気メニュー。
「から草の塩らーめんはスープが薄い」と言っている方は是非訪問を。
スープの厚味が増したことに驚くでしょう。
「塩らーめん」を食べたあと、一瞬「から草らーめん」の連食も脳裏をよぎりましたが、180gの中盛を食べているだけに、無理は禁物。
次回の課題としました。
「次は春ですか」と聞く店主に、「いや、もっと早く来ますよ」と約束。
雪がますます強くなった店外に出ました。
まろやかな「こうじみそ」に鰹を効かせた味噌ラーメン
12月18日(月)
今年6月の初訪問以来、自家製麺につけ麺以外は無化調などこだわりの姿勢に加え、券売機を導入、店内禁煙を徹底するなど岩手県八幡平市のラーメンレベルを飛躍的に押し上げた「麺屋 から草」(八幡平市平舘)。
店の味と店主の姿勢に惚れ込み、定点観測を続けています。
とくに秋以降の快進撃は止まるところを知りません。
「油そば」を提供開始。
細麺を一新。
「塩らーめん」をリニューアル。
そして「味噌らーめん」を12月1日から提供するなど、いまもっとも乗りに乗っている店主といえるでしょう。
私的には、「麺屋 から草」と二戸市の「麺屋 小野万」は、盛岡以北の岩手県内陸部のラーメン界をリードする両雄。
ところで、「から草」が味噌らーめんの提供を始めたのを知ったのは、マイレビューアーである「まごまご50」様の投稿によって。
味噌ラーメンのスタンダードである「純すみ系」をはじめとする札幌味噌ラーメンの濃厚な味とは一線を画し、魚介系メインのダシ(ないし魚介系+動物系)をベースにしたあっさり系味噌ラーメンが、今岩手で生まれつつあります。
私は勝手に「ネオクラシカルな味噌ラーメン」とか「淡麗系味噌ラーメン」などと言っていますが、今回「から草」の「味噌らーめん」は、「に干し屋SINCHAN」(盛岡市大通)の「しんちゃん、冬のみそ中華」と並び、その代表例と確信。
「まごまご50」様も同様のご指摘をされていますが、ラードで野菜を炒め、そこに味噌ダレを加え、動物系のダシを使用。
さらにニンニクや生姜などを加える札幌味噌ラーメン。
そして「味噌麺処 花道」(東京都中野区野方)をはじめとする超濃厚なG系味噌ラーメン。
札幌味噌ラーメン、G系味噌ラーメンなど最近幅をきかせる濃厚味噌ラーメンに辟易している中高年の私にとって、「味噌汁」っぽくて懐かしいけれど、煮干しを効かせたり、鰹節を効かせ従来の懐かしいだけの「味噌ラーメン」から進化している「ネオクラシカルな味噌ラーメン」は、まさに冬の救世主。
○「味噌らーめん中盛」(800円)
いつものように、職場に近い国道4号線の滝沢市巣子バス亭から八幡平方面行きのバスに乗車。
約50分弱で平舘駅前バス亭。
松尾方面に少し進んでから、右手に見える交通量の多い国道282号線西根バイパスに出たところが、休耕田の真ん中にたつ「麺屋 から草」。
広い駐車場に車が5台ほど駐車。
営業中の幟を見て、ホッと一安心。
店の入口には「商い中」と書かれた木の柱。
入口を開けて風除室に入ると、「醤油らーめん」「塩らーめん」「から草らーめん」「つけ麺」などの主要メニューが写真つきで解説されている展示版。
そのど真ん中に、「お待たせしました!カツオの効いた味噌らーめん」の大きな文字。
前回訪ねたときには、このスペースには「油そば」がありました。
早速広い店内に入ると、13時を過ぎたばかりなのに、店内には結構なお客。
土日の昼時など大変な混雑でしょうね。
券売機で「味噌らーめん」のボタンを発見するも、ここで思案。
「並盛」と「中盛」が同料金の800円。
「大盛」になると900円。
「並盛」と「中盛」との間で迷ったあげく、無難な「並盛」の食券を購入。
ちょうどやってきた店主に食券を渡すと、「並盛では少ないでしょう」の一言。
ちなみに「並盛」は150g、「中盛」は180g、「大盛」は250g。
そこで店主のアドバイスに従い、「並盛」から「中盛」に変更。
カウンターの一番右端に座り、水を飲みながら到着を待ちます。
スタッフは店主以外に女性2名。
相変らず綺麗な店内。
これまで大衆食堂的なラーメン店(喫煙可)の多かった八幡平市では、革命的ともいえる東京風の洗練された店内。
そこで食べる自家製麺・無化調のラーメン(つけ麺は化調)。
この雰囲気と味は、外が田んぼや休耕田であるという現実をしばし忘れさせます。
そんなことを考えていると、「味噌らーめん中盛」が到着。
見た目はかなりボリューミーで濃厚そう。
具もたくさん。
もちろん無化調です。
茶濁しているもののさらっとした味噌スープに、店の看板でもある大ぶりの豚バラ肉ロールチャーシュー。
平べったいメンマ3本。
味玉半分。
それに大量のモヤシとキャベツ。
具の頂上には、なるとが乗っています。
まずはスープからいただくと、見た目よりもずっとマイルドなやさしい味。
そして、鰹節のいい香りが後から追ってきます。
このスープの味の組み立てはなかなか。
店主に聞くと、「から草らーめん」のスープ、つまり鶏と魚介を煮込んだスープに、トビウオ、鰹、煮干しの3種の魚粉をブレンドしたものがベース。
これに地元八幡平市の「麹屋もとみや」の「こうじみそ」メインの味噌ダレをブレンド。
さらに「追い鰹」をして鰹風味を強化。
その結果が穏やかでマイルドな味噌スープながら、しっかり鰹が効いている味噌ラーメン。
麺を食べてみると、6~7月頃に食べた細ストレート麺と明らかに食感が違います。
以前のツルツルモチッとした麺から、固めのボソボソパッツンとした麺に変わっているではないか。
以前店主は「低加水麺にチャレンジしたい」と語っていましたが、それが実現したのでしょうか?
