後出し(あとだし)でもいいんじゃない!予想を裏切る味わいでした。 : 横川鉄板

この口コミは、miimii7さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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3.8

~¥9991人
  • 料理・味3.9
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク-
2012/10訪問1回目

3.8

  • 料理・味3.9
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

後出し(あとだし)でもいいんじゃない!予想を裏切る味わいでした。

季節の変わり目は、お別れの季節ともいえるのかもしれません。


食べ歩きをする中で、次回は是非鉄板で食べたい!と思っていた「お好み焼 こむぎ」に向けて
自転車を漕いだものの、久しぶりに辿りついたお店には「横川鉄板」という看板がかかっていました。
どうやら「お好み焼 こむぎ」は閉店したようです。


あの年配のご夫婦はいずこに?そして、お店の中にいる男性はどなた?と様々な思いが頭を駆け巡りましたが、
せっかく新しくできたお好み焼き屋さんがあるので、自転車をとめて入店することにしました。
ちなみに、お店の前に2台分駐車スペースがありました。


お店に入ると、「いらっしゃいませ」とご主人と若い男性店員が声を掛けてくれました。


先客が既に4名おり、いずれもテーブル席を利用していたので、喜んで鉄板のあるカウンター席に座りました。


店内は、鉄板のあるカウンター席が6席、窓側のカウンター席が5席、4人掛けのテーブル席が2卓。
テーブル席は、フタを外せば鉄板がある構造で、ご主人によると、夜の営業のみフタを外すそうです。
そして、テーブル席の後ろにスクリーンがあり、テレビ番組が放映されていました。夜は、ちょっとしたパブリック
ビューイングになりそうです。


テーブル席に座っていた女性客は、期間限定の「牛すじと玉ねぎのカレーライス(480円)」を食べていましたが、
私の好物はあくまでもお好み焼きです!


ということで、メニュー表を見て注文したのは、

・肉玉そばダブル(680円-期間限定100円引き+そばダブル100円=680円)    です。


注文を受けて、ご主人が調理に取り掛かります。


まず、鉄板の上に直径14~15cmくらいの生地を敷きます。生地は、色合いと粘度からすると、昆布粉が
練り込まれているようです。


その生地の上からキャベツ(千切りに近い・量少なめ)を中央部に載せ、キャベツの上に魚粉を振り掛けます。
ここまでの工程を見て、失礼ながら思ったのが、「こりゃ、失敗したかな~」
過去に、このようなキャベツ少なめで広島風お好み焼きと程遠いお好み焼きを調理したお店(レビューする
予定なし)と光景がダブりました。不安に思いましたが、最後まで見守ることにします。


次にご主人が行なったのは、冷蔵庫から取り出した蒸し麺の揉み出し作業。
揉んでバラバラになった蒸し麺をキャベツの上に置きました。キャベツを中央部に少なく置いたのは、このため
だったようです。


綺麗に麺を盛り付けた後にのせられたのは、親指大の牛脂と小さなブロック状に刻んだ豚バラ肉。
さらに、その上から少量のガーリックパウダーを振り掛けます。
このシーンだけを見ると、なんか府中焼きを彷彿(ほうふつ)させます。


意表を突かれて驚いている私を尻目に、後ろを向いていたご主人が取りだしたのは、「溶き卵」。
溶き卵を豚バラ肉・牛脂の周りを囲むように垂らしていきます。しかも、分量を気にしながら垂らしています。
細かいことはよく分かりませんが、かなりこだわりを持っているようです。


そして、天かすを麺の上に置くと、2枚の調理ヘラを使用してひっくり返します。


ひっくり返したお好み焼きを見ると、薄い焦げ色。生地の状態を見る限り、鉄板の温度は低めのようです。
メニュー表を改めて見直してみると「お好み焼きは20分程度お時間をいただきます」と明記してあります。
なるほど、きちんと布石は打っていました。


