広島第三の世界遺産級。猿猴橋「純喫茶パール」で喫う。 : 喫茶 パール

ここ「純喫茶パール」を取り上げてる複数のブログに触発されて、行ってきました純喫茶修行。
純喫茶。
酒類を扱わない、純粋な喫茶店のこと。酒類を扱い女給（ホステス）による接客を伴う「特殊喫茶」に対しての呼称。
昭和30年頃から昭和50年頃までは、「純喫茶」と名乗る喫茶店が各地に多数あったが、現在は死語に近い。
以上、某辞書から転載しましたが「死語に近い」て・・・（；ω；）

ＪＲ広島駅南口から徒歩3分。
1949年（昭和24年）創業ながら、現在の建物は1957年（昭和32年）に建ったものだとか。

外観からしてすでに「一見さんお断り」オーラ全開です。
でも負けない。
入口のスイングドアを開けます。
「いらっしゃいませー。お好きな席へどうぞー。」
思いのほかやさしそうな奥さんの声。
入口入って左手には階上に上がる螺旋階段がありますが、これより先は準備中、って趣旨の札が下がってて上がれません。
2階・3階は今は営業していないようです。
（2階の貴重な画像は、ブログからリンクを拾ってください）
なので1階の、ずぅーっと奥までどんどん進んで手ごろな席に座ります。
奥さんがメニューと水グラスを持ってきてくれました。
小腹も空いてたので・・・

エッグセット（エッグトースト＋フルーツ＋コーヒー）　760円

ただし二日酔いのムカつきカルシウム摂取のため、コーヒーを牛乳コーヒー（別名カフェオーレ）に変更したので差額60円追加。
この牛乳コーヒーと、同じくメニューにあるミルクコーヒーの違いがよく分かりませんが。。。
オーダー到着までの間、しばしキョロキョロ挙動不審に店内観察。

正面に見える螺旋階段下に写ってるガラスケースの向こうが入口。
その左がレジ。
開業当時の写真（今回ほぼ同じアングルで撮ったのは単なる偶然ですが）を見ると螺旋階段の手すりがスケルトンだったようですけど、パンチラスポットになっちゃうからか物が落ちてきて危険だからか腰パネルが設置されたようですね。
右隅の窓に掛かってるのはスケスケネグリジェじゃなくピンクレースのカーテン。

赤色とも茶色とももはや判断できない色に自然エイジングされたソファは、どれもどっかり低くてクッションがヘタれてて、気をつけないとお尻がズボっと埋もれます。
おっと見落としちゃいけない。階段下の小便小僧。
開業当時は店内に花屋・池・日本庭園まであったそうなので、この小僧も本来の姿のように小便を垂れ流す、飲食店にあるまじき光景が楽しめたのかもしれません。
この景色から左に視線を移すと・・・

厨房を兼ねたカウンターが。
カウンターの上にはヒゲ文字で「COFFEEPEARL」と彫ってあります。
カウンターの中には普段はマスターが常駐されてるようです。
バックカウンターはなにやら古そうなことだけはわかるアンチークな“何か”、が大量に。
で、このカウンターのさらに左に視線を移すと、
大量のマンガ単行本の棚やら古びたテレビやら、ここにも上階に上がる階段やら。
そうこうしてるうちにオーダー到着。

・採取地：　「喫茶パール」　（広島・猿猴橋町）
・品書き：　エッグセット（エッグトースト＋フルーツ＋牛乳コーヒー）　760円+差額60円

銀盆、砂糖ポット、ステンレス製のホルダー付きホットグラス、切子ふうガラス小鉢、
「おてふき」、店名ロゴ入り注文伝票、か・・・。
なにもかもみな懐かしい。。。

ホットサンド仕立てのトーストに、茹で卵とキュウリのスライスとマヨネーズが挟んであります。
しかしトーストしたことでパンがしんなりと具にフィットしなくなり、結果、サンドイッチ本体を摘んでも挟まれた具がこぼれやすくなりました。
こぼれた具をピックアップするために爪楊枝が一本だけ差してあるのかな？
操作性以外はサンドイッチとしてはまずまずうまうま。

フルーツは、バナナ・ミカン・パイナップル・洋ナシ・マンゴー？などのカットフルーツのシロップ漬け。
バナナ以外は缶詰・・・ですかね・・・？
でもフルーツが高級品だった昭和40年代に思いを馳せればありがたみが3倍。

牛乳コーヒーは極めてフツーでしたですハイ。

今回はエッグセットでしたけど、喫茶店らしく他にもセットメニューが充実。
ハムとタマゴのロールパンサンドや、ハムトーストは、エッグトーストと同様にフルーツとコーヒーがセット。
普通のトースト、カレーライス、ハヤシライスは、サラダとコーヒーがセット。
他のメニューもミルクセーキやミックスジュースやクリームあんみつ等、「カフェ」には無い珠玉の純喫茶メニューが目白押し。
メニューに限らず内装やファニチャーなどにまだまだ味わうべきポイントが満載だと思われるこの「喫茶パール」。
一回の訪問だけじゃもったいない。
たぶんまた来ます。ヽ(´▽｀)/
遅々としてるとはいえ、昨年も再開発組合総会で再開発推進を決議するなど確実に解体着手が近づきつつある「広島駅南口Ｂブロック第一種市街地再開発事業」。
この「喫茶パール」が建つ敷地もどっぷり対象地。
味わえる時間的猶予は永くはないようだし。