ツキがない場所に 一筋の光明が射す？ : 麺屋 松

同店『麺屋 松』さんがあった場所には以前『春夏冬(あきない)』さんという岩国に本店があったラーメン屋さんがあり、トマトのラーメンを頂いたものの、やはり不思議な味で、次に現在も新天地や猿猴橋にある『和田党』さんの支店ができ、一般的評価は高いけど個人的には合わず、と、なんだかツキのない場所のように感じていました。

ですから同店『麺屋 松』さんが出来たのは目にしてたけど、なんか入るのが不安で、いつも素通りしてたんです。

そんな場所は国道２号線の深江交差点カドにあり、広島方面からだと宮島口の渋滞がやっと解消される辺りです。

この深江交差点、踏切周辺の改修工事が完了し、阿品台方面からも来やすくなりましたね。

専用Ｐも10台くらい駐められるぐらい広く、それほど古くもないのに、なぜコロコロとお店が変わるのが不思議でなりません。

ちなみに退店して広島方面へ戻られる場合は、いったんお店横の小道に出て信号を守り、その深江交差点から右折した方が出やすいと思います。

専用Ｐから直に右折進入しようとし、いつまで経っても入れてもらえないというか、信号が近いんで気づかれない車が結構いましたからね。

入店すると分かりやすい場所に券売機があり、２台あるのも助かりますが、

〝えっと、塩ラーメンって松ラーメンでいいのかなあ？〟

と、ちょっぴり不安に感じたんで取り敢えず訊きたかったものの、とにかく忙しそうに動いてる従業員さんたち、いくら呼んでも気づいてくれなかったのには往生しました。

結局、声を上げるよりも激しく動く、いわゆるジェスチャーの方が気づいてもらえそうだったんで手を大きく振ると、やっと分かったみたいです。

「えっと、塩ラーメンっていうか、元フレンチのシェフがコンソメの技法を使って作った野菜の旨味が溶け込んだようなスープで、」

ですが、女性従業員さんはまるで口上のごとく、そんなまどろっこしい説明をされるんで、制するようにワタシは

「じゃあ、この松ラーメンがイチバン塩ラーメンに近いんですね？」

と訊くと、なるほどそのようでした。

まあ、女性従業員さんもそう言えと上から言われているのかもしれません。

『松ラーメン 750円』

ですから同メニューを購入、10席程度あるカウンター席に陣取りました。

他にテーブル席も７〜８席ぐらいある中々なキャパの店内です。

ちょっと照度を落とした居心地のいい空間だからか、食べ終わっても喋ってる先客が多いみたいで、それはそれで素敵なような気もしますが、もし混雑時にこうだとラーメン屋さんとしての回転率は悪そうで、それこそ同店舗の問題点、コロコロと店が変わる要因のような気もしました。

〝ほほう。確かにコンソメみたいね〟

やがて５〜６分後に供されたスープを口にするなり、なるほど先に言われたフレンチの技法云々な、高尚な口上に首肯けなくもない。

ちょっと今まで食べたことないタイプの塩ラーメンなことだけは確かです。

見事に澄んだ黄金色のスープで、鶏油っぽい膨よかさもあるんだけど、決してクドくはなく、それより何より野菜の甘みがほのかに感じられる。

むろん塩ダレはしっかり効いてるし、デフォで黒コショウが振ってあって、どちらかと言うとアダルトな味わい。

ただ一点、そぼろ肉みたいなのが散らばめられていて喉に引っ掛かり、せっかくの喉ごしいい素直な旨味の邪魔をしてきたのは残念。

ってまあ、意味はあるんでしょうが、個人的にはなぜ入れてるのか、まるで分かりません。

しかも、これだけ最初に味わったことない旨味に襲われると、妙な拒絶反応なのか急激に飽きが来て、半分ぐらいで何故だか食欲が一気にしぼんじゃいました。

すると、そのためにかニンニクが用意されてて、投入するとガツンと力強さが増し、後は美味しく頂けましたが。

チャーシューは薄切りだけど味つけはしっかり、麺は手揉みっぽいウェーブは掛かってるものの、ほぼストレートな中細、茹で加減も喉ごしもちょうど良かったです。

且つ、最初捕まらないほど忙しかった従業員さんたちも、落ち着いたからか退店するお客さんに、いちいち並んで立礼され、かなり教育は出来てるようなんで、サービス云々とは言いにくい環境でもあります。

ですから、評価が非常に難しいんですが、上から目線で恐縮ながら、さすがに中ダレしたんで、以下の点数でお茶を濁させてもらいます、あしからず。


● 個人的 食べログ 評価点・・・3.4