「低加水麺に変えたのですか」と聞くと、切り刃20番、加水率36%の多加水寄りの麺とのこと。
以前よりも加水率を少し下げたものの(38%→36%)、多加水寄りには変わりありません。
それなのに、この低加水風の食感。
店主によると、小麦の種類やブレンドにより、加水率が少々高くても、低加水風の食感の麺ができるという。
本当は思い切って加水率30%程度の低加水麺にしたかったのだが、土地柄から一気に加水率を下げるのには抵抗が。
そこで、まずは加水率を少し下げ、多加水寄りにしながら低加水風の食感にしたとか。
それにしても、味噌ラーメンに低加水麺は合わないと考えがちですが、このパッツンとした固めの麺が味噌スープに実に良く合います。
それに食べている途中で麺が伸びないのも素晴らしい。
固め食感が最後まで継続。
野菜(モヤシ、キャベツ)は炒めずに、茹でて提供。
その結果、脂分を大幅に削減。
温野菜のモヤシ、キャベツがまろやかで鰹風味の味噌スープとマッチ。
野菜もとれて、油も少ないとは、中高年の私にもぴったり。
そして「から草」といえば、すぐに思い浮かぶ大判の豚バラ肉チャーシュー。
箸でつまむとホロホロと崩れるようなヤワな仕上げではなく、しっかりとした肉質のままたっぷりと醤油ダレに漬けて旨味を重ねています。
メンマは醗酵臭を感じますが、逆にいえば、最近薄味のメンマを食べる機会が多かったので、意外に新鮮。
味玉半分とナルトを食べ、結局スープも完飲。
ラードの油膜がついている札幌味噌ラーメンだと、食べた後に胃がもたれて仕方ありませんが、この味噌ラーメンはペロリとたいらげても、全く胃にダメージなし(もちろんお腹一杯にはなりますが)。
店主は当初「にぼ味噌らーめん」を考えたようですが、既にいくつも例があるので、思い切って鰹風味に仕上げようと、鰹節や鰹の魚粉を増量。
煮干しダシの味噌ラーメンの場合、味噌ダレの濃さに煮干しが負けることがありますが、その点、鰹は味噌ダレに加えても、風味をしっかり効かせます。
たしかに、鰹風味を生かすという点では、マイルドでおとなしい「こうじみそ」がぴったりなのかも。
最初、味噌ダレがおとなしかったので、「赤味噌」をブレンドしてパンチを出したらなどと考えましたが、上記のような店主の緻密な計算があったのですね。
それまで中華の経験があったとはいえ、東京でのわずか半年の修業で製麺や調理までマスターしてしまった店主。
自信に満ちたバリトンの良く通る声には、最近貫禄すら感じます。
本人は魚介が好きで、ラーメン、つけ麺なども動物系と魚介系とのMIXにしてきましたが、矢巾町の「煮干らー麺シロクロ」に刺激を受け、「濃厚煮干しラーメン」にチャレンジするとともに、逆に動物系だけでスープをとったつけ麺にも挑戦したいと抱負を語っていました。
当初はチャーシューを豚から鶏に変えた「塩らーめん」を食べる予定が、新メニューの「味噌らーめん」を食べることに。
それが私好みの魚介の効いた味噌ラーメン。
満足して店を出ました。
ところで、前回の課題だった「油そば」についてくる「中華スープ」に入っている独自風味のもと。
「油そば」を食べてベタベタした口の中をスープで洗い流すとともに、そこに爽快感を増す一手間を加え、後味をすっきりとさせています。
前回の結論は「八角」ではないかということでしたが、店主の解答は「近いけれども違う」というもの。
「企業秘密」という店主に、「せっかく来たのだからもう1つヒントを出してよ」と迫った結果、「中華食材」というヒントをくれました。
「八角」ほど強い風味ではないが、スッキリ感を出す「中華食材」とは何か?
またまた眠れない日々が続きそう(オーバーか?)。
焦がしネギ油の風味と自家製太麺が出色の出来の「油そば」
11月10日(金)
2017年4月5日、岩手県八幡平市のJR東日本花輪線平館駅近くにオープンした「麺屋 から草」(八幡平市平館)。
私も今年6月中下旬に3週連続訪問。
当時の全メニューを制覇(?)
若い店主の意欲溢れる姿勢、自家製麺の美味しさ、そして「つけ麺」以外のメニューがすべて無化調という志の高さに打たれました。
しばらく訪問をお休みしていましたが、この間、食べログのレビュー件数も順調に増加。
最近では雑誌でも取り上げられ、八幡平市の人気店としてすっかり定着。
私が訪れた6月には昼営業(11時~14時30分)だけでしたが、現在では日・木・金・土は夜営業(17時30分~20時)も実施。
夜営業の常連さんも増えたといいます。
最近マイレビュアー様の投稿で、新メニュー「油そば」が登場したことを知り、4ヶ月半ぶりの訪問を決めました。
勤務先から近い国道4号線沿いの巣子バス亭(滝沢市)。
そこから12時01分の平館駅経由八幡平リゾートホテル行きのバスに乗車。
12時45分には平舘駅前バス亭に到着。
平舘駅前バス亭から松尾方向に少し進み、すぐ右手に見える国道282号西根バイパスに出たところに一軒屋の「麺屋 から草」があります。
目の前こそ交通量の多いバイパスですが、周囲は休耕田。
まさに田んぼ(休耕田ですが)の真ん中のラーメン店。
平館駅前バス亭から徒歩約3分の至近距離。
13時に店に入ると、風除けスペースに主要4メニュー(「醤油らーめん」「塩らーめん」「から草らーめん」「つけ麺」)の写真入りPOPと新作「油そば」のPOPを展示。
風除けスペースを抜けて店内に入ると、ちょうど昼時のピークタイムを過ぎ、一段落したところ。
先客はゼロでしたが(私が入るときに3名が食べ終えて店を出ました)、続々と後客が入店してきます。
地元・平舘高校の女子高生2人組、車で来た若いサラリーマン、中年のご夫人のグループなど多士済々な顔ぶれ。
地元で愛されている店であることが良く分かります。
入店と同時に、若くて良く通る声の店主が「久しぶりですね」と声をかけてくれます。
「ご無沙汰しています。新作の油そばを食べに来ました」と挨拶。
あっさり系の「醤油らーめん」「塩らーめん」、濃厚魚介系の「から草らーめん」「つけ麺」のいずれも、私が訪ねた当時にくらべ、味を改良したとのこと。
