ちょっとオシャレで健康的。 : リトルウッズ 白島店

NTTクレド白島ビルの１階にある複合商業施設「白島キューガーデン」


このエリアは、オフィスビルがあるので、お昼時になると会社員の方々が大勢訪れます。


また、この複合商業施設には、立体駐車場があり、各店舗で食事をすると１時間無料券が
もらえるので、ちょっとした食事なら安心して車をとめることができます。


しかし、この商業施設に入っているお店は、人気店を除き、入れ替わりが激しいのも特徴です。


そんななか、このお店があった場所は、以前（７～８年前）はたい焼き・たこ焼き屋さんだったような
気がします。客先との打ち合わせの帰りにたこ焼きを買って帰った記憶があります。


ウッディーな外観に魅かれ写真を撮っていると、お店の中から、私と同年代くらいの男性が
「よろしかったらいかがですか？」と声を掛けてきたので、とりあえず入店することにしました。


店内は、厨房を囲むようにL字型のカウンター席が約１０席。
あいにくカウンター席に鉄板はありません。男性店長が厨房で調理して提供するスタイルのようです。


男性店長に勧められ奥の席に座り、注文したのは、

・生ビール（中・５２０円→３５０円）…HAPPY　HOUR（17：00～18：30）に伴い割引き

・肉玉そばダブル（６５０円＋そばダブル１１０円＝７６０円）　　　　　　　　　　　　　　　　です。


注文を受けて男性店長が調理に取り掛かります。当然、私も調理する様子を観察です。


まず、丸く生地を敷き、魚粉を振り掛けるとキャベツ（やや細め）を丁寧に盛り付けます。
そして、その上から魚粉・少量の塩を振り掛けると、天かす・ねぎ・もやしと盛り付け、
豚バラ肉２枚にこしょうを振り掛け、最後に焦げ付き防止の生地のつなぎを垂らすと
２枚の調理ヘラでひっくり返します。


ひっくり返されたお好み焼きを見ると、生地は均一の厚さで色も適度な焦げ目がついており
なかなかの仕上がり。鉄板の温度は、標準的な２００～２２０℃というところでしょうか？


キャベツが蒸しあがるまで時間がかかります。男性店長が次に取り掛かるのは、麺の調理です。


麺は袋から取り出した蒸し麺（メーカーはわからず。色合いからしたらM製麺か？）。
鉄板の上に置かれた蒸し麺に少量の油・塩・ガーリックパウダーにオタフクソースを絡めると
丸く成形していきます。見たところ、特に麺をカリカリにすることもなく、どちらかといえば
麺本来の食感を大切にしているようです。


一方、お好み焼き本体に視線を向けると、キャベツはまだ完全に蒸されていない状態です。
ここで麺と合体させるのは早いのではないか？麺の調理を開始したのは早いのではないか？
と、頭の中で考えを巡らせていたところ、男性店長が次の行動を起こしました。


厨房の奥から取り出したのは…鉄板皿でした。
男性店長は、鉄板皿をまずガスコンロで熱し、ある程度、温度が上がったところで厨房の
鉄板の上に置いて、鉄板皿全体に熱が均等に行き渡るようにしていきます。


鉄板皿を熱している間に、キャベツが蒸されてきました。考えてみれば、お店の方は全てを分かった
上で調理されています。私が勝手に心配しても仕方がないことです。このように勝手に想像して
しまい申し訳ありません。（１人で勝手に反省です…）


男性店長は、お好み焼き本体を２枚の調理ヘラで持ち上げると、麺とドッキング！
その際、少しお好み焼き全体を持ち上げ、空気を入れているようです。


玉子を割ると、調理ヘラの角で黄身をつぶし、綺麗に丸く成形してお好み焼きと合体させ
ひっくり返し、鉄板皿にのせます。


最後、ソースと青のりを振り掛けて完成です。


注文から約１５分。肉玉そばダブルが私のもとに運ばれてきました。


鉄板皿にのせられたお好み焼きは、男性店長の仕事の細やかさが感じられます。
お好み焼きの下から飛び出しているヘラもなかなかオシャレです。


ちなみにヘラでお好み焼きが食べるのが苦手な方は、事前にお箸で食べる旨を伝えると
男性店長がお好み焼きを切ってから鉄板皿で提供してくれます。


では、早速実食です。
ヘラでお好み焼きを切って一口食べると、まず感じるのが、お好み焼きのバランスの良さ。
お好み焼きの表面（玉子）と裏面（生地）がややパリッとした仕上がりに対し、麺とキャベツの
部分は非常に柔らかい食感です。


