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「奥州いわいの鶏だし 醤油」。自家製麺がスタートした「麺SAMURAI 桃太郎」。中細より少し太めのストレート麺は、栃木県産小麦粉「タマイズミSP」を使ったツルツルで弾力のある小麦の旨味が詰まった麺!
「鶏白湯」。クセのないサラサラとした塩味の鶏白湯スープにゴマ油が風味づけ。
3月22日(金)
今日は久々に奥州市役所江刺総合支所で会議。
そこで、昼食をこれも久々の「麺SAMURAI桃太郎」(奥州市江刺区杉ノ町)で食べることに。
難点は、会議の開始が13時30分からということ。
東北新幹線「やまびこ」が水沢江刺につくのが12時37分。
そこからタクシーを飛ばしても、店到着は13時前。
「SAMURAI桃太郎」から江刺総合支所まで急いで歩いても約15分。
つまり、店滞在時間は15分程度。
人気店で昼時だけに、満席で並ぼうものなら、会議に間に合わず、ここまで来てラーメンは断念ということに。
そんな訳で、祈る気持ちでタクシーで薬王堂の駐車場に。
薬王堂裏の「麺SAMURAI桃太郎」に行くと、車が一杯。
「やばい」と焦りますが、幸い外待ちはなし。
扉を開け、店内に入ると、ラッキー!
カウンター席に空きがありました。
前は洋食店だったカフェ風のお洒落な建物。
店内は、入って右手が厨房。
左手がお客のスペース。
テーブル席が中心で、2人掛けテーブルが5卓、4人掛けテーブルが1卓。
カウンター席は、壁を向いて4席。
合計18席ですが、テーブル席は満席。
カウンター席が幸い、半分空いていました。
早速、カウンター席の一番右手に座り、スタッフが注文をとりにくるのを待ちます。
お冷やはセルフサービス。
カウンターの上にメニュー。
さらに前の壁に、それ以外のメニューが貼ってあります。
同店の特徴は、とにかくメニューが多いこと。
淡麗から濃厚、ラーメンからまぜそば、つけ麺までありとあらゆるメニューがあります。
しかも、すべて高水準。
ざっと整理すると以下のとおり。
・奥州いわいの鶏だし(醤油・塩)
・はまぐりラーメン(醤油・塩)
・いわい鶏はまぐり塩
・濃厚魚介豚骨(醤油・塩)
・濃厚煮干し豚骨
・鶏白湯
・辛鶏白湯
・極煮干し
・手もみ中華そば
・きびまぜそば
・鶏白湯つけ麺
・鶏白湯辛つけ麺
・濃厚魚介つけ麺(夜の部限定)
・濃厚鶏豚味噌(冬季限定)
麺は、細麺・中太麺・太麺・手もみ麺などを使い分けています。
麺類以外に、どんぶり類が人気で、「鶏チャーシュー丼」「ローストポーク丼」「豚チャーシュー丼」(いずれも350円)、「スタミナ丼」(400円)など。
これだけメニューが多種多様だと、選ぶのに困ります。
化調を使っているのが残念ですが、岩手県南を代表する店でしょう。
江刺の地で、あの「麺処 ほん田」の流れをくむ洗練されたラーメンを食べることができるのですから、凄いこと。
当初、「濃厚煮干し豚骨」(セメント系)か「極煮干し」(淡麗煮干し)をねらっていましたが、急きょ「鶏白湯」に変更。
他のお客の注文が聞こえましたが、「鶏白湯」の注文が意外に多い。
人気メニューの1つですね。
スタッフは、調理担当の司東店主を含め3人。
注文してから10分弱で、「鶏白湯」が到着。
○「鶏白湯」(780円)
「鶏白湯」を注文すると、スタッフに「焦がしニンニク」トッピングの有無を聞かれます。
以前、「鶏白湯」を食べたときは、デフォで「焦がしニンニク」がついていました。
たしかに香ばしく、食欲をそそる味なのですが、焦がしニンニクを溶かすと、塩味の鶏白湯スープが焦がしニンニク味一色に染まってしまうので、今回は焦がしニンニクトッピングを断ります。
「鶏ガラを極限まで煮込み、トロトロでクリーミーなスープに仕上げました。濃厚なのにあっさり」という説明。
スープはホワイトというよりも、少し薄茶色。
オイルがかかっていますが、良くみると白ゴマと小エビがスープに混ざっています。
トッピングは多様。
鶏ムネ肉の低温調理チャーシューが2枚。
メンマにレタス、青菜、刻んだ紫玉ネギ、ザク切りのネギなどの野菜類。
それに海苔が1枚。
スープは「トロトロでクリーミー」というよりもサラサラしています。
クセのないあっさりとした鶏白湯スープにゴマ油がふりかけられ、ゴマ油がスープの旨味を形作っています。
スープを飲んでも、口がベタベタにならないシャバ系の鶏白湯スープに塩ダレとゴマ油がを効かせたラーメン。
鶏の臭みが全くなく、しかもゴマ油の香ばしさが効いて、食べやすい味になっています。
人気があるのも分かります。
個人的には、ゴマ油の風味がやや強いため、鶏白湯のプレーンな風味がストレートに感じられないのが少々残念。
化調感も感じますが、気になるというほどではありません。
麺は「細麺」とありますが、カネジン食品製の切り刃18番の角ストレート麺。
一般に中細麺の代表とされる22番手や20番手の麺より一回り太め。
最初は少し固めに感じますが、噛むとモチモチとした食感で、ふんわりとした歯触りに。
おそらく加水率35%前後の中加水麺でしょう。
麺量は140gと、やや少なめ。
ラーメンの並盛では量的に物足りないので、「鶏チャーシュー丼」か「ローストポーク丼」を頼みたかったのですが、時間切れで追加できなかったのが惜しまれます。
やはり15分弱の滞在時間は短すぎました。
以前、「鶏白湯」には同店名物のローストポークが添えられていましたが、今は鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー。
それも2枚も入っています。
しっとりとした食感と淡白な味の柔らかい鶏チャーシューは、完成度の高いもの。
シャキシャキしたメンマは薄めの味付け。
先ほど書いたように、野菜がたっぷり入っているのも、あっさりとしたスープとあわせ女性客に人気がある理由でしょう。
焦がしニンニクオイルをオプションにしたのは大正解。
ただ、濃厚というよりはさらっとしたアッサリ鶏白湯にゴマ油の風味をブレンドした味や食感は、食べやすいものの、コアな鶏白湯ファンには少々物足りないかも。
「鶏白湯」よりも濃厚そうな「鶏白湯つけ麺」が昼の部でも食べられるようになりましたので、次回は「つけ麺」に挑戦しようと思っています。
しかし、鶏清湯の「奥州いわいの鶏だし」も、味がアップしたと聞きますし、100%ハマグリダシの「はまぐりラーメン」も魅力的。
今回逃した「濃厚煮干し豚骨」や「極煮干し」も是非食べたい!
同店に頻繁に通える方が本当に羨ましくなります。
渡り蟹のダシと鶏白湯スープが融合したユニークなラーメン!
8月1日(水)
本日(8月1日)から4日間「盛岡さんさ踊り」が開催。
盛岡駅は観光客や案内スタッフでごった返しています。
そんな喧騒を横目に、東北新幹線で水沢江刺に向かいます。
本日は、奥州市役所江刺総合支所で13時30分から会議。
会議の前に、江刺杉ノ町の「麺SAMURAI 桃太郎」に寄り、7月28日から提供開始の「渡り蟹白湯ラーメン」を食べるのが会議前の目的。
「渡り蟹白湯ラーメン」は限定300食で、売り切れ次第終了。
西日本応援特別価格900円。
売り上げの一部を、平成30年7月豪雨緊急災害支援募金に寄付。
○「渡り蟹白湯ラーメン」(900円)
水沢江刺駅からタクシーで江刺総合支所に近い「麺SAMURAI 桃太郎」
に向かいます。
店到着が11時50分。
会議まで十分時間があります。
本日の奥州市は最高気温35℃の予報。
それに近い暑さのなか、カフェ風のおしゃれな店内は、近くのサラリーマンやOLで一杯。
しかし、クーラーの調子が悪いのか、窓を全開。
店内では至るところで扇風機が回っています。
35℃近い暑さのなかでは、扇風機も所詮無力。
一時は暑さに萎えて冷たいメニューに変更しようと考えましたが、初志貫徹。
汗だくになって、「渡り蟹白湯ラーメン」を食べました。
厨房をみると、本日は店主が不在。
助手さんがラーメンを作っています。
その他、女性スタッフが2人。
到着した「渡り蟹白湯ラーメン」を見て驚きます。
オレンジ色の渡り蟹の大きな甲羅がドーンとのっています。
甲羅をちぎって、身や肉味噌を食べるとなると面倒。
そう思って、甲羅を裏返すと、スカスカ。
つまり甲羅は飾りで、身や肉味噌はスープに溶けているのです。
スープは茶色がかったサラサラした鶏白湯スープ。
濃厚でクリーミーな鶏白湯に渡り蟹のダシを合わせると、せっかくの蟹風味が白湯スープに負けてしまうかも知れません。
その点、さらっとした鶏白湯スープを蟹ダシと融合すると、蟹風味を生かすとともにコクを与えます。
両者のマッチングは絶妙。
塩ダレのさらっとした鶏白湯スープを飲むと、渡り蟹のダシがうまく溶け込んで、蟹風味が口一杯に広がります。
麺は、角ストレートの中麺。
切り刃は18番ぐらいでしょうか?
軽いウェーブのかかった中加水麺。
カネジン食品製でしょう。
麺は少し柔らかめの茹で上げ。
しかし、モチッとした食感が渡り蟹ダシの溶け込んだ鶏白湯スープにぴったり。
具の豚肩ロース肉のレアチャーシューは肉厚で、肉の旨味が凝縮。
細切りのメンマ2本は、薄味でシャキシャキとした食感が印象的。
トッピングの岩海苔とスープの中に隠れていたもずく、それに渡り蟹スープが相まって、磯ラーメンのような趣向を醸し出します。
トロッと煮込んだ黄身が美味しい味玉半分と小口切りの青ネギが、加わります。
まぁ、予想した味どおり。
とくにサプライズはありませんが、渡り蟹のダシとライトな鶏白湯がこんなに合うとは新しい発見。
さすが岩手県南を代表する名店だけあります。
既に提供開始から4日経っていますので、売り切れも間近か?
