堅守の綻び : 上野幌キッチン60

２０１８．６
このお店を訪問すると、あの秋のことを思い出します。

甲子園を夢見て、がむしゃらに白球を追いかけたあの頃。
高校２年の秋、先輩達がチームを去り、新たなチームで迎えた秋の都道府県大会。
私はキャッチャーで４番。
高校通算２５本のホームランを放った右の大砲。強肩で幾度となく盗塁を刺す頼れる主将でした。

今回は、チームで唯一１年生でレギュラーの座を掴んだ、責任感の強い男の物語です。

彼のポジションはセカンド。
打力は低いものの、俊足と好守はチーム１。
監督や我々２年生からも信頼の厚い「次期主将候補」でした。

私達のチームは、北海道内屈指の左腕である旧友の活躍もあって、順調に駒を進めていきました。

準決勝です。
相手は全国に名を轟かせる強豪。
後に翌年の夏の都道府県大会準々決勝でも合いまみえる、プロ野球のスカウトも注目する左のスラッガーが４番に座るチームです。
（※翌年の夏の試合については、海味 はちきょう 別亭 おふくろのレビューをご覧ください。）

この日は旧友も相手チームの投手も本調子ではなく、乱打戦になりました。
９回表終了時点で１１－１０。
私達が１点リードした状態で、９回裏の相手チームの攻撃を迎えます。

２年生の中継ぎピッチャーが打ち込まれて無死満塁。
監督は５回からライトに退いていた旧友をピッチャーに戻します。

相手の２番打者。
スクイズするのは見え見えです。
私は高めのストレートを要求し、旧友はミットの位置通りに力強いボールを投げます。

配球が功を奏し、バットの上っ面でバントしてキャッチャーフライ。
１つアウトを取ります。

一死満塁。
迎えるは相手の３番、今大会打率５割の功打者です。
外野を前に出し、１点も与えないシフトを組みます。

流し打ちが上手いバッターなのでインコースを厳しく攻めます。

またも配球が功を奏し、どん詰まりのサードフライ。
いよいよ２アウト、あと一人打ち取れば決勝進出です。

左打席に立つのは４番、高校球界屈指のスラッガーです。
最も警戒しなければならない相手です。

まずは１球目。
インコースの高めの吊り球で空振りを取ります。

２球目。
外角のストレートはわずかにストライクゾーンを外れます。
見送られて１ボール１ストライク。

３球目。
膝元に旧友得意のカーブ。
狙っていたコースよりはやや高めに来たものの、まずヒットにはならないコースです。

相手打者は上から叩きつけるバッティングで強振。
この低めのカーブを上から叩きつけても、打球は上がりません。
思ったとおり、強いゴロがセカンドに飛んでいきました。

「神野!!」
私を含め、チームメイト全員がセカンドの名を叫びました。

強いゴロですが、神野なら難なく捕球できる。
誰もがそう思っていた瞬間。

ボールは神野のグラブをポロッと弾きました。

打球の勢いが強かったため、ボールはファウルゾーンを転々と転がります。

ランナー２人が帰還しサヨナラ負け。
私達のチームは準決勝で涙を飲むことになりました。

神野はその場に蹲り、立ち上がることができません。
泣きじゃくりながら、半狂乱状態でずっと叫んでいます。
「俺がきちんと捕っていれば…きちんと捕っていれば…きちんと…」

神野、ポロッ、きちんと…
かみの、ぽろっ、きちんと…
かみのっぽろっ、きっちんと…
上野幌キッチン、なんつって!!(笑)

食欲の秋、野球なんてやってないで食べ歩きしましょうよぉ～～～～(^^)

前菜・・・６種類のオードブル、ワンプレート盛りです。全体的にサッパリした味付けです。パテとサーモンのマリネが美味かったです。

スープ・・・メニューにはグリーンピースのポタージュとありますがジャガイモの冷製スープでした。オリーブで風味付けしています。これから暑くなっていく季節にピッタリの冷製スープ、美味です。

エビと魚介のクリームグラタン・・・具はエビ、アサリ、ムール貝。表面に見える分だけではなく、中にも具がしっかり入っています。米も少し入っていてドリア風に仕立てているんですね。塩味が強くて、ご飯やパンのオカズにピッタリなタイプのグラタンです。家庭で作るグラタンを、洋食のシェフが作ってみました的な印象です。こういう洋食大好きです。超うま～い。

デザート・・・アイスクリームです。ココナッツの風味が味を引き締めています。

どこか家庭料理っぽい洋食で、非常に好みです。
ここなら帯広にある妻の実家に行く前にも寄りやすい場所ですので、今度はお持たせでテイクアウトのオードブルを買ってみようと思います。

オススメのお店だったので、普段よりもいっぱい書いてしまいました!!
って大部分ネタログですけどね～(^^)