調理ヘラでお好み焼きを押さえることはしない「ふんわり型」のお好み焼きは実に食べやすいです。
麺の部分は、蒸し麺本来のもっちり感を優先させているようです。甘いオタフクソースをガーリック
パウダーでピリリと仕上げて食欲をそそります。また、少量の油を使用していますが、後味はすっきり
としています。この油には何か秘密があるかも？これは後で聞いてみることにしましょう。


そして、じっくりと蒸されたキャベツは十分な甘みを感じると同時に、豚肉の脂の旨味も感じます。
また、キャベツと一緒に投入したもやし・天かすも完全に柔らかくなり、一体感がありました。


どこの部分を食べても柔らかく美味しいお好み焼きです。変化があったといえば、お好み焼きの
真ん中部分にあるネギの食感を微妙に感じたというところでしょうか。


ビールを飲みながら、お好み焼きを十分に堪能しました。


感想としては、「丁寧に調理されたお好み焼き」。


ここ最近、流行の「麺パリパリ」や「茹で麺」のお好み焼きではありません。味付けも奇をてらった
ところがないので、物足りない部分もありますが、逆に、時間をかけて丁寧に調理されたお好み焼きは
外れが無いといえるでしょう。


落ち着いた雰囲気のお店で、お好み焼きだけを食べて帰るのがもったいなかったので、男性店長に
「この日のおすすめ」を聞いて注文したのが、

・菜の花とベーコンの塩炒め（５８０円）　　　　　　です。


注文を受けた男性店長は、冷蔵庫から菜の花を取りだすと、水で洗い、包丁で半分に切ると、鉄板の上へ。
塩少々とお好み焼きで使用した油（少し多め）を振り掛けると、調理ヘラで手際よく炒めていきます。


それと同時に、ベーコンも包丁で切って同様に炒めていきます。


ひと通り、菜の花を炒めた後に、半円系のフタをかぶせて蒸していきます。


２分後、半円系のフタを取り外し、炒めたベーコンとあわせて軽く全体をかき混ぜて完成です。


お皿に盛られた「菜の花とベーコンの塩炒め」は、見た目にも美しい仕上がり。
菜の花の風味とベーコンの旨味を感じる１品は、ビールがよくすすみます。
あっという間にビールとともに完食です。


結構、油を振り掛けたのに重たさを感じない味わい・すっきりとした味わい。ますます油の
ことが気になります。


お腹も満たされ、他にお客さんもいなかったので、男性店長と少しだけお話です。
話の概要は下記のとおりです。

・お店は５年前に「たこ焼き・焼きそば店」だった場所を居抜きで購入。本当は、カウンター席も
鉄板にしたかったが、資金の関係で断念！


・鉄板席が無い代わりに、熱々のお好み焼きを食べてもらいたいので、鉄板皿を採用。ただし、お子様には
お皿で提供するようにしている。


・ランチタイムは忙しくなるので、奥様と２人で営業。夜は、鉄板料理メインで営業している。


・油は、「米油」を使用。普通の油やラードを使用すると、お腹にもたれるので、健康に配慮して米油を
採用している。


・麺は効率を考え、蒸し麺を採用。茹で麺は、時間がかかるうえに、出来映えにムラができてしまう。


・キャベツ・もやし・天かすは、多くのお客さんに対応するため、あらかじめ仕込みを行なっている。

とのことでした。


色々な事を考えている方です。


確かに、１つ１つの作業を終えたら、必ず手を洗い、食材や食器類はきちんと整理されていました。
厨房内の動線もきちんと確保され、飲食店を営業するうえでの心構えができているようでした。


ちなみに、私が今飲んでいるお冷もレモンの切れ端が入っています。後味すっきりです。

こんなに雰囲気の良いお店だったら、若い女性客が多いのだろうと男性店長に聞いてみたら、
「いえ、残念ながら…。実は、年配の男性客が大半なんですよ」とのこと。

どうやら、私は飲食店の経営には向いていないようです…。


支払い代金は、１，６９０円。「よろしかったら、またいらして下さい」と言われお店をあとにしました。


お好み焼き単体としては、平均的ですが、鉄板料理＋お酒という観点からすれば、雰囲気が良い
お店だと思います。


最後、いじわるな私は、お店を出たあとに、外の窓からお店の中を覗いてみました。

男性店長は、私を見送った後、すぐに厨房奥で手を洗っていました。お金を触った後で、食材に
触るのはあまり気持ちが良くないでしょう。もしかしたら年配の男性客が多いのは、このような
ところを見ているから？と、ふと思いました。


また、この雰囲気を味わうために再訪問すると思います。


美味しくいただきました。ごちそうさまでした。