当時「醤油らーめん」「塩らーめん」は割と薄めの味でしたが、やはり地元の方の好みを反映。
もう少し濃い目にスープをチューニングしたといいます。
私はあの薄めのスープが結構気に入っていたんですが・・・
それでも券売機を見ると、「醤油らーめん」「塩らーめん」「から草らーめん」のそれぞれについて、「濃い目」の食券が無料で提供されています。
注文時に「濃い目」の食券を出すと、スープをさらに濃くしてくれるサービスは健在。
麺は「細麺」と「太麺」の2種類。
もちろん、自家製麺です。
細麺は切り刃20番、加水率38%の中細ストレート麺。
太麺は切り刃10番、加水率42%のストレート麺。
「醤油らーめん」「塩らーめん」「から草らーめん」「つけ麺」は、デフォでは細麺で提供されますが、注文時に頼むと、太麺に変更してくれます。
新作の「油そば」は太麺のみ。
注意書きに「太麺のため、提供に時間がかかります」「太麺がなくなり次第、終了」とあります。
スタッフは若い店主と女性2名の計3名。
まずは店主に「油そば」の並盛、中盛、大盛の分量を聞きます。
ちなみに、並盛と中盛は700円、大盛は800円です。
店主によると、並盛150g、中盛200g、大盛300g。
一瞬大盛への誘惑にかられましたが、店主の「大盛は無理でしょう」との一言に押され、おとなしく「中盛」に。
さらに券売機の「にんにく(無料)」「背脂(無料)」のボタンを押し、無料トッピング2種を追加。
新たに導入されたサービスが月・水・金に配布する「から草サービス券」。
私も1枚もらいました。
今回は使えず、次回から使うことができます。
サービス券1枚で味玉1個、2枚で大盛サービス、3枚でチャーシュー1枚、4枚でチャーシュー1枚+豚ナンコツ1個、5枚でお好きな丼1杯、10枚でお好きなラーメン1杯。
セルフサービスで水をコップに入れ、カウンター席の一番手前に座ります。
前3回もこの席でした。
○「油そば」(中盛:700円)
提供に時間がかかることは織り込み済み。
十分時間がありますので、店内の写真をパチパチ撮影。
店主に「全然変わっていませんよ」と言われてしまいました。
ついでにトイレも拝見。
ちゃんとウォシュレット付きでした。
清潔さに感動。
そういえば、店内の清潔さも特筆ものです。
私の後に入店した女子高生2名がラーメンを食べながら、おしゃべり。
そんなカフェ感覚で気軽に立ち寄ることができ、おしゃれで清潔な店内が地元の多くの方々に愛されている理由。
もちろん、ラーメンの種類も豊富で、いずれも水準以上というのが最大の理由ですが。
約10分弱の待ち時間で、「油そば」と「中華スープ」が盆にのって運ばれてきました。
「油そば」だけでなく、「中華スープ」がついてくるのが嬉しいですね。
「油そば」も無化調。
いまメニュー中で化調なのは「つけ麺」だけ。
それにしても、濃厚な味の「油そば」を無化調でつくってしまう店主の力量は半端ではありません。
「油そば」は、無料の追加トッピングを含め、麺の上に具が一杯のっていて、麺がメンマの下からわずかに顔を覗かせる程度。
麺の上にサイコロチャーシュー、刻み玉ネギ、輪切りのネギ、メンマ、味玉半分、追加のニンニク、海苔、ナルトなどが盛られています。
さらに、麺には魚粉が振りかけられています。
切り刃10番の太麺は多加水麺で、モチモチしています。
柔らかめの茹で上がりで、強いコシはありませんが、弾力性があり、モチモチしていながらも、適度な歯応えで、食べ応えがあります。
店主の話では、「つけ麺」の場合、水でしめるので、ぐっと麺が引き締まってコシが出ます。
その一方、「油そば」では茹でたての麺を使うので、「つけ麺」よりもコシが弱くなるのが避けられません。
それでも小麦粉にこだわり、弾力性のある太麺にするよう製麺しているといいます。
タレは醤油ダレ。
それに焦がしネギ油と鶏油を加え、追加トッピングの背脂が入っています。
なかなか濃厚なタレですが、自家製焦がしネギ油が香ばしく、十分に混ぜたあとは、飽きることなくペロリと完食することができます。
麺には店主のこだわりで、あえて全粒粉は練りこんでいないとのこと。
それでも「全粒粉を入れた方がいいんですかね」と逆質問。
「こだわりがあるなら、今のままでも十分美味しい麺なので、入れる必要はないのでは?」と曖昧な回答をしてしまいました。
サイコロチャーシューは、醤油ダレに十分漬けているだけに、濃厚な味。
逆に、ゴマ油で味付けしているメンマは、比較的薄味と対照的。
黄身をちょうど良い塩梅でトロリと煮込んだ味玉半分も、なかなかの美味しさ。
追加トッピングのニンニクが、うまくタレのパンチ力を増強。
総じて、油そばとしては比較的マイルドで食べやすい味に仕上がっています。
なかでも、モチモチとした太麺と焦がしネギ油の香ばしさとのマッチングが良好で、完成度の高い油そばになっています。
タレの濃度もちょうどよく、ニンニクや背脂などのトッピングもライトな味わいですので、「油そばは初めて」という方に特にオススメです。
食べたあと胃もたれしないのは、無化調のおかげかな?
200gの中盛をあっさり平らげてしまい、食後は少し物足りなさもありました。
しかし、満腹感があとになってやってきます。
300gの大盛を完食することはできたでしょうが、あとで大変なことになったかも知れません。
食べ終えたあとに、口の中の脂分を流すために、中華スープをいただきます。
見た目は、おそらく鶏ガラベースで醤油ダレのごく普通のスープ。
輪切りのネギが浮いています。
タレには醤油以外にミリンも使っています。
ところで、中華スープを飲んでみると、独特な風味を感じます。
はじめ「ナッツを入れているんですか」と聞いて、店主に笑われたほど。
たしかに、独特な風味がうまく口中のニンニク臭などをかなりの程度消してくれます。
しかし、正体は何なんだろう。
店主曰く「企業秘密」。
なかなか誘導尋問にのってくれません。
今になって思うと、「八角」かなー?
