Isekado-Notion NEIPA : オリエンタル ブルーイング 東山店

こちらのドラフトTapは８本，控えめな数ではある．でありながら，入れ替えは頻繁のようで，このところ週イチペースでお邪魔しているが，飽きるところはない（Foodは未だ食べたことなし）．オリジナルビールももちろん良いが，社外品も厳選されている．

今回はオリジナルのAutumn IPAと，伊勢神宮のおひざ元で信長の時代から参拝客をもてなしていた茶屋がルーツという伊勢角谷麦酒のニューイングランド系IPAをいただいた．
Isekado-Notion NEIPA は比較的新しい Strata という品種のホップを使用している．おそらくまだあまり出回っていない貴重なホップをこれでもかとぶち込んであるようで，盛大に濁っていて泡の表面からもグレープフルーツを思わせる柑橘系のトロピカルフレーバーが香り立っている．先月置いてあった千客万来ほどの濃さはないが，さいごの一滴までホップに溺れるようである．

労働の後のこいつはぜいたくにしみわたる．

ランナーズハイ（Hoppyなラガー）
主に上面発酵のエールを醸造しているこちらであるが，ブルワーの方が石川県のマラソンに出た記念にマラソンの後に飲みたいビールということで醸造したそうだ（フーン）．明るい色で少し濁りがある．下面発酵ビールはめったに作らないとのこと．貴重な一杯といえる．
泡の面から立ち上るホップの香りは控えめだが，麦芽の風味もちゃんと感じさせ，ラガーらしいきりりとしたところもある飲みやすい仕上がりとなっている．

MIIPA（里武士　AJブルーイング）
こちらは初めて知った野沢温泉にある”リブシ”というブルーパブのもの（ご主人の名前をもじっている模様）．なかなか個性的なエールを醸しているようだが，こちらのMIIPAはバランスの良いスタンダードなIPA．いつか行ってみたい．

ドラフトのタップは８本あり５本がオリエンタルブルーイング，３本は国内のクラフトエールが入れられている．涌井の工場で醸された３銘柄は固定されているが，そのほかの５種は毎週のように入れ替わっているようだ．今回は，取り寄せ品の二品をいただいた．

KOBOプレミアントピルスナー
KOBOビールはチェコ人のジリさん率いる富山発のブルワリーである．話に聞いていたが，なかなか口にする機会がなかった．ピルスナー発祥の地の面目躍如という感じで，重厚さとキレのバランスした麦の薫り高い逸品である．今のペールエールのブームが落ち着けば，下面発酵ビールがグレードアップして復権してくるのではないだろうか，と期待している．こちらは，KOBOブルワリーと良い関係を築いているようで，今後も楽しみである．

志賀高原ビール　無我霧中
志賀高原の玄関口，渋温泉のところにある志賀高原ビールは，もともとは日本酒の蔵元．多種多様なビールが醸造されていて，価格も抑えてある買いやすいクラフトビール．無我霧中は濁りの強いまさに霧の中といった感じのHazy IPAで，むせるほどのホップを投入した，IPA好きが喜びそうな出来だが，バランスも良く飲みやすい．

Autumn IPAはオリエンタルブルーイングの限定醸造品でシトラホップが使われているようだ．定番品で同じホップを使っていると思われるシトラと比べると，色合いもダークで味も濃いめである．

コクと苦みや香りのバランスが良く，さっぱりとしたシトラよりこちらのほうが好み．


千客万来は伊勢角谷麦酒と京都醸造のコラボ品で，超濁っているきわめてヘイジーなニューイングランドIPA．味も見た目通りのホップの濃い濃い重厚なものだった．

この２品はうまい．かなりのおすすめであろう．どちらも一杯800円．

３周年記念醸造で販売されていたのが，大量のホップ投入で濁りを許容するニューイングランドを発祥とするヘイジーIPAである．

これに使われているホップはエルドラドというとてもフルーティな芳香を発するもので，むせかえるほどの甘くさわやかな風味である．香味と苦みのバランスが良く，たいへんうまいものに仕上がっていた．

３週間後に行ったら，もう売り切れましたとのこと．残念至極．ぜひ通常ラインアップに加えてほしい．

今年の１月に湯涌醸造所が竣工，ビール枠スケールで操業している同社であるが，本店のこちらではもともとのバックヤードタンクで仕込んだ，煙突の影の範囲よりも近い，新鮮なドラフトビールが飲めるブルーパブとなっている．

週に一回，５時前に近所で仕事が終わりこちらに向かうと，だいたい外国人観光客しかいない，ちょっとエキゾチックな空間と化している．国際観光の拠点となっているのかもしれない．

４種類のオリジナルビールのほかに，他社の４種類の国産クラフトビールがラインアップされている．一杯７００円．

シトラは米国産シトラホップがふんだんに使われた柑橘系王道IPAであり，コクも十分感じられる．

Yuzuエールは，柑橘の風味よりもむしろ皮の苦みが生きていて濁りの強い飲みごたえのある仕上がりである．

創業からまだ日は浅いが，印象深いビールで急成長を見せている，これからが楽しみな店といえるだろう．