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1杯3,000円の蟹味噌あんかけ麺
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記事URL:http://www.takemachelin.com/2016/06/hong-zhou-restaurant.html
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タケマシュラン
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店名 |
Hong Zhou Restaurant(杭州酒家)
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ジャンル | 中華料理、飲茶・点心 |
予約・ お問い合わせ |
(+852) 25911898 |
予約可否 |
予約可 |
住所 |
香港1F, Chinachem Johnston Plaza, 178-186 Johnston Road, Wanchai |
交通手段 |
港鐵(MTR)港島綫灣仔駅A3出口から徒歩5分 |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
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支払い方法 |
カード可 (VISA、Master) |
サービス料・ チャージ |
10%サービス料 |
席数 |
150席 |
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個室 |
有 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
有 メーターパーキング |
ドリンク | ワインあり |
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料理 | 野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる、健康・美容メニューあり |
利用シーン |
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お子様連れ |
子供可 |
公式アカウント | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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杭州酒家。ミシュランで2010~2015年に一ツ星を維持し続ける実力派。「ココの蟹味噌あんかけ麺は香港イチの麺」という情報を得、その5分後には予約完了です。香港にはopentableのような便利なサイトは無く、直接電話する必要があります。
国際電話料金が気になるところですが、便利な世の中になりました。今回は「LINEOut」という、LINEアプリの中にある機能を使用。1分あたり数円という信じられない程の低コストで国際電話をかけることができました。IT革命マンセー!
湾仔という、香港島中心部の商業および官庁街に当店は位置します。大きなビルの2F、すなわち香港(英国)風に言うと1Fにあり、ロビーからエレベーターでひとつ昇る。
エレベーターの扉が開くと唐突に広かるギンギラギンの空間。レセプションなどはなく、ヒマそうな店員を捕まえて予約名を告げる。
テーブルセットはダサくて高級感はなし。ミシュラン一ツ星ながら店員同士がくっちゃべっているほどリラックスした雰囲気なので、こちらも気兼ねなくノンビリさせて頂きます。他の客層も半ズボンにTシャツだらけ。我々がダントツできちんとしています。
お通しはタクアンみたいなもの。特に印象に残らずあってもなくても良いバランのような存在です。
店員が最上級のドヤ顔で座布団のような塊を運んでくる。富貴鶏(コジキ鶏)の登場です。「杭州酒家でコレ食べないのはモグり」と、つい最近まで香港に住んでいた友人に(美女)に熱弁され、テーブル予約後に改めて電話で予約した当日注文はNGの鶏肉です。
しかし予約の際、何と注文すれば良いのかわからず、ベリーベリービッグチキン!リーフラッピング!とだけ言ってみたのですが、電話口の向こう側から「オッケー!チキンチキン!ベリービッグ!」と返ってきたので、意図は伝わったのでしょう。非ネイティブ同士の英会話って、絶対に外してはならない最重要単語のみを発するので、逆に理解し合い易いです。
さてコジキ鶏、すなわち蒸鶏の香味野菜詰めです。昔々、乞食が鶏肉をかっぱらって、バレないように泥に包んで隠して焼いたら意外と旨かった、が由来だそうな。蓮の葉を開くと紹興酒と脂の香りが解き放たれる。
何とも安らかな御尊顔。「ああ、また命を頂くことになるのね」と、飲食業のふたりは素人の私とは違った感性を持ち出します。箸とスプーンで取り分けると、まるで圧力鍋で調理したかのようにホロホロと身が崩れていく。
八角を中心とした複雑なスパイスが主体。塩味などの直接的な味付けはなされておらず、鶏そのものの味を楽しむ。全体的に控えめで奥ゆかしい味わいであるため、シンコペーション原理主義としては若干物足りない。それでも圧倒的なプレゼンテーションと見た目の通りのボリュームには満足せざるを得ません。
こちらもスペシャリテの東坡肉(トンポーロー)。日本で言うところの角煮ですね。味付けは醤油と砂糖、紹興酒が殆どか。ごくごくシンプルな味付けです。
見た目の通り間違いなく美味しいのですが、立派な脂身を蓄えた豚バラ肉ということもあり、2切れを胃袋に収めるとウっとなってしまいました。
さてお待ちかね、当初の目的である招牌蟹粉拌麺(蟹味噌あんかけ麺)です。1杯3,000円もする高級麺なのですが、「3人で1杯では足りない」との助言を受け、一挙に2杯注文という大人買い。
まず、ビジュアルにやられます。これを見て唾液が出ない人は貧相な食生活を送ってきたに違いない。周囲5メートルにプンプンに漂う蟹味噌の香り。あんをほんの1滴口に含むだけで心が世界に雄飛する。脊髄反射で美味しいです。
ただ、麺は伝統的な杭州の製法で造られたものらしいのですが、茹で加減がグズグズで特に美味しくありませんでした。中国人はあまりコシという概念を重要視していないような気がします。そういう意味で、この料理の主人公は蟹味噌あんであり、であれば卵チャーハンにこの餡をかけて食べるのもまた天国だろうなと妄想が膨らむ。
総合的には満足なのですが、3人での入店だったので、注文できる品数に限界があったのが悔やまれます。やはり中華は大勢で大はしゃぎしながらバクバク食べる料理なのかもしれません。
異国のネオンの星降る熱帯夜に蟹味噌あんかけ麺に巡り合えた奇蹟に乾杯。人生って最高じゃないか。そんな思いが自然と芽生えた夕食でした。
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