でも、間違っている可能性大ですね。
もし、このレビューを読んだ方で「我が」と思われる方がいらしたら、是非「麺屋 から草」で「油そば」を食べ、中華スープの独特の風味の正体をあててください。
店主のガードが固いので、正解かそれに近い回答を言うしかありません。
もっとも案外簡単に正解できるかも。
そうなると、私の馬鹿舌と食材に関する知識不足を露呈することになり、怖いのですが・・・。
あっさり鶏スープに醤油がほのかに香る無化調醤油ラーメン
6月29日(木)
最近、木曜の恒例のようになった岩手県八幡平市平舘の「麺屋 から草」通い。
本日を含め、この4週間で3回。
まだ「醤油らーめん」と夏限定の「ざる中華」が未食。
両者を食べれば、一応コンプリート。
○醤油らーめん(並盛)700円
今日は盛岡市、滝沢市が最高気温30℃
滝沢市の北に位置する八幡平市も、おそらく同程度の暑さ。
そんな中、バスは平館駅前に12時45分到着。
バスの通る国道282号線旧道を松尾、鹿角方向に少し進み、右手の休耕田の向こうにある交通量の多い西根バイパスに出ます。
そこから大更方向にちょっと戻ったところに、一軒家の「麺屋 から草」。
平館駅前から徒歩5分。
私は周囲ののどかな田園風景や遠景の岩手山を撮影しなからのんびり歩いたので、店には13時着。
ちょうど幼い子どもを連れた母親が店に入ったところ。
広い店内は車で来たサラリーマンや近所の方々などで賑わっています。
店長からは、今日も連食するんですかと言われてしまいました(笑)。
メインの「醤油らーめん」(並盛)と仕上げの「ざる中華」(並盛)の食券を購入。
店長に渡し、カウンター席に着席。
それから数分後には、熱々のスープが丼に並々と入った「醤油らーめん」を店長からカウンター越しに渡されます。
濃いめ琥珀色の醤油スープは澄んでいます。
何といっても、醤油ダレに漬け込み、スープに負けない茶褐色に染まった大判の豚バラ肉ロールチャーシューに目を奪われます。
他に、材木(枕木)メンマ3本、ホウレン草、味玉半分、海苔、刻みネギ、ナルトなどがトッピング。
スープは、鶏ガラをベースに、野菜、昆布、煮干しなどをブレンド。
これに、秋田県湯沢市の石孫本店の丸大豆天然醸造醤油を使ったタレを合わせています。
券売機横のPOPに、「あっさり系」とあるように、スープは最初薄いと感じるほどのあっさり系。
鶏をはじめ、いずれの素材も突出せず、むしろ渾然一体になっていると言った方が良いでしょう。
店長が「醤油にこだわっていますが、あまり醤油が強く出ないようにしています」と語るとおり、見た目ほど醤油ダレは濃くありません。
ただし、スープがあっさりしているので、相対的に醤油ダレが目立ち、その香りがほのかに立ち上がってきます。
たしかに、スープが薄すぎコクがないと感じる方も少なくないでしょう。
しかし、食べ進み、チャーシューやメンマなど具とのバランスを考えた場合、逆にこれぐらいのあっさりしたスープが自己主張せずに下支えをしているのもありと思うようになります。
もう少しコクのある味が好みという方には、券売機で「濃い目」の食券を購入することを勧めます。
「濃い目」の場合、「醤油らーめん」と「塩らーめん」の場合、タレを追加、「から草らーめん」の場合、タレと魚粉を追加してくれます。
これまで食べた限りでは、「醤油らーめん」よりも、「のだ塩」をタレに使った「塩らーめん」の方が、あっさりスープと良くマッチ。
スープの薄さをあまり感じさせません。
塩らーめんでは、スープの中でも特に鶏と昆布の旨味を感知。
スープ素材の旨味の出方が塩ダレと醤油ダレで微妙に違っているのも興味深いものがあります。
麺は店内の製麺室で打った自家製麺。
前にも紹介したとおり、切り刃20番の中細ストレート麺。
加水率は38%と、やや高め。
白っぽい麺は、柔らかめの茹で上がり。
コシはやや不足しますが、モチモチとした食感と喉ごしの良さがコシ不足を補って余りあります。
大判の豚バラ肉ロールチャーシューは、同店のシンボルともいえる存在。
下茹で、本茹でを経てスライスしたあと、再度醤油ダレに漬け込む3段仕込みと手間をかけています。
その結果、柔らかい上に醤油ダレの濃厚な香りと肉の旨味が一緒になった絶妙なチャーシューになっています。
メンマはゴマ油で味付けをした比較的濃厚な味。
最近のメンマがおしなべて薄味になる傾向に逆らっている感があります。
個性の強いチャーシューとメンマが、あっさり系のスープの中で際立つ同店の「醤油らーめん」は、恐らく評価が二分するでしょう。
繰り返しになりますが、スープをコクがなく薄味と見るか、トータルバランス重視で、タレや麺、具などを支える役割を含めるかで、全く異なる評価になるでしょう。
○ざる中華(並盛)500円
夏季限定麺の「ざる中華」。
麺はらーめん類やつけ麺の細麺と同じ。
切り刃20番の加水率高めの中細ストレート麺。
しかし、冷水でしめた結果、もともと喉ごしが良くツルツル、モチモチした麺にコシが加わります。
そばつゆは、和風ダシを2種ブレンド。
みりんを加えています。
「つけ麺」は化調使用ですが、「ざる中華」は化調不使用。
つゆが甘めなのは「つけ麺」のつけ汁と同じで残念ですが、冷えたつゆと水でしめた麺とのコンビは、今日のような暑い日にピッタリ。
麺量はつけ麺と同様、並盛200g(中盛300g)。
具は薬味のネギ(別皿)とワサビのみというシンプルさ。
3回にわたり「麺屋 から草」を訪れました。
開店3カ月弱というできたてホヤホヤの店。
味は、まだ発展途上。
ラーメンについては、保守的な地域性。
その中で、新鋭店が無化調、自家製麺、完全禁煙を掲げて登場。
今や人気店になっていることを高く評価したいと思います。
おススメは、無化調なら「塩らーめん」、化調(つけ麺)なら、「つけ麺」(太麺)です。
前者のスープと塩ダレとのバランスの良さ、後者の個性的な太麺は、是非試して欲しいもの。
今回で「麺屋 から草」訪問は一区切り。
しばらく間をあけて、秋にでも訪れてみようと考えています。
秋には、店長がつくりたいと話していた低加水麺が登場することを期待しています。
コシの強い太麺が個性的なつけ麺。ラーメン類は無化調!