そこから、しばらくキャベツ・豚肉の蒸し時間に入るのですが、ここで、ご主人が興味深い動きを見せます。
お好み焼きと腕時計を交互に見ています。そして、お好み焼きの位置を少し浮かせてずらし、鉄板の上に
残った脂を調理ヘラで除去していきます。さらに、生地からはみ出ている麺を内側に潜り込ませ、2枚の
調理ヘラで軽く押さえてなじませていきます。


その後も、地道に同様の作業を繰り返し、鉄板の上に残る脂がほとんど見えなくなったところで最後の仕上げ
に入るようです。


半円形の小ボウルに卵を割り、鉄板の上に落とし、黄身を調理ヘラでつぶし、丸く成形した後、お好み焼きと
ドッキングします。


ひっくり返した後、テフロン製のハケでソースを塗り、少量のこしょう・青のりを振り掛け完成です。


注文から約18分。肉玉そばダブルが私のもとに運ばれました。
出来上がったお好み焼きは、なかなか美しい形状。ご主人の仕事の細やかさを感じます。


それでは、実食です。
ヘラを入れて一口食べると、少ないと感じていたキャベツの甘みがしっかり伝わってきます。そして、麺も
カリカリになる一歩手前の状態で非常に食べやすいです。しかも、豚バラ肉の脂を適度に吸った麺は、
小麦粉の甘みを強調させます。


そして、なによりも驚いたのが、ブロック状の豚バラ肉が全然油っぽくないのです。
いくら、こまめに脂を取り除いても限界があるはずなのですが、食べていて胸焼けすることもありません。
むしろ、ブロック状の豚バラ肉は食感が良いんです。


ここで断面を観察すると、下から生地-キャベツ-麺-豚バラ肉-玉子と綺麗な層になっており、全く
形が崩れません。当然、お箸で食べると形は崩れますが、ヘラで食べるには最高の一体感といえます。


食べ進めていくと、1番油っぽいと思われたお好み焼き中央部分がとてもまろやかな味わいです。
キャベツ・麺の甘さの後に、溶き卵のまろやかな味がサポートをしてくれます。
本当に、この脂を吸った溶き卵の部分が美味しい。お好み焼きの新たな1面を垣間見た感じがしました。


もちろん、甘みだけでは飽きてしまうところですが、麺に少量振り掛けたガーリックパウダーのアクセントが
ところどころ効いています。バランスがうまく取れています。


ソースも、必要最低限しかかかっていないので、端から端まで素材の旨味を感じながら完食です。


全体的な感想としては、「心地よい甘みをもたらす1枚」です。
キャベツ・麺・豚バラ肉の脂の甘みをそれぞれ感じることができ、飽きの来ない1枚となりました。


完食したタイミングで、若い男性店員が「どうぞ」と差し出してくれたのが、昆布茶。
美味しく昆布茶をいただきながら、私に「同業者の方ですか?」と尋ねてきたご主人としばしお話しです。
(当然、私は同業者ではないことは話しました)

話の概要は下記の通りです。

・「お好み焼 こむぎ」は、今年3月末に閉店。このお店は5月8日にオープン。


・ブロック状の豚バラ肉は、食感の変化を楽しんでもらうために採用。


・このお店のお好み焼きは、広島風ではなく、府中焼きをイメージして調理している。


・溶き卵は、豚バラ肉・牛脂の油を吸わせることで使用。使用する量は0.3個分としている。


・鉄板温度をなるべく低めにして、じっくり焼き上げることで旨味を閉じ込めたい。


・水分量が、お好み焼きの味を左右するので、もやしは使用せず、キャベツは少なめにしている。


・ソースは、オタフクに2種類の辛み成分をブレンドしたもの。どちらかといえば、カープソースの
テイストに近いかも。(オタフクさんには悪いけど…)


・目標としているお店は無い。ただし、参考にするお店はいくつかあるので、それぞれの良い
部分を参考にオリジナルなお店にしたい。

とのことでした。


聞けば聞くほど、このご主人のこだわりはすごいです。
溶き卵を使用する理由と、垂らす際に神経を遣っていた理由がようやくわかりました。


最後の項目については、「後出し(あとだし)じゃんけんみたいですけどね…」と話をされていましたが、
個人的には、最終的に独自の色を出しているので、それでいいのではないかと思いました。