食べたい方には、早めの訪問をオススメします。
冷たいジュレ状の鶏ダシつけ汁や味変アイテムなどユニークな「昆布水つけ麺」
6月25日(月)
本日は、奥州市江刺区の人気店「麺SAMURAI桃太郎」(奥州市江刺区杉ノ町)に、3月以来、3ヶ月ぶりの訪問。
目的は、5月下旬から提供されている2018年夏の新作「奥州いわいの鶏だしつけ麺」(850円)を食べるため。
岩手県内で、夏季限定とはいえ、この時期毎日「昆布水つけ麺」を出しているのは、「らぁめん サンド」(盛岡市西青山)、「に干し屋SINCHAN」(盛岡市大通)と「麺SAMURAI桃太郎」だけ。
しかし、「奥州いわいの鶏だしつけ麺」は、昆布水に麺を浸し、つけ汁は鶏ダシと醤油のカエシを合わせるという「昆布水つけ麺」の基本線を押さえながら、いろいろな新機軸を導入したつけ麺。
果たしてどんな味でしょうか?興味津々です。
○「奥州いわいの鶏だしつけ麺」(850円)
「麺SAMURAI桃太郎」は2016年2月、居酒屋のランチメニューにラーメンを提供したところからスタート。
東京・東十条の名店「麺処 ほん田」で修業した方がオープンさせた埼玉県伊奈町の「麺処 いぐさ」で修業。
つまり、「麺SAMURAI桃太郎」は「ほん田」の孫弟子に当たります。
岩手県の銘柄鶏「奥州いわいどり」のダシでとったスープに、「ほん田」ならではのローストポークを合わせた洗練されたラーメンが大評判に。
ついに居酒屋から今の場所に移転。
2016年9月からラーメン専門店として再スタート。
メニューも「いわいどりダシ」「ハマグリダシ」などの淡麗系、「濃厚魚介豚骨」「鶏白湯」「濃厚煮干し系」などの濃厚系。
そしてラーメン以外に、つけ麺(濃厚魚介豚骨、鶏白湯)、まぜそばなど多彩なメニューを提供。
いまや奥州市で食べログ評価№1のラーメン店に踊り出ています。
そんな「麺SAMURAI桃太郎」が5月下旬から提供を始めた昆布水つけ麺を是非食べたいと思い、あえて時間をとって訪問。
東北新幹線「水沢江刺駅」からさらにタクシーで入るという交通の便の悪さ。近くにある奥州市役所江刺総合支所に所用がないと、なかなか訪れる機会のない店です。
本日は店に13時に到着。
店の前には、まるでビニールハウスのようにビニールで雨よけがされているなか、パイプ椅子が置かれた外待ちスペースが設置されています。
店内を覗くと、満員。
外待ちスペースにも数人の先客。
平日の昼休みを過ぎたというのに、凄い人気です。
待っていると、スタッフが出てきて、人数と名前を確認。
少し外待ちスペースで待ったあと、店内に招き入れられ、今度は店内待ち椅子で、カウンター席が空くのを待ちます。
合計約10分の待ち時間でカウンター一番右端の席に着席。
水はセルフサービス。
座ると、目の前の壁に新作「奥州いわいの鶏だしつけ麺」のポスターが貼ってあります。
すぐにスタッフが注文をとりに来るので、迷うことなく「鶏だしつけ麺」を注文。
店内は程よく空調が効いていますが、厨房と客席が完全に分離されていて、店主は厨房の奥でラーメンをつくるので、客席からはあまりよく見えません。
カウンターは壁に向かって4席のみ。
あとはテーブル席。
厨房を見ながらのカウンター席が好きな私には、個人的には、あまり好きなレイアウトではありません。
ちょっと驚いたのは、私の前に7~8人分ほどラーメンが提供されたのですが、その半分が「鶏だしつけ麺」だったこと。
たまたまかも知れませんが、岩手では馴染みがなく、あの「サンド」でさえ苦戦している「昆布水つけ麺」がこんなに出ているのには驚かされました。
10数分の待ち時間ののち、ようやく「鶏だしつけ麺」が到着。
大きな盆にのったつけ麺は、「昆布水に浸かった麺」「つけ汁」、味変用の「酢」「ごま油」で構成。
さらっとしていますが、少し濁った昆布水が多めに入り、250gの麺が昆布水に浸かっています。
麺の上には、具がトッピング。
細切りのメンマ3本とチンゲン菜、三つ葉、薄い昆布が1枚入り、昆布の上には粉ワサビ。
ジュレ状で少し赤味のあるつけ汁には、もみ海苔と豚肩ロース肉のローストポーク2枚、小口切りの青ネギ、そして柚子がのっています。
それから、「酢」と「ごま油」が別容器で提供されます。
つけ麺を運んできたスタッフに「酢」と「ごま油」は、昆布水とつけ汁のどちらに入れるのか尋ねると、「お好みでつけ汁に入れてください」とのこと。
最初に昆布水をレンゲですくって飲んでみます。
ほんの微かに昆布の旨味を感じますが、総体的にいえば「水」。
麺は、カネジン食品製の色白の麺。
見た目からも、同店の細麺(18番)より一回り太く見えます。
帰りに店主に聞いてみると、切り刃16番のストレート角麺。
加水率は前回「製麺所に任せているので分からない」と言われていますので、敢えて聞きませんでした。
食べた印象では、細麺(中加水)よりも少し加水率を高めた多加水寄りの中加水麺かなという感じをもちましたが、自信はありません。
麺は、コシはそれほどでもなく、小麦の香りもさほど感じませんが、ツルツルとした麺肌で、食べるとモチッとした食感。
一般のつけ麺用としては、やや細めですが、「昆布水つけ麺」用の麺であれば、ちょうど十分な太さと喉越しの良さを兼ね備えています。
つけ汁は、通常の「昆布水つけ麺」ならアツアツの「鶏清湯+生醤油ダレ」のスープですが、こちらは冷たいゼラチン状(ジュレ状)。
これがまずユニーク。
冷たい昆布水に浸かった麺を、冷たいジュレ状のつけ汁につけるのですから、ポスターでも書かれているように、「これまさに涼」。
これからの暑い時期にはぴったり。
肝心のつけ汁は、冷やしてあるためか、どうしてもアツアツのつけ汁にくらべ鶏ダシの旨味や醤油の香りが弱くなるのは否定できません。
その代わりに、割と甘味を感じます。
店主に確認すると、砂糖は使っていないということ。
つけ汁の鶏の旨味と醤油の香りが弱いので、麺をつけ汁につけると、昆布のグルタミン酸と鶏のイノシン酸が一緒になり、旨味を醸しだすという「昆布水つけ麺」の醍醐味があまり感じられません。
この点が、つけ汁を冷たくした代償ともいえるわけですが、むしろあまり昆布水を意識せず、冷たいつけ麺として割り切れば良いのかも知れません。
実際、この冷たい昆布水つけ麺が同店でヒットしているのは、「昆布水」だからではなく、「冷たいつけ麺」のさっぱりした清涼感に客が魅力を感じているからではないでしょうか。
途中、麺の上に添えられた小さな昆布にのる粉ワサビを昆布水に溶かします。
すると、ワサビ味の昆布水のついた麺がつけ汁の鶏ダシと出会い、和風感が増強。
つけ汁が冷たいので、ピンクのローストポークも色変せず、旨味と食感が持続します。
コリコリとした細切りメンマは比較的薄味。
冷たいだけに、鶏のダシ感がやや薄めで、むしろ甘味が特徴のつけ汁。
昆布水をまとった麺をつけ汁につけるだけに、どうしても途中からつけ汁が薄くなってきます。
そこで効果を発揮するのが、別皿のお酢とごま油。
お好みで投入すると、つけ汁が面白い具合に味変します。
お酢をつけ汁に少量入れると、あの甘かったつけ汁にお酢の酸味が効いて、オーソドックスなつけ麺のつけ汁らしく酸味を帯びます。
甘さが消えて、いい意味で酸味が出て、サッパリ感が増すので、試す価値が十分あります。
もっとも、お酢を入れすぎると、酸っぱくなり過ぎるので要注意。
次にごま油を、これも少量入れてみます。
すると、昆布水で薄くなったつけ汁がごま油の効果もあって、それなりに濃くなるという趣向。
こちらも、ゴマ油を入れすぎると、つけ汁がゴマ油一色になってしまうので、注意が必要です。
麺を食べ終えたら、残った昆布水をつけ汁に全量ドボン。
昆布水+鶏ダシ+醤油ダレ+お酢+ごま油というユニークなミックスの昆布水割りが出来上がります。
もちろん冷たいスープ。
説明書きでは、ここで具のチャーシューの上にのっている柚子が効いて、「柚子香る締めスープ」になるはず。
ところが、お酢とごま油を入れすぎた結果、とくにごま油により柚子の香りがかき消されたのは、ちょっと残念。
最後、柚子の香りで締める場合、お酢を少々入れるのは良いにしても、ごま油は入れない方が良さそう。
あるいは柚子も別皿にして少し量を増やし、昆布水割りにしたあとに投入するというのも良いかも知れません。
「締めの柚子トッピング増し」というのもありでしょう。
それにしても、従来の昆布水つけ麺の常識を破る冷たいジュレ状のつけ汁という発想が、とてもユニーク。
冷たいスープのために鶏の旨味が出ずらいところを甘さでカバーする(?)という点と、味変アイテムである「お酢」「ごま油」の使い方が、なかなか難しい(適量が難しい)という点が難点か?
