バカ舌でも分かる生地自体の美味さ♡ : うみねこベーカリー

同店『うみねこベーカリー』さん、まず何とも郷愁を誘う屋号に、個人的には行かずとも惹かれました。

『〇〇ベーカリー』という屋号が最も簡単にお洒落に出来ると書いたのは、前出した福岡市西区姪浜の『ヨフカシベーカリー＆イッコン』さんですが、それが『うみねこ』になると、なんか演歌チックながら、後にベーカリーが付くと、ちょっと北欧風に変わるように思えるんですよね（って、あくまで私感ですけどね）

といっても、そんな屋号なのに海辺になかったら、そりゃブーイング物ですが、それこそ同店の難しいところで、呉市の吉浦という地区なんで港町ですが、お店の売り場と専用Ｐの動線からは海が見えにくいロケーションです。

その反対側に回り込むと、海が望めるんですけどね。

って、そこに至るまで海を目にしないことなどないはずだし、ほんの数10mしか離れてないから、少なくとも波音や潮の香りは感じられるでしょうし、もしかしたら本当にうみねこが啼いてるのかもしれませんから、まあ、よしとしましょう。

それより、そんな同店の場所がまずは問題で、国道31号線を広島市から行くと、宮川橋交差点を右折すれば一発で行けますが、確か朝の時間は一方通行だったし、それ以上に結構な狭路で、離合困難な上に踏切もあるから、普通の感覚なら行くのさえ躊躇われるはずです。

ですから、結構な大回りにはなりますが、より呉市方面に行った神賀橋西詰交差点から呉線を高架で越え、道なりに左折するのを右折、吉浦駅方面から行った方が無難だと、個人的には思います。

先の狭路は、基本的に離合の際とかに交わせるスペースを予め知ってる地元の方々のためにある私道みたいなもんなんで、知らない我々は、広島市方面へ帰る場合ならまだしも、それ以外は使用しない方が賢明でしょうからね。

且つ、同店の専用駐車場は裏にあり、上記の吉浦駅方面から行く場合でも、狭くなる直前に左折し、海沿いの道の方がまだ広いし、直にＰへ入れるんで便利なんです。

ってまあ、分かりにくいでしょうから吉浦駅側から行くにしろ、同店をまず目指した方が無難でしょうけどね。

ただ、そんな同店の前の道も、いわば港町の狭路、専用駐車場へ行く角っこは大型ＳＵＶなど切り返しが必要かもしれませんから、運転に自信がない人には厳しいかもしれません（てすからオススメの道がいいんです）

これだけ同店の周辺の道を詳しい理由は、実は再訪だからで、最初は定休日なのを既知してましたが、呉市に余りに早く着きそうだったから、いずれは行くだろう同店の回りを車で予め偵察したからなんです。

「そうですそうです。その道が、一番いいでしょうね」

ですから、同店の女性オーナーさんか（？）に上記の道を告げると、やはりビンゴだそうですよ。

そのように、同店の女性オーナーさんは感じも良く、他のレビュアーさんも書いておられるように、パン云々じゃなくとも、小ぢんまりした港町にあるパン屋さんの雰囲気も相まって、好きにならずにゃいられないでしょう。

お店は住宅も兼ねられてるみたいで、かなり狭小ですが、俗に言う小バコなパン屋さんって、特に女性はお好きなようですからね。

そうして予め道まで調べといたのに、実際に行ったのは諸用が長引いたんで15時40分という遅い時間帯。

もっとも４種類ほど残ってて、大きめサイズなんで２個ほど購入しました。

女性オーナーさんは、やたら品揃えが少ないことを謝っておられましたが、そんな時間帯に行った、っていうか、先の定休日と違い、その日は逆に寝坊して諸用の約束にも遅れそうになったワタシ自身が間抜けてるだけです。

そんなこんなながら、お会計しようとすると、

「カット、どうされますか？」

と訊かれたんで、食パンならともかく一瞬？マークだったんで、そんな顔をしてたら、どう食べるか訊かれたから正直に酒のアテと答えると、

「じゃあ、一口サイズっていうか、小さめに切りましょうね」

と応じられ、なるほどプロじゃないと出来ない極薄めにカットしていただきました。

そんなこんなで購入したのは、以下の２点です。

① 小さなじゃがいもパン 310円
》 付け合わせにいかがですか。もちかりじゃがいもお食事パン

② ぶどうぱん 350円
》 がっちり生地にレーズンいっぱい。薄く切って軽く焼いていかがでしょう

①は、最初は全然じゃがいもっぽさを感じられなかったんだけど、五切れ目から何かお芋ちゃんが顔を覗かせたかと思うと、後は噛めば噛むほど湯水のごとく湧き出してきました。

って、ポップを見てたからじゃがいもと分かりましたが、見てなかったら、ほっこりとした穀物っぽい甘さとしてしか感じられなかったかもしれませんけどね。

とはいえ、元のパン自体の味からして美味しく、なんたって香ばしい薫りが強く、皮がカリカリしてて、歯応えもしっかりあります。

それでいて中は空気をたっぷり含んでて、ふかふかの優しさがあり、噛めば噛むほど小麦っぽいナチュラル感さえ感じられました。

②は、こちらは①と違って干し葡萄が目いっぱい入ってます。

カットされてるからあれですが、どこを噛んでも葡萄に当たるような感じがするほどで、ただ甘いだけじゃなく、しごく大人な甘さ。

じんわりと滲みてくるような甘味で、こりゃ美味い ♡

こちらも皮はこんがり焼けてて、そのほのかな甘さもまたアダルトながら、いかんせん空気を内包しておらず密度が高いんで、ずっしりした重さがあります。

それぞれ素のパンで、菓子パン好きなワタシとしたら本来は物足りないはずなんだけど、同店のパンは生地自体が美味しいんで、下手にバターやジャムを塗る方が良さを消してしまうような気さえしました。

ってまあ、ワタシなど菓子パンが好きなように味覚が幼稚で、しかもバカ舌なものの、同店は一味違うように感じられましたが、情報によると湯河原の人気店『ブレッド＆サーカス』さんで修業されたとのことなんで、そちらは行ったことないものの、食べログでは23年１月現在3.73の高評価だし、昨年のパン百名店ともなると、まあ、腕は確かなんでしょう。

ですから、そんなワタシみたいな盆暗でも気づける美味しさとも言えます。

となると、パンが揃ってる早めの時間帯に是非とも再訪したいもんですが、ちょうど呉市での諸用が落ち着いて、またいつ行けるのか分からないとは、まあ、なんとも人生は上手くいかないもんですね？


● 個人的 食べログ 評価点・・・3.9