泡！泡！泡！ : 麺屋 雷文

オープンから3年は経つが、相変わらず店内はピカピカで心地よい。ご主人の店づくりに対する想いは徹底しており素晴らしい。久しぶりの今回は変わり種でありながらも看板メニュー的なラーメン。


■泡鶏パイタン 塩　980円


エスプーマ（泡）した白湯が斬新。一瞬スープの熱さが気になるも熱々。そしてベースの鶏白湯が超濃厚でありマイルド。塩気も丁度良い加減におさまっている。ラーメンにおける塩気と言うのは、ケーキの甘味を同様で、効かないと物足り無さを感じ、強過ぎると飽きが来る…要はその加減が重要だ。

泡がプリプリの縮れ麺に絡みつき心地良く、例えるならばポタージュのような優しいコクと余韻。これ、勝手にアレンジするならば、鶏白湯濃度を少し抑え、ベジポタのように粗目のジャガイモ感を加え、バジル粉やガーリック粉で調整して食べられると面白いのでは？…と勝手に想像。

いずれにしても楽しくて美味しいメニュー、一度お試しあれ。

とても食べやすい今風なラーメン。これは評価出来る。しかし微妙なズレを感じるのは塩分。現代の嗜好に合わせた感覚は理解出来るが、0.5ポイント足りない印象。豊かな出汁感をキリッと締めて、さらに魅力的に感じさせるのは塩。人間の体を司る塩だと思う。ここの微調整はムズカシイが、そこを突く事が出来れば更に輝くラーメンになる思う。そして塩選びも大事なのかな。

定期訪問。塩分油分控えめで食べやすいタイプがクセになりそうな鶏白湯ラーメン。クォリティが大分安定してきたようだ。ここが勝負所かな。

■魚介醤油　880円

丁度良い場所にあり、食べやすいタイプの味わいなので、時々利用している店。コクとじわりとした甘さのある魚介醤油も無難な味わいで良し。

オープンから3か月が過ぎて、味わいにも安定感が出てきたのかも。これからが勝負！かな。

■鶏しぼり白湯塩らーめん　880円

前回感じた、麵の硬過ぎ感は程よく緩和されていた。鶏白湯の濃厚感と、強すぎない塩分で食べ易くも不満無い独特の立ち位置。時より食べたくなる味わいだ。

メニューを見ると、夜限定にて「つけ麵」がメニューに加わったようだ。個人的にはトッピングに味玉が加わって欲しい事と、こちらの2枚看板メニューはそれほど主張は強くないので、脳裏に残るようなパンチのある濃厚味噌ラーメンにして、塩・醤油・味噌の三枚看板で、お客の嗜好やニーズを幅広くカバーすると良いと思う。

主張は控えめながらも、しっかりとした味わいのある立ち位置は、これからの時代の隙間を行くような感じで好感が持てる。

但し、麺に関しては、若者やコアなラーメンファン、そして酔客には硬麵派が多いと思うが、老若男女、幅広い層をターゲットにするならば、デフォルトはもう少し柔らかいほうが良いと思う。これからの進化安定に期待。

■鶏しぼりパイタン塩らーめん　880円（税込み）

店イチオシのメニュー。メニュー書きには「当店の麵は通常でかため」とある通りの食感なプリプリ麵。前回は硬過ぎに感じたが、今回は個人的にセーフ。

スープは鶏白湯の味わい豊か、いわゆるコッサリ系の味わい。個人的にはもうひとつまみの塩気が欲しいように感じたが、食べやすさという点ではこれで良いのかも。基本的には美味しいラーメン。

濃い味がウケる苫小牧市のマーケットにおいて、私自身もラーメンにはガッチリ印象に残るパンチ感を求めてきたが、時代は進んでいるし、嗜好も幾分の変化を見せているような気もするので、こちらのコッサリ味がこれからどのように苫小牧でウケて行くのか注目したい。後は値段がラーメンとしては少し高めなのかもしれない。

苫小牧に新店オープン。代々替わるラーメン屋跡で、駐車場は店前に豊富だ。店内は前店舗のレイアウトやインテリアを踏襲するが、流れる音楽、そして細かい調度や整頓具合からは、店主のしっかりとした衛生観念とお洒落感、遊び心が垣間見れる。

らーめんは数種のメニューバリエーションを展開するが、基本は「人気の鶏白湯」、そして「オススメの魚介醤油」の二本柱のようだ。その他苫小牧らしいカレーラーメン等も置き、ご飯物も安心感として数種の設定あり。

■魚介醤油らーめん　880円（税込み）

まずはフワッと立ち昇る魚介の香りがスーッと鼻に抜けて良い感じだ。スープは「こっさり」、塩分も控えめで喉が渇かない感じ。スパイス感を含め比較的優しい味わいだが、ほんのり甘いコクと風味のしっかりとした鰹ベースの魚介感がしっかりと主張するので不満を感じず、スイスイスープを飲む事が出来る…味わいの加減が良いな。

麵はブリブリの札幌縮れ麵、流行りのやや硬茹でだが、私としてはもう少し茹でられたほうが好みだ。叉焼はしっとりホロリ、シンプルながらも雑味無しでＯＫ、メンマは仕入れの事情で細切りだったが、本来は太い拍子切りのようだ。木耳も相性の良い具材だが、これもブリブリに硬かったので、もう少し一体感が欲しい。そう、独立するそれぞれのパーツながらも、一つの丼内での紐づけ的なハーモニーは肝要であり、それは調理感と盛り付けで演出・表現して欲しい。

そしてもう一つ指摘するならば「ルックス」がイマイチだ。叉焼やメンマが沈んでおり（今回は撮影用に引っ張り出した）、葱の切り方にも一工夫、一技量欲しい。やはり「映え」は大事であり、人の本能として「見た目の第一印象」が、味わい・印象度の本質審査にも影響するものなので改良願いたい。

うん、基本的には美味しいラーメン、満足感も上々だ！これからの時代、老若男女にウケそうな味わい。但し価格帯が150円安ければ評価は更に上がるのだが‥。

又、他の味わいも是非試して見たくなる存在感も感じられた。苫小牧では魚介醤油の覇権店が無いので、工夫向上を経て昇華して欲しい、そんな期待が持てる店だ。