1つ言いたいのは、ユニークな昆布水つけ麺だけに、これが昆布水つけ麺の通常形だと思わないで欲しいということ。
その意味では、とくにラーメン好きの方は、まずオーソドックスな昆布水つけ麺を食べたあと、こちらの変化球昆布水つけ麺に進んでほしいと思います。
上品なハマグリダシの塩ラーメン。もう少し貝の旨味が欲しい!
3月20日(火)
本日は午後、奥州市役所江刺総合支所で会議。
ということは、会議前の昼食に奥州市江刺の「麺SAMURAI 桃太郎」で昼食。
会議終了後は一関に出て、「虹ソラ」で夕食という岩手県南のラーメンゴールデンコースを辿れるではありませんか。
そこで、まず会議前の昼食に訪れた「麺SAMURAI 桃太郎」から。
2016年2月に居酒屋のランチタイムメニューからスタート。
それが大評判になり、2016年9月から現在の場所に移転。
ラーメン専門店として再スタート。
それ以降の快進撃は、食べログ奥州市ラーメン部門No.1(総合評価3.51)を独走していることからも、分かる通り。
何せ今、数々の独立店が大活躍。
第二のピークを迎えた感のある名店「麺処 ほん田」(東十条)系の洗練されたラーメンがここ江刺で食べられるのですから、こんな素晴らしいことはありません。
「SAMURAI 桃太郎」には、淡麗から濃厚、鶏ダシからハマグリダシ、鶏白湯、豚骨醤油、煮干し系など多様なメニューがあります。
私が食べた感想は、豚骨濃厚系よりも鶏だしや貝だしの淡麗系、そして醤油よりも塩の方が同店の良さが生きているということ。
もちろん、これは私の独断的な感想にしか過ぎません。
そこで、昨年11月以来久々の訪問では、あっさり系の人気メニュー「はまぐり塩」の「特製」を注文しました。
○「はまぐり塩(特製)」(1050円)
東北新幹線「水沢江刺駅」からタクシーで約10分。
江刺の中心部にあり、奥州市役所江刺総合支所まで徒歩約10分。
マックスバリュー前の薬王堂裏のお洒落な店が同店。
13時ちょうどに入店すると、カウンター、テーブル席ともに満席。
もっとも、数分の待ち時間でカウンターの一番左端の席が空きました。
セルフサービスの水をもって着席。
一応メニューをチェックしたあと、「はまぐり塩」の特製を注文。
同店はいま主流の券売機方式ではなく、領収書をもって退店時に支払う後払い方式。
「特製」は200円増しで、味玉、チャーシュー2種、メンマ2本、カイワレ、ザク切りのネギ、海苔などが別皿で提供されます。
込み合っていましたが、オペレーションは良く、10分弱の待ち時間で「はまぐり塩」と別皿の特製トッピングが着丼。
「はまぐり塩」は、「奥州いわいの鶏だし塩」以上に澄んだ黄金色のスープ。
目を引くのが、大きな殻つきのハマグリ3個。
さらにハマグリには、スープ以上にゴールデンな香味油が垂らされ、それが塩スープに溢れるという何とも食欲をそそるビジュアル。
当初「はまぐり醤油」「はまぐり塩」などは、奥州いわいの鶏ダシとハマグリダシとのダブルスープと思い込んでいました。
しかし、ハマグリダシと鶏ダシを合わせた「蛤×鶏塩ラーメン」が限定で登場するにいたり、動物系不使用のハマグリダシメインのスープと確信。
ただし、シイタケを隠し味に使っているようです。
それにしても、貝殻つきのハマグリに振りかけられているオイルは何だろうか。
最初「鶏油」と推測。
でも、店主に確認すると、違うと断言。
そこで推測したのが、オリーブオイル。
ホームページでは、「うまみエキスたっぷりの殻付きはまぐりをトッピングしました」と抽象的に表現。
「うまみエキス」とは何かと考えるうちに、ハマグリのオリーブオイル漬けを思い出しました。
ハマグリダシのスープに加え、殻つきのハマグリにオリーブオイルを垂らし、塩ダレと合わせ風味を強化しているのではないか?
想像の域を出ませんが、食べた感触ではそれに近いのではないでしょうか。
もしそうなら、店主のセンスはなかなかのもの。
オリーブオイルを添加した?殻つきハマグリ以外に豚肩ロース肉のローストポーク、そして鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー。
細いメンマ2本に海苔、三つ葉、小口切りのネギが入ります。
最初スープを飲むと、ハマグリエキスをまとったオリーブオイル?も効き、上品な味ながらハマグリの旨味がじわりと感じられます。
ハマグリ感は殻つきのハマグリを食べるとMAXに。
ただし、ハマグリの旨味がガツンと来るというよりも、じわじわと漂ってくるといった方が正解でしょう。
麺はカネジン食品製。
「細麺」とされていますが、それよりも一回り太めの中麺といった方が適切。
店主に確認すると、切り刃18番。
加水率は製麺業者に任せているのでわからないというお答え。
食べてみると、ポクポクした固めの食感ながら、噛むとグニュッとした感触。
これも推測ですが、低加水麺ではなく、加水率35%くらいの中加水麺を固めに茹でているのではないでしょうか。
ローストポークは、以前のピンク鮮やかな薄切りから、より肉厚でピンク色もそれほど目立たないものに変わっています。
もちろん、旨味はたっぷり。
鶏ムネ肉の低温調理チャーシューは、しっとりとした仕上がりで柔らかく、ほのかな味付けも効いています。
コリコリとした食感の細めのメンマは薄味。
ここで、別皿の「特選トッピング」をスープに投入。
こちらもチャーシュー2種ですが、豚肩ロース肉のローストポークとす豚バラ肉チャーシュー。
ローストポークは、当初のものとは違いスープに浸かっていないので、加熱されることもなく、肉の旨味を堪能できます。
口の中でとろけるバラ肉チャーシューも上出来。
味玉は黄身の味付けといい、トロリとした食感といい、文句のない仕上がり。
しかし、食べているうちに「はまぐり塩」のウィークポイントも明らかに。
まず、オリーブオイルを垂らした殻つきハマグリを食べたときが、シェル感最大とするなら、それ以降スープを飲むごとに、シェル感が薄れ、ダシが薄味に変化。
そもそもハマグリメインで、分厚い貝の旨味を継続させることは難しいと言わざるを得ません。
そのために、シェルスープでも、鶏や煮干しなどとブレンドして、厚みを出しています。
ハマグリのピュアなダシのみでは旨味不足。
それに塩ダレそのものの旨み不足も重なって、後半はダシ感が薄れ、物足りなくなります。
上品に仕上がっていますが、その反面シェルスープとしてはダシが弱く、おとなし過ぎる感は否めません。
もう1つ気づいたのが、麺の太さ。
切り刃18番では、あっさりしたハマグリ塩スープに比べ、麺の存在感が大きすぎます。
できれば、もっと細めの(番手22番ぐらいの)中加水ストレート麺を合わせて欲しいところ。
シェル感の弱さが残念ですが、淡麗塩ラーメンとしてはうまくまとまった一杯。
それにしても、江刺でこれだけの洗練されたラーメンを提供して、店も繁盛。
確実に奥州市のラーメンシーンを変えつつある名店です。
次回は未食の「はまぐり醤油」を食べ、塩と比べてみたいですね。
濃厚な魚介豚骨味噌ラーメン
11月17日(金)
本日は14時から奥州市役所江刺総合支所で会議。
会議前に、8月初め以来久しぶりの「麺SAMURAI 桃太郎」を訪ねました。
東北新幹線の水沢江刺駅からタクシーを飛ばし、店には13時少し前に到着。
店内はさすがにランチタイムだけあって、込み合っています。
幸い4席のカウンター席に空きを1つ見つけ、着席。
とにかくメニューが豊富。
・奥州いわい鶏だし醤油(780円)
・奥州いわい鶏だし塩(780円)
・鶏だし手もみ中華(780円)
・ハマグリ醤油(850円)
・ハマグリ塩(850円)
・濃厚魚介豚骨醤油(780円)
・濃厚魚介豚骨塩(780円)
・濃厚煮干豚骨(780円)
・鶏白湯(780円)
・辛鶏白湯(780円)
・きびまぜそば(850円)
それ以外に、夜限定のつけ麺。
・鶏白湯つけ麺(850円)
・鶏白湯辛つけ麺(850円)
・濃厚魚介つけ麺(850円)
以上の他、丼メニューや別皿でトッピング増しの「特製」(+200円)など、至れり尽くせり。
いつもメニューの選択に悩みますが、「濃厚煮干豚骨」を注文しようとしたところ、壁の貼り紙が目に入ってきます。
「魚介豚骨味噌らーめん 850円(20食限定)」
「限定」や「20食限定」などの言葉に弱い私は、「濃厚煮干豚骨」から、あっさり限定の「魚介豚骨味噌らーめん」に変更。
ついでに、久し振りに「ローストポーク丼」を追加。
○限定「魚介豚骨味噌らーめん」(850円)。
到着した味噌ラーメンには、別皿で「辛味噌」が添えられます。
褐色のスープには油のほか、挽き肉とゴマが浮かび、濃厚そうなビジュアル。
モヤシがタップリ。
モヤシの上には糸唐辛子。
豚バラ肉の炙りチャーシューが2枚。
こちらも、チャーシューの上には、おろし生姜がトッピング。
小口切りの青ネギと細切りメンマが2本。
おそらく白味噌主体で赤味噌をブレンドしたであろう味噌ダレは、コクのある豚骨スープや挽き肉、ゴマなどに支えられ、なかなか濃厚。
しかし、スープがさらっとしていることもあって、見た目ほどくどくはありません。
味噌の風味が強いので、それにマスキングされ、スープの魚介味を全く感じることができなかったのは残念。
麺はカネジン食品製の黄色い多加水平打ちの中太縮れ麺。
弾力性やコシは少々欠けますが、プリプリした感触とモチモチ食感が、味噌スープと良く合います。
炙りチャーシューは香ばしさに加え、トロトロした柔らかさが特徴。
メンマは濃厚な味噌スープに埋もれていて、存在感がありません。
濃厚な味噌ラーメンは、どうしても途中で味が単調になりがちで、飽きが来る傾向があります。
そこで、おろし生姜を溶くと、スープが一気にさっぱりします。
さらに、別皿の辛味噌を少しずつ溶いていくと、辛味噌ラーメンに一変。
甘辛い辛味噌は結構な量。
これを全部入れてしまうと、私には辛すぎます。
結局「辛味噌」を3分1入れただけで、残りは辛さに耐えながらそのまま食べました。
それにしても、豚骨ベースの濃厚味噌ラーメンのスープを生姜でさっぱりさせ、辛味噌でスープのパンチ力を強化する仕掛けは見事。
強いていえば、味噌ダレが濃厚な割には「香り」が今一つな点。
そして、魚介風味が味噌味により目立だたなくなっている点。
この2点で改良の余地があるでしょう。
味噌のブレンドに手を加え、味噌の香りがもっとストレートに出るよう改良。
さらに魚介を増強して、味噌味の中から魚介風味が感じられるようになれば、さらに完成度の高い魚介豚骨味噌ラーメンになるでしょう。
○「ローストポーク丼」(350円)
昨年9月の移転オープン直後に食べて以来、およそ1年2ヶ月ぶりの「ローストポーク」丼。
アツアツのご飯にローストポークとざく切りのネギ、カイワレを乗せ、ゴマ油の入った醤油ダレで仕上げる丼。
美味しくないわけがありません。。
ただし、ローストポークが大きく変わっていました。
以前は薄くスライスしたピンクも鮮やかな大ぶりのローストポーク。
それが今回は厚めにスライスした小ぶりのローストポーク。
しかも、ピンク色が薄くなり、全体的に白っぽくなっています。
食感も以前よりやや硬めになり、脂身の割合も増えた感じ。
2回しか食べていない私的な感想なので、信憑性に欠けるかもしれません。
それでも、タレが変わっていないだけに、あの薄切りのピンクのローストポークが懐かしい!