6月22日(木)
岩手県八幡平市平館の「麺屋 から草」に再訪。
今日の目的は、前回カウンター隣の客が美味しそうに食べていたつけ麺(太麺)実食。
本題に入る前に、今回は店長と少し話す機会があったので、前回のレビューをいくつか訂正。
「麺屋 から草」は別にオーナーがいて、店長はいわゆる雇われ店長。
地元の方が秋田市のラーメン店で修業してオープンと書きました(情報の出所は某ブログ)。
これは誤りで、店長は秋田出身ですが、これまでラーメンづくりの経験はなく、東京の有名ラーメン店でスープづくりや製麺など、一から修業したといいます。
また、前回不用意に「化調」と決めつけましたが、醤油らーめん、塩らーめん、から草らーめんは無化調、つけ麺が化調ということでした。
十分な確認なしに不正確な情報提供をしたことを深くお詫びいたします。
○つけ麺(細麺、中盛)(880円)
先々週と同じく、国道4号線沿いの滝沢市巣子バス停で八幡平方面行きのバスに乗り換え。
約40分で平館駅前バス停に到着(650円)。
国道282号線の旧道を松尾、鹿角方面に進むと、右手の休耕田の向こうに、旧道と並行する交通量の多い西根バイパス。
西根バイパス沿いに一軒家の「麺屋 から草」があります。
幟が出ていますので、営業を確認できました。
周辺は田んぼや休耕田。
営業が確認できたので、安心して周囲や店の外観を撮影後、13時過ぎに入店。
先客2人、約45分の滞在中に後客8人。
つけ麺は、「並盛」(830円)、「中盛」(880円)、「大盛」(930円)の3種。
店長に聞くと、それぞれ麺量200g、300g、400g。
そこで中盛の食券を買ってからカウンターに座りました。
店長から「今日は連食しないんですか?」の一言。
前回、から草らーめんと塩らーめんを連食したので、顔を覚えられてしまいましたね。
「つけ麺中盛は300gもありますから、連食は無理」などと軽口をたたいているうちに、店長は麺をテボで茹で始めます。
「麺の切り刃は何番ですか」「20番です」「それは細麺ですよね」といったところで、重大なミスをしたことに気付きました。
というのも、「麺屋 から草」では、つけ麺のデフォはらーめん類と同じ細麺。
太麺が欲しいときには、食券を渡すときに、太麺を注文しなければなりません。
うっかり、それを怠り、既に店長は細麺を茹で始めていました。
もはや引き返せないところまで来てしまいました。
今日は細麺のみ食べ、太麺は次回に回すべきか?
でも、次回いつ来れるかわからない。
ならば、この機に太麺の並盛も食べてしまおうと決意。
結局500gの麺と2杯分の具を食べ、2杯のつけ汁を飲むという暴挙に及んでしまいました。
店主がカウンター越しに運んでくれた「つけ麺」(中盛、細麺)。
いずれも黒い陶器の丼に、麺とつけ汁がそれぞれ入っています。
細麺とはいえ、ラーメン類と同じ切り刃20番の中細ストレート麺。
加水率はやや高めの38%。
麺の上には小さなナルト。
それに醤油ダレに漬け込み、白身が茶色に染まった味玉。
さらに、材木(枕木)メンマ5本がトッピング。
あとは大きな海苔1枚。
つけ汁に目を移すと、茶濁したスープに油と魚粉が浮かぶいかにも濃厚そうなビジュアル。
スープには輪切りのネギが大量に浮かび、底には大判の豚バラ肉ロールチャーシューが隠れています。
細麺は麺の間の空間が少なく、ぎっしり詰まった印象。
厨房左手の製麺室で打った麺は、ツルツルした食感。
適度なコシもあり、喉ごしの良さは抜群。
つけ汁は、鶏と魚介を煮込み、それに鰹節の粉末と鰹節油を入れて仕上げた濃厚魚介スープ。
スープはとろみのないシャバ系。
レンゲでつけ汁をすくうと、鰹節のインパクトが強烈。
それに、みりんを多目に使っているためであろう甘味が目立ちます。
一言でいうと、甘口鰹節味の濃厚シャバ系といえるでしょう。
麺との絡みは良好ですが、やはり食べているうちに、やや過剰な鰹節味と甘味が気になります。
大判の豚バラ肉ロールチャーシューは、醤油ダレで良く煮込み、油ものって、口の中でとろけるような食感。味は少し濃いめ。
メンマはラー油で味付けをしているのでしょうか。
比較的濃い味付け。
つけ汁やチャーシューをはじめ、濃厚な味付けが多いだけに、メンマは薄目の味付けが良いのではないでしょうか。
味玉は、白身には醤油ダレが良く染み、黄身はしっとりと仕上げています。
最後にポットに入った割りスープを投入。
すると、つけ汁の節感は緩和されますが、甘味は依然として残ります。
○つけ麺(太麺、並盛)(830円)
店長によれば、切り刃10番の太麺は、茹で上がるのに、たっぷり15分はかかるとのこと。
そのため、急ぐ人には不向きで、常連の中にも細麺を好むつけ麺ファンがいるといいます。
それでも、店長も認めているように、やはりつけ麺の醍醐味は太麺にあります。
私が食べる途中から茹でてくれていたため、細麺中盛りの割りスープを飲み干す頃合いを見て、太麺を出してくれます。
つけ汁の具や麺のトッピングは細麺と同じ。
しかし、太麺は麺の間の隙間が空いていますのて、細麺に比べ心持ち麺量が少ない感じ(並盛という違いが大きいのですが)。
これが既に300gを食べ、さらに200gに挑戦しようとする者には主観的ではありますが、気分的に楽になります。
「麺屋 から草」の太麺は十分個性的。
四角断面で厚みのある麺は、モチモチとした食感ではなく、むしろ固めの茹で上がりで、ゴワゴワとした歯応えのある食感。
ワシワシと食べるという言葉がピッたり。
まるで、武蔵野うどんを食べているかのような感覚に陥ります。
割とスタンダードな細麺とユニークな太麺との選択ができる「麺屋 から草」のつけ麺は、少なくとも麺に限れば十分魅力的。
あとはつけ汁でしょう。
鰹節の味と甘味が強いため、せっかくの麺の旨味を生かし切れていない感。
それに、どうしても途中でスープに飽きがきます。
甘味を抑え、ベースのスープと鰹節(魚粉、油)とのバランスを改善。
それに加え、例えばゆずを効かせるなどの味変の要素を加味するだけでも、相当改善されるのではないでしょうか?
