生魚は難しいのに : 鉄板バルclap

頂いたもの。

最初は泡です。

ジロ リボ エービー オリジン ブリュットNV
このようなところのセンスですよね。
お店の料金設定から、高い泡は使えないので、いかにコスパの良いものを出そうかと日々模索されているのが良く分かります。
この価格帯のカバとしては嫌な味がしないところが良いです。

ブロッコリーとカリフラワーの茹でサラダ
野菜もちゃんとしたものを使われておられます。

鰆のクルード
センスの塊の面目躍如です。
生の鰆を美味しく出すのはかなり難しいですが美味しいです。
素晴らしいの一言。

赤足海老の串焼き
海老とベーコンの塩加減が合っています。
何気ないですが、センスが光る料理です。

えび芋のフリット
えび芋は外食で結構食べていますが、ホクホクで旨味があって美味しかったです。

鱈白子鉄板焼き
素晴らしい！
鰆のクルードとこの料理はこの価格帯のお店で出てくるようなものではありません。
鉄板で焼いたのに、何やら出し汁のようなものに浸かって出てきたので、こりゃ味を濃くしていてダメだなと思いましたが、食べたら驚きました。
濃い味付けではなく、白子の旨味を引き出していました。
帰り際、聞いたら焦がし玉ねぎのソースとのことでした。
このような白子の料理は食べたことがありません。
通常は、なんでもかんでも酸味いっぱいで出してくるので、食べるのが苦痛になります。
家では必ず少しだけ塩をつけて食べます。
ポン酢などありえないです。
味覚が麻痺します。

スペイン子牛肩ロースのステーキ
唯一この料理だけは美味しくありませんでした。
肉の味は感じますが、いかんせん硬過ぎて食べるのに苦労しました。
妻は残したので私が食べました。

お好み焼きブタ玉
独特の厚みのあるお好み焼き。
私たち夫婦は基本的に外食でお好み焼きは食べませんが、こちらのお店は唯一の例外です。
理由は自分で作れないからです。
ほとんどのお好み焼きは家のものより不味いです。
だからわざわざ食べることはありません。
不味い理由は明白で、家で使う食材の方がクオリティが高いからです。
普通のお好み焼き屋は、そこまで食材にコストをかけられません。
家で食べれば、外食よりクオリティが高く、払うお金は変わらないので、外食ではお好み焼きは食べないということです。

白
前回美味しいと思ったナイア 2021は、1杯分しかなかったので、妻に譲りました。
私が飲んだ白の名前は分かりません。

赤
カサル デ アルマン ティンド 2019

生産者のボデガス　カサルデアルマンという方が優秀なのでしょうね。
こちらのお店で飲んだワインでこれが今までで一番美味しいと思いました。
タンニンが洗練されていて、香りが豊かで美味しいです。
何度も書かせて頂いているように、タンニンは渋い感覚、味覚ではなく刺激なので、強過ぎると単独で飲んで不快感が出るだけでなく、料理に全く合いません。

帰り際に鰆のクルードを絶賛するとオーナーシェフの方は、技術がないので食材に頼ってしまいますとおっしゃいました。
謙虚な方です。

しかし、私たち夫婦にとっては、外食では価格設定の範囲で良いのでしっかりと食材のクオリティが担保されていないと、お金を払って食べること自体が無意味になるので、そこはしっかりと拘われているのだなと安心しました。
まあ、2回も食べているので分かっていたことですが、、。

ということで今宵も楽しく食事をさせて頂きました。
某有名飲食店のシェフも伺いたいと仰っているので、いつか一緒に伺うでしょう。

頂いたもの。

お通し。
バケットの上に目玉焼きや生ハムやラタトゥーユがのっています。
味付けのバランスが素晴らしく、オーナーシェフの方はセンスがある方だなあと思いました。

前菜3種。
パテドカンパーニュのようなものがありましたが、この料理はこれまで23億回書かせて頂いているのように極めて難しいです。

柿とアンチョビのサラダ。
柿の甘みとアンチョビのバランスが素晴らしいです。

トリッパのバスク風煮込み
うーんと唸りました。
普通は濃い味付けのものがほとんどなのですが、ホルモンの旨味を引き出そうとしているところが凄いです。
今まで食べたことのないようなトリッパ。