煮干しの効いた冷やしラーメン。しかし、「冷えてない」!
8月8日(火)
のろのろした台風5号が東北に接近しつつある本日。
台風に向かうように、県南の奥州市役所江刺総合支所で開催の会議に参加。
13時30分から17時15分までのロングランの会議。
会議前の昼食を江刺総合支所に近い「麺SAMURAI桃太郎」。
会議終了後の夕食を一関の「虹ソラ」で食べる計画。
心配なのは、台風の接近による豪雨。
「麺SAMURAI桃太郎」訪問は、今年3月下旬以来。
4カ月あまりのご無沙汰。
店に12時前に到着。
店内は満席。
外待ちの行列(私も含め5人)も発生。
まず店内に入り、用紙に名前(複数の場合は代表者)と人数を記し、行列に戻ります。
すると、席が空き次第、ホール担当の女性スタッフが空席分の人数を店内に呼び入れます。
私も5分ほどの待ち時間で、カウンターの空席に誘導されます。
水はカウンター席横の給水器からセルフで入れます。
それ以降は、卓上の水差しから適宜注ぎます。
それにしても、店内が蒸し暑い!
クーラーが入ったと聞きましたが、全然効いていません。
代わりに、大型の扇風機が全開。
驚いたのは、4カ月の間にメニューが大幅に増加したこと。
改めて8月8日現在のメニューを確認しておきます。
昼のレギュラーメニューは以下のとおり。
「奥州いわいの鶏だしそば」(醤油、塩)(750円)
「豚骨らーめん」(醤油)(750円)
「煮干し豚骨らーめん」(醤油)(750円)
「はまぐりそば」(醤油、塩)(850円)
「鶏白湯そば」(塩)(750円)
「鶏だし手揉み中華そば」(醤油)(750円)
以上に加え、200円増しで、煮卵、チャーシュー、メンマ、海苔、ネギを別皿で提供する「特製」にすることができます。
以下の2種のつけ麺が「夜限定」で提供されます。
「鶏白湯つけ麺」(塩)(750円)
「魚介豚骨つけ麺」(醤油)(800円)
その他、以下の7種のメニューが限定、夏季限定等として加わわります。
「奥州いわいはまぐり塩SOBA」(800円)
限定「鶏白湯激辛らーめん」(800円)
限定「煮干しざるラーメン」(800円)
「冷風煮干しらーめん」(750円)
「煮干し醤油らーめん」(750円)
夏季限定「鶏白湯辛つけ麺」(850円)
「まぜそば」(800円)
夜限定、夏季限定、限定なども含め15種ものメニューに圧倒されます
今回は冷やしねらいなので、「冷風煮干しらーめん」を注文。
ちなみに、「麺SAMURAI桃太郎」は、いま首都圏でもっとも勢いのある「麺処 ほん田」(東十条)の系列。
直系ではなく、「ほん田」で修業した「麺処 いぐさ」(埼玉県伊奈町)で修業した店主が経営。
「ローストポーク」や「ざく切りの白ネギ」など「ほん田系」の影響が色濃く出ています。
○「冷風煮干しらーめん」(750円)
名称(「冷風」)こそ岩手ローカル色濃厚ですが、中身は冷やし煮干し醤油ラーメン。
茶濁したサラサラの煮干し醤油スープに、カネジン食品の低加水中細ストレート麺が盛り付けられています。
チャーシューは2種。
豚肩ロース肉のローストポーク。
もう1枚は、鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー。
ざく切りの白ネギと紫玉ネギに三つ葉。
それに、大きな海苔が1枚と細いメンマ3本。
面白いのは、とろろ芋のすりおろしがトッピングされていること。
とろろ芋の上に鰹の粉末がふりかけられています。
蒸し暑い店内だけに、ラーメンがキンキンに冷やしてあれば良いのですが、残念なことにスープがあまり冷えていない!
スープは冷たくはないものの、煮干しの旨味と適度な苦味がたっぷり。
冷やし煮干しラーメンは、概して煮干しの旨味や香りの出が今いち。
しかし、「冷風煮干しらーめん」では、雑味のない煮干しの旨味が凝縮。
煮干し味を強く出すため、あえてスープをキンキンに冷やしていないのでは?と考えたくなります。
食べ終えると、丼の底に煮干し粉が残ります。
煮干しでダシを抽出。
鶏を足してコクを出し、仕上げに煮干し粉を添加と推測しましたが、あくまでも推測でしかありません。
パッツンとした低加水麺が冷水でしめられ、コシと弾力が増加。
歯応えのある麺が、ニボ度の高いスープにぴったり。
豚肩ロース肉のローストポークは、筋が多く固めで噛みきりにくいのが残念。
鶏ムネ肉の低温調理チャーシューは、平均体な出来。
コリコリとした食感の細切りのメンマは、しっかりとした味付け。
途中でとろろ芋のすりおろしをスープに溶くと、煮干しの効いたスープがマイルドに激変。
味変が楽しめますが、逆に言えばニボ度がぐっと低下するため、煮干しラーメンとして物足りなくなる感は否めません。
麺量は140g程度と少なめ。
満腹感を得るためには、「替え玉」(150円)を追加するか、「ローストポーク丼」(350円)を頼むべきでしょう。
私は、夜の部の「虹ソラ」が控えてきるので、ラーメンのみとしました。
「麺SAMURAI桃太郎」の「冷風煮干しらーめん」は、「煮干しラーメン」としては十分評価できますが、「冷やし」となると、詰めの甘さが残念。
キンキンに冷えたスープで、この煮干しの旨味が出せれば、もっと高評価できるのですが。
それに、とろろ芋は味変用としては面白いものの、煮干し味がマイルドになるのは、どうでしょうか?
ともあれ、次回はもう一つの煮干し系の冷たい麺「煮干しざるラーメン」にチャレンジしてみましょう。
やはり鶏だしは美味かった!
3月28日(火)
前回(3月23日)、3月限定の「蛤×鶏塩ラーメン」を実食。
期待したものの、蛤のダシが弱く、鶏の旨味も十分出てるとはいいがたい。
1+1=2とは行かない出来に、やや厳しい評価を下しました。
それから5日後、今月3回目の奥州市役所出張。
ならば、今回は「はまぐり塩」を食べて、蛤ダシの出方を確認する予定。
ところが、店に着いた時点で、急に「鶏だしそば塩」が食べたくなり、あっさり変更。
○奥州いわいの鶏だしそば塩(750円)
ビジュアルは、鶏油の影響もあるのか、黄金色のスープ。
チャーシューは肩ロースのレアチャーシューが1枚。
もう1枚は豚バラ肉のトロトロチャーシュー。
ただし、レアチャーシューは割に厚めのカットで、脂肪が半分を占めています。
同店のレアチャーシューは、薄めのスライス。
加えて脂身がないか、あっても、ごくわずかなのが通例。
それを考えると、少し残念。
味付けは、胡椒がよく効いたスパイシーな味で、美味しいのですが。
豚バラ肉チャーシューも、以前の丁寧に炙ったチャーシューに比べると、今一つの出来。
スープには「ほん田系」らしくざく切りのネギが浮きます。
白髪ネギの合間には柚子皮のスライス。
その他、メンマ2本(薄味)と海苔、そして糸唐辛子が乗ります。
ゴールドに輝くスープを飲むと、鶏の香りがフワーっと漂います。
鶏が自己主張しないあっさりスープという先入感があったので、いきなりの鶏の到来は少し意外。
このまま鶏が強いとどうかと思った矢先、スープは塩ダレメインの繊細であっさりとした味が基調に。
さらに、終盤で柚子皮が効いて、
柚子の良い香りが塩ラーメンを包みま込みます。
柚子味を余韻に残し終焉する味の組み立ても見事。
カネジン食品製の低加水パツパツの中細ストレート麺も、鶏清湯スープによく合っています。
ほん田インスパイアの塩ラーメンといえばそれまでですが、あの名店サンドだって、「水鶏系」の元祖であるロックンロールワン(現「ロックンビリーS1」)インスパイアからスタート。
水沢市江刺で、これほどまでの洗練された塩ラーメンを食べることができる点自体、私にとって奇跡。
やはり、蛤と鶏のブレンドではなく、鶏なら「鶏だしそば(塩)」、貝ダシなら、「はまぐり塩」をチョイスするのが正解です。
最後に、
「奥州いわいの鶏だしそば塩」は、十分私的には味は4.0に値します。
しかし、2種のチャーシューの質が、昨年9月の移転オープン時に比し、若干落ちている感を拭えません(杞憂だと思いますが)。
そこで、少し厳しいですが、4.0から0.1マイナスの3.9評価とします。
3月限定「蛤×鶏塩ラーメン」
3月23日(木)
先週の15日も、奥州市役所江刺総合支所で会議。
ところが、水曜日のため、麺SAMURAI桃太郎は定休日。
本日は木曜なのでオープン。
会議前の昼食を麺SAMURAI桃太郎、会議後の夕食を一関の虹ソラという岩手県南ラーメン黄金ルートをまわることができます。
○3月限定「蛤×鶏塩ラーメン」(800円)
麺SAMURAI桃太郎のメニューには、「奥州いわいの鶏だし塩」(750円)、「はまぐり塩」(850円)があります。
実は過去レビューで、「はまぐり塩」について、「鶏ベースのスープに蛤のダシを合わせた」と書きました。
しかし、この説明は、まさに今回の「蛤×鶏ラーメン」に該当。
となると、「奥州いわいの鶏だし塩」は、奥州いわいどりのダシ。
「はまぐり塩」は貝ダシ主体ということになります。
名称からも当たり前の話ですが、なるほど、「奥州いわいの鶏だし塩」が750円、「蛤×鶏塩ラーメン」が800円、「はまぐり塩」が850円。
やはり、蛤をふんだんに使っているだけに、「はまぐり塩」
が一番原価がかかっているのですね。
「鶏だし塩」は、繊細な鶏ダシのスープに柚子がほんのり香りをつけます。
「はまぐり塩」は、貝殻付きの蛤をたっぷりトッピング。
蛤ダシとあいまって、蛤の旨味がガツンと来ます。
両者ともラーメンとして高い完成度を誇るなか、果たして蛤と奥州いわいどりのWスープが、塩ラーメンとして、前2者に匹敵する完成度を実現できるかどうか?