そして、話をしているうちに目に入ったのが、お好み焼き屋さんとは思えないほどの酒の種類と
コーヒーミル、そして、入口右側に置いてあるギターケース。


ご主人に聞いてみたところ、「いや~、本当は酒飲みの方に来てもらいたいんですよ」とのこと。
鉄板料理(焼き鳥)を提供し、テレビを見てもらいながら、お酒を飲んでもらう…そして、〆はお好み焼き。
そんなお店を目指しているそうです。

「前のお店(こむぎ)の方が綺麗に鉄板を使用されていたので、お店を立ち上げる時、助かりました」
とご主人。

実際の調理では、厨房から見て左側の鉄板は「保温用」、右側は「調理用」と使い分けているそうです。


色々話をしているうちにお昼の営業時間が過ぎてしまいました。清算です。
支払金額は680円。


お金を支払う際、洗い物をしていた若い男性店員がレジに直行です。
「調理をする人間は、お金を触らない」というこだわり&教育がきちんとなされているようです。


「今度は、是非夜にお越しください」と見送られお店をあとにしました。
本来の目的とは違うお店の訪問となりましたが、良いお店でした。
調理する様子を拝見する限り、鉄板を傷つけないように色々と配慮していたな~と思いました。


横川駅から離れており、決して良い場所にあるお店ではありませんが、それを補う技術力はあると
感じました。


次回は、友人を連れて夜に伺いたいと思います。


美味しくいただきました。ごちそうさまでした。


  • 横川鉄板 - 綺麗な外観です

    綺麗な外観です

  • 横川鉄板 - 肉玉そばダブル

    肉玉そばダブル

  • 横川鉄板 - お好み焼きの断面

    お好み焼きの断面

  • 横川鉄板 - 調理途中。第一印象は不安でした…。

    調理途中。第一印象は不安でした…。

  • 横川鉄板 - 調理途中。麺の上に溶き卵をかけています。

    調理途中。麺の上に溶き卵をかけています。

  • 横川鉄板 - 食後にいただいた「昆布茶」

    食後にいただいた「昆布茶」

  • 横川鉄板 - 外看板

    外看板

  • 横川鉄板 - メニュー表(ランチメニュー・お好み焼き)

    メニュー表(ランチメニュー・お好み焼き)

  • 横川鉄板 - メニュー表(ドリンク)

    メニュー表(ドリンク)

  • 横川鉄板 - メニュー表(鉄板料理他)

    メニュー表(鉄板料理他)

  • 横川鉄板 - メニュー表(一品料理)

    メニュー表(一品料理)

  • 横川鉄板 - メニュー表(呑みきりサーブ)

    メニュー表(呑みきりサーブ)

  • 横川鉄板 - 良い鉄板です

    良い鉄板です

  • 横川鉄板 - 厨房の様子

    厨房の様子

  • 横川鉄板 - 店内の様子

    店内の様子

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店舗情報(詳細)

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店舗基本情報

店名
閉店 横川鉄板

このお店は現在閉店しております。店舗の掲載情報に関して

ジャンル お好み焼き、鉄板焼き、居酒屋
住所

広島県広島市西区横川1-8-1 吉村ビル 1F

交通手段

JR・山陽本線 横川駅から徒歩5分
広島電鉄・横川線(8号線)「横川一丁目」駅下車 徒歩3分

横川一丁目駅から86m

営業時間
  • ■営業時間
    昼11:30~14:30(L.013:45)  
    夜18:00~22:30(L.021:45)

    ■定休日
    月曜・祝日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
~¥999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

席・設備

席数

19席

(カウンター11席、テーブル8席)

個室

貸切

(20人以下可)

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

1台。近隣にコインパーキングあり。

空間・設備

カウンター席あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、ワインあり

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

オープン日

2012年5月8日

初投稿者

miimii7miimii7(111)

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