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ケンボーの公理さんの他のお店の口コミ
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店名 |
閉店
春花(しゅんか)
|
---|---|
ジャンル | 日本料理 |
住所 | |
交通手段 |
JR帯広駅北口から徒歩3分 帯広駅から467m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥6,000~¥7,999
|
支払い方法 |
カード可 (JCB、AMEX、Diners) |
個室 |
有 |
---|---|
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒にこだわる、焼酎にこだわる、ワインにこだわる |
---|---|
料理 | 野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン |
備考 |
【帯広市西二条南11-6-2から移転】 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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帯広は、私のライフワークである温泉行脚のHub city。奇跡的なWRC開催に狂喜した思い出の街でもある。大概には、酪農産物と豚丼という、健康的で牧歌的イメージが先行し、どうも夜の盛りが細い。スローライフの要素に酒は無しか。
春花さんは、食べログ評価点3.18、口コミ4件という、食べログ・スターダムとは無縁の酒処。ましてや、神奈川の私には、旅情漂う遥か北方の地。「春花さんを訪問することは、一生、無かったろう」という文脈の中で、春花さんのミシュランの★獲得は、私の居酒屋逍遥にとって、驚天動地の一大事である。果たして、飛行石の原石か、あるいは、ちっぽけな卑鉱物なのか。その星の真価を確かめに。
★
仕事の都合で、独り、最終便で帯広。「9時には必ず入りますから」と、羽田で電話予約すると、「その時間だと、ゆっくりできないでしょうからネエ...」と、要するに断りの挨拶。「LOが10時だと承知しています。長居はしませんから。」と、無理強いして捻じ込んだ形となり、なんか、あと味悪いアポになっちまった。ま、いいか。
店内スペックは、カウンター5席と個室風の小上がりが2テーブル。小綺麗で清楚な割烹の雰囲気は漂うが、中途半端にシンプル。つまらない内装だが、実力を伴う居酒屋なら、むしろ、この方が落ち着ける。
ご主人は、和装姿がステキな、すっきりした顔立ちのAround 50(?)。北の★を預かる料理人は、「必要以上のことは聞かんで下さい」という寡黙な職人気質と、お見受けした。客は、私、独り。今まで客が居た形跡も無ければ、BGMも無く、店内の空気が重い。当然の成り行きでカウンター席に着くと、厨房を隔てる暖簾の隙間の奥の方から、女将さんらしき女性が、チラチラと私を窺がっている。客人には厚いもてなし、と言うのが北の相場だと思っていたが、久々に味わうぜ、アウェィー感。結局、この日、一度も女将さんが暖簾をくぐることは無かった。モグラみたいだな。
春花さんは、店舗の看板に謳われている通り、酒会席の流れになぞった「おまかせ料理」の店。店内の壁にはコースの肴の一部が記載され、アラカルトもOKだが、コースこそが、ご主人の信条。4品~8品のコースの内、大看板は6品3150円のコースである。春花さんの心意気と旨味がギュッと凝縮され、お値打ち感は抜群。後に、ご主人が私に滔々と語ってくれた話では、日々、開店までの大半は、一皿平均500円×6皿のコース設計の生みの苦しさに費やされるだと言う。
飲み物は、地酒と焼酎の定番が10種程度揃う。地酒フリークには、多少物足りなさがあるが、純米吟醸でも一合600円と非常に良心的。生ビールも500円だから、この手の店としては、お値ごろ感が優り、得した気分になる。店内の壁に、帯広の地酒・十勝晴れ1200円が掲げられていたので申し出ると、ご主人は眉をひそめ、静かに目を伏せた。要するに、「物珍しさで飲むなら良いが、値段相応の味か否か自信が無い」ということらしい。
今宵の独り酒会席は以下の流れにて。
【お通し】
甘エビの塩辛と小松菜のおひたし
ふっくらと大振りの甘エビは、身がプリプリとして瑞々しい。甘エビと麹のコクに、シャキッとした小松菜が絶妙のアクセント。微妙に緊張していたが、上質な素材としっかりした味付けに、安心感がジワーと広がり、肩から力が抜けた。
【先付け】
タラバ凍りと抹茶豆腐
ハッサクの旬の走りを思わせるような、かなり強烈な柑橘のソースで和えたタラバ身と、クリームチーズばりのネットリ感のある抹茶豆腐。実に爽やかな先付けで、ここまではビールとの相性が良さそう。
【進肴(すすみさかな)】
秋鮭のチャンチャン
白味噌、ベシャメルソース、キャベツの甘みが引き立つ和洋折衷のチャンチャン。ソースの上層は鮭の潮味が広がり、下層は昆布の微香を纏う。増毛町・國稀酒造の純米吟醸と合わせると、俄然、北海道で飲んでいるという、「らしさ」が込み上げて来る。気持ちの問題ですけど。
【お造り】
マツカワ鰈、ホタテ、ウニ
ご主人こだわりの日高のブランド鰈を、歯応えが引き立つ薄造りで。ホタテとウニも鮮度の良さが光ります。ただし、コースとは言え、このポーションには、物足りなさを感じる方もいるのでは。
【焼き物】
鯖の三五八焼き
塩、麹、蒸し米の漬け床に鯖を通した照り焼き風味の焼き魚。大根おろし、油揚げ、胡瓜麹和えなどが箸休め的に添えられてはいるものの、甘エビ塩辛、チャンチャンと、味噌テイストが続き、ちょっと、ゲンナリ気味。熱めの燗で刈穂をお願いし、酒のパンチ力で、肴の流れに喝を入れる。
【揚げ物】
ハマチとコーンの竜田揚げ
青海苔を散らした衣がカラリと揚がり、磯の香りが素晴らしい。ただし、コーンが2カケラと、ハマチが1カケラは、ちと、寂しい気がする。ハマチの脂の乗りも、1ランクアップ欲しいところ。コーンは明らかに時期を外しているのに、サクサク感が凄い。不思議!
【ご飯】
シラスの雑炊と新香
薄味で潮の香が効いた雑炊は、とても穏やか味わい。胃に優しそう。これで、おまかせ終了となるが、思わず「まだ、〆のゴハン、欲しくない」と呟いてしまいそうな、微妙な物足りなさがある。何か一つ、届いてないのかなあ、春花さん...
★
ご主人は、かつて、大資本系の著名な和食店を任されたが、店のポリシーの違いに妥協できず独立されたらしい。従って、ご主人が目指すのは、上質な素材を用いた本格的な流れを汲む酒会席であり、店舗の独立を機に、これを低価格で提供するというMissionを自己に課したのだという。昨今の人気居酒屋と比較し、肴の型が古く、ストーリー感や創作感が乏しいので、物足りなさを感じてしまうのかも知れない。一方で、この日の勘定は5000円余りと、割安感は驚異的。ご主人の想いは見事に実現されてますよ、アッパレ。恐らく、見栄えの良い皿を使うだけでも、Vividなコースに様変わりするだろうが、ポリシーに反しますよね。ご主人、実は、とても饒舌な方で、コース終了後も、「苦難の生い立ち」「帯広への想い」「おまかせ料理に掛けた情熱」といった四方山話しを肴に、残った刈穂でチビチビやりながら居酒屋の愉しさを堪能させていただいた。春花さんには、一見して、他の★の居酒屋のような華やかさは無いが、ご主人の実直でストイックな志に、居酒屋魂の星が輝いているような気がする。
春花さんは小さな店である。今日は、客が私独りでラッキーだった。いつものように忙しい日だったら、きっと、こんな思いにはならなかったろうと思う。