地魚いっぱい＆元祖磯釜めしの夕食 : 白花シャクナゲ荘

岩手県の田野畑村に泊まりったときのこと。
三陸は復旧関係の人たちがたくさん泊まっているので、市街地の宿はどこも満員。
それで街外れの宿に泊まりました。
っていうか、それがかえってよかったんだ。

リアス式海岸が美しい陸中海岸国立公園。
田野畑村には、断崖が美しい名勝地「北山崎」がある。
その北山崎園地内にある宿に泊まったってわけなんだ。
昼は観光客用のレストラン、夜は宿泊もできる。

1973年開業の「白花シャクナゲ荘」さん。
高山植物のシャクナゲの一種「シロバナシャクナゲ」が、ここ北山崎には生息しているそうで、その名に因んだ店名みたいだ。
今回は井之頭五郎風に行ってみるかな。（特に理由はないですけどね）

中に入ると、広いフロア、その奥には座敷、右にはテーブル席のレストランがある。かなり広いな。
ここは高い断崖の上にあるから幸いにも津波の被害は受けなかった。
でも未だに強い余震が続いているそうだ。
もしものときには停電時にもすぐに靴が履けるように、靴は下駄箱に入れずに並べて置いてください、と注意された。
まだまだ、震災の影響は続いているんだな。

-----------------------------------------

【夕食】

客室は２階で、夕食は空き部屋でいただいた。

まずは、ビールだ。
おぉ！サッポロ黒生じゃないか！
今夜はスタートからウレシイぞ。

ここは「磯料理」の宿ということだから、とんちゃんはかなり期待している。
なんてもったいぶっているけど、実は、すでにテーブルの上に料理が並んでいたんだ。
それが、これ。刺身、酢の物、そして釜飯。
いやいや、これだけじゃない。
大きなお椀の中には魚の汁。そしてイカと、なんとウニまである！
これはずいぶんと豪勢じゃないか。
これでほんとに普通料金（１泊6000円）でいいのか？
いやきっといいんだろな。

では、いただこう。

よし、まずは、ウニの殻に入ったウニからだ。
この殻のトゲの感じから、これはムラサキウニだな。
中身は蒸しウニだ。
口に入れるとサルンと柔らかくて、ウニの甘い香りが鼻腔をすり抜けていく。うまいぞ。
生のウニもいいけど、蒸されてウニは味と香りが濃縮された感じだ。
うん、これはいい。

大きなお椀に入っているものは、もしや・・
三陸名物のドンコだ。
不細工な柔らかい魚だけど、そういう魚ほど美味いっていうじゃないか。
白身の身がホロリとしていて、うん、うまい。

刺身に行く前に、ちょっと口直しに酢の物にしよう。
酢の物はモズクと食用菊だな。
おっ、酸味が少なめだ。
男には酸っぱいのが苦手なヤツが多いけど、そういう男性もきっと食べやすいだろうな。

さて、刺身を食べよう。とんちゃんは、好きなものを後に取っておく傾向がどうもあるな。
この刺身、ずいぶんとたくさんあるぞ。ホタテ、甘エビ、イカ、サワラ（かな？）。
種類も量も多いじゃないか。
刺身ってことだと、どうも日本酒がほしくなるなぁ。（これは五郎には思いつかない！）

たしかサワラだったな。
活きが良くてツルンとした舌触りだ。うん、うまい。
甘エビ。ちゃんと旨いなぁ。
ホタテ。うん、うまい。
三陸はホタテの養殖もしているから、新鮮なホタテが食べられるはず。
震災の被害にあったけど、ホタテ養殖も再開されたようですね。
イカはスルメイカかな。
テレレンとした活きの悪いイカじゃない、身のしっかりしたイカだぞ。これもうまいぞ。

刺身には、当然、日本酒だよなぁ。
岩泉町の龍泉八重桜・生貯蔵酒（本醸造）の冷や酒。冷蔵庫から自分で持ってきた。（笑）
飲みやすいお酒で、魚にもいいなぁ。（この旨さがわからない五郎には、絶対になりたくないな。）

