挽き肉を和えた味噌で炒めた野菜入りの味噌ラーメンは絶品でした : 麺屋 さいか

平成31(…ですよね。既に平成は何年で終わったのかを忘れかけてます)年4月30日14時08分…釧路たんちょう空港へ数分遅れでタッチダウン。

「ゴールデンウィーク中はずっと当直で院内に篭りっきりになるんだし、その前に行ったことのない店で美味しいラーメンが食べたい」…迎えに来てくれた、釧路在住の友人に、私は「週刊fit ぐる麺第2弾」を片手に語りかけます。週刊fitは、釧路の生活情報紙。この本は、時折出される、その情報「誌」版です。

「大楽毛(おたのしけ)通るよね、時間ギリギリだけど、ここどうだろう？」私の指が指した店は15時に中休みに入る「麺屋さいか」。行ってみましょう。

14時37分。駐車スペースに車はありません。でも、良かった。真っ赤な板に手書きで「営業中」と書いた、大き目の看板と満州屋製麺所の名の入った暖簾が下がっています…この製麺所、初めて見る名前ですわ。店の色が黒と赤で、新撰組や和風な感じを醸し出していて好きです。

店内に先客はいませんが、厨房から聞こえてくる、金属が当たったり擦れたりする音から、一山、二山のピークを越えた空気が漂ってきます。我々は、右手真ん中の4人掛けテーブルに座ります。

メニューは、色んな組み合わせで頼めるようで、迷います。メニューのラーメンは、醤油、塩、煮干中華まで@680円、味噌@750円、辛味噌@850円。その上で、香味油がさいか特製ラード(数種類の香味野菜をラードに加えたもの)、海老油(甘海老の頭を使っている)、鶏油(香味野菜で香りがプラスされている)を選ぶシステムです。

どれも美味しそう…ホールの40歳代くらいの女性に「一番出るのはどれですか？」と尋ねます。「やはり味噌ですね、こちら…」あ、ちゃんともう1枚のメニューを見れば良かったです。「では、味噌ラーメンにさいか特製ラードでお願いします」友人は味噌ラーメンですが「海老油」にするそうです。

「ここ、来たことありますわ。前のそば屋さんだった時に…いつのまにかラーメン屋さんになってたんですね」友人は周りを見渡して言います。店内のレイアウトは前のままで気づいたのでしょうか。

我々のを入れて、4人掛けテーブルが3、2人掛けテーブルが3。小上がりに、4人掛け卓が3。卓上には黒胡椒と一味が置いてあります。

下を向いたまま、あっち向いたりこっちでしゃがんだり、あまりにも激しく動き回っているので、厨房棚の向こうで見え隠れする調理の男性の年齢は不詳。

8分ほどで着丼。fitの写真のキャプションに「もやしと長ネギ、玉ネギを、挽き肉が和えてある味噌と一緒に炒めている」と書いてある割に早いです。

赤い縁の黒丼、受け皿もついています。湯気と一緒に味噌、ニンニク、もやし、ネギ、生姜の香りが立っています…いやぁ、美味しそう！

トッピングにひき肉がパラパラ見えますが、もやし、玉ネギ、上に小口切りの生長ネギと摩り下ろした生姜。炒めた長ネギは見た目に分からないので、斜め切りではなくみじん切りなのでしょうか。

香味油が多めに浮いて見えるスープですが、味噌が甘じょっぱさの中に香味野菜の風味から複雑なコクが感じられ、挽き肉(豚だけですね)の香味もついていて美味しい。最初から挽き肉と味噌を和えると、肉の旨みが引き出されて、逆に味噌のとんがった塩加減が抑えられてまろやかさが出るんですね。今度、挽き肉味噌と玉ねぎ、じゃがいも、もやしで汁ものを作ってみよう。味噌と和えるのは、生挽き肉でしょうね、きっと。

麺は札幌ラーメンのような黄色い中太麺ですね、あれほどゴムゴム感はありませんが。茹で加減はやや柔らかめ。でも、このスープによく合うこと。スッスッと入ってきます。

(醤油と塩は細ちぢれ麺だそうです。)

5〜6ミリのもも肉チャーシュー。ちょっと塩っぱ目の味付けですが、醤油というより塩の味。

メンマが太い、味付けもしっかりしていて甘じょっぱい。

野菜と麺を食べながら、スープに少しずつ生姜を入れてみますが、あまり味に変化を感じませんね。さては、香味野菜にも丸生姜を入れているのでは…

友人の方のスープを少し啜らせていただきましたが、海老風味の油もこの味噌ラーメンに合いますね。悪くない。

家族連れ4名がギリギリ15時直前に入って来ました。慣れた感じで小上がりに向かいます。

注文を取り終えて厨房にオーダーを入れた女性に「この店のオープンはいつですか？」と質問すると、3年目とのこと。そば屋さんが閉店してから、2年以上も空き家になっていた物件だそうです。

会計の際に調理師免許を見ると、男性の生まれ年は昭和47年でした。47歳なのですね。ご馳走さまでした。美味しかったです。