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名曲と名機の迷宮
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店名 |
閉店
ウイーン(COFFEE&MUSIC)
|
---|---|
ジャンル | 喫茶店 |
住所 | |
交通手段 |
西8丁目駅 徒歩3分 西8丁目駅から178m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
~¥999 |
予算(口コミ集計) |
~¥999
|
支払い方法 |
カード不可 |
席数 |
40席 (ソファ席をご用意しております) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
お子様連れ |
子供可 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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大分前になるが、何か良い鞄がないかと探していたら、札幌の日下公司という店に行き当たった。ブリティッシュトラッドな本格的鞄を作っているようで、どんな店なのか気になった。札幌までオーダーに行くわけにもいかず、鞄は結局、藤井さんに作って頂いたものを、もう十年以上も愛用することになった。
その後、出張で札幌へ行った機会に、やっぱり気になり日下公司に寄ってみた。西四丁目から狸小路をずっと歩いて七丁目まで来ると、少々寂れ感も出てくる。その先は簡易なアーケードさえないのだが、日下のホームページには狸小路八丁目との記載がある。古い店舗をちょっとしゃれた感じに改装し、日下公司、現在は店名を改め、くさかかばん店が営業していた。店内には想像したとおり、まじめに手作りした精度の高い皮製品が陳列されており、これも何かのご縁と、二つ折りの財布を購入した。極めてオーソドックスな見た目だが、小銭入れの金属ボタンがカードホルダーに直接当たらない工夫をしていることなどを、購入時に説明して頂いた。
そして帰り道、七丁目に古い名曲喫茶があるのを発見した。そのときは気になったものの、時間が足りなくて入店できなかったので、今回は仕事の翌日の土曜日にわざわざ出かけてみた。
お世辞にも綺麗な外見ではなく、名曲喫茶にありがちな隠微な雰囲気を強く漂わせる入口を入って階段を下り、地下の扉を開ける。店内は結構な広さで、なんと正面の壁に恐るべきスピーカーが鎮座しているではないか。あれはマッキントッシュ。日本で使った人は一体何人いたのだろう。評論家の菅野氏が自宅で使ったものの兄弟機で、ビンテージの名機、XR290、92年の発売当時450万円という代物。実はその後ろにもうワンセット、マッキントッシュのスピーカーがセットされているのだが、使われていないようだ。それを駆動するパワーアンプ。これまたマッキントッシュで、MC2600、90年の発売当時ジャスト100万円。しかもこのステレオパワーアンプをBTL接続で2台使うという贅沢ぶり。これだけで既に定価650万円だ。オーディオは当然、この前の装置もあるので、どう考えても総額1,000万円は下らない。
この装置を買おうと思った事実だけで、どんなすごいマニアが店主か想像できる。実は札幌というところは恐ろしいところで、宮越屋珈琲の宮越屋珈琲 THE CAFEや宮越屋珈琲 本店、パリアッチなどにも、想像を絶する高額オーディオが平然と置いてある。オーディオ趣味が盛んな土地柄なのだろうか。オーナーのお古としても、喫茶店に置くには勿体なさすぎる。
店内はぽつぽつと客がいるが、平均年齢は68.4歳くらいだろうか。古くからのしきたりに則り、皆無言でスピーカーの方に向かって座っている。名曲を聴く気迫に溢れていて好ましい。スピーカーからはシューベルトの未完成が流れてきた。ちょい待って。音量が小さすぎる。なんで片チャン1,200Wという超弩級アンプを使ってこの小音量なの。確かに小音量派というのは存在するが、ソノリティーが低すぎ限度を超えている。なんだか異様にフラストレーションが溜まる。音は現在の標準からすると決して良いとは言えない。やはり、このような高級オーディオは愛好家のリスニングルームで完璧に調整され、大事に使われるべきものなのだ。しかし、弦の響きなどに実力の片鱗は伺われる。と思っていると、何か微かに電子音のピッ、ピッという音がするような気がする。なんだろう、耳の錯覚かと思い、音のする方を見やれば、ガラ携のキータッチ音じゃないか。やれやれ。
気を取り直して音楽に集中しようとすると、何故か右チャンネルからガリガリとノイズが聞こえる。今かけている未完成は古い録音だが、レコードではなくCDだろうから、機械の故障か。せっかくのオーディオが台無しだと思っていると、店員の女性がトコトコとアンプの前に歩いてきて、右チャンネルのアンプの電源スイッチをバシッと切った。あらあら。
帰り際、店員さんに、「高級なオーディオが片チャンネル不調とは勿体ないですね」とお話しをしたら、「どうもすいません」とおっしゃっていた。ビンテージ物を営業に使うには、相当な苦労もあるだろう。しかし、是非とも復活させて欲しいものだ。なんなら、私がやろうか。そう言いたくなってしまった。