フードコート店ながら中華そば特化としては第3号？店。なれど通常の和麺系もあるいわばハイブリッド店。中華そば自体もまた色んな意味でハイブリッド。 : うどんと中華そば ちから サンリブ五日市店

この店、昨年10月にそれまでのオアシスさんに代わるサンリブ五日市のフードコートの新たな
核テナント？的な位置づけの店として入居しオープンしました。

広島ではおなじみの「うどんと和菓子の　ちから」と同社別部門のラーメンに特化した「中華
そば　ちから」の両方の機能（というか主にメニューですが）を一店で併せ持つ、いわばハイ
ブリッド店という感じの展開ですね。

ゆえに正式な店名も「ちから」でも「中華そば　ちから」でもなく「うどんと中華そば ちから
サンリブ五日市店」というわけです。従って昔から馴染み深い「ちから」の和風麺類＆おはぎ
等の和菓子＆むすびなども注文でき、「中華そば　ちから」の中華そば＆餃子＆つけ麺なども
同じレジで、しかも同時に注文できるという趣向。

お子様から若い方、ご家族連れにご年配の方まで幅広くどうぞ、色々ありますよ、という趣向
ですね。フードコートには凄く適したスタイルです。

しかもフードコート店ゆえ、なんと他のテナント（マクドナルド・ミスタードーナッツ・お好
み焼き）の品と同時に食べる事が出来る！なんて利点もありますね。

ちからの中華そば（または和麺系など）をおかず？にお好み焼きやビッグマックを食べ食後に
ドーナツとコーヒーで〆なんて事もフードコート店ゆえに可能なわけです（そんなけったいな
食べ方する人あまり？見たことないですけど（笑））

これは独立店舗の八丁堀店では絶対不可能ですし幾多ある「ちから」さんの店舗の中でもこの
サンリブ五日市＆府中のたった2店舗のみでしか実現出来ない技ですので（「中華そば　ちから
」のメニューは現在の所、八丁堀とサンリブの2店舗の計3店舗のみだそうですので）ある意味
面白いと思います。

で、この店の入ってるこのショッピングセンター、実は我が家から徒歩数分。ゆえに日曜祝日
などはここで昼食をとる機会が多くなり他の飲食店で外食するよりもここで食べさせてもらう
回数の方が上回ってきました（ひと月で見るととですが）

そういう意味では我が家にとっては一種、近所の食堂的な使い勝手のお店ですね。

ちなみに「中華」の部門と「うどんの」のハイブリッドと言いましたが実は「うどんと和菓子
」の部門にも中華そばがあります。これは「中華そば　ちから」のメニューにも載せてある唯
一の？両部門共通メニューです。今は「伝や味」という別称がついてるけど「中華そば　ちか
ら」が発足する前までは単に「中華そば」という名称でした。

【中華そば（伝や味）】税込610円

何で「伝や味」なのかと言うと、なんてことはない「伝（統の）や（さしい）味」だからだそ
うで。で、この「伝や」と新中華そばともいえる2つの計3種類の広島風？中華そばが選べる訳
です。

因みに中華そば系に関して順を追って言いますと・・・


まず「伝や」は広島風の脂少な目のアッサリ系とんこつ醤油スープに広島定番系の麺、その上
の乗せ物は細モヤシに焼き豚にネギといった広島古典的と言うか俗に言う小鳥系に準じたスタ
イルですね。追加で玉子（冬季は生卵もあります）とかの幾つかの別料金トッピングが選べます。

これは「伝統のやさしい味」だけに良くも悪くも地味でごく普通です。言い方を変えると「安心
の味」というか。ある意味「当たり障りが無い」と言える味ですね。それだけに注文の比率と
しては高年齢層の方が多い様に傍目からは見受けられますね。

個人的には、たまに食べるとホッとします。たまにはこれもいいですね。


次に新中華そば系メニューのふたつ「新元味」と「こく味」これはあの博多一風堂との共同開
発商品との事。


【新元味/こく味】税込650円


もともとは数年前に旧府中店（現サンリブ府中店）で試験？運用し（この時「中華そば　ちか
ら」という別形態店が初めて登場しました）、今やエリアを広げつつある、ちからの次世代メ
ニュー的なラーメンですね。