12時45分に店に到着。
店に入ると、以前4つ並んでいた額のうち、「麺処 ほん田」「麺屋こうじ」の額が外されています。
今ある2つは、麺SAMURAI桃太郎と兄弟店である「麺処 いぐさ」(埼玉県伊奈町)の額のみ。
店内は5割程度の入り。
カウンター席の右端に案内され、ラーメンの到着を待ちます。
やがて運ばれた「蛤×鶏塩ラーメン」。
麺処 ほん田と同じ青い唐草模様の丼に入っています。
塩ラーメンらしく透明感のあるスープ。
トッピングは、鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー2枚。
メンマ2本に、殻付きの蛤2つ。
スープには、ザク切りのネギが浮かび、三つ葉と海苔が添付。
ここで気づくのは、「奥州いわいの鶏だし塩」「はまぐり塩」には入っていたローストポークが入っていないこと。
麺SAMURAI桃太郎をはじめ、ほん田系の代名詞だけに、ないと喪失感があります。
スープをいただくと、やはり予想していたというか、蛤ダシを削減し、殻付きの蛤も2つとあって、蛤の旨味があまり感じられません。
では鶏が効いているかといえば、そもそも「鶏だし塩」自体、繊細な味なので、蛤と組み合わせても、さほど存在感を発揮しません。
その代わり、しょっぱさが目立ちます。
旨味も感じるのですが、蛤と鶏の旨味がシームレスに融合したというよりも、やや人工的な感じ。
カネジン食品製の中細ストレート麺は、かための茹であがりでパツパツした食感。
鶏のムネ肉チャーシューが予想以上にかためだったのは意外。
メンマの味付けは薄め。
総じて、蛤ダシと鶏ダシとのブレンドがまだ十分な完成度にまでいたってなく、その分、塩ダレが多目になっているのではないか?と、勝手に想像してしまいます。
ローストポークのトッピングもありませんので、やはり注文するなら、ピュアな「奥州いわいの鶏だし塩」か「はまぐり塩」をチョイスした方が、満足度が高いでしょう。
以上の理由で、今回の「蛤×鶏塩ラーメン」に限り、評価を3.7に落とします。
3月28日(火)午後にも奥州市役所(水沢)で会議がありますので、次回は「はまぐり塩」を頼むつもり。
背脂浮かぶコクある醤油そば
1月30日(月)
久々に奥州市役所で会議。
これ幸いと、会議の前後に県南の名店2店を訪問。
まずは「麺SAMURAI桃太郎」(奥州市江刺)から。
○鶏だし手揉み中華そば(750円)
昨年12月以来1か月ぶり。
もともと「居酒屋桃太郎」を経営していたご主人が、「麺処 ほん田」出身の「麺処 いぐさ」(埼玉県伊奈町)で修業。
昨年2月、居酒屋のランチメニューとして、「麺SAMURAI桃太郎」名義で、ほん田系の洗練されたラーメンを提供開始。
これが評判を呼び、昨年9月には元洋食店の店舗を買い取り、ラーメン専門店として、リニューアルオープン。
2月6日に開店1周年記念イベントを予定。
当日限定メニューが提供されるとのこと。
新幹線、タクシーを乗り継いで、江刺杉の町「薬王堂」裏の店に、13時到着。
平日の昼過ぎ。
おまけに悪天候にもかかわらず、店内はほぼ満席。
店に入ると、入口に「麺処 ほん田」「麺SAMURAI桃太郎」「麺処 いぐさ」「麺屋 こうじ」の額が並んでいます。
この4つの額が、店の背景や系譜を物語っています(詳細は過去ログを参照)。
今回は昨年12月登場の新メニュー(五種煮干しそば、鶏だし手揉み中華そば)のうち、前回見送った後者を注文。
厨房では、店主と奥様がラーメンやサイドメニューを調理。
配膳担当の女性スタッフを含め3人体制。
前回と変わったのは、ウォーターサーバーの導入。
水がセルフサービスとなった点。
「鶏だし手揉み中華そば」が到着。
改めて写真を比べると、兄弟店?である麺処 いぐさの丼と同じですね。
ラーメンの見た目はちょっと意外。
「奥州いわいの鶏だし醤油」と麺が違うだけで、スープや具は同じと勝手に勘違いしていました。
ちなみに、「奥州いわいの鶏だし」は、中細ストレート麺で、醤油と塩があります。
これに対し、「鶏だし手揉み」は醤油のみ。
「鶏だし手揉み」は濁った醤油スープ。
スープには鶏油と背脂がたっぷり。
ほん田系の代名詞であるザク切りのネギが大量に浮いています。
さらに驚いたのはチャーシュー。
丼の中央には肉厚の煮豚バラ肉がドーンと鎮座。
しかし、これもほん田系の代名詞である豚肩ロース肉のレアチャーシュー(ローストポーク)がない!
少し損をした感じ?
特製かローストポーク丼を頼めば良かったと少し後悔。
でも会議後には一関の「虹ソラ」が待っているので、無理はできません。
その他の具は、メンマ2本、ホウレン草、カイワレ、海苔。
奥州いわい鶏からとったスープに、岡直三郎商店の日本一しょうゆ(生揚げ醤油)と岩手県産の生醤油数種をブレンドした醤油ダレ。
ここまでは「奥州いわいの鶏だし醤油」と同じ。
違うのは、鶏油に加え大量の背脂が入っていること。
鶏の風味も漂いますが、それ以上に目立っているのがキレのある醤油味。
さらに、やや強めの醤油ダレに甘味のある背脂がうまく絡み、独特のコクを出すことに成功。
このコクは、同じ醤油でも、「鶏だし手揉み」ならではのもの。
麺に応じて、醤油スープに一手間を加えるところに、店主のセンスを感じます。
そして、スープやタレとともに主人公である中太麺を手揉みしたプリプリの手揉み麺。
カネジン食品製の麺は、硬めの茹で上がり。
歯ごたえ十分で、麺の旨みを実感できます。
手揉み麺と背脂たっぷりのストロングな醤油スープとの相性もピッタリ。
醤油ダレで煮込んだ煮豚バラも食べごたえがあります。
メンマにもしっかり味付けがされています。
麺SAMURAI桃太郎の客は細麺を好むのか、メニュー中では地味な存在の「鶏だし手揉み」。
しかし、敢えて注文する価値十分ありと判断。
強いていえば、もう少しスープに鶏の存在感が欲しいところ。
そして、50円アップして800円でもいいからローストポークを付けて欲しい(これについては、異論があるかも)。
五種煮干しラーメン!
