苦労して買った甲斐があった上質の加工肉たち＠芦屋市宮塚町 : メツゲライクスダ 芦屋店

ラッフィナートでややしっかり目のランチをいただいたあと、用事をすませるために南下します。それだったら、ついでに「芦屋市　ランチ」という安易な検索（良い子はまねしちゃだめ）で一位だったこちらに寄り道して、シャルキュトリを購入しましょう。

ラッフィナートは宮川という小さい川に沿っており、その川をたどって南下、国道を渡りJRを越えて阪神線が見えてきたら西に曲がり、2ブロック。徒歩でおそらく15分くらいでしょうか。

メッツゲライとは独語で加工食肉店または製造販売。日本では、イートインができたりおそらくドイツのメッツゲライでは扱わないものも置いていたりしますが、その分便利です。あ、イタリア語ではサルメリア京都に一軒、ありますけどガチンコでドイツ流。まあここらへんはぐちゃぐちゃなのが我が国のよいところ。

やや重たいお店の扉を開けると、ガラスケースがいくつか。先客は外国人男性2名、奥のイート―インには数名。おお、我々の大好物のブーダンノワールが、しかもとぐろを巻いておりますがな。これは即購入決定ですが、それ以外は迷っていると、後からどんどんお客さんが。

店員さんは3名いて、あとソーセージなどを切る係りの男性もいるのですが・・・
一言でいえば、大混乱。一応システムらしきものはあるんですけど、無茶苦茶。初めて入店した我々はどうしようもわからないし、店員さんたちはただただ右往左往するだけで。

ふと入り口を見ると張り紙が。「ご購入には最低でも15分お待ちいただきます」・・・

慌てて店員さんを捕まえて注文したのは、
ブーダンノワール　ド　テット　豚頭肉と豚血のソーセージ　　200グラムで880円
バレンタインステーキ1枚　カカオニブ（カカオ豆のフレーク、パウダーより粗い）でマリネした豚脛肉のステーキ（期間限定）　グラム324円
生ソーセージセット　1袋1500円 中味は、
①トゥールーズ　Toulouseはフランス第五の都市。ここの名産ですが、粗びきの豚肉を使う、というだけでいろいろなものがあるんだそうです。
②フリッシェ　　フレッシュ、というだけであまり情報のないソーセージ。これがスタンダードなんでしょう。
③チョリーソ　　スペインやメキシコの香辛料豊かなピリ辛ソーセージ
④柚子　　　　　ゆずパウダーを練り込んだソーセージ

あとはプフェファーレバーヴルスト 66g283円、お店HPによると「ブラックペッパーを散りばめたスパイシーでクリーミーなレバーペースト」

やれやれ注文がすんで一息。しかーし、それからもお客は来続け、あまりに混雑してきたので私は店外へ。外から見ていると面白いのは、ご近所の方らしき人たちは、ちょっと店内をのぞいて、客がいると素通りという感じ。中にいた連れによれば、かなりの方が電話注文をあらかじめしておいて来店、それでも待たされる、ということで、初訪問で当然予約なしの我々が入店から25分で商品をゲットできたのはまだラッキーだったのかもしれません。

うーん。人気店だからしょうがないのでしょうけど、どうですか、もうちょっと品数を絞るとか、優秀な店員を増やすとか、このままでは「加工肉を売る役所」みたいになっちゃってますから。

でもって、これを自宅で必要なものは加熱していただくことにしましょう。


ちょっと買い込みすぎたので、お隣さん的に親しくしている外国人男性をお招きして、自宅にていただきました。そういえば購入時の大混乱ゆえ調理のしかたとか全然聞く余裕なかったよね、といざとなればお電話（これもトラブりそう）もと考えていたのですが、ちゃんと指示が書かれていてひと安心。要するに、どれも15分から20分超低温で加熱。

家でめったに使わないトングがあって大助かり。これでソーセージはぎゅうぎゅうフライパンにおしつけちゃいます。

ブーダンノワール　ド　テット　豚頭肉と豚血のソーセージ
プロではないので、どうしてもこのデリケートな血のソーセージは加熱すると崩れてきますが、そういうことはお構いなしで。独特のコク、しかしいやな癖と感じない。そして、連れが「これリンゴ入ってるよね」というくらい、ブーダンノワールにつきもののリンゴの香りがするのですが、原材料にはそのような表記なし。不思議な感覚ですがおいしいことは間違いがないです。

バレンタインステーキ　カカオフレークでマリネしたというのと名前から、甘ったるいものになるのではと警戒しましたが、ぜんぜんそんなことはない。リーンな部分と脂の多い部分、それぞれに味わいが異なり、共通しているのは強い風味とふくよかな味わい。
これについては、焼いた私もそれなりに貢献しています。フライパンでクックタイマー見ながら焼いていたのですが、15分どころか、10分くらいで、明らかに肉汁が染み出てきました。これは決断のとき。すぐに火を止めて3分余熱。室温に戻しておいたせいか、早く焼きあがりました。仕上がりはベストに近い状態に。こちらのマリネ肉は、それがはっきり見えますので参考にしてください。

生ソーセージ4種。逆にこれらは20分近く焼かないとだめのようです。④などは焼き直しました。
① トゥールーズ　粗びきの食感が楽しめる。
② フリッシェ　　おいしいけど、ちょっと特徴がないかな。ディジョンマスタードをつけるとよくなります。
③ チョリーソ　　ピリ辛ソーセージ、まずまず。
④ 柚子　　　　　ゆず味はそれほど強くない。

プフェファーレバーヴルスト 66g283円というおどろきの価格は、京都でひいきにしているオ・タン・ペルデュを脅かすお値打ち。深くて主張のあるペースト、胡椒があるところとないところで味わいが違うのもいいアイデア。フリアンディーズさんで購入した塩パンとひまわりの種つきライ麦パンにつけていただくと最高でした。

ついでに、記録のため、ここで合わせたワインを書き留めさせていただきます。ご関心なき向きはどうかお見捨てください。

Clemente VII Chianti Classico 2011
非常に強いベリー感、土の匂いを思わせる豊かな香り、おいしい。時間がたてばタンニンがやわらかくなり、深みを増す。
Terre Della Costa Lambrusco Secco
リサータで感心したランブルスコですが、ちょっと飽きが来たかな。泡はやっぱり白ですね。甘くないのはいいけど、香りがいま一つです。

ということで、このためにわざわざ芦屋に行くことはないでしょうが、近くに来たらまた来ます。リピートはブーダンノワール系、マリネステーキ系、そしてレバーペーストはグラム指定で。もちろん、事前予約します。