思えば府中に中華そば　ちからの1号店が出来た数年前にお店にうかがって最初にこれを口にし
た時「面白いラーメンだな」と思った記憶があります。

ちなみに「新元味」と「こく味」の違いは背脂の有無のみ。価格も同一。基本の共通部分を言うと・・・

新しい組み立て方の醤油とんこつスープにタマネギの刻みが浮いて（混ざって？）いて、その中
に福岡系が少し入った？様な感じの風味に食感の恐らくは加水率の少なめの「中華そば」部門専
用のザクッとくる食感の麺。

乗せ物は広島風標準から見るとかなり少な目の細モヤシにホウレンソウに焼き豚にナルトにネギ。
味のベースのタレも従来の「伝や」とは恐らくかなり違う組み立てではないかと。

これがいわば「ちからの中華そば」三本柱になるわけで。これの他に中華系麺類としては、つけ
麺があります。


【つけめん】税込※※※円（700円くらいだったと思いますが正確な価格を失念しましたので後
日、追記します）


つけ麺は基本的には「新中華（便宜上こう呼ぶことにします）」系をベースに、これをつけ麺に
した関東風というか福岡系？というかに仕立てた品で関東風で言う所の「ひやあつ」（麺が冷や
しでつけ汁が温かい）スタイルです。


味玉とか刻み海苔などの乗せ物が汁系とはまったく違うけど、つけ汁も麺も基本的には「新中華」
の方を物をそのまま使ってある（つけ用に酸味を少し加えて、とか唐辛子が隠し味に使ってある
などの違いはありますけど基本的には構成材料は一緒らしいです。）

因みにつけ麺は通常盛りでも大盛り（2玉）でも同価格なのがありがたい部分ですね。レビュアー
は以前はいわゆるつけ麺系は広島風のつけ麺にどうしても馴染めない事もあって無意識に敬遠す
る所がありましたけど、こういう関東系？というか福岡系？の構成のつけ麺は案外好みに合うせ
いか結構これを注文する様になりました。ザクッと来る「新中華」専用の麺の食感がつけ麺にと
ても合ってると思いました。

恐らく「伝や」の昔ながらの広島麺はあのつけ麺に使うにはちょっと合わない気がしますね。恐
らくですが（というか個人的にはですが）

で、ここで「新中華」の方の汁麺2つに関しての話ですが・・・


背脂の有無でちょっとコテっと（コッテリではなく）してるかしてないかの違いだけでほとんど
同じような味ですねこの二つは。脂感の違いだけであまり極端な差別化はされてない感じがします。
ただ、いわゆる伝統的な広島ローカルの小鳥系とんこつ醤油とは根本的に少し違う方向かな？と。
どこか福岡とんこつ的というか他県系の要素を感じる味付けというか。

他県系といえば麺も乗せ物やスープに混ざってるタマネギ刻みもそうですね。

言うなれば・・・

どこの県寄りでもない全国スタンダード的に仕立てたとんこつスープを醤油とんこつ仕立てにしそ
れに八王子系よろしく刻みタマネギを加え、その中に博多系に近い風味と食感の麺を落とした物の
上に

横浜家系からホウレンソウを、東京あたりからナルトを持ってきました、と。で「こく味」にはそ
れに加え新潟？とか関東のホープ軒あたり？から背脂チャッチャ要素持ってきました・・・という
感じ。で、それを広島風にモヤシ乗せて青ネギのせて広島中華そば風に仕立てましたと言う感じ（
なんのこっちゃか判りませんけど、まあ端的に言うとそういう感じ受けます。）

混ぜ混ぜといいますか・・・

博多？×八王子？×新潟？×東京？×横浜？÷広島＝
こんな感じと言いますか

無国籍というか無県籍？というか・・・人に例えると色んな県の人の血が混ざった広島生まれの広
島在住の人？という風ですね。

ある意味、面白い発想のラーメン、面白い方向性の新しい「広島風中華そば」だと思います。

ただ恐らくこれは・・・広島の人の発想から生まれたラーメンでは無いと思います。

全体的にはなんとなく広島風にまとめてあるけど一つ一つとってみると一個一個は全然広島風じゃ
ないと言う感じ、とりわけナルトを乗せるとかホウレンソウをトッピングするとかなんて広島のラ
ーメン屋さんの発想にはまずないのでは？(お客さん側でもナルトとかホウレンソウに違和感を感じ
る方も案外多いらしいですし）と思いますので恐らくは、ちからさん主導ではなく一風堂さん主導
で生まれたものではないか？と。