2016年12月23日(金・祝)
今週は仕事と忘年会に追われ、月曜以降3日間ラーメンを未食。
昨晩も、「今日から」で開いた忘年会で、不覚にもラーメンを食べ損ねました。
そこで、3連休初日の23日、悪天候を押して、江刺の麺SAMURAI桃太郎へ。
前回は10月ですから、約2ヶ月ぶりです。
驚いたのは、この間メニューがさらに増えたこと。
整理しておきましょう(2016年12月23日現在)。
(昼の部・夜の部共通)
・奥州いわいの鶏だしそば(醤油・塩)750円
・豚骨らーめん(醤油・塩)750円
・煮干し豚骨らーめん(醤油)750円
・はまぐりそば(醤油・塩)850円
・五種煮干しラーメン(醤油)700円
・鶏白湯そば(塩)750円
・鶏だし手揉み中華そば(醤油)750円
(夜の部限定)
・鶏白湯つけ麺(塩)750円(麺250g)
麺300g→800円、麺350g→850円
・魚介豚骨つけ麺(醤油)800円(麺250g)
麺300g→850円、麺400g→900円
いずれについても、煮卵、チャーシュー2種、メンマ、海苔、ネギなどが別皿で提供される「特製」が200円増しです。
上記のメニュー中、前回(10月)なかったのが、「五種煮干しラーメン」と「鶏だし手揉み中華そば」。
手揉み中太麺も捨てがたかったのですが、今回は「五種煮干しラーメン」特製をチョイス。
連休初日の13時過ぎでしたので、店内待ちも覚悟しましたが、店は7割程度の入り。
しかし、満員にはなりませんが、絶えずお客さんが出入りします。
カウンターで待つこと約15分。
ちょうど私の前に何人かまとまって入店したので、予想以上に時間がかかりました。
名物「レモン水」(?)を飲みながら待っていると、待望の「五種煮干しラーメン」特製が到着。
今回も「ローストポーク丼」(350円)を注文。
○五種煮干しラーメン特製(900円)
五種煮干しラーメンは、ネギだけがトッピングされた「かけラーメン」状態で提供。
その他のトッピング(豚バラ肉チャーシュー、ローストポーク、メンマ、海苔、ネギ等)は別皿提供となります。
これに加え、煮卵が加わったのみで、その他はほぼ同じ内容の特製の別皿が運ばれます。
要するに、五種煮干しラーメンの場合、特製にすると煮卵以外のトッピングがダブルになります。
さすがに、これは多すぎますので、五種を注文するときは、煮卵トッピング(100円)のみで良いでしょう。
別皿以外に、醤油ダレとふりかけが、それぞれ別の小さい器で提供。
お好みで加えてくださいとのこと。
5種類の煮干しをブレンドしたスープは、セメント系に似ていますが、もう少し薄い感じのビジュアル。
ドロドロした粘度のあるスープというより、さらっとしたスープ。
煮干しの旨みや香りが凝縮していますが、苦味やエグみは全く感じません。
ただし、純粋に煮干しだけからとったスープなのか、それとも動物系がベースにあるのか判断に迷いました。
私は後者(動物系+煮干し)だと感じたのですが、間違っているかも知れません。
麺は中細ストレート低加水のパツパツ系。
個人的には、煮干しそばとしては、かけラーメンで十分満足。
そのままだと、どんどん食べ進んでしまいますので、慌てて、別皿トッピングを投入。
特製を頼んでしまったので、さらにもう1組トッピングが残っています。
さて、お好みで加えてくださいという「醤油ダレ」と「ふりかけ」。
醤油ダレは醤油のエキスのような濃厚なタレ。
ふりかけは、鰹の削り節に味付けをしたもの。
「味道楽」を思わせる味です。
「醤油ダレ」と「ふりかけ」を入れるタイミングと適正な投入量は難しいですね。
スープが減った中で、醤油ダレを入れすぎると、せっかくの煮干し味が消えてしまい、濃い醤油味に変化。
ふりかけを入れすぎても、今度は鰹節の味が煮干し味に勝ってしまいます。
結論的には、たしかに醤油ダレとふりかけをお好みで加え、味変を楽しむという発想は面白いと思います。
しかし、煮干しスープの完成度が高いので、下手をすると、煮干し味を損ないかねない「醤油ダレ」「ふりかけ」は不要ではないかと思います。
あるいは、「醤油ダレ」「ふりかけ」の器をもっと小さくするか、器をそのままにするなら、入れる量を少なくすべきでしょう。
おそらく、ほとんどの方が「醤油ダレ」「ふりかけ」を全量加えないと思います(私は勿体無いので全部入れてしまいましたが)。
そうなると、タレやふりかけが残ってしまいます。
さらに、何度も書いて恐縮ですが、五種の煮干しラーメンの場合、デフォでトッピングを別皿にするのであれば、「特製」は「なし」とすべきではないでしょうか。
以上、注文をつけすぎてしまいましたが、煮干しラーメン自体はセメント系煮干しの良さを生かしながら、スープをすっきりさせ、煮干しの旨みと香りのみを楽しめる万人受けする味です。
それにしても、短期間でこれだけのバラエティのあるメニューを、十分な完成度をもって揃えてしまった店主の力量には驚くばかり。
岩手県のラーメンレベルをはるかに超え、都内の有名店や話題の新店に匹敵するレベルに到達しています。
あとは、今回の「五種の煮干しラーメン」で感じたトッピングや調味料等の提供方法の改善、そして無化調への挑戦でしょうか。
後者は、化調がデフォの「ほん田系」だけに難しい(あるいは無化調は「想定外」)でしょうが、もう1段ステップアップするためにも、チャレンジしてほしいものです。
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2016年10月21日(金)
奥州市で開催の会議をはさみ、昼と夜、江刺の麺SAMURAI桃太郎で新作の鶏白湯を食べてみました。
岩手のラーメン店で提供される鶏白湯ラーメンの多くは、食べやすくするため、野菜などをブレンドして、あっさりと仕上げています。
しかし鶏白湯の醍醐味は、鶏の旨みとクセの両方を溶かし込んだドロドロした濃厚なスープにこそあります。
そんな濃厚鶏白湯を待望する私にとって、今週から提供開始の「鶏白湯塩そば」と夜限定の「鶏白湯つけ麺」には期待するところ大。
早速実食レポート。
10月21日(金)、会議に先立ち、1ヶ月ぶりに江刺杉ノ町の麺SAMURAI桃太郎へ。
平日の13時頃でしたが、店内は男性客4~5人程度。
早速、新作の「鶏白湯塩そば」の特製(950円)を注文。
○鶏白湯塩そば(特製:950円)
まもなく提供された鶏白湯塩そばは、見事に白濁したいかにも濃厚そうな鶏白湯スープ。
具は、ローストポーク2枚とメンマ2本、それにネギと青菜、カイワレ。
焦がしニンニクのトッピングが特徴的。
スープを一口飲むと、これが豚骨スープと間違えるほどの濃厚さ。
というよりも、メニュー書きそのもので、「濃厚クリーミー」なスープ。
鶏の旨みが凝縮されたスープですが、その反面、鶏独特のクセはあまり強く出ておらず、塩味で比較的マイルドに仕上げています。
麺は、おそらくカネジン食品製と思われるパツパツの中細ストレート麺。
濃厚な鶏白湯スープとパツパツの麺との相性は最適。
途中で焦がしニンニクをスープに溶かすと、やや単調になった鶏白湯が一変。
芳ばしいニンニクの風味が食欲をそそります。
その後、別皿のチャーシュー2枚(ローストポークと豚バラ)、メンマ3本、煮卵、ネギとカイワレ、三つ葉をスープに投入。
夜の食事を考え、ミニ丼は控えました。
鶏白湯スープには、やはり醬油ダレではなく、塩ダレがマッチします。
○鶏白湯つけ麺(麺量300g:800円)
昼の部の「鶏白湯塩そば」は、濃厚な割には鶏のクセがさほど強くなく、比較的マイルドなスープでした。
ただし、どうせ鶏白湯を食べるなら、鶏の旨みとクセが全面的に出たもっとストロングなスープを飲みたいもの。
そうなると、当然ラーメンよりも濃厚なつけ麺に食指が動きます。
そこで、会議終了後の19時15分頃、夜の部を訪問。
13時頃はそれほど込んでいませんでしたが、金曜夜のせいか、店内は若い客で一杯。
ちなみに、鶏白湯つけ麺の値段は、麺量250gが750円、300gが800円、350gが850円。
トッピングが別皿で提供される「特製」は200円増しです。
夜の部限定のつけ麺はもう1種類。
「魚介豚骨つけ麺」があります。
こちらは、麺量250gが800円、300gが850円、400gが900円。
特製は200円増し。
今回は特製はやめにして、鶏白湯つけ麺の麺量300gを注文。
到着したつけ麺は、麺と具、つけ汁、割りスープの入ったポットの3点セット。
つけ汁は、昼のラーメンよりもさらに濃厚な鶏白湯スープ。
玉ねぎと焦がしニンニクがトッピング。
つけ汁の中には、小さくカットした豚バラチャーシュー2枚が潜んでいます。
麺の盛られた皿には、ローストポーク2枚がトッピング。
メンマ2本にカイワレ。
そして煮卵が丸々1個。
ピンクのローストポークの上には緑のカイワレが乗り、見た目も美しい。
さらに、レモンが添えられています。
麺はさすがにつけ麺用だけあって、中太ストレートのモチモチしたコシのある麺。
つけ汁は一口飲んだだけでも、昼の塩そばよりもはるかに濃い塩味の鶏白湯スープ。
鶏のクセが抑えられ、マイルドに仕上げられた塩そばのスープよりも、はるかにストロング。
鶏の旨みだけでなく、クセも一緒に溶け出したコラーゲンたっぷりのトロトロスープ。
麺と良く絡むのは良いのですが、食べているうちに口の周りがベトベトになります。
あえて難点をいえば、つけ汁がやや塩分過剰気味なこと。
鶏白湯に少し飽きた頃、レモンをつけ汁に搾ります。
そうすると、あら不思議。
濃厚なスープが一瞬にして清涼感のあるスープに一変。
麺を食べ終えたら、割りスープを投入します。
割りスープは煮干しダシの和風味
これが鶏白湯の濃厚さをうまく中和し、最後までスープを飲み干すことができます。
感想として、短期間にここまで完成度の高い本格的な鶏白湯塩そばとつけ麺を完成させた店主のセンスに脱帽。
鶏白湯初心者の方には、濃厚ながら比較的マイルドに仕上げた鶏白湯塩そばを推奨。
それでも、盛岡をはじめ岩手県内で提供されている鶏白湯ラーメンよりも濃厚なスープです。
鶏のクセも含め、旨みを丸ごと実感したいという鶏白湯中・上級者には、つけ麺がオススメ。
これまで、県内の粘度の低いサラサラのあっさり鶏白湯スープを飲んで、「こんなの鶏白湯じゃない!」と嘆いていた私にとって、本日は本格鶏白湯との嬉しい出会いの日でした。
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2016年9月1日、奥州市江刺区杉ノ町にラーメン専門店「麺SAMURAI桃太郎」がオープン。
オープン直後からテレビで紹介されたり、最新刊の『いわて最強飯』(EJポケットBOOK)では、表紙に写真が掲載されるなど、一躍岩手県のラーメンファンの注目を集める存在に!
