変化 : 魚信旅館

　2年ぶりです。晩秋ですが、他に二組の宿泊がありました。

　今回の夕食は私が過去にしたリクエストを合わせて
かなえてくださったようです。オコゼの煮こごりがありました。
生姜が入って面白かったですが、やや甘かったです。
　オコゼの煮付けはたぶん初めていただくもので、メバルより
はるかに美味しかったです。仲居さんが味噌汁の...なんて言ってたので
ヒレが好きです、と言いました。仲居さんも長い人で知っている
はずですが、オコゼのひれがちゃんとしたのを出してくださいました。
味噌汁自体がちょっといまいちでした。
　夜のお料理は10000円相当のはずです。オコゼが3匹、その他しっかりした
御飯、スイーツも付いています。普通のお店で食べるよりだいぶ安いと思います。

　朝食は様変わりしていました。小鍋は何かと思ったら、
目玉焼きでした。朝は板前さんが居なくても調理できるメニューに
変えたのですね。昔のアジの干物、アサリの味噌汁を懐かしく
思いました。ほぼ値上げしていないのでしょうがないですね。

　またおとずれました。
予約に入力システムを取り入れたようです。細かくは書きませんが、
ややこしいです。また板前さんが変わったそうです。
　料理の前半はあまり変わりません。ふぐの煮こごりがありました。
まあ、普通です。煮付けはアコウとのことですが、味はメバルと変わらず。
オクラが筋張っていて、噛み切れませんでした。
オコゼの唐揚げがオプション扱いで2200円です。高過ぎるでしょう。
量もいつもより少ないのに。
　コチとエビの飾り揚げというのでしょうか、それはまだしも、
ポテトに色を付けて紅葉に模したり、ウズラ卵でイチゴにしたり、
居酒屋料理のレベルです。土瓶蒸しも同レベルと思います。
　店主も年をとったかな。

　

　今回は初めて新尾道で下車して歩きました。
尾道駅の北は雑然とした昭和の町並みでした。
商店街の火事の跡は3年前のまま、復旧せずです。
あいにくの雨でした。

　いつもと同じく、くじら羊羹です。調べる気になり、
中屋さんというお店のものとわかりました。次回は
買いましょう。

　女将のスミちゃん(松林)が出てきていないことを
聞きました。お歳だからしょうが無いですね。

　満室とのことです。GoToのせいでしょうか。
お風呂を出てオコゼづくしです。
よなよなエールのようなクラフトビールも入れて
られました。しかし、高くて少ない。
板前さんが変わったのでしょう。ちょっと華がないかな？
例年よりメバルの煮付けは美味しいです。
　
　夜が明ければ快晴、ほぼいつもの朝食でした。
駅は正面だけがきれいになって、ほぼそのままで安心しました。
跡継ぎさんの顔をも見ないし、こちらもいつまでされるのかと
思いながら帰りました。

　この宿とも10年以上の付き合いになります。
尾道もこの宿も、たいていのことはわかってきましたが、知らないことがまだまだありました。ここは映画「ふたり」のロケ地だったんですね。

　チェックインをして若女将と話しました。いかにも昭和の駅は立て直し、宿泊施設も出来るそうです。商店街の桂馬蒲鉾の東は火事が延焼して、広い空き地になったとか。市役所も建て直す。

　宿泊は私だけだったのでゆっくり入浴しました。
この日は別室で夕食です。

　夕食は大女将すみちゃんのサービスです。以前から東京人のようなしゃべり方をするのを尋ねると、子供の頃は台湾に居たそうです。

　さて夕食、オコゼの薄造りはもちろん、カニ身を薄焼き卵で包んだ一品、青ズイキと染めた蘭の花が添えられています。

　ビールに切り替えてオコゼの唐揚げですが、やはりフワフワです。すべての料理のすべてのパーツを覚えていました。

　朝湯を出て朝食です。今回はアサリではなくて鯛の味噌汁でした。たぶんノルウェー産のアジですが、今回はイマイチで、味噌汁ともども骨が気になりました。

　帰り際に、すみちゃんが「こもんも40年になったのですねえ、うちのコーヒーパックより良い香りがしました。」と言っていました。すみちゃんに見送っていただいて鞆の浦行きの埠頭へ向かいました。元気でね～