現在、「麺屋 から草」は11時から14時までの昼営業だけと、少々ハードルの高い店になっています。
店長によると、夜営業ができないのは、夜勤務するスタッフの確保ができないため。
ここにも、最近のラーメン店共通の悩みである人手不足が影を落としています。
常連の方々からは、夜勤め帰りに寄りたいという要望が寄せられているといいます。
店長も、それに応え7月頃から夜営業を再開する予定と語っていました。
いろいろ細かい注文をつけてしまいましたが、大衆的な中華料理店で、昼もタバコ吸い放題という店が多い八幡平市で、無化調(一部化調)、自家製麺、完全禁煙などを徹底しているのは素晴らしいと思います。
総合3.5は、やや甘い評価かもしれませんが、上記のような点を加味したからです。
八幡平市のラーメン業界に新風を吹き込んでいる同店の今後の発展を期待しています。
それにしても、1回で麺量500gはきつかった。
今じわじわと効いています。
もちろん、今晩の夕食は抜き。
田んぼの中の一軒屋は、地元の方々に愛されるニューウェーブ系ラーメン店
6月8日(木)
岩手県八幡平市平舘(たいらだて)駅近くに4月5日に開業した「麺屋 から草」。
近くに住む店主が秋田市のラーメン店で修業。
今年4月の開業に漕ぎ着けたといいます。
伝統的な中華そばや支那そば系のラーメン店しかなかった八幡平市に、突如現れた自家製麺のニューウェーブ系のお店。
開店の知らせは盛岡の私にまで伝わってきましたが、ネットでもあまりコメントが上がっていません。
少数のコメントを読むと、開業当時のオペレーションの混乱を反映し、一部にはかなりの酷評も。
その一方で評価するコメントもあり、最近では地元で相当な人気店になっているとの噂。
これは自分で見て、食べて判断するしかないと心を決め、本日(8日)訪ねてきました。
大仰な書き方をしましたが、平舘駅まではJR花輪線の本数が少なく全く使えませんが(平舘発盛岡方面行きは11時台とあとは15時台!)、職場からはバスを乗り継いで約1時間(滝沢市の職場→巣子→平舘駅前)。
小雨の降る中、平舘駅前でバスを降りたのが12時42分。
バス通りとなっている国道282号線を秋田県鹿角方面に少し進みます。
通りの両側は、さびれた商店街。
すぐに商店がなくなり、あたり一面は田んぼ。
進行方向右手の田んぼの向こうの道沿いに、この付近には似つかわしくない、まさしくしゃれたラーメン店らしき一軒屋を発見。
駐車スペースもあるので、あの店がめざす「麺屋 から草」に間違いありません。
店に着くと、田んぼの中の一軒家には「麺屋 から草」の木の標識と「商い中」の標識。
平館駅から徒歩僅か3分程度。
店の扉を開け、風除室を抜け、2番目の扉を開けると、広い店内。
入口左側が厨房に沿ったカウンター6席。
右側は窓に面して、4人席のテーブル2卓と2人席のテーブル1卓。
カウンターとテーブルとの間には結構なスペースがあります。
入って右側に券売機。
風除室から店に入る入口に券売機で食券を購入するよう注意書きが貼ってあります。
しかし、この付近では券売機に慣れない方が多いせいか、女性スタッフが券売機横に張り付き、お客さんを券売機に誘導。
店は若い店主と女性スタッフ3人の4人体制。
私が入店した12時50分頃は広い店内に客は私1人と寂しい状態。
ところが、その後どんどん客が来店。
10数人が来店したでしょうか(数えるのが面倒で止めてしまいました)。
1人客やアベック、中年のご婦人2人組、さらに高校生の軍団など、あっという間に店内の待ち椅子はもちろん、風除室の待ちスペースも一杯の人気ぶり。
6月8日(木)現在の主要メニューは以下のとおり。
・から草らーめん(並・中盛800円、大盛900円)
・醤油らーめん(並・中盛700円、大盛800円)
・塩らーめん(並・中盛700円、大盛800円)
・つけ麺(並盛830円、中盛880円、大盛930円)
・ざる中華(季節メニュー)(並盛500円、中盛550円、大盛600円)
面白いのは、「醤油らーめん」「塩らーめん」「から草らーめん」については、濃い目の好きな方は「濃い目」のボタンを押すと、無料で「濃い目」の食券が出てくること。
醤油らーめんは、鶏と野菜・昆布・煮干しをブレンドしたスープを使用。
これに醤油ダレを合わせたあっさり系のラーメン。
塩ラーメンは、醤油らーめんと同じスープに「のだ塩」(野田村産)を使った塩ダレを合わせたこれもあっさり系のラーメン。
から草ラーメンは、鶏と魚介を煮込んだスープにトビウオ(アゴ)、カツオ、煮干しなど3種類の魚粉をブレンドした魚介醤油ラーメン。
つけ麺は、から草らーめんと同様、鶏と魚介を一緒に煮込んだスープを使用。
カツオの効いた濃厚魚介つけ麺。
今回は店一推し(?)のから草らーめん(並)の「濃い目」をまず注文。
○から草らーめん(濃い目)800円
カウンターに座ると、店主が若い女性スタッフにラーメンの具の盛り付け方を教えているなど和気藹々な厨房の雰囲気が伝わります。
厨房の左側が製麺室の模様。
まもなく店主が「熱いので気をつけてください」と注意しながら、「から草らーめん」(濃い目)の丼を渡してくれます。
たしかに、大ぶりの丼に熱々のスープが並々と入っています。
濃い琥珀色の醤油スープの表面には、煮干し油らしき油膜。
「濃い目」は魚粉を増強したらしく、スープに魚粉が大量に浮いています。
具の中でも何といっても目を引くのが、大判の豚バラ肉のロールチャーシュー。
メンマは3本。
ホウレン草とネギ、ナルト、味玉半分、それに大きな海苔1枚など、具は結構豊富。
煮干し粉をメインとする魚粉が混ざり、煮干し油も垂らしたスープは、さすがに煮干しがガツンときます。
醤油ダレも意外に濃い目で、魚粉と醤油の風味がスープを支配。
それに圧倒されて鶏と魚介(煮干し以外)の旨味がさほど感じられません。
鶏魚介系としては、ベースのスープが若干弱い感じ。
同時に、スープを飲む中で特有の雑味?が気になりました。
塩分濃度はやや高め。