実は、現在の場所から少し離れた江刺区南大通りで営業していた「居酒屋桃太郎」の店主が、埼玉県伊奈町の「麺処いぐさ」で修業の末、今年2月から居酒屋のランチメニューとしてラーメンの提供を開始。
麺処いぐさの店主は、麺屋こうじグループに属する名店「麺処ほん田」(東十条)で修業した上、本店、東京ラーメンストリート店(閉店)、「麺処ほん田niji」(大宮市)などでの勤務経験があります。
その結果、居酒屋桃太郎が昼だけ「麺SAMURAI桃太郎」と名を変え、提供した始めたラーメンは、ほん田のDNAを色濃く反映したものとなりました。
私も、江刺でほん田系の洗練されたラーメンが提供されている事実に驚き、「居酒屋桃太郎」の頁に投稿したことがありました。
今回、居酒屋でひっそりと(?)ランチメニューで提供した形態を、場所を変えて、ラーメン専門店として昼・夜営業に転換。
さらに、居酒屋桃太郎はこれまでどおり、居酒屋として夜18時からの営業を継続することになりました。
居酒屋桃太郎が「居酒屋」として継続している以上、9月1日オープンの「麺SAMURAI桃太郎」は、居酒屋桃太郎の2号店であり、全くの新店と位置づけた方が分かりやすいでしょう。
以上前置きが長くなりましたが、9月のシルバーウィークに2回訪問しました。
盛岡から新幹線+タクシーを使って、念願の店に最初に到着したのが、9月17日(土)。
新幹線・水沢江刺駅からタクシーに乗り、江刺区杉ノ町の薬王堂で下車。
道の反対側にはマックスバリュー江刺店があります。
到着したのが、13時少し前。
薬王堂の裏に回ると、すぐに可愛い三角屋根が2つ並んだ一軒家の「麺SAMURAI桃太郎」が出現。
ここは、以前欧風家庭料理「POT-AU-FEU」(ポ・ト・フ)があったところです。
同店の店舗をそのまま使っています。
ただし、内装は大幅に変えています。
店の入り口には「MEN SAMURAI MOMOTARO 営業時間11:00~15:00、17:00~20:00」と書かれたおしゃれな看板。
それに主要メニューが写真つきで掲載されているボードがあります。
店に入ると、すぐ右手に「麺屋こうじ」の大きな額縁が。
店内は入って右手が厨房。
左手が客席ですが、カウンターは4席。
これに対し、2人掛けの可動式テーブル席が計8つ。
20人収容となっています。
面白いのは、2人掛けのテーブル席をくっつけて、4人連れやそれ以上のお客に対応できる点です。
さすがに3連休初日の昼とあって満席。
と思いきや、幸いカウンターの一番左の席が空いていました。
それ以降も続々と家族連れ、カップルなどが訪問。
店の壁も純白にコーティングされ、おしゃれなラーメン店の雰囲気が充満。
居酒屋桃太郎当時の昼でも薄暗い雰囲気とは一変。
客の会話を聞いていると、9月1日以降になって初めて訪れた方が多いのに驚きました。
ラーメン専門店の2号店をオープン。しかも昼と夜にも営業。
さらに分かりやすい場所に、おしゃれな外観と内装の店。
ということで、家族連れやカップル、女性1人など気軽に訪れる店にした店主の戦略が大成功。
厨房では店主が調理に専念。
17日は女性の助手さん2名が厨房補助と注文取りや配膳、会計などを担当。
22日は店主以外に、男性と女性の助手さん2名が上記のサポートを分担。
さてメニューですが、居酒屋桃太郎当時を継承しながらも、新メニュー、名称の変更、廃止メニューなどもありますので、改めて整理しておきましょう。
基本は、奥州いわい鶏の鶏ガラを使った淡麗系、それに豚骨ベースの濃厚系の2つのメニュー群からなります。
こうしたメニュー構成は、ほん田の構成をおおむね踏襲しています。
具体的に述べると、
・奥州いわいの鶏だし(醤油・塩)(細麺)750円
・はまぐり(醤油・塩)(細麺)850円
以上が淡麗系メニュー。
新メニューの「はまぐり」は奥州いわい鶏のガラにハマグリのダシを加えたものです。
濃厚系メニューは、
・豚骨(醤油・塩)(細麺・中太麺)750円
・煮干し豚骨(醤油)(細麺・中太麺)750円
上記の4メニューのそれぞれについて、別皿でトッピング(煮卵、ローストポーク、バラ肉チャーシュー、メンマ、玉ねぎなどが増量)がつく「特製」が200円プラスとなります。
追加トッピングを別皿にするのも、ほん田風。
その他、チャーシュー丼(豚バラ)、ローストポーク丼がそれぞれ350円のほか、ビールやハイボール、コーラ、ジンジャエール、オレンジジュースなどドリンク類も豊富です。
○はまぐり(塩)(特製:1,050円)+ローストポーク丼(350円)
店は券売機は使わず、着席すると、助手さんが水を提供してくれながら、注文を聞きに来ます。
テーブルの水差しにはレモンの切り身が入り、レモン水になっているのも心憎いですね。
新規開店後最初ということで、淡麗系新メニューの「はまぐり(塩)(特製)」とローストポーク丼を注文。
店がほぼ満席の上、基本的には店主1人で調理しているので、昼時などは提供まで少々時間がかかることを覚悟すべきでしょう。
ちなみに、「麺屋こうじグループ」「ほん田系」と本店との関係を整理しておきましょう(ラーメンマニア以外は飛ばしてください)。
茨城大勝軒(旧・佐貫大勝軒)を総本山とする「麺屋こうじグループ」には、「中華蕎麦 とみ田」(松戸市)、「麺屋一燈」(新小岩)、「つけ麺 道」(亀有)、「麺屋 翔」(西新宿)などの有名店が加盟。
こうじグループ加盟店のうち、超有名店の一つが2008年、東十条にオープンした「麺処 ほん田」。
ほん田で修業した方が近年次々に独立。ほん田のDNAを継承しながら、独自性も加味したラーメン店を開業。各地で話題店になっています。
「麺処 篠はら」(要町)、「麺処 有彩」(西川口)、そして麺SAMURAI桃太郎の師匠筋(あるいは兄貴分)にあたる「麺処 いぐさ」(伊奈町)など。
これらのほん田系の各店は「麺屋こうじグループ」の加盟店ではありませんが、開店にあたり「こうじグループ」のコンサルティングを受けています。
麺SAMURAI桃太郎に「こうじグループ」の額が大きく掲示してあるのも、こうした背景のもとです。
つまり、麺屋こうじグループ→麺処ほん田→麺処いぐさ→麺SAMURAI桃太郎という系譜。
さて、「はまぐり(塩)」の特製が、別皿にトッピングを乗せて到着。
本体は透明感のある塩スープにパツパツした中細ストレート麺(麺処いぐさとの共同開発麺といいますが、製麺所はどこでしょうか?心の味食品か、カネジン食品か?)。
具は、殻つきのはまぐり3つに、ほん田系の象徴ともいうべきピンクのローストポーク(豚肩ロースのレアチャーシュー)が2枚、メンマが2本。
あとは三つ葉と海苔、それに(これもほん田系らしい)長ネギの皮を細切りにしたものがスープに浮いています。
「奥州いわいの鶏だし(塩)」は塩ダレがかなりあっさりしていて、トッピングされた柚子の香りで食べる感がありました。
これに比べると、鶏だしにはまぐりだしをブレンドした「はまぐり(塩)」は、はまぐりのだしがうまく旨みを増幅していて、貝だしの醍醐味を味わうことができます。
「はまぐり(醤油)」はまだ食べていませんが、はまぐりの旨みをより感じたい方には塩の方がオススメ。
それに何といっても、ほん田系の代名詞であるピンク色のローストポークが出色。
居酒屋当時はスープにつけていると、色が変色しましたが、今回はあまり変色もせず、さっぱりしたなかにもこくのある肉の旨みが持続します。
さて、トッピングの盛られた別皿。
内容は、ローストポーク、チャーシュー(豚バラ肉)が各1枚。
メンマが3本。
煮卵。
それに三つ葉と玉ねぎのみじん切りです。
本体の具が残り少なくなった頃に、別皿のトッピングを投入。
最後に待望の「ローストポーク丼」。
ご飯の上にローストポークがたっぷり乗せられ、ネギの皮のみじん切りをふりかけた後に、ゴマ油をたらしたシンプルなメニューですが、ローストポークのおいしさを堪能できます。
○煮干し豚骨(中太麺+特製:950円)+ローストポーク丼(350円)
物好きにも、9月22日(木・祝)に、新幹線とタクシーを奮発して再訪。
訪れた時間も前回と同様の13時前。
今回も祝日の昼のせいか、相変わらず店は満員。
またしても、幸いにもカウンター席の一番左に座ることができました。
前回は淡麗系の「はまぐり(塩)」を頼んだので、今回は濃厚系の「煮干し豚骨」を特製で。
煮干しなら、細麺にすべきでしょうが、あえて中太麺を注文。
加えてローストポーク丼も。
22日はかなり待たされ、15分程度待ったあとに、ようやくトッピングが別皿の「煮干し豚骨(中太麺)」が提供されました。
本体のトッピングは基本、淡麗系と大きく変わるものではありませんが、チャーシューが2種類(豚バラとローストポーク)。
海苔に魚粉が添えられている点、そして紫玉ねぎがトッピングされている点が異なりますね。
別皿トッピングは前回と同じ構成。
煮干し豚骨というと、いかにもドロドロとして濃厚かつビターな味わいかと想像していましたが、現物は全く違いました。
たしかに、煮干しの味は感じられますが、それほど強いものではありません。
当然、煮干しの苦味やエグミも全くありません。
スープも清湯系でさらっとしています。
醤油の色と味も薄めで、豚骨ベースのあっさりしたスープに煮干の旨みと薄口(?)の醤油の香りがプラスされた「淡麗系煮干しラーメン」といっても言いすぎではありません。
ただし、煮干しのみを使い、醤油味のコクをもっと出したサンドや南部屋路ばた上太田店などの「淡麗系煮干しラーメン」とも味わいが違っています。
たとえが適切ではないかも知れませんが、今年1月に盛岡にオープンした「極だしラーメン和(KAZU)」の「淡麗煮干し中華」に、スープの味が微妙に似ています(もちろん、ゴマは入っていませんし、チャーシューも全く違います)。