　また新しい駅と市役所、再建された焼け跡を見に来ます。

：ロケ地
◎ふたり(映画)：長谷部真子の住む旅館
　広島県尾道市久保町2丁目：旅館「魚信」　　1992年のはずです。

　　相変わらずランキングが高いので、昭和40年代を思わせる室内写真を載せました。部屋に鍵を付けたり、多少の手直しがありました。
　同じ季節に来るといつも同じメニュー。オコゼの薄造りはいつ食べても美味しいです。
　客の数が多いと、オコゼの味噌汁の質が落ちるのは以前と同じです。この町が好きで、落ち着くこの宿が好き、だからリピーターしてます。


☆　冒頭に少し書かせて下さい。　2012/07/30現在、なんとTOP50になっています。

　　私は、この料理旅館を愛しており、10回弱泊まっています。しかし、とてもTOP50の料理ではありません、京都の菊乃井、その他と比べると遥かに繊細さに欠ける、ある意味田舎っぽさがある料理であり、接客です。　順位を見て訪れた方は必ず失望すると思いますので、その点お考えいただければと思います。　ここでは朝食後には市販のパックのドリップコーヒーを自分で入れて飲むシステムです。テレビも室内アンテナで、電波が悪いことがあります。
　尾道駅まで1キロちょっとの道を海岸沿いに歩くような方に訪れていただきたいです。

　以下、本編です。　　-------------------------

Nov. 2012
　オコゼの煮凝りは意外と薄味でした。
出汁の味、オコゼの皮の歯ごたえを楽しむものかと理解しました。それにしても、微妙な良い香りがしました。ゼラチンが加えられていたのかもしれませんでした。

　この日は客が多かったようで、風呂にもなかなか入れませんでした。そのためか、最期のウニご飯を出すのを忘れられました。バイトのねえちゃんに全部任したら駄目だって！　おかげで、出てきた赤出汁にはオコゼのヒレが有りませんでした。

　売り物は味でも建物の綺麗さでもなくて、町全体と同じような古い昭和のムードなんだから、しっかり保っていただきたいです。そのためにはバイト教育もちゃんとしてください。

　評価を現実的なものに？見直しました。

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　JRを下りて尾道の町を歩くのは開放感があって楽しいです。また、鞆の浦、阿伏兎、生口島と観光地へのアクセスも良いです。何回行っても新しい発見がありますが、気に入った料理屋さんを見つけることができないので、いつも魚信さんに泊まります。

　女将さんは名物と言うにふさわしく、気軽に声を掛けてくれます。数年前にゆっくり料理を食べていると、次の料理を持ってきた時に、「ながめてたの？」と言われました。また、唐揚げのヒレを残すとチェックが入りました。確かにヒレは美味しいです。

　「魚信の屋号は80年、建物は100年になります。
　　昭和25年頃改装工事を行い、ほぼ現在の総檜造りの数寄屋造りになりました」
魚信のH19年の広報です。古いが故に風情がありますが、すきま風が吹き、部屋にロックがなかったりします。木製の共同トイレからはノスタルジーを感じます。部屋の窓からの眺めは目の下が！！海で、目の前には向島が見えます。船が通ると波の音が聞こえます。

　写真の料理はワタリガニのセットです。卵、ミソがどこに行ったかが気になりますが、そこは見せる料理ですから諦めます。　一番美味しいのはオコゼです。オコゼのお刺身は、身がムチムチ、皮がプルプルです。唐揚げは、身がフワフワで、ひれはパリパリです。 おまけに肝は濃厚です。
　概して京料理ほど手を加えていません。しかし、十分工夫が感じられ、間違いなく満足できます。今年の料理は、ズイキの使い方に感心しました。

　この宿の良さは朝にあります。朝日がさし、窓を開けると潮風が入ってくる。朝食のノルウェー産、アジの干物も美味しいです。
向島を見ながらの朝食は、時が止まっているのではないかと思わせてくれます。他の宿泊客と雑談するのも楽しいです。

　アメニティーを求めなければ非常に落ち着ける宿です。料理の新メニュー、いち早く取り入れたインターネット予約からは、滅び行くのではなく新生を目指していることがわかります。

追加：　2010年はべっちゃー祭りの日に泊まる事が出来ました。女将によると3年ほど前に板さんが変わったとかで、
　　　　スズキの蒸し物など、洗練されたものが加わりました。鱧落とし以下、追加の写真です。
　　　　定番メバルの煮付けに脂がのっていたのと、オコゼの味噌汁がプリプリして美味しかったのが印象的でした。
　　　　女将さんはオーナーかと思っていましたが違うとのこと、長年通うといろいろわかります。

　2011年、残念ながら味噌汁のオコゼが煮すぎでした。作り置きかな。