自家製麺は、切り刃20番の中細ストレート麺。
一見、低加水のようにも見えますが、38%とやや高めの加水率。
細めながらモチモチとした食感で、茹で加減は少し柔らかめ。
個人的には、このタイプのラーメンには、もっと加水率の低いパツパツ系の麺が合っていると思うのですが、この地域で低加水麺はなかなか受け入れられないでしょう。
巨大豚バラ肉のロールチャーシューは良く煮込んであり柔らかく、箸で無理につかもうとすると、バラバラになるおそれ。
丁寧に箸で切り分けながら食べると、クセがないあっさりした仕上がり。
適度の味付けが施され、食べ応えがあります。
メンマの味付けは薄め。
素材の味を良く生かしています。
味玉は、黄身がしっとりと煮込まれていて、十分合格点。
ホウレン草はなくてもいいかなというところでしょうが、最近の小松菜など青菜トッピングブームを考えると、時流に即しているのかも知れません。
トータルに見て、から草らーめん(濃い目)は、鶏魚介というよりも、魚粉と醤油ダレが前面に出ている印象。
とくに「濃い目」にしたせいか、魚粉が味を左右しています。
ただし、3種の魚粉がうまくブレンドされているかというと、若干の疑問。
先に述べたように、特有の雑味がどうしても気になります。
スープを飲み干すと、丼の底には相当量の魚粉が残ります。
ベースのスープと魚粉との調合、醤油ダレとの調合など、改良する余地があります。
から草ラーメンの濃い目を頼んでしまったので、基本スープの味が良く分かりません。
そこで、スープを確認する意味で、2杯目に塩らーめんを注文してしまいました。
昨晩、「麺匠 玄龍」で衝動的に連食したというのに、全く懲りない自分が怖い!
○塩らーめん(700円)
塩らーめんは、先にも書いたように、鶏と野菜・昆布・煮干しをブレンドしたスープに、「のだ塩」を使った塩ダレを合わせています。
これなら魚粉過剰気味のから草らーめん(濃い目)では分からなかった基本スープの味が確認できるでしょう。
私が入店後に急に客が押し寄せたため、2杯目の提供までには少し時間がかかりました。
10分ほど待って提供された熱々の塩らーめん。
丼は、から草らーめんと同じ。
大き目の丼に、やはりスープが並々と注がれています。
スープはこれぞ塩ラーメンという黄金色。
透明感のある塩スープではなく、少々濁ったスープ。
表面の油は鶏油でしょう。
から草らーめんと具は全く同じ。
大判の豚バラ肉ロールチャーシューが存在感を放っています。
塩らーめんの特徴は、スープの表面に、みじん切りした大葉が浮いていて、独特の香りを加えていること。
塩スープは文字通りあっさり味。
ただし、あっさりしているため、逆にベースとなる鶏と昆布の旨味を良く感じ取ることができます。
塩ラーメンながら、から草らーめんにくらべると、塩分濃度はむしろ低め。
適度の塩分濃度と、淡麗系ながらしっかりと鶏や昆布のダシが出ている塩らーめんは、なかなかの出来。
麺は、から草らーめんと同じ加水率38%の中細ストレート自家製麺。
モチモチとした麺は、少々旨味には欠けますが、塩らーめんには良く合います。
あっさりした塩スープにロールチャーシューの脂がうまく溶け込み、旨味を増幅。
以上、「から草らーめん」(濃い目)と「塩らーめん」を食べましたが、なかでも「塩らーめん」が気に入りました。
から草らーめんは、煮干し感を出すために魚粉に頼りすぎている印象。
繰り返しになりますが、ベースの鶏と魚介のスープに魚粉がうまくブレンドされていない感じ。
これが「雑味」と感じられるのかも知れません。
むしろ、あっさり系の「醤油らーめん」か、「から草らーめん」のプレーンを食べるべきでした。
それにしても、カウンターで隣の方が食べていたつけ麺が実に美味しそうでした。
つけ麺はらーめん類と同じ細麺がデフォですが、注文時に太麺に変えてもらうこともできます。
この自家製麺の太麺が気になりました。
が、さすがに3連食は無理。
「麺屋 から草」は開店からまだ2ヶ月。
しかし、当初指摘されたオペレーションも落ち着き、メニューも順調に増加。
地元の方からも愛されていることが確認できましたので、嬉しいかぎり。
二戸市に続き、八幡平市でも、ラーメン界に新しい波が確実に押し寄せているようです。
スープはおそらく化調でしょうが、自家製麺にチャレンジしているのは立派。
今回食べた「から草らーめん」(濃い目)だけなら、3.3程度の評価ですが、「塩らーめん」の完成度や未食の「つけ麺」「醤油らーめん」などへの期待感を含め、少々甘めながら3.5の評価とします。
今後の成長が楽しみな店がまた1軒増えました。
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hidey803164
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店名 |
閉店
麺屋 から草
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ジャンル | ラーメン、つけ麺 |
住所 | |
交通手段 |
JR花輪線平舘駅より徒歩3分。 平館駅から239m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
|
席数 |
16席 (カウンター6席、テーブル10席) |
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個室 |
無 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 10台程度 |
利用シーン |
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お子様連れ |
お子様メニューあり |
オープン日 |