私としては、豚骨をベースにするなら、もう少し濃厚で煮干しがガツンと来る味の方が好きなのですが・・・
中太麺はもっちりとしていて、コシがある良質の麺。
総じていうと、麺SAMURAI桃太郎の場合、いまのところ、豚骨系メニューよりも、鶏ガラ(+はまぐり)系のメニューの方が出来がいいですね(主観)。
最後に、22日のミニ丼「ローストポーク丼」には残念な点がありました。
19日の出来は完璧でしたが、今回はご飯の炊き加減が柔らかすぎたのと、ご飯の量が多すぎ。
それにタレが少なすぎでした。
9月1日にオープンしてから、土日は昼に客が押し寄せ、とくにシルバーウィークは3連休などもあり、これまで居酒屋のランチタイムメニューでひっそりとマイペースで仕事をしていた店主には勝手が違うのかも知れません。
疲れがあったのでしょう。
今後は、居酒屋当時のメニューにはあったものの、消えてしまった「豚骨まぜそば」の復活、つけ麺の提供、さらに化調デフォのほん田系ながら無化調に挑戦している「麺処 篠はら」同様、無化調スープへの挑戦など、是非期待したいものです。
一ノ関の「虹ソラ」とともに、県南のラーメンレベルをさらに向上させる名店へと発展することを期待しています。
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hidey803164
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店名 |
SAMURAI 桃太郎(【旧店名】麺SAMURAI 桃太郎)
|
---|---|
ジャンル | ラーメン |
お問い合わせ |
不明の為情報お待ちしております |
予約可否 |
予約不可 |
住所 | |
交通手段 |
東北新幹線水沢江刺駅よりタクシー7分 |
営業時間 |
|
予算(口コミ集計) |
~¥999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
20席 (カウンター4席、テーブル16席) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 10台 |
空間・設備 | カウンター席あり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
お子様連れ |
子供可 |
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
2016年9月1日 |
お店のPR |
麺、スープ、トッピング全てにこだわり1杯1杯魂込めて作っています。
地元岩手奥州の(いわい鶏)を使用した鶏出汁スープ。関東の人気店「麺処いぐさ」の店主と共同開発した麺を使用しており、低温調理の肩ロースレアチャーシューもオススメ! |
初投稿者 | |
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3月17日(火)
今日は13時30分から16時まで、奥州市役所江刺総合支所で会議。
久々の岩手県南なので、この機会を利用して、会議前に奥州市江刺杉ノ町の「麺SAMURAI 桃太郎」、会議後には一関市三関の「虹ソラ」という県南の名店2店を制覇する目論見。
盛岡から3か月ぶりの特北新幹線で水沢江刺12時40分着。
タクシーで江刺の中心部・杉ノ町のドラッグストア(薬王堂)に直行(タクシー代1940円)。
ドラッグストアの裏が洋食店の店内を改装した「桃太郎」。
12時50分着。
洒落た建物の扉を開けると、店内は満席で、待ちスペースも一杯。
いつの間にか券売機が導入されていて、食券を買ったあと、ノートに名前と人数を書いてから並ぶ仕組み。
現在、自家製麺は細麺のみで、「奥州いわいの鶏だし醤油・塩」「はまぐり醤油・塩」のみとの情報。
ちなみに、それ以外の麺はカネジン食品製という。
そこで、もっともベーシックな「奥州いわいの鶏だし 」とし、「塩」はこれまで何度も食べていたので、初めての「醤油」にチャレンジ。
○「奥州いわいの鶏だし 醤油」(780円)
券売機には同店の豊富なメニューを反映。
たくさんのボタンが並び、最初は戸惑いますが、「奥州いわいの鶏だし」「はまぐり」「鶏白湯」「ご飯類」など、それぞれが色分けされているので、すぐに目的のメニューのボタンにたどり着けます。
まずは「鶏だし 醤油」の食券を購入。
ノートに名前と人数を書き、入口近くの待ち椅子に座ります。
カウンター席横のウォータークーラー隣にも待ち椅子があり、私は6番目。
厨房は以前と同じく、入口から入って右横の奥に細長い構造。
スタッフの数が増え、5~6人はいる模様。
ただし、麺の茹で上げなどもっとも大事な作業は店主がこなしています。
店主が厨房の奥で作業をすることが多いので、なかなか声をかけられないのが残念。
途中で入口横からウォータークーラー横の待ち椅子に移動。
まもなくカウンター席に案内されます。
この時点でスタッフに食券を渡します。
店内はカウンター席4席のみ。
あとは2人掛けのテーブル席がメインで、一番奥のテーブルだけが3人掛け。
カウンター席に座ったのが13時05分。
待ち椅子に座ってから約15分。
会議は13時30分からなので、少し焦ってきます。
「桃太郎」から江刺総合支所までは徒歩約10分。
トイレタイムなどを考慮すると、食事時間は正味5分!
男性スタッフが「奥州いわいの鶏だし 醤油」を運んできたのが13時10分。
一刻の余裕もないので、写真に収めたあと、すぐに実食。
紺の唐草模様の丼に、やや薄め琥珀色の澄んだスープ。
スープには鶏油とザク切りのネギが浮かびます。
具は、豚肩ロース肉の低温調理チャーシューが1枚。
奥州いわい鶏のムネ肉低温調理チャーシューが1枚。
海苔が1枚、細切りのメンマが2本添えられ、カイワレと小松菜が乗ります。
ビジュアル的には「麺処 ほん田」(東十条)の「中華蕎麦 醤油」と酷似。
丼の唐草模様まで、「ほん田」を踏襲。
ただし、鶏ガラと節類とのバランス型スープに多種類の醤油をプレンドする「ほん田」に対し、「桃太郎」は、いわい鶏から丁寧に抽出したスープがメイン。
それに岡直三郎商店の「日本一しょうゆ」(生揚げ醤油)と佐々長醸造の濃口の「生醤油」をベースに、数種類の醤油をブレンド。
ただし、「鶏と水」だけからとったスープがてはなく、干し椎茸などの旨味を加えています。
スープを飲むと、オイル感は少ないものの、鶏の旨味がふわっと広がります。
それに比し、ビジュアルどおり醤油ダレはやや甘めで控えめ。
むしろ、ふくよかな鶏の旨味を引き立てる役割。
醤油のキレやコク、香りなど醤油自体の旨味を鶏ダシがむしろ引き立てる「らあめん サンド」(盛岡市西青山)などのロックン系の「鶏そば」とは、かなり違った印象。
それでいて、鶏ダシが強すぎるというわけではなく、トータルとしては醤油感がやや薄めで甘めのクリアな鶏ダシメインのスープを干し椎茸などの食材が補完している感。
そして今回の目玉である自家製麺。
岩手県産の小麦粉「ゆきちから」や「ねばりこし」などにこだわる店が多いなか、あえて栃木県産小麦「タマイズミ」100%の小麦粉「タマイズミSP」(強力粉)を使用。
「タマイズミSP」で打った自家製麺「SAMURAI 無双」は、従来の同店の細麺よりも太めで、見た目はスパゲッティのよう。
とにかくツルツル感が半端じゃなく、喉ごしの良さが圧倒的。
しかも、単にツルツル啜れるだけでなく、麺の弾力が凄く、モチモチ感はかなりのもの。
口に含んだときに感じる小麦の甘さが堪らない。
店を出るときに、ちょうど店主が近くにおられたので、「無双麺」の番手を聞いてみると、「麺も色々ありますから」とうまくかわされてしまいました。
ましてや加水率も聞けず、店主にとって「無双麺」の番手や加水などは「企業秘密」なのでしょう。
あえて推測すると、麺の番手は18番、加水率は、かなりのモチモチ感から37~38%、麺量150gとしましたが、自信はありません。
スープは飲み進むにつれ、鶏と醤油が次第に馴染み、徐々に醤油の存在感が高まります。
ただし、鶏ムネ肉チャーシューに塗られたブラックペッパーがスープに溶け出し、胡椒味が強くなるのはちょっとマイナス。
ともあれスープの温度低下につれ、醤油の甘めと旨味が増してきます。が、化調をごく少量使い、味を整えている印象が避けられません。
具の豚肩ロース肉の低温調理チャーシューは、やや固めでパサパサした食感。
同店の名物だったあのレアで柔らかいローストポークはどこにいったのかな?
逆に奥州いわいどりの鶏ムネ肉の低温調理チャーシューは肉厚でしっとり感もちょうど良く、ブラックペッパーが少々過剰気味ですが、なかなかの美味しさ。
細切りのコリコリとした食感のメンマは、正直言ってほとんど記憶に残らず。
これに対し、カイワレの苦味や小松菜のシャキシャキ感は、地味ながら存在感を発揮。
トータルな感想としては、クリアで旨味のある鶏清湯醤油スープですが、麺に負けている感。
さらに具のローストポークやメンマが以前に比べ落ちている印象。
結果として、麺の出来の良さが突出しています。
この麺は、そのままつけ麺に使っても、冷水で締め、さらにコシが出て、麺の良さを一層しめそう。
結論は、「奥州いわいの取りだし」では、醤油よりも塩の方がオススメ。
醤油については、スープや具の水準は「3.8」評価ですが、ツルモチ感が素晴らしい自家製麺の出来を最大限評価して、「4.0」としました。
自家製麺に取り組み、成功を収めたのですから、次は淡麗系の「奥州いわいの鶏だし」「はまぐり」の2つだけでも良いから、無化調にチャレンジして欲しい。
化調店が圧倒的な「ほん田」系の中でも、「篠はら」(要町)や「さくら井」(三鷹)「琥珀」(雑色)など無化調も増えているのだから。
店を出たのが13時20分。
結局、江刺総合支所の会議に5分遅刻してしまいました笑)