きのこと生ベーコンのスペイン風平飼い卵炒め。
このような何気ない料理にセンスが出ます。
食材との会話も感じますし、鉄板で香ばしく焼いておられるところも素晴らしいです。
妻が大絶賛していました。

せこガニのグラタンバスク風。
これも普通のグラタンとは異なり、食材の良さをうまく引き出しておられます。

どこかで覚えたレシピ通りで良いと言うような料理ばかりが世の中に溢れていますが、今の時代ネットで調べれば素晴らしいレシピはいくらでもあり、それを微調整すれば、その辺の飲食店よりは美味しい料理が家で作れます。
あの極めて調整が難しいパテドカンパーニュであっても、今はなき名店ベックの8割くらいの完成度のものが家で作れるのです。
ところが、臭みとえぐみの塊のようなパテドカンパーニュを美味しく作っているお店は極めて稀有です。

問題は、この料理のように、家庭での再現性が難しいと感じさせるものがほとんどないと言うことです。
そこそこ美味しいものは家で作り、リーズナブルでコスパの高い3000円から5000円くらいのピノ・ノワールでも飲んでいた方が良かったなと思わされる料理を外食で食べさせられるのは苦痛以外の何ものでもありません。

油カスと豚肉の焼きそば。
私にとってはソースが甘過ぎます。

スジのお好み焼き。
厚みがあってキャベツの美味しさが楽しめます。
妻も気に入ったみたいです。

料理は美味しいと言う評判を聞いていたお店で、ちょっと前に予約せずに伺った時は満席で入れませんでした。

実際に、料理は価格設定からすれば、素晴らしいの一言です。
オーナーシェフの方はセンスの塊です。

ただ、ワインは価格設定から、美味しいスペインワインは期待できないなあと思っていました。

泡、赤、白、赤の順です。

泡
エービーオリジン・ブリュットジロ・リボ/NV カバ。
かなりコスパの良いカバですが、嫌な味がしない辛口です。
仕入れ値はわかりますが、この価格帯でちゃんと嫌にならないものを出すのはやはりワインのセンスもおありなのかなと思いました。

カスティーリョ・デ・モンハルディン ピノ・ノワール。
スペインのピノ・ノワールですが、綺麗な味で嫌なものを感じません。
とにかく、ワインは安くても嫌な感じがなければ美味しく頂けます。
この価格なので、複雑さを求めたらいけません。

ナイア21 。
中々美味しい辛口の白です。
これも同じです。
嫌な味を感じません。

エスティバン マルティン レゼルバ 18。
こちらは嫌なものを感じないだけでなく、古樹の凝縮感と複雑さがありました。

スペインワインでももちろん美味しいものはありますし、先日、リシュリュゥで飲んだものは素晴らしかったですが、デイリーワインだとどうにもならないものもあって心配しましたが、杞憂に終わりました。

素晴らしい料理とそれを損なわないリーズナブルでコスパの良いワイン。

私たち夫婦は普通よりもかなり食べて飲みますので、これくらいの価格のお気に入りのお店を探していました。
私たちにとっては、う〜ちゃんのスペインバル版という感じです。
ド定番の城助やチッチャやバールチッチャとは、価格も路線も違いますが、とても良いお店と出会えました。

月1はリピートさせて頂くと思います。
さかえはアクセスが悪いですからねえ。
こちらばかりに伺うことになるでしょう。

リシュリュゥの前だとワインを抑えないといけないので、単独で使わせて頂く感じでしょうね。
リシュリュゥは、全く飲まなないか、ちょっとだけ飲んで伺うと決めています。

もうこれから飲めなくなるようなニュイのピノ・ノワールやボーヌのシャルドネを酔っ払って飲むのは勿体なさ過ぎます。