最後に残っていた釜飯。
蓋を開けると・・・ぉぉぉぉおおおお！
これはビックリ！だ。
すっごい海鮮の釜飯じゃないか！
これがこのお店自慢の「磯釜飯」というわけだな。
ウニ、ホタテ、イカ、エビ、カキ、イガイ、岩のりがご飯の上にびっしりと隙間無く並んでいるじゃないか。
そしてご飯は、昆布だしの汁を入れて南部鉄器のお釜で炊きあげた釜飯だ。
見ているだけで食欲がわいてくる感じがするぞ。

茶わんにとって、いただこう。
ホタテや岩のり、ウニまであるじゃなか。うまいぞ。
ご飯が、魚介の味を吸い取って、これはうまい。
冷えていてこれだけ旨いんだから、温かったらいったいどれほど旨いんだろう。

ここでちょっと、ホタテ講釈です。
ホタテの足がオレンジ色ですよね。
実はこれ、足じゃなくって、なんとオスは精巣、メスは卵巣なんですよ。
しかも、白いのは精巣で、オレンジ色は卵巣なのね。
じゃぁ、どっちが美味しいかって、聞きたいでしょ？・・・・・うふふ、ナイショ！
でも、こっそり教えちゃおうかな？
あのね・・・卵巣の方が、味が濃厚なんですよ。
私のホタテはオレンジ色でしょ？だから・・・得しちゃった。(*^o^*)

右のオレンジ色の貝は、ムール貝（ムラサキイガイ）。
いや、ムール貝は在来種で、これはそれに似た在来種のイガイだ。
味は、ムール貝と同じく濃厚で美味しい。
なんでこの貝がもっと流通しないんだろう。
いや、もしスーパーにあっても「ムール貝」として売られるからわからないのかもしれないな。
ほぉ、ウニもまだあるじゃないか。
これが今夜最後のウニだな。
いやぁ・・満腹したなぁ。

おっと最後に、デザートのグレープフルーツをいただこう。

食事が終わる前に、宿の方に１つお願いをしました。
部屋でお酒を飲みたいので、何かつまみをいただけますか？
何にもありませんけど・・と言って、出してもらったつまみ。
枝豆、漬け物、そして乾き物。
いや、これで十分ですよ。どうもありがとうございます。

部屋に戻って、日本酒を飲んだときのことは、昨日アップした記事をご覧下さい。
http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01-1

ごちそうさまでした。
http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01-2

----------------------------------------------------
【朝食】
朝食は１階のレストラン（食堂）でいただきます。
今日の朝食。シンプルだけど手作り感いっぱいです。

目玉焼きがハート型！
こういうのは初体験かも。
ご年配のご主人の趣味？じゃなくって若い娘さんのアイデアでしょうね、きっと。

サバの味噌煮。味噌味がすごく薄味なのでさっぱりして朝食にもちょうどいいですよ。
卵豆腐にはイクラが乗っています。
納豆がある。
目玉焼きがあるから生卵はないけど、焼き海苔があります。
ご飯はお櫃にはいっていて、食べ放題です。（笑）

今朝は納豆をどうやって食べようかな・・。
納豆に海苔を切ってかけました。納豆・のりかけご飯、ね。
当然、もう１杯、いや半杯おかわりしました。

ラッキョウと小梅が１個ずつ、ってのは奥ゆかしい。
味噌汁は、豆腐とワカメ、それに赤紫色でコリコリする布海苔も入っています。
地元の名産ですからね。

食堂のカウンターに「おすすめメニュー」が張ってありました。
　元祖釜めし（みそ汁付）　13,00円
　磯ラーメン　　　800円
　日替り海鮮丼　1,500円
　イカ刺し定食　　980円
　ホタテ定食　　　980円
元祖釜飯のミニ版が昨夜の釜飯ですね。
岩手日報の記事のコピーによると、このお店のご主人が「磯釜めし」の発案者で、だから「元祖」なんだそうです。

ごちそうさまでした。

http://onhome.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01-3