相当に久し振り : ラヴェニール チャイナ

苦楽園口に住み始めた30歳少し過ぎに、夙川も含めどんな飲食店があるのか、界隈を散歩しながら徐々に覚えていったのだが、この中華料理店は、結構、鮮烈だった。
勿論、当時は素寒貧だったということもあり、上質な雰囲気の中華料理店も勿論色々あったのだろうが、そういう店に訪れたことが無く、門外漢であったこともあるが、この店を初めて訪れた時の印象は未だ記憶にある。ランチは僅かに2,000円少しで、数皿の料理が供され、それが一つ一つとても上品でそうした中華料理の例え小振りなものでもコース料理を食べたのが初めてであり、流石に夙川界隈の店は、他の町中華とは違うのだなと思った次第だ。

その後、暫くして、香港に駐在したので其処でかなり広範な本場の中華を相当に食べたので、口は驕ったが・・・
今般、久し振りに訪れた。以前にもREVIEWをしているが相当久し振りである。
蔓延防止法の最中で、昼は決められたコースの３つ程から選ぶのみで、単品は提供出来ない様だったが、当方もコースを頼む心算だったのでまるで構わない。一番、高いコースを頼んだが、それも以前と殆ど価格が変わらず2,500円を少し超える程度だった。安い。

料理は、写真の通りだが、凍頂烏龍茶を頼みゆったりと楽しんだ。中国茶にしても５～６種から選ぶことが可能で、その質もかなり良い様に思うし、茶葉の量も多いので最後まで薄くならずに存分に楽しめる。少なくなるときちんと湯を足してくれるそのタイミングもとても良い。
一つ一つの分量は当然に少ないのだが、故に、種々、楽しめるというのが利点で、又、この店はベースは四川料理だが、勿論、かなり辛い料理も幾つかあるが、そうでない清淡とした料理も提供するのが特徴。ゆったりと食べながらデザートのマンゴーアイスと蒸饅頭に至る迄、何か当時、未だ若かったあの頃に、家人と少し贅沢な気分でこの店を利用した思い出が、淡く蘇る。当時は、この値段でもちょっとした「ハレ」という感じだった訳だ。地元の上質な店。ありがたいこと。

久し振りに訪問。
３連休にＬＵＮＣＨで利用。今回も２，５００円のコースを頼んだ。
飲み物は当然に中国茶。この日は香片烏龍茶を選択。

◆　前菜４種
ゲソの葱生姜ソース、鶏レバーのトマトソース香味煮、チャイニーズオムレツ他
どれも上品でＳＴＡＲＴＥＲとして申し分無し

◆　３種のキノコのふかひれスープ
ふかひれはほんの少しだけど、きのこの食感も楽しい。
こうして寒くなると中華料理の真髄である「湯」はいつにもまして美味いのである。

◆　芝えびの四川ちりソース煮
思ったより辛くないが後でじんわりとくる。四川料理の定番料理である。

◆　地鶏むね肉のソテー
むね肉を削ぎ切りにしたものを野菜と一緒にソテーしたもの。
極めてシンプルな料理で、特段の工夫がある訳でもないが、塩胡椒のシンプルな味付けがいい

◆　とうもろこしと干しエビの炒飯。
ぱらりと仕上がっている。炒飯はこうでないとね。海老の香りがいいのである。

◆　点心
豚肉のオーソドックスな焼売に、蟹・海老・烏賊の豪華な焼売。
これも美味し！

◆　あんずのプディングと中華蒸し饅頭。

以上の内容である。
ここはいつ来ても、安心してそれも種々楽しめるのがいい。
給仕もいつも丁寧だし、落ち着いて食事ができる。
まだ、夜は訪問してないのだけど、メニューに記載している数々の品を見ていると、
たまらんな～という感じである。
いっちょ、気張って、気仙沼産のふかひれの姿煮（１万円を悠に超えていた）なんか
頼んだろか！！　とも思うけど、そこまでいかなくとも色々楽しめると思う。


（２００８年８月訪問）
夏休み第一弾の最終日に昼食で訪問。
香港駐在前に３度ほど訪問したことがあり、いいレストランであることは重々承知していたが、
中華料理は香港で、厭になる程食べてきたので、帰国後における優先順位がどうしても下がり、
足が遠くなっている。
久しぶりに中華料理が食べたくなったので、家から近いこの店を思い出した。
約７年ぶりの訪問。

中に入ったのだが、７年前と殆ど変らない。木を基調にした空間は紹興酒の壺等の中華的要素を廃せばフランス料理やイタリア料理の店にでも転換出来る。
テーブルには、緑色のクロスがかかっているのも昔と同じ。

２,５００円のコースを頼む。茶に関しては別料金で５種程の中から選べるのも昔と変わらず。
今回は、金宣茶を頼む。（台湾の茶で統一している様子）。
料理は下記の通り。
オードブル　４種
１．ししとうの腐乳ソースあえ　→　ピリッと辛くてうまいのである。食欲を促す
２．ゲソに生姜と葱を賽の目にしたものを添えもの　→　ゲソがコリコリ
３．茶味豚のフルーティーソース　→　何だか豚で無いよう
４．海老のカレー風味。
いずれも、ちゃんとメインへの足がかりとして良く出来ている。

スープ
冷たい野菜のスープ　フカヒレ入り
トマトの酸味が爽やかな夏らしい一品。フカヒレとなめこの食感も亦楽し。

メイン２種
芝海老のぴりからソテー
鶏のシソ風味炒め
いずれも、彩りが美しい。ここの料理は見た目もすごく拘っている。
パプリカの黄色や赤色とにんにくの茎の緑色、それにシメジの黒と白等々、組み合わせが上手である。

点心
シュウマイ２種　→　豚肉と海老
海老の方は中に、慈姑が入っており、食感が非常に良い。
いずれも具がしっかりしたもの。

炒飯
僕は、鮭と黒ゴマの炒飯。嫁さんはちまきを選択。
炒飯は、枝豆の緑色と鮭の赤色の対比が美しく、又、日本の米でここまでパラっと仕上げているのは珍しい。かなりの出来栄え

デザート
ピンクグレープフルーツのソルベと、蒸しカステラ。
ソルベで口中さっぱりである。

以上で、２，５００円。安いっ！！！
なんてＣＰの高さ。
実は、香港にいた時でもそうだけど、中華料理は基本的に大人数で食べると非常に楽しくて、
色々楽しめるが、二人ほどの少人数で食べると食べることの出来る種類が限られるため、
点心や麺等は別にして、楽しみにくい部類だとの思いが強かったが、こうして色んなものをたくさん楽しめる様に構成していてくれるとありがたい。
日本風のＭＯＤＩＦＹと言えるだろう。

盆休みということもあり客が少なかったこともあるが、女性のサービスも素晴らしい。
会計の際と店を出る際にも、シェフ共々丁寧に挨拶をしてくれるのは昔から。
ずっと姿勢が変わらないのはいいことである。
この近所で中華ということなら、もうこの店だけで僕は充分である。

極々、普通の中華料理に辟易してる方は一度、訪れるといいと思う。
好みは分かれるだろうけど、凡そ満足して頂けるのではないかと・・・！！