完成度の高い日本人向け飲茶店 : 茶芸館 甜

気軽に飲茶を楽しめるお店、「茶芸館 甜（さげいかん　てん）」です。
住吉駅の南、２号線を越えてもう１本南の通りぞいにある「りりぱっとはうす」の一角にお店があります。ちゃんと駐車場がありますし駅からも歩いても近いのでアクセスは便利です。

お店はそれほど広くはないのですが、決してきゅうくつな感じではなく、テーブル４つとカウンター５席で約２０席ありますし、テーブルの１つはソファーをＬ字に使ってるので５～６人でも対応できそうです。

この日も満席だったのですが、結構、お子さん連れの家族も多く利用してました。
ちょうどテーブル席があくところだったので、少しお店の前で待ってたのですが入り口横にはランチメニューが詳細に掲示されてました。
長男・長女と一緒に行ってたのですがあらかじめしっかりメニューをみて注文を決めることが出来ました。
また黒板には、この日供される野菜の生産者のお名前が表示されていたのですが、みなさん神戸市西区の生産農家の方で、食の安全が叫ばれる昨今、こういう表示は安心感に繋がりますね。

そうこうしてるうちに席が空き、すぐに店内に案内していただきました。

今回お願いしたのは、僕が「蒸し野菜のランチ」（１７００円）、子供２人が「飲茶ランチ」（１４００円）。

「蒸し野菜のランチ」は
お茶うけ
野菜のせいろ蒸し
蒸し点心
メイン
甜点心
冷たいデザート

「飲茶ランチ」は
お茶うけ
蒸し点心
揚げ点心
メイン
豚饅
冷たいデザート

で、メインは
　蓮の葉蒸し御飯
　干し貝柱のおかゆ
　ネギと生姜入りつゆそば
の中から１点選べるシステムでした。

また甜点心、冷たいデザートも幾つかの中からチョイスできるシステムでしたので３人で重ならないように別々の物を注文しました。

それと、飲茶を楽しむにの一番大事なのはお茶。
それぞれのランチには台湾茶・中国茶からお好きなお茶を選ぶことが出来ます。ただ、お茶の種類によっては追加料金（＋１００円あるいは＋２００円）が必要になります。
今回お願いしたお茶は「木柵鉄観音」「桂花烏龍茶」「東方美人茶」の３種類。後２者は＋１００円のお茶です。

最初にお茶うけと一緒にお茶が運ばれてきます。ハーブティー用のマグカップらしいのですが、カップの中にこし器がセットになったマグには５ｇ程度のお茶の葉が入れられ、これにちょうど茶葉がつかる程度のお湯が注がれていて、１分ほど蒸したあとこし器ごと茶葉を取り除いて飲めるようになります。
２杯目以降はテーブルに用意されたポットから、こし器をカップに戻した上で自分でお湯を注いで３０秒程度蒸らして飲むことができます。
お茶の種類（発酵度の違い）によって違うそうですが大体４～６煎は飲めるそうです。

「木柵鉄観音」
比較的普段から親しんでいる烏龍茶に近い味わいでした。
「桂花烏龍茶」
キンモクセイの香りのするお茶でした。娘はこれが一番気に入ってました。
「東方美人茶」
紅茶に近い香りのするお茶でした。お茶なのにほんのりと甘みを感じられました。

お茶うけにはカボチャの種とドライフルーツ（杏？）。このカボチャの種が子ども達にはヒットでした。

このあと点心が運ばれてきて飲茶スタート。蒸し点心はえびニラ餃子、えびシュウマイ、小籠包の３種。
どの点心ももちろん自家製なのですが、いずれも素材にこだわった上で日本人に合わせた味付けがされており、醤油など何もつけずにそのまま食べられるようになっています。
これが本当にちょうどいい味付け。正直、本場の点心の味とはちょっと違うのかも知れませんが、日本人の僕にはほんと美味しくいただけました。小籠包は熱いスープが飛び出してきますので猫舌の方は注意ですね！

蒸し野菜はせいろの中に彩りも美しく並べられていました。キャベツが下に敷かれてアスパラ、スナックえんどう、ラディッシュ、カリフラワー、人参、椎茸、たまねぎ、わかめ、筍がまるでお花のバスケットのようにディスプレイされていました。わかめが鳴門産、たまねぎが淡路島産な以外はどれも地元神戸の西区のもので野菜の味が濃くて、甘みがあってどれもこれも美味しい野菜でした。

揚げ点心はゴマ団子と春巻き。ゴマ団子の中には苺がはいっててちょっと変わり種のゴマ団子でした。

メインの３種は３人でちょっとずつわけながら食べました。
蓮の葉蒸し御飯は蓮の香りはそれほど強すぎず、ちょうど良い具合にほのかに香ってて、中の御飯がもちもちで僕の一番のお気に入りでした。
干し貝柱のおかゆは、ほんとうにほのかに貝柱のお出しの香りがするだけなのですが、その優しい味わいと付け合わせの各種薬味の組合せが楽しかったです。
ネギと生姜入りつゆそばは優しい味わいの麺。麺は細麺ですがしっかりしてて、単品でも満足できる出来映えでした。

次の肉饅ももちろん自家製で、ほくほくの皮とぎっちりつまったアンのバランスが良くてこれもかなりの完成度。

僕は甜点心として緑茶のタルトをお願いしたのですが、奈良の北葛城郡でとれた緑茶をお店で挽いてタルトにしたもので、子供も僕もびっくりするほどの出来映え。
ご主人は「自分で挽いたのでちょっと舌触りがざらざらしてるかも？」なんておっしゃってましたが、全然そんなことなくて満足の一品でした。

最後の冷たいデザートは、杏仁豆腐、タピオカ、緑茶ゼリーをいただきました。
杏仁豆腐は普通のかための杏仁豆腐と柔らかいヨーグルトのような食感の杏仁豆腐が半分ずつで、食感・舌触りも２種類楽しめました。柔らかい杏仁豆腐ってあんまり食べられる機会は無いと思いますが、かなりいけてますよ。
他のデザートの出来も良く、このころにはそれぞれお茶も４～５煎くらいいただいており、本当に満足のランチメニューでした。
（あ、お茶は２、３煎しか使ってなかったら残った茶葉を袋に入れて持って帰れますよ。）

まさに「飲茶」を存分に堪能できました。

もう食べてる途中からその完成度の高さに３人で、再訪を誓いあってましたし、ぜひ夜のメニューを家族５人で楽しみたいと思いました。

ご夫婦でお店を切り盛りされてるようでしたが、ご主人も奥さんもとても対応が良く、手が空いたときには料理やお茶のことを詳しく説明して下さって、本当に気持ちよく過ごすことが出来ました。

すっかりお茶に魅せられた僕は、自宅用にお茶を２種類ほど買い求めちゃいました（笑）