2017年4月5日 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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6月10日(水)
残り少ない岩手の日々。
いま、そんな日々を私の好きな盛岡とその周辺の無化調ラーメン店をまわって過ごしています。
そこに、この猛暑。
どうしても、冷やしラーメンに目が行ってしまいます。
今日(10日)の盛岡は今年最高気温の34℃が予想され(実際に33.3℃と、東京よりも暑かった)、もう冷やしラーメンを食べに行くしかないと決意。
では、どこに行くか。
そこで浮かんだのが、冷やしを通年提供している店(例えば、一関市の「虹ソラ」)を除き、毎年県内で最も早く冷やしの提供を始める八幡平市平舘の「麺屋 から草」。
今年も5月中旬から提供を開始。
地元の食べログ強力レビュアーお二人が既にレビュー済み。
お二人のレビューを読みながら、もう気持ちは平舘に飛んでいました。
時間節約のため、今日も自宅からタクシーでショートカット。
12時少し前に、国道4号滝沢市巣子バス停に。
ここで、12時01分の平舘駅前経由八幡平市方面行きのバスを待ちます。
バスはほぼ時刻どおり到着。
これなら「から草」に13時前に着けると楽勝気分。
ところが、とんだトラブルに見舞われました。
バスが八幡平市に入った「道の駅にしね」あたりで、自動車事故に遭遇。
事故渋滞に巻き込まれ、バスは一向に進まず。
結局30分待たされた挙げ句、ようやく国道282号が片側通行を開始。
バスが動き出しました。
12時50分に着くはずだった平舘駅前バス停に、30分遅れの13時20分に到着。
約3分ほどで、国道282号西根バイパス沿いの「から草」に。
店の前に各種ののぼりが立っていますが、なかでもブルーの「冷やしラーメン」と書かれたのぼりが爽やかで、食欲をそそります。
店横の駐車場には、13時30分近くなのに、車が一杯。
風除け室を抜け、クーラーの良く効いた店内に入ると、ほぼ満席。
しかも、私のあとに続々とお客さんが入ります。
大変な人気店になりましたね。
早速、「冷やしらーめん(中盛)」の食券を購入。
カウンター席にちょうど1つ空きができたので、すんなり座ることができました。
広々として清潔な店内は、これだけのお客さんが入っているにも関わらず静かで、落ち着いてラーメンを食べることができます。
もちろんアルコール消毒をしたうえで、マスクをしたままラーメンの到着を待ちます。
店長はもちろんのこと、数人の女性スタッフのてきぱきとした仕事ぶりも印象的。
ラーメンの種類も豊富。
すべて自家製麺。
「つけ麺」以外は、全部無化調。
しかも、すべて美味しいのですから、人気店になるのも当然。
まもなく、店長が待望の「冷やしらーめん」を直接渡してくれます。
○「冷やしらーめん(中盛)」(720円)
薄い琥珀色の冷たいスープ。
スープにはネギ油と白ゴマが浮き、冷やしには珍しく茹でたモヤシがたっぷり。
冷やし中華を連想させるトッピングがユニーク。
何といってもインパクトがあるのが、丼の表面の半分を占める鶏モモ肉の皮付きチャーシュー。
かなりのボリュームですが、10等分に切り分けているので、食べやすくなっています。
その他、平べったいメンマ3本。
中央にはナルトが乗っています。
そして、大きな氷が添えられ、冷たさを印象づけています。
丼の内端にワサビが添えられているのが、いかにも冷やしらしい。
スープは、丸鶏、鶏モモ肉、鶏モミジなど鶏と、玉ネギや生姜などの香味野菜のブレンド。
醤油ダレの代わりに、花巻市・佐々長醸造のつゆを使っているのが、冷やしの特徴。
つゆは、たっぷりの鰹節(削り節)でダシをとり、長期熟成醤油、砂糖、塩、味醂などをブレンドした無添加・無化調の逸品。
さらに、仕上げにネギ油を入れています。
冷たいスープを飲むと、砂糖や味醂などの入る甘めのつゆと、香味野菜由来の自然な甘味が一緒になり、さっぱりとした甘味。
これにネギ油の風味が加わり、鶏がしっかり下支えをしながら、つゆの醤油風味も感じられる爽やかな甘味が冷やしスープの中核をなしています。
麺は、数種の国産小麦粉(銘柄は企業秘密)をブレンドした切り刃20番、加水率34.5%の着色料なしの白っぽい角ストレート麺。
店内の製麺室で店長が打つ自家製麺です。
加水率を少し下げ、茹でたあとに冷水で締めているだけに、ツルツルとした食感てすが、十分なコシのある固めの歯切れの良い麺。
小麦の風味も感じられ、冷たいスープで一層映える麺。
麺量は、中盛で180g。
具の茹でたモヤシのシャキシャキ感がすっきりとしたスープに良く合い、たっぷり入った白ゴマの香ばしさも地味ながら十分な役割。
具の主役である皮付きの大きな鶏モモ肉チャーシュー。
スープにつけたあと、醤油で煮込んだ鶏ムネ肉チャーシューは、皮のカリカリ感とコリコリとした肉の食感との対比が白眉。
肉の旨味とタレの旨味が混じった比較的濃いめの味付けが、さっぱりとした冷たいスープの中で良いアクセント。
大きな鶏モモ肉チャーシューを細く切り分け、食べやすくする心遣いが嬉しい。
平べったいメンマは、以前より発酵臭が減り、おとなしい味付けになりましたが、ゴマ油による香ばしい味付けが光っています。
鶏ベースながら、スープに鶏は目立たせず、むしろチャーシューで鶏モモ肉を堪能。
香味野菜とつゆの甘味とネギ油のさっぱりスープ。
最後に、ワサビを少しずつスープに溶かすと、ツーンとした辛味が出て、ワサビを「ざる中華」のつゆに溶かしたような感じに。
「から草」は、「冷やしらーめん」とともに、夏季限定メニューとして、「ざる中華」も提供しています。
麺や具を食べ終える頃には、あんなに大きかった氷がほとんど溶けていますが、決してスープが薄くならず、氷でスープの冷たさが最後まで維持されるのもさすが。
自家製麺も美味しい「から草」の「冷やしらーめん」は、暑い日の続く岩手内陸部の夏にぴったりの無化調ラーメンです。
今日で「から草」でラーメンを食べるのもこれが最後。
店長にお礼を述べ、店を後にしました。