思えば最初の1号店たる（旧）府中店オープンの時、地元ローカル局で取材してるのをテレビで見ま
した。一風堂から来られた方が責任者となって厨房に、サービスにと、ちからのスタッフの方に細
かく指示をされているのを見ました。だから推測する限りでも実際に中華そばを口にしてみた感じ
からしても恐らくはそうではないかという気がします。

生粋の広島の人の抱く「広島風中華そば」とは根本的に違う感じがしますし。言ってみれば変な例
えですけど・・・生粋の他県のラーメン屋さんに「広島風中華そばって、こうこうこう言う物です。
さあそれじゃ今言った感じで自分なりに作ってみて下さい」とお願いして

「え～と・・・確かこれはこうで、あれはこうで・・こんな感じだったよねえ・・はいできた！」
と言う風（物凄い勝手なイメージですが）？

で、「ラーメンと言ったらネギでしょ、焼き豚でしょ、んでホウレンソウにナルトも外せないよね。
・・・あ～そうそう、そうでした広島はモヤシがいるんだよねえ」的に成立した物の様な

まあ、かなり妄想入りましたが、ちょっとだけそんな雰囲気に感じるところもありました。


もし本当にその通りだったら面白いですね。なまじあまり良く知らない方が逆に面白い物が生み出
せる気がしますから。思うに、これは個人的にはですが・・・

広島のラーメンにとっては、こういう事はとてもいい刺激、新しい傾向への切っ掛け、新しい血の
流入になると思います。ともすれば閉鎖的に保守的になりがちな所へ異種の血が入ってくる、しか
も「新たな広島風」を掲げてという感じ。

黒船的と言いますか・・・

それを広島の地場も地場の、ちからさんがやった。地元だけであれこれするのでなく他県のお店、
全国区のお店を招いて、「よその血を敢えて持ちこんで」・・・というのは素晴らしい事だと思い
ます。こういう事、こういう冒険がないと新しい風は吹きませんからこれは素敵な事だと思います。

こういうのはもっとどんどんあった方がいいと個人的には思います。
その方が楽しいですしね。


ちなみにレビュアーは先述のつけ麺は一旦置いとくとしますと、このフードコート店で割とよく注
文するのは「新元味」の大盛りです。次が「こく味」で「つけ麺」、そして「伝や味」という順。
たまに冷やしそば（日本そば※夏季限定）と言う感じですね。

「新中華そば」系は「こく味」「新元味」共にあの麺のちょっと博多寄り？の口触りが好きなので
これが古典的な広島風麺を使う「伝や」より優先順位が上になる理由です。

あの麺はなかなかいいと思います。ザクッと来て。あれを「伝や」にも使ってもらえると嬉しいん
ですけどね（個人的にはですが）

最後に・・・


中華そば（新元味/こく味）単品で取り敢えずどれか一杯だけと思われる方には特製中華そばがお勧
めではないか？と。

【特製中華そば（新元味/こく味）】税込840円

これは通常トッピングに加え焼き豚多めでワンタンに煮玉子に海苔が入った全部乗せと言うかDX版
で一風堂さんまたはその系列店のメニューにある「スペシャル」に相当します（実際の所、相当する
というよりはベースのラーメン/中華そば本体は別にしても組み立て方はほとんど同じと言っていいと
思います。思うにやはりこれは「一風堂が作ったちからの中華そば」の様な気がします。）

正直ちょっとお値段高め（特にフードコートだと思うと割高感はあるとは思いますが）ですがお奨め
トッピングが一通り乗せてあるだけに「中華そば　ちから」が（またはこのメニュー開発に大なり？
小なり？携わった一風堂が）最もアピールしたいメニューの一つではないかと思いますだけに・・

この一杯で「中華そば　ちから」の提供したい味の方向性が大まかには判るという点では案外いいの
ではないかと思います。


またまたまとまりのないレビューとなりましたが、とりあえず以上です。