ヤマの語り部の話を聞きながらいただく味わい深い「炭鉱ラーメン」。 ボクの知らなかった釧路がそこにありました。 : 珈琲坂

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3.7

~¥9991人
  • 料理・味3.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP3.7
  • 酒・ドリンク3.6
2014/09訪問1回目

3.7

  • 料理・味3.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP3.7
  • 酒・ドリンク3.6
~¥9991人

ヤマの語り部の話を聞きながらいただく味わい深い「炭鉱ラーメン」。 ボクの知らなかった釧路がそこにありました。

かつての北海道、いえ日本にはたくさんの炭鉱がありました。 日本の発展を担う重要な産業でした。
しかし、時代は流れ、石炭から石油の時代へと移り、様々な理由を伴ってヤマは次々と閉山していきました。

この日やってきた釧路には、今でも日本で唯一の坑内掘りを行っている「釧路コールマイン」があり、「太平洋炭鉱」の事業の一部を継承した会社です。 ボクが住んでいた頃には「太平洋炭鉱」として名前が通っていましたね。 「釧路コールマイン」という名前に、なったと聞いたのはずいぶん後でした。

この「太平洋炭鉱」が炭鉱展示館を開設しているので、見学に行きました。
入場料は300円。 こちらは写真や説明の展示物ばかりでなく、地下に坑道を再現し、実際に現場で使用される機械を置き、触れながら炭砿というものを学べる素晴らしい施設でした。 正直、施設外見からは全く想像できない本格的な造りです。 ガイドをしてくださった方も、炭鉱で働いていたとのお話でした。

見学を終え、施設を出ようとした時、ふと目に留まった地域ガイドマップがありました。 そこに「炭砿(ヤマ)の語り部が淹れる珈琲」と書かれたお店を見つけました。 それが、この「珈琲坂」さんです。

ボクがいた展示館は桜ヶ岡の高台の上ですが、「珈琲坂」さんはこの高台に向かう途中の道沿いにありました。
道を戻ると、「炭鉱ラーメン発祥の地」と書かれた赤い看板が見えてきました。 「珈琲坂」さんは、海底炭で焙煎されたコーヒーが有名ですが、「炭鉱ラーメン」というのも食べられるらしく、興味深いお店です。 そして、マスターは元炭鉱マン!

お店の前の駐車場に車を停め、お店のドアを開けます。
店内に向かう通路には、炭砿関連の写真や、ヘルメットや無線などの道具があり、在りし日の炭鉱の歴史を無言ながら伝えてくるようです。

通路を抜けると、そこは昔ながらの喫茶店。 カウンター席もあり、常連さんと思われるお客さんがマスターと楽しそうにお話をしています。 ボクに気づいたマスターが丁寧に席へ案内してくれました。

先ずは料理を注文します。
看板にもあった「炭砿ラーメン」は、太平洋炭鉱の坑口食堂で提供されていたラーメンとのことだそう。 マスターのお母さんから引き継いだ伝統の、いわば本場の味です。 石炭で焙煎されたコーヒーも一緒に楽しめる「炭鉱ラーメン&コーヒーセット(650円)」をお願いしました。

窓から入る太陽の光が本当に心地よく差込み、午後のゆったりした時間を過ごすには、最適な空間です。 気持ち良くて少しうとうとしていたら、料理が運ばれてきました。

大き目の丼にたっぷりの醤油ラーメン。
チャーシュー、海苔、メンマ、ネギ、少し珍しい麩が乗っているのが炭砿ラーメンの証なのでしょうか。 メニューにはのっていませんでしたが、サービスかな、昆布がのったご飯もいただきました。

まずは一口♪
なるほど!と思ったのは、まさにこれが「釧路ラーメン」ですね。 「釧路ラーメン」っていつからできたんだろうって思ってましたが、元々は「炭砿ラーメン」から来ているんだろうなと思わせてくれます。 ここが、「炭砿ラーメン」の発祥なら、「釧路ラーメン」の発祥と言っても良いかもしれませんね。

釧路ラーメンの特徴の一つが細麺。
そもそもは炭鉱の鉱員は時間がなく、茹で時間が短い細麺で、ササッと食べるように作られたところから始まっているのですね。 麩を乗せているのも、もともと野菜が手に入りにくかったため、乾物を乗せるようになったそうです。

スープは、ほんのりと鰹の出汁の聞いたスープ。 あっさりと頂けて味わい深い。
シンプルな味わいですが、これが海苔の旨みがとろけだし、しっかりと鰹出汁とマッチ。 これが炭鉱ラーメンだと思うと味わい深いですね。 感慨深いものを頂きました。

この「炭砿ラーメン」には「むとう製麺」さんの麺が欠かせず、この麺があってこその「炭砿ラーメン」です。 丼にも「むとう」も文字が入っているのが印象的でした。 この「むとう」さんの丼は50年ものらしいですよ。

料理を頂きながら、炭鉱博物館に見学に行ってきたことを伝えると、マスターは穏やかながら、とても貴重なお話をしてくれました。
まだ稼働していた頃の釧路の炭鉱の規模、坑内でのリアルな体験談、友子制度や発破、炭砿の最盛期から終焉へ向かう道中の歴史、それに伴う釧路の町の移り変わり。 壮大で、そして大変深いお話でした。

ボクが釧路にいた頃には、あまり炭鉱について深く知りませんでした。 何十年ぶりに釧路を訪れた今日、かつて生活していた釧路の街にこんな大きな物語があったなんて、不思議な感じがします。

ラーメンを食べ終えたのを見計らって、珈琲を淹れてくれます。
マスターの趣味の一つが陶芸で、カップも深みがあります。 ここでもお話を頂いて、「ゼオライト」という石炭と一緒に掘った石を使ったりしているようです。 ここにも炭鉱の歴史と、それを語り継ぐマスターの思いを感じます。

今の日本の基盤を作り上げた石炭産業時代の歴史を、体験も交えて語り継ぐマスター。
ヤマの男の胃と心を満たしたラーメン、そして、石炭で焙煎された珈琲。 最高のひと時でした。 炭鉱マンなので、男気の強い寡黙なマスターかと思いきや、とても話上手で、優しい方です。

また次の機会に釧路を訪れた際には、この日の続きのお話を聞きながら、珈琲をいただきたいものです。

  • 珈琲坂 - 坑口食堂の味「炭鉱ラーメン&コーヒーセット(650円)」

    坑口食堂の味「炭鉱ラーメン&コーヒーセット(650円)」

  • 珈琲坂 - このちぢれ麺は美味しかった~

    このちぢれ麺は美味しかった~

  • 珈琲坂 - ラーメンを食べ終えたのを見計らって、珈琲を淹れてくれます。

    ラーメンを食べ終えたのを見計らって、珈琲を淹れてくれます。

  • 珈琲坂 - 嫁は「トマトジュース」

    嫁は「トマトジュース」

  • 珈琲坂 - たくさんの炭鉱話を聞かせて頂けた「珈琲坂」さんです

    たくさんの炭鉱話を聞かせて頂けた「珈琲坂」さんです

  • 珈琲坂 - お店につながる通路にはヤマの記憶がいっぱい

    お店につながる通路にはヤマの記憶がいっぱい

  • 珈琲坂 - のんびりとした午後がすごせそう

    のんびりとした午後がすごせそう

  • 珈琲坂 - 「太平洋炭鉱展示館」にて。 これで炭鉱を掘っていたのですね

    「太平洋炭鉱展示館」にて。 これで炭鉱を掘っていたのですね

  • 珈琲坂 - 「炭鉱ラーメン発祥の地」です

    「炭鉱ラーメン発祥の地」です

  • 珈琲坂 - お店に入口の通路には、炭鉱時代の道具が飾ってあります

    お店に入口の通路には、炭鉱時代の道具が飾ってあります

  • 珈琲坂 - コーヒー豆の販売も

    コーヒー豆の販売も

  • 珈琲坂 - こちらが麺の開発をされた武藤さん

    こちらが麺の開発をされた武藤さん

  • 珈琲坂 - こちらは喫茶メニュー

    こちらは喫茶メニュー

  • 珈琲坂 - こちらは食事メニュー

    こちらは食事メニュー

  • 珈琲坂 - コンティニアスマイナーの展示

    コンティニアスマイナーの展示

  • 珈琲坂 - 炭鉱展示館の地下がすごい!

    炭鉱展示館の地下がすごい!

  • 珈琲坂 - 炭鉱展示館の地下坑道の案内図です

    炭鉱展示館の地下坑道の案内図です

  • 珈琲坂 - 釧路の炭鉱マップ

    釧路の炭鉱マップ

  • 珈琲坂 - 日本一の石炭の塊(炭鉱展示館)

    日本一の石炭の塊(炭鉱展示館)

  • 珈琲坂 - 近くの小学校の見学などで使われているのでしょうね

    近くの小学校の見学などで使われているのでしょうね

  • 珈琲坂 - 太平洋炭鉱の全景の模型

    太平洋炭鉱の全景の模型

  • 珈琲坂 - 太平洋炭鉱 炭鉱展示館です

    太平洋炭鉱 炭鉱展示館です

  • 珈琲坂 - 見学では、これに乗せてもらえます。

    見学では、これに乗せてもらえます。

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店舗基本情報

店名
珈琲坂
ジャンル 喫茶店、ラーメン
予約・
お問い合わせ

0154-91-6905

予約可否
住所

北海道釧路市桜ヶ岡1-12-40

交通手段

JR釧路駅から車で15分程度

武佐駅から2,830m

営業時間
  • 月・火・水・木・金・土

    • 11:00 - 15:00
    • 定休日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
~¥999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

席・設備

個室

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

店の前に4台分スペース

空間・設備

落ち着いた空間、カウンター席あり、ソファー席あり

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい

こんな時によく使われます。

初投稿者

なまらうまいなまらうまい(2